|
|
■2005年09月14日(Wed)
思い出に負けた。
|
アドベントチルドレン初回限定版購入しました。 初回限定版は、映像特典あると思ってたんだけどパッケだけ違うらしい。 限定版以外にも特典版と言うのがあって、こっちはフィギュアにTシャツにインターナショナルにアニメOVAがついていたらしい。 ネットで見たインターナショナルの専用スタンドはべらぼうにカッコよかったなあ。 もち、値段もべらぼうですが、フィギュアやアニメの完成度は十二分に高いらしく、今思うとあっちを注文しても良かったかもなあと後悔していたり。 今買うとすげえプレミアついてそう...
(以下、微ネタバレ)
クラウドの剣すげーーーー!! 最大六本まで分離可能な大剣って、破邪百獣剣も真っ青だよ! アレかっこいい、アレ欲しい。て言うかあれだけでDVDの元が取れたようなもんだよ。
いやあ、おもしろかったです。 アクションばりばり。八割ぐらいアクションでもー目が回る回る。 個人的には召喚獣やらマテリアやらリミットブレイクやら、FFの大げさな戦闘スケールをほぼ忠実に再現できているあたりが物凄く嬉しかった。 何とは言いませんがアニメになったとたんいきなりエフェクトやら効果がショボくなるゲームって良くありますし、ああいうのって作り手側が思ってる以上にがっくり来るんですよね。
ジェノバってなんだっけって思いながら見てましたが、そういうことはどうでもいい。とにかく懐かしいやらカッコイイやら。 ストーリーはほとんど覚えてないけどそんなことどうでも良いぐらいに迫力満点で見応えがありましたさ。 と言うか、ストーリーは基本外伝(あるいはAFTER) 的な作品だし、そんなことより主人公ズのその後やフルCGのアクションを素直に楽しむべき。 正直字幕追っててもストーリー難しかった。
にしても、ティファはじめ女性陣はめっちゃ可愛かったなあ。 ユフィの船酔いに思わず笑みがこぼれたり。 マリンだけ微妙だったかな。 ティファの格闘もクオリティ高くてよかったです。かなり無重力でぎゅいんぎゅいん回っていましたね〜。ミラ・ジョヴォヴィッチや水野真紀でもああは行くまい。 ヴィンも変身こそしなかったけど、ミュータントっぷりは遺憾なく発揮していました。携帯持ってないことをアピールする辺りが微笑ましい。 タークスもまあ、そこそこ出番あったかなあ。 お笑い担当だったけどw
(おまけ) CMも入っていました。 内容は、ACのトレーラーと、近日発売のヴィンセントのアクションゲームと、現在配信中のタークスの携帯ゲーム、それから...あ、アニメ? どうやら特別版についていた、ザックスイベントをまとめたOVA 「LAST ORDER FINAL FANTASY VII」のダイジェストらしいです。 ついでに今後発売されるザックスメインのゲーム「クライシス・コア」 のCMも兼ねているようで。 もしかしたらアニメは究極限定版(約二万円)でしか見られないのかもしれない。
ヴィンセントのゲーム(ダージュ オブ ケルベロス) にユフィが出てました。 あ、衣装ちょっと違う。 ゲームの方ではリーブさんがもう少し活躍するそうで、その辺も見所かなあ。 他のキャラも出てくるようです。クラウドだけ映ってなかったのが気になります。スピンオフによくある本編主人公は顔見せ無しだったりして。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「ば、馬鹿な」 盗賊団の親分はうつ伏せで土を舐めながら、うめく。 「な、なぜ40人もいた盗賊団がこんなガキ一人に壊滅するんだ!」 「ほんと。なんでだろ...」 少年は周囲――残らず倒れふす盗賊達を眺め、ぼやく。 「紙幅が少ないからでしょう。行間を読みなさい」 「7000文字ぐらいありそうだよ、おばさん」 おばさんと呼ばれた女性は、拳をデューの頭上に落して、ディアストーカーをかぶりなおした。 縄で擦った手首を軽く撫で、コートの懐から古ぼけたパイプを取り出す。 「全く、ようやく落ち着いたわ」 「煙草なんてとうに切らしちゃったくせに」 悪態をつきながらもデューは頭を抑えて涙ぐんでいた。頭が痛いのもあったが、それ以上に拳骨を打ちおろすという動作に絶対的な身長の差を浮き彫りにされているのが痛かった。 「ああ、デュー」 そんな少年のコンプレックスもつゆ知らず、妙齢の女性は大仰に嘆く。 「お金を切らしたのは誰のせいでしょう。 先日アレほど苦労してアジトを見つけ追いこんだ賞金首を、あやまってアラスカ行きの運搬物に詰め込んでしまったのはどこのどなたでしょう」 「そ、その話はいいじゃんか。“しふく”が足りないんだろ?」 「...と、そうでした。そこのあなた。見たところ開拓移民の開拓を終えて職を失って、結果盗賊になってしまっていた一団ズ」 「な、なんだ」 「正解なのかよ」 ぼやく少年。 「その通り立ちくしょう! 悪かったな」 「悪いには悪いですが、本題は別です。 いくらそこな間抜けな少年がカモラと喧嘩して目立ったとはいえ、それで保護者である私が盗賊団にさらわれる理由にはなりません」 元々喋る気力すらなさそうな男は、それで言葉を失った。 叔母さんは、ディアストーカーを被りなおして、不適に笑う。 「良いでしょう。縛られてもないのでだんだん考えるのに飽きてきました。 あなたが足を洗うというのなら、非礼は目を瞑り、とっとと事件を解決して差し上げましょう」 「おばさん!?」 「いいのか、お...」 「私はまだ二十代ですっ」
(アリバイと40人の盗賊)
| | |
|
■2005年09月13日(Tue)
今週の購入物
|
「男爵校長」購入。 もえよんの4コマはこれで最初で最後かもしれないなあ、としみじみ。 男爵校長は廃刊したもえよんの生き残り組の一角。 まんま、萌え四コマ雑誌に連載されていた4コマですが、4コマとしてもしっかりオチがついていて面白いです。 というか、4コマとして面白くないと買わないんですが。
何と言うか絶妙の間の取り方、全コマボケっぱなし、ありえないオチ(と校長)等、ツボな要素が多くて素敵。 よく分からんがキレがある、そんな四コマ(どんなん) 青先生単体のネタが一番好きかなあ。
青井「今日はパン工場見学です!! みんな行儀よくするように!! パン工場を甘く見ると 思わぬ痛手をこうむるぞ!!」 アリカ「フランスパンで殴られるに違いない!」 青井「いや、それはないだろうフランスじゃあるまいし!!」
この手の多段ボケばっかりなのが男爵校長の味。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
砂と埃にまみれ、金髪はもはやただの黄髪になりつつあった。 頭頂から微妙にずれたディアストーカーの位置が気になるが、手が届かない。 つくづくやるせないとは、このことだろうか。
「...街入っていきなり拉致されるとは思わなかったわ」 「ふ〜ん。おばさんでもそう言うことあるんだ」 返ってきたのは少年の声。そろそろ声変わりするかしないかと言うぐらいの中途な高さのよく通る声。 彼女は、目を閉じて嘆息する。 何かを呪うかのように、とはいえ何をも恨まぬようにと。 「デュー、聞きなさいデュー。あなたには三つ言っておくことがあります。 まず、私はおばさんではありません。 次に、拉致されることを想定していなかったとは言っていません。 最後に、私がこうして地元でもお尋ね者の盗賊団に捕えられたのは、あなたが見境も無しに地元のカモラと喧嘩をしたからです」 ひと言ひと言、噛んで含めるように説きふせる妙齢の女性。 デューと呼ばれた黒髪にネクタイジーンズ姿の少年はひとしきり考えた後、 「30歳はおばさんじゃん」 「よりにもよってそこにだけ反応しない! それに私はまだ20代です!」 自称二十代の女性は怒る。 後ろ手にぐるぐる巻きにされたままなので眉だけをつり上げて。 対して黒髪の少年は、肩をすくませ、 「それにカモラじゃなくてマフィアだし。言葉はちゃんと使おうぜ」 「どっちでも一緒でしょうに」 「全然一緒じゃないことない。新しい言葉を認めないようになるのは、歳を食った証拠だぜ、おばちゃん」 デューの悪たれ口に妙齢の女性は目眩を起こしたかのように首を振り、 「ああ、デュー」 嘆く。「どうして、こんなに小憎らしく育ってしまったのでしょう。 きっと私以外の“教師たち”全員の責任でしょうね。そうに違いありません。 それとも“あの両親”のどちらかの血がそうさせているのでしょうか。 わたしは、あなたの叔母として悲しくあります。情けなく思います」 「自分がおばさんって言うのはいいのかよ...」 舞台役者もかくやの大仰な台詞に、バツが悪そうに頬を掻くデュー。 それは自己の不徳で家族や教師を引き合いに出てきてしまった居心地の悪さで、 同じ言葉を他の誰かが言えば少年は烈火のごとく怒っただろうが、 彼女のぼやく分にはデューはめっぽう参ってしまうのだ。 彼女もまた、デューの家族で教師だから。 「けど、いたずらと言葉遣いに掛けては、ほとんどおばさん譲りだと思うんだけどなあ」 「嘘を言わない。私があなたに与えたのはもっと崇高なモノです」 「崇高なモノ?」 不信気に、少年。 「ええ、」 自信満々にぐるぐる巻きの彼女。 「じゃあ、その崇高なモノは...」 ぐるり、と少年は周囲を見回した。 そこには、先ほどから無言でデューとその叔母を二重にも三重にも囲みナイフや銃をを突き出している、 ――盗賊団の面々。 「この状況をなんとかできちゃったりするのかな」 冷や汗を垂らすデューに、 「もちろん」 彼女は欠片も疑わずにそう答えた。
(「アリバイと40人の盗賊」)
| | |
|
■2005年09月12日(月)
ほっとけないらしい。
|
ホワイトバンド運動をご存知でしょうか。 300円で白いわっかを買って、世界の貧困を失くそうと言う運動です。 世界でも割と有名で、各国はおろか日本でもかなりの著名人がこの運動に参加しています。 最近ではCMもやっていましたし、もしかしたら店先で並んでいるのを見たことがあるかもしれません。 またそうでなくても、
「3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。」
と言う衝撃的なコピーを何度か耳にしたことがあるかと思います。 あれはこのホワイトバンド運動のコピーです。
本サイト http://www.hottokenai.jp/
この運動の趣旨は、要約するとホワイトバンドを身につけ、「私は世界から貧困を無くしたいと思っている、」 と言う意思を示すことだそうです。 バンドには3秒に1人を示す「***」 の刻印がされていて、逆に言えば「***」さえあれば、白い紙テープでもいいらしいです。 運動の参加者は、このわっかを身につけることで、自動的に意思を示したことになります。 世界中が白い輪だらけになれば、きっと世界は(政府は)おのずと貧困を見逃さないだろう、みたいな趣旨ですね。
白いバンドと言う辺りに、どこかファッション的な感がありますが、 「ファッションでもいいじゃないかやらない善よりやる偽善だ」 みたいな部分も多分に含んだムーブメントと言えるでしょう。
さて。
「偽善も善」 と言う奴が嫌いです。 偽善の意味を吐き違えてるのが嫌いです。 自分の善に自信が持てていないのが嫌いです。 何が善かの判断を考えもせずに放棄しているのが嫌いです。
ゆえに自分はこの運動がある意味で根本的に嫌いです。
まあ、それはさて置き、 このホワイトバンド運動にはこんな噂があります。
http://whiteband.sakura.ne.jp/
最初に脳裏をよぎったのは、例の「緑の募金」 でしたが、まあそこまで悪辣なものでもないとは思います。...思いたい。 でも、「日本のホワイトバンドがやたら経営に不自然な点があること」 と、「払った金ではアフリカの貧困な人たちは一人も助からない」 と言うことだけは知って置いた方がいいと思います。 ついでにアメリカと集金目的と最終目的が違うことも。
少なくとも自分は、白い輪を巻くような事はあっても(ないけど) 本屋で売っている日本の白いわっかを買うことはないでしょう。
(つ〜かCMって、どんだけ儲かってねん)
参考:http://wsn.31rsm.ne.jp/~chapel/mt/archives/200508/17-222528.php | | |
|
■2005年09月11日(日)
せんきょー
|
選挙行ってきました。 ちょっと人増えてたかな。 結果は自民大躍進って奴みたいで。 いやはや、 ...まあいいか。望んだ結果だけどすごすぎるなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
選挙特番、関西ではMBS(ローカル)とTBSが圧勝だった模様で。 他所のローカルがどうだったのかは知りませんが、関西はちちんぷいぷいが選挙特番を受け持ちましたからね。そりゃ強いですよ。 ちちんぷいぷいの関西での人気、番組制作力、公平性、説得力が如実に出た感じになっておりました。 あと、普段右寄りの癖に画面上のテロップ(視聴者メール)が反自民のコメントばっかりなのに笑った。 T(筑紫)BSはすごいよ、うん。
堀江VS亀井が接戦だったのが印象深いというか、浮動票、若者票、ついでに広告効果の恐ろしさがじわじわと出てきたようで。 にしても、民意って奴がようやく現れてきた結果だと言うのに、それを「国民は小泉に踊らされている」 みたいな風に結論付けるマスコミ陣営はいかがなものか。亀井さんも言ってたけど。 裏を返すまでも無く「国民は考え無しの馬鹿だ」 と言ってるわけで、一番国民を馬鹿にしてるのって、結局そう言うやつらなんじゃなかろうかと思ったり。 そんなだから、ちゃんねらはマスコミを敵視するんじゃないか。 朝日の捏造なんてのも、自民票につながったんじゃないか。
反郵政法案、野党、マスコミ全てを纏めて「改革を止めるな」 と叫ぶ小泉さんに投票しようと思うのは当然の流れだったんだろうなあ。 民意って奴が思っていたより纏まって揺らぐ(二極化しにくい) ってことが、今後の問題だろうか。 | | |
|
■2005年09月10日(土)
瞳を綴じて。
|
こええよ。
書くことがあんまり無いので、そろそろまた別の文章でも載せていこうかなあ。 ただよしの更新は、次回は早いはず...きっと。 この話終わったらもうちょい気楽なの書きたいなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
のまねこ問題ついにヤフートピックスに。 あ〜明後日にはすっかり忘れ去られてそうだ。 選挙。 自分は支持政党があるので行きますが、だからと言って他人に選挙に行こうとは言いません。 前回言ってるけどw と言うか、その前回で懲りたんですけどね。 自分、前回(参院選) の投票激しく後悔してるからなあ。 うかつに行って後悔から学ぶってのも手だろうけど、やっぱ支持政党ぐらいは先の先を見通さないと駄目かもしれん。 あとあとずーんと響くから、覚悟を決めて行くべきですね。 組織票の水薄めるためだけでも、とにかく行こーぜーみたいなことは、まぁさすがに言えなくなりましたとさ。 白紙投票で意志を通すってのもあるか。 そういや、最高裁判所裁判官 国民審査なんてのもあったっけ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
亨。...なんか明日夢っぽい? 自分の中ではイメージ通りだけど、文章から得られる雰囲気とはちょっと違うかもしれない。 |  | | |
|
■2005年09月09日(金)
めんぼう。
|
 | たまに思うが、自分の絵って個性が無い気がする。 だからって別に個性が欲しいわけではないけど。 ようするに、名無しの絵を見ただけで、ああこれは しゃんぐさんの絵だなって思う、みたいなのが無さそう。 更に言うと文章にも無さそうなんだよなあ... 新発見・即戦力主義というか、ころころ作風変るからなあ。 しかたがないとはいえ、影響を絞らななあとも思ってしまう。 まあ、んなこと言っても個性って本人は気づけないもんだし、 しらないうちに出ているのかもしれないけど。 たとえば、線の雑さ詰めの甘さ塗りの下手さ、とか。 −要素ばっかりだな... | | |
|
■2005年09月08日(木)
わからなかったアレが即わかる!
| |
| |
|
■2005年09月07日(水)
スライムベホマラー
|
■「ツンデレ」も現代用語で「テラワロス」 はてなは9月6日、新語辞典「現代用語の基礎知識2006」(自由国民社)に掲載される予定の「はてなダイアリーキーワード」が決まったことを明らかにした。
選ばれたのは約100語。「萌え属性」「ツンデレ」「ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」といったオタク語や、「地上波初登場」「政権担当能力」「ママさんダンプ」なども。「珍走団」「DQN」や「テラワロス」「改革Tシャツ」など、採用語の誕生時期は新旧さまざまだ。 参照リンク テラワロス 「地上波初登場」 より「全米が泣いた」 のほうがいいなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
階段を下りきる直前で、カイはその気配を感じた。 一階の階段は地下もなく、地下があるとするならば階段があるはずの部分は、ちょうど袋小路となっている。 その袋小路を、カイは手すり越しに見下ろした。 袋小路には、放置された机と椅子が転がっていて、その机に…隠れてるつもりなのだろうか。小柄な少女がうずくまって震えていた。 下級生だろうか。本当に小柄な生徒だ。 片側に付けた大きめのリボンといい、なんと言うか小っちゃな動物みたいだ。 あの、リボンは見覚えがある。どこだったか… いや、それより。 震えている。すなわち、危険に瀕している。 イコール、危険が迫っている。 そして、それらしき物が廊下を駆けて来て、 「――こんなところにいやがったか!」 机のひっくり返るような音。 残響が喧噪もない校舎内に良く響いた。 「いや、いやぁ!」 そんな悲鳴を上げて四つんばいで逃げようとしている。 男――これもたぶん下級生だろう。これと言った特徴もないが、青のブレザーと、右耳にピアス。少し不自然な日焼け。 血眼になって少女を追いかけてきたといった感じだったが、よく見れば実際、瞳にびっしりと赤い線が蜘蛛の巣のように這っていた。 明らかに正気ではない。
よくは判らないが―― いや、まあよく判ってからでは遅すぎる気がするが。 「…とりあえず、男の方をはっ倒しとけばいいか」 カイは手すりを飛び越えて男に延髄に蹴りを入れた。 ちょうど机に近づこうとしていた男はもろにそれを喰らって、あっさりと気絶をして。 「やば、やりすぎたか…? そういや今の俺の身体って、金属やら何やらが入って重くなってるって比沙に言われたような」 少しだけ蒼くなって、呼吸を確かめる。 だいじょうぶそうだと判断して、カイは少女へと振り返ろうとして、 ゴン―― と、音がして。目の前が明るくなる。 頭蓋骨が揺れた。 ああ、これは気絶しかけてるんだな。とぼんやり考えてから、 ――少女に椅子を投げて、そのどこらへんかが後頭部にぶち当たったのだと思い至った。
暗転。
(ただよし)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
一カ所、だろうだろうと連発している部分がありますね。 自分はこういうの気になって仕方ないのですが、実際のところこういうのは誰も気にしません。 文章書く人がどれだけ読んでいるかは知りませんが、 地文の語彙は基本的に少ない方が良いです。 むしろ使う語彙を絞った方がいい。 テンプレートみたいなのを作ってもいいでしょう。
語彙が豊富でなければならないのは台詞。 あるいはここぞという描写。 まあ、それが難しいわけですが。 | | |
|
■2005年09月06日(火)
よくわかる魔法講座。
|
購入したモノ
「お願い朝倉さん 5」 「ふぁんきーサーバント 2」 「魔人探偵脳噛ネウロ 2」 「デスノート 8」
ふぁんきーサーバントおもしろいなあ。 ネタも新パターンが増えたし、使い回しと繰り返しの微妙なバランスをしっかり保っているし。 と言うか、伊勢崎さん含め戸籍課の雰囲気がめっちゃ好き。 こういうのが何回も読める四コマ漫画なんだよなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
うぃ、魔法講座です。 「はぁ」 ちなみに魔法と魔術の違いはありません。 あったような気もするけど、今の気分ではなかったことに。 「はぁ。浅墓ですね」 なにがいな。 で、ええと、魔法ですが全編に共通して言えるのは念動力と回路を使うと言うことで、まあぶっちゃけ電力とコンピュタープログラムなわけで、些細な力を素に複雑な歯車を回すことで様々な仮想現象を発言させるという... 「? どうかしましたですか?」 あ〜だめだ。やめよう。 「はぁ、やめるのですか」 やっぱね、演出は大事。 この手のは、ちゃんとしたところでちゃんとした扱いで説明してこそ外連味ってのが出るんだよ。日記とかでやってもなあ。 「しかしそのちゃんとしたところがないわけですが...」 まあ、それもそうかあ。 なんか作ろうかな、用語辞典とか。 数が揃えばはったりとなるとは思うんだけど。 「...先ずは、キャラクターを紹介するコンテンツの方が優遇されるべきだと思われますが」 よし、じゃあそれがオチで。 「はぁ、浅墓ですね」
(終わり)
| | |
|
■2005年09月05日(月)
書くことをやめてはいけない
|
ネウロは面白いなあ。 ヒステリアは赤ちゃん抱えた人かなあ。 赤ちゃんが爆弾と言う展開。 ダメだ、普通すぎる。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「最近、何も書いておられませんね」 まあ、昨今の反動と言うか。なんというか、下々も忙しいし。 「世間の目が萌え絵のサイトになっちゃいますよ」 それはまたなんだか人格に不当なレッテルを貼られているような。 「萌え絵がですか?」 いや、絵やのうて小説のサイト...うち。 「はぁ、浅墓ですね」 なにがいな。 「絵をみて来られるお客様の方が多い気がしますが」 いや、一応小説の方が多いのだよ。 極力、絵で宣伝しないように気をつけてるし。 「はぁ」 それはともかく、ぶっちゃけネタがつきた。 「でもまだ、ワイルド・ディキシィが残っているのでは」 あれは思い出したようにじっくり書きたいからなあ。 「ただよしを書いてみては」 それはコソコソやってる。 「以前の三人娘さんのお話などは」 なんで、屍骸術師シリーズを出さんのかは知らんが、あの三人娘もなあ。 書くとしたら一冊物で挑戦してみたいね。 「はぁ、一冊物」 うぃ、文庫一冊を想定した長編。ところで文庫一冊ってアニメだと何話分なんだろうね。 「はぁ、あにめですか」 ...人選ミスったかな。現代人にすれば良かった。 まあ、長編を書くにしろ、そろそろまとめてファイリングしといた方がいいんじゃないかと思うもんがあるんだけどね。 「なんでしょう」 世界観。 「それはええと、浅墓ですね」
(充電中)
| | |
|
■2005年09月04日(日)
きっと素敵な宇宙船。
|
吹雪と亜里抄 説明しますと、胸のつかえが取れて上機嫌の吹雪と、同級生に向かって「尊敬している」 とかもにゃもにゃ言ってしまったせいで今更になって恥ずかしくなってきている亜里抄。
1年後、亜里抄は演劇部の部長になるのでした。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
エウレカセブンがだんだん訳のわからない方向に...
| | |
|
■2005年09月03日(土)
Flyaway...
|
Replay
 | が〜。時間かけてしまった。 特に誰でもありません、な絵。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「テニスの王子様」テニス呼称を差し止め申請をぐぐる
うわ〜。増えたなあ。先週まで三件もなかったのに。 男爵ディーノさんとこは毎週良質のジャンプ感想を書かれるところで(特にテニプリ) 自分も楽しく読まさせていただいております。 なワケで、ネタが広まる前からネタの発生源を知っていたわけで。 ああ、こうやっておもしろいモノは広がっていくんだなあとなんだか新鮮な感じ。
はてなとmixiを見る限り、4割近くだまされてるようで。 まだ初期段階だからかな。 どうでもいいけど、ネタニュースって騙されたら「騙されたorz」 っていうのが一番軽傷で済むと思います。 どう考えても騙されているように見える文章なのに、あとから「いや知ってて書いてるよ」 とか言われてもなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
早売りジャンプ情報。 幻想水滸伝V発売決定。
って、ファレナの女王国かぁ。 正直4でやればよかったのに。 今回はいつの時代だろ。 例の事件の話かなあ。だとしたらゲオルグ・プライムがキーパーソン? 4様は登場するのかなあ。 4様結構好きなんですよね。主人公集団の中では坊ちゃまの次ぐらいに。その次はゲドかな。
なんにせよ、ローレライは出て欲しいかな。 | | |
|
■2005年09月02日(金)
秋に桜、だからコスモス。じゃあ、秋に桜が咲いたらなんて呼べば良いんだ。
|
Replay
ノベルの方、更新してます。 次はただよしかなあ。
タツマ・アヴェル(21)
極度のめんどくさがりや。 そのワリに面倒見が良い。 趣味は料理と禁煙。
21才で警部補とエリート官僚族であるが、既に出世路線からは外れている。 人付き合いのいい加減な人間で、他人の生き様にとことん踏み込まないし干渉しない。ことが丸まればそれで良いと言う考え方のため、常に無難な選択を選びがち。無難であれば何でも良いため、時に人としてそれはどうだろうという行動も平気で取る。 ギャルゲーで常に最悪の選択肢を選ぶ感じ。 そこそこの要旨と、警部補という地位と、一応礼節をわきまえているという美点がなければ、ハブにされていることだろう。 警察内では、その仏頂面からかなり怖がられている...様に思われているが、いかんせんまだまだ若手な事と、ルイスが適当にタツマをいじることで特にとげとげしい感じもなく、「ああそう言う奴なんだな」 と受け止められている。 メイのことは世間知らずの妹が増えたぐらいに思っている。
嫌いなモノは沈黙(ただし自分以外) で、賑やかな(ただし自分以外) 場所が好き。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「はちがつのゆき」 読了。読了〜 すんません、さすがに本編スキップしたよ(泣) 歌のイベントが見れなかった気がしたから、フラグとかあったのかな。
はちがつのゆき感想
あま〜い! 初孫を抱くおじいちゃんぐらい甘い話だよ小沢さ〜ん!! 干し柿級にスウィートな話でした。 糖尿出そう。
相変わらず、こちらがどういう気持ちになって読んでいるのかを理解して創ってるなあと思いました。 見せ方とか、余韻の持って行き方とかが抜群に上手いです。 って、こんな制作側視点な感想言うから物書きって駄目なんだよ。 とにかく感動もんです。かき氷とか言ってる場合じゃないですよ(笑) | | |
|
■2005年09月01日(木)
九月なのに“セプテン”バーっておかしくね?
|
むきりょく感にて「ごがつのそら」のNScripter版が、おまけシナリオとイラスト増量でアップされました。 しっかし、またサーバーが「状態:しに」 です。 人気のバロメーターとはいえ早急な復活を願うところ(笑)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
質問があったので、なぜなに世界観解説。 こういうのは、聞かれない限りやらない方が無難かもねえ。
【才渦の時代】・・・ ようするに、「ただよし」 直前の時代。 世界がピンチになって、人類がやる気を出した時代。 概念として、地球の抗体反応――例としてあげればアルケミスターズ(ウルトラマンガイア)や人類の決戦存在(ガンパレ) の発生が近いが、一部に天才が発生したわけでなく、みんなが天才となった――つまり、一般兵もやたら優秀だった点が大きく異なる。
【模倣素体】・・・ ジーン・オブザーブド・ラーニング・マテリアル=マヌカン 直訳すると、「遺伝子を観測し学習する素体or人形」 頭文字をくっつけると「Golem」 となったりならなかったり。 ようは、コピーロボット。鼻は赤くない。 研究が間に合わず、最終戦に投入されたのは一体のみ。 戦後ちょっとだけ研究されるも、材料費がアホみたいに高く結局お蔵入り。何体かが封印され、あとは廃棄された。 フブキも開発に携わったため、一体だけ持っている。 実は「ただよし」 登場済み。 おまけの挿絵〜。
|  | | |
|
■2005年08月31日(水)
野外ステージでジャズを聴く。
|
 | あ、やべナエさん黒髪だよ。 オークノートのアジア系は全員黒系だったっけか。
終了。 別に謎解きじゃないけど、謎の配置がいまいちかなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
埠頭。 消波ブロックの上で潮風に白衣をはためかせるナエさん。 遠くから聞こえる汽笛の音、そろそろ明るさを増してきた灯台の光が時に港を照らす。 「悲しい事件だったな...」 「べつにそうでもなかったような」 叙情的な歌謡曲が流れてきそうな雰囲気で呟くナエさんに、おもわず口を挟むタツマ。 なにゆえこんなところで、そんな雰囲気に浸っているかというと、倉庫の方は盗掘団を捕まえに来た警察の応援でごった返しているからである。 後々、事情聴取は必要ではあるが今はそれどころではなかった。 「いいから、そう言うことにしとけ」 「そうは言われましても」 所詮、この話は間の抜けた事故だ。 成果と言えば、盗掘団が暴行未遂で逮捕されただけ。 上手くいけば殺人の容疑も追加されるのだろうが、 「結局貧乏くじを引いたのは、ハーシィなんでしょうね」 人形と鍵を、あるいは口の鍵穴を見つけなければ、忌まわしいデストラップに引っかかることもなかったであろうに。 「腕が噛みちぎられてもなお“施錠”をしたプロ根性は認めたいがな」 どの辺がプロ根性に当たるのかがよくわからないが... 本人は「いやもう無我夢中でさぁ。頭パニクってとにかく口から手を取りもどさなきゃとかしか思ってなかったんだよなあ。もうちぎれてるっつーのに」 と言っていたか。まあ、名誉のために黙っておこう。 どうにも死後でも会話をしているせいか、いまいち神妙になれない。 海を向いたまま、ナエさんは「まあ、そうだな」 と呟いた。 「ウチら技術者にしてみれば自業自得なんだがな、 未知に挑むのも、術を会得するのも含めて――」 それを求めても仕方あるまい。言外にそう含んでこちらを向く。 「人間、鍵が在れば試さずにはいられない。ウチとて同じだ。 だが、あの鍵は壊れて...いや壊されていた」 金製の鍵は、櫛が一本折られヤスリがかけられていた。明らかに人為的な細工だった。 「遺跡の保管者か、バイヤーか、はたまた盗掘団か。 誰かが未完成な装置の暴走をおそれ、意図的に壊したのだろう。 そうすれば、あの殺人装置は動かない。タダの美術品だった。 しかし双方に運の悪いことに、彼氏は魔術で鍵を無理矢理開ける方法を知っていた」 そして、ハーシィは鍵穴に鍵を詰めたまま、 ――その鍵を抜いて手に握り――、 腹を刺され、嵌めていた指輪型の“杖”を起動させ、手首と杖と鍵を噛みちぎられ、飲み込まれた。 「なまじ鍵を開ける手段を知っていたため、迷わずにそれを選択した。 ――人間、手段が在れば試さずにはいられない」 波音と潮風が耳朶を打つが、ナエさんの声は不思議とよく聞こえた。 「だから結局、彼氏に人殺しのスイッチを押させたのは、本来あり得ないはずの鍵を開ける手段、不可能を可能にする力――魔術だ」 そして科学もな、と呟いて、ナエさんは消波ブロックを跳んでタツマの側による。 「だがなタツ。不可能と言うことには、不可能で在るなりの意味が存在するんだよ。鍵が壊れていたのにも意味があったのと同じく、な」 タツマの背中を少し眺めて、歩き出す。 「ゆめゆめ、気をつけんといかんぞ...お互いにな」 背中越しにそう聞こえた。 ナエさんの足は灯の多い倉庫へと向かっていた。 そろそろ、警察の逮捕劇も一段落付いてる頃合いだ。 「...そうですね」 タツマもそれに習って歩き出す。
無理が通れば、道理が引っ込む。 道理が引っ込めば、危険が舞い込む。
タツマの肩で寝息を立てている少女は、果たしてそれに気づいているのだろうか。 夜に近づく風がどんどんと背中以外の体温を奪う。 「とりあえず、コートを新調しないとなあ、」 と、タツマは考えるのを止めて、ため息をついた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月30日(火)
お茶を飲むよりa-chi-a-chi アドベンチャー!!
|
 | 夏・雪で連想できるのがかき氷ぐらいしかない...
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
おお、ナエさんは反応が良いなあ。
「殺し屋」タマちく. 「やりすぎ射手と燃える森(六門リプレイ3)」
購入。 六門リプレイカラー挿絵がないなあ。 何故?
殺し屋は...おお、アクションコミックスだったか。 どうりでキララとかじゃ踏み込めないネタが多いと思った。 こういうブラックなところはブラックな漫画も好きです。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「ミートカーソル・オン!」 言うがいなや、ナエさんの斜め正面、膝から胸にかけてに長方形のラインが浮かび上がる。 キキキキキキキキィ―― ガラスが高速に研磨されるような叫声が響いた。 「見えた! 撲殺――プリズム打法!!」 咆哮のままに、ナエさんは空中に浮かぶストライクゾーンに神速のスウィングを叩き込む。 白い閃光が生まれ、爆ぜた。 次の瞬間、閃光が白球の形へと収束し高速で叩き出された。 ピッチャー強襲のライナー・ドライブ。 白の球は、空中でまさにプリズムのごとく七色の球に分割する。 そのそれぞれが、あらゆる方向から、 ――コートを被ったまま立ち上がった人形に突き刺さる。 燃えた、凍った、たぶん痺れた、爆発が起こり、空間が歪み、カマイタチがコートをずたずたに破く。 その度に人形は弾けたり跳ねたり踊ったりしたが、最後に紫色の波動がみよんみよんと放たれたときだけは何のダメージもなかった。 「ち、さすがに精神干渉波は効かねえか」 毒づくナエさん。 金属バットを再び構えて、また同じ打法(?) を繰り返す。 相手がまだ動けるかとかそう言うのは確かめないらしい。 「コート弁償してくださいよ...」 「経費で落とせ」 落ちるかなあ。 あのコートもかなりじょうぶなほうだが、さすがに燃やされ切り刻まれては耐えられるはずもない。 「盗掘団やっつけたのもそれですか」 「おうよ。テロ殲滅武器マイナス5号「ブライアント君」 だ」 「...とりあえず、7号から6号までの間に何があったのか知りたい」 「特徴としては、テロを殲滅した後に高校野球にも出ることが可能だという」 「高野連が許しませんよ、んなモン。というか、あ〜」 タツマはコートに別れを告げながら、メイに向き直った。 「ゆっくりでいいから、無理しないでいいぞ」 「はい」 とメイは、術に集中していてそれどころではなさそうではあったが、額に汗を流してそう答えた。
「<施錠>」 淡く光る杖の先端(地面に付く方) が、もはやピクリとも動かない人形の胸を叩く。 音を立てて何かが巻かれる音。 人形の口が開いてぽっかりと空洞を見せる。 体中のトゲや爪が引っ込み、最後に腹の刃が腹に収ま...ろうとして、収納部のどこかが歪んでしまったのか、ガッと音を立てて戻らない。 「これ、やり過ぎなんじゃないですかナエさん...」 人形は、もはや原形をとどめていなかった。 腕はちぎれ足は奇妙な方向にねじ曲がり、木製の皮膚は裂けて中からケーブルやら回路っぽいのが見えている。 マネキンがマンションの屋上から飛び降り自殺でもしたら、こんな風になるのではなかろうかとそんなことを考える。 「しかたなかろう」 ナエさんは、バットを肩にふんと鼻息をたてた。 「油断したら、不意打ちで死んでしまうパターンだぞ。お前が」 「おれ確定ですか」 「魔女っ娘。疲れてるところ非常に申し訳ないが、最後の術を頼む」 無視してナエさんは蒼い瞳の魔術士にそう頼んだ。 「...はい」 メイは少しだけ自分の調子を探るように目を閉じて、頷いた。
呪文が流れる。 「模倣素体。その本来は、対魔獣用に造られた戦闘兵器だ。 “鍵を持つ者”の遺伝子を採集し、それを模倣して人造の兵士を作り上げる、戦闘用“ゴーレム” ――ジーン・オブザーブド・ラーニング・マテリアル=マヌカン...」 ナエさんは、人形を蹴飛ばして転がした。 「こいつは、それの習作。そして...劣悪な出来損ないだ。 ロクに遺伝子も真似られず、ただ肉を喰らい、それをエネルギーに暴れるだけの、デストラップ...」 人形の背中がむき出しになる。 「ここだ、頼んだ。」 その肩胛骨の真ん中に、メイは杖を置いた。
「――<解錠>」 ガコ――と、その音だけが鳴った。 いや、よく見ると背中に長方形のスリットが生まれている。 メイが、そのスリットを杖の先で下にずらした。
生まれた空洞には。 赤黒い血のこびりついた金色の鍵と、 時間が経って肉が腐り骨が剥き出しになった手首と、 その人さし指に嵌められた白銀の指輪――
メイは、最後の気力を振り絞り、杖でとん、と地面とこづいた。 彼女の身体を覆う蒼い粒子が、発散して霧散する。 「...以上で今回の依頼を終了いたします」 そう言って微笑んで、それからようやくふらりと倒れ込んだ。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月29日(月)
名作に見る日本語表記のたのしみ
|
 | メイ、のような違うような。 別に設定資料とか造ってないからなあ...。 半ズボンで登山杖持ってたら何だってメイになってしまうorz
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
躍りかかる人形を相手に、タツマは剣をがむしゃらに打ちおろす。 剣が人形の腹から生えた刃にあたり軌道がメイからそれる。 腹の剣は意外と軽い素材で出来ていたらしく、短いタツマの灯剣でもあたり負けすることはなかったが、さしもに人形の勢いまでは止まらなかった。 残った体に肩からぶつかる。 熱い感覚が肩口を走り、痛みに耐えかねてそれを突っぱねるように人形から遠ざかる。人形は体当たりを食らってそのままがらんごろんと転がった。 「タツ!」 ナエさんが悲鳴を上げた。 「...大丈夫ですよ」 一瞬だけ、ちらりと見るとコートの肩口が裂けている。 ぬるりと、二の腕を伝う温い感触。 そこら辺に転がった人形の指先に、いつのまにか金属の爪が伸びていた。 右手中指が赤く染まっている。 ――全身武器か。やっかいな。 リーチが圧倒的に足りない。ハリネズミに爪楊枝で挑むようなものだ。 ナエさんのバットをもらっておけば良かったと後悔しつつも、剣を捨てる。 そして、腰に手を回してベルトから黒筒の三段警棒を引き抜いた。 この警棒は警察官のサブウェポンとして支給されているもので、タツマはこれを刀身の短い灯剣と併せ好んでよく用いる。 ボタンを押し込みロッドを振ると、刀身が瞬時に伸びて一般の刀剣程度の長さになった。 「にしても、一般人の血肉だけで、あれほど動くか」 「え、それって...」 聞こうとしたとたん、人形が跳ね上がってタツマを標的に襲いかかってくる。 タツマは両手で警棒を握りこみ、力一杯に袈裟懸けに振った。 人形は全ての勢いを根こそぎ奪われて、派手に吹っ飛ぶ。 「メイは?」 「だめだ、暑さにやられてる」 「はい...すみません、しばらく時間がかかりそうです。」 メイは、気丈に振る舞うこともなく、ただ今の状況を正確に伝える。 と、後ろの高い位置から肩を叩かれる。 「タツ、五秒稼げ」 ナエさんだった。 「...了解」 何をするのかは解らないが、ナエさんがそう言うのなら信じればいい。 再びはいつくばった人形は、関節を奇妙に曲げながら倒立し、腹の剣を突き出すようにして走る。 カラコロと遅れて付いてくる手足が無性に気持ちが悪い。 再度の袈裟斬りで剣を結ぶが、突如、相手の刃が腹から抜け落ちた。 「なっ――」 勢いを殺しきれずに身体が沈む。 そこに隙が生まれた。 人形が腰を文字通り回転させて腕をぶるんと振りあげる。 巻き込まれるように回転する左手の手刀が、タツマの後頭部へと吸い込まれ、 ――警棒を捨てて、後頭部を両手で押さえた。 そこに、金属の光を携えた手刀が叩き込まれる。 手の側面に、本物の刃が生まれていた。 手刀が手首に食い込み、コートの袖ごと切断したかと思われたが、そうはならなかった。 手刀は袖を突き破ることもなく手首で止まっていた。 タツマは、痛む手首を庇うように体を入れ替え、人形に足払いを掛けた。 二枚蹴りをもろに食らった人形はなすすべもなく、みたび転ぶ。 足払いの際の交錯で、またどこかを斬ったらしく足から鋭い痛みが走ってきた。 が、そんなことを気にしていられない。 即座にコートを脱いで、人形に叩きつける。 投げたコートは、投網のように広がり人形を覆う。裏地の各所に強い摩擦性があるコートが、人形にへばりつきいてその動きを阻害した。 「ナエさん!」 警棒を拾いながら、後じさる。 「ようし、下がれ!」 そう言ったナエさんが手に持って振りかぶっていた物は、 一見すると、金属バットのように見えた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月28日(日)
あいつはポジティブな馬鹿だ。
|
テニプリ実写化!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
かつて大陸には人の天敵がいた。 魔族、あるいは魔属と呼ばれる存在。 彼らは突如として人より生まれ、絶望を糧に兵隊を増やし、生存本能を天秤に仲間を増やし、わずか数ヶ月足らずで大陸の半分を支配したという。 ナエさんはとつとつと語り出す。 「人類のピンチに、国を滅ぼされた民達は一つに集い、一つの軍隊を造った。 それはまさに大陸の全勢力。まさに国中の武技、魔術、兵装技術が集った。 最新技術から、秘伝、秘奥、伝説の武具まで、ありとあらゆる情報が全ての国から一挙に集い、残らず開示され、それを元にして高められていく。 ただ一つ、魔族と立ち向かい魔王を滅ぼすという目的のために。 その時代、人々の技術と、能力は通常の人類史ではあり得ない速度と精度で高められていた」 ナエさんの口調はどこまでも羨ましげで、しかし切ない。 「研究者にとって、これほど理想的な時代はなかったろう。 また、これほど命がけで挑戦できた時代もないだろう。 一つの目的に命がけで挑むことの出来る物を天才と呼ぶ。 この時代の人間は全ての人間が天才であった。 故に後の世の人間は、この時代をこう呼んだ。 全ての人間が天才となる時代――才渦の時代と」 羨ましいのだろうか、羨ましいのだろう。 タツマならば、そんな時代になど生まれたくもないが。 「才渦の時代...これがその時代の兵器を真似た品だと?」 「ああ、才渦の奇跡とは、その時代の超技術によって造られたアイテムの総称。希少価値や技術レベルでは神々の落宝、刻の遺産に及ぶべくもないが、それでも昨今の技術では再現不可能とさえ言われていたハイテクノロジーの塊だ。 ...まあ、これはそれの、習作だが」 習作。つまり、いつか本物にも負けず劣らない物を造るための練習作品。 「何で、魔王崇拝主義者がそんな物...っていうか、なんで人間がこんな物造る必要があったんですか?」 だんだん恐ろしくなってきたな、とため息をつく。 既に一刑事につきあえる話ではない。 「は?」 と、ナエさんは馬鹿を見る目つきで、「お前、まさか魔王崇拝主義がどういうものだかちゃんと知っていないのか」 「え、ですから魔王を崇拝するんでしょう?」 「またアホみたいな誤解をしとるな...まあ、仕方ないか。魔王崇拝主義って名前自体あくまでこっちがそう呼んでるだけなんだがな。 じゃ、タツ。そいつらは魔王を崇拝して何の得があるんだ?」 「え、それは」 魔族の王、魔王。一説には人を魔族にする力があったと言うが。 「自分が魔族になるため...とか」 「阿呆。確かにそう言う輩もいるが、そりゃまた別の思想だ」 いいか、と続けて、「魔王崇拝主義ってのは魔王を再び召喚して人類と戦わせようという団体だ。 どっちにしろ危険だからウチの国じゃ禁止されてはいるが、その支持者は一般人が考えるより遙かに多い」 支持者多いのか。 「魔王を――召喚? なんでまた」 「それぐらい自分で考えろよ。魔女っ娘は分かるよな?」 「はい、えっと...」 と言うメイは、どこかフラフラだった。 「人類の天敵を復活させて、またみんなで一つになって戦おう、と言うことですよね」 「メイ。君、体は大丈夫なのか?」 「ええ、術を使ったせいか、数刻前の目眩が少しぶり返してきたようで...」 聞くより先に、デザインチェアに座らせる。 メイは座り心地の良さにびっくりしている様子だったが、とりあえず背にもたれて落ち着くように言った。 それから、メイの解答をようやく思い出して、 「また戦うために? それは才渦の時代をまた起こすってことか」 「それもあるが、それだけではない」 続けたのはナエさんだった。 「過去、一つにまとまったはずの大陸の国々は時代が進むにつれ再びいがみ合い、今も小規模な小競り合いが起きているところがある。 それ以上に大陸の外に向ければ、未だに戦争をしている国や、何かと抗争に持ち込もうとしている国が後を絶たない。我が国もいくつかの国と交戦状態だ」 つまり今度は世界すら巻き込んで一つにまとまり、高め合おうというわけか。 それはなんというか、 「理屈は解りますし、宗教よりも現実味もありますけど... ――なんか、馬鹿みたいですね」 平和のために、争いを創る。 原理は雨降って地固まるだが、降るのは血の雨だ。 「ウチもそう思うよ。技術にしても、あまりにも急速に高まりすぎた故に、後世に伝えきることが出来ずにその大半が潰えたが――いつかは追いつくことは出来るだろうし、潰えなかったいくつかの技術では追い越してさえある」 殺人人形をバットでこづき。 「これも、本物の“模倣素体” 自体は既に現存しないが、技術自体は再現が可能だ。まあ、国家予算クラスの資金がいるから誰もつくらねーけどな」 その人形はと言えば、赤黒い剣と血に濡れた歯に染まり。 「で、なんで人間がこんな物造る必要があったんですか?」 「阿呆、誰が戦乱のくそ忙しい時期に、こんなあからさまに対人のデストラップ作るか。こいつは、習作だといっただろ。本物のある機構を真似ようとして失敗して、結局こんな機能に落ち着いただけで――」 そこまで言ったところで、ナエさんは突然黙りこんだ。 「ナエさん?」 「まずいな。刺したり齧ったりがそう言う意味だったとしたら...メイ!」 余裕の無い声で、チェアに座る少女に声を掛ける。 メイは、声は出さずに見ることで呼びかけに応えた。 「施錠を頼む。今すぐだ」 「はい――」 詠唱が始まる、それよりも先に。 人形が小刻みに揺れて、胸の紋様が怪しく輝き出す。 「タツ、メイを守れ」 彼女自身はバットをほうり捨てて、白衣の袖に手を入れる。 嫌な予感、と言うよりナエさんの真剣さに圧されて、タツマは言う通りに動いた。 ――人形が飛び上がり、メイを襲うような動きを見せたのは、その直後だった。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
まあ、書いといて何ですが「古代に栄え滅びた超文明のオーパーツやハイテクノロジー」 なんてネタは、まるっきり時代遅れなんですけどね。
だいたい、「うおーロストテクノロジーなんかわからんがスゲー」 みたいなノリは、それこそバブル期の可能性はあっても技術が伴わなかった時代の夢工場であって、 今日び、少年少女がロストテクノロジーなんてネタ見てもコカコーラー飲んで手放しで喜ぶはずもなく。 まあ、そんなのが通じたのは精々21世紀まででしょうね。 なんたって今やSFに足を踏み入れたかのような時代。 ワールドビジネスサテライトで得たネタでSFが書けてしまう。 科学物として見た場合も、最近のテーマの主流はハガレンみたいな進歩の先にある人間の業みたいなのが主流で、ロストテクノロジーとかあんまり入る余地がない。
ロストテクノロジーって概念時代もうロストもんですな。 だいたい、そんなもんがもしあったら、とっくに解析できとるわい、人間舐めてんのかと思うわけですよ、昨今の人間は。 すげーどころか寧ろストレスなわけです。 | | |
|
■2005年08月27日(土)
ろーんりぼーいろーんりがー
|
レイザーラモンHGは実はハードゲイでも何でもない普通の好青年住谷であることを隠しているということを弄られるキャラとして笑いを取るようになってきているなあ、とそんなことを思った。何、わからん? 要するに。チューヤンやボビーやビビアン・スーやさとう珠緒に 「お前実は日本語ぺらぺらやろ」 と聞いて笑いを取るのと同じ理屈である。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「なるほど、こりゃえげつねえワな」 感心してるのか、呆れているのか。 ...おそらく前者だろうが、ナエさんはため息をついて、人形を眺めた。 その人形の容貌はと言うと、口の空洞が鉄の壁によって閉ざされており、腹からは赤黒く細長い金属が一片、ただ水平に伸びてている。 メイが解錠を行使したとたんの出来事だった。
その事実を知らなくても、ある程度の推測は立つ。 今にして思えば、ルイスにはその推測が立ち、だからメイとタツマを呼んだのだろう。
部屋は密室であった。 ――殺人犯がいたとするなら、“施錠”を掛ける前に逃げる必要がある。 “施錠”は原則として施錠を行う対象に触れなければならない。 倉庫の中央で致命傷を負ったハーシィが、倉庫の鍵を施錠することは不可能。 よって、扉に“施錠” は使われておらず、故に“解錠”も使われていない つまり、倉庫は依然として密室。
そして、自殺ではない(手首をちぎられ、刺され、凶器と手首がない) ならどうやれば人は死ぬか。 答えは、
――事故。
短絡的だが最も簡単な解答。 何者かがハーシィを殺したのではない、何かが彼を殺したのだ。
メイが解錠を行使したとたんの出来事だった。 突如人形は、バツンと溜め込んだ何かを弾けさせるような音を立て、二つの現象を同時に起こした。 まず、顎に巧妙に隠されていた歯(刃) が、さながら鋏みギロチンのように噛み合い、口を閉ざした。 そして、ほぼ同時に腹の横隔膜に隠蔽されていた刃がぬっと何かを貫かんばかりの勢いで突き出たのだ。 離れて、杖の届くギリギリで術を行使した故に誰も怪我することはなかったが... いまさらに、重い何かが喉の奥に沈み込んでくる。 喉が渇いたので、つばを飲む。 「とりあえず、凶器発見ですね」 軽口めいて呟く。 腹の刃からは、赤黒く時に白い筋とも肉とも付かない物が、さながら赤身を切り潰した包丁のようにこびりついている。 ナエさんは臆することもなく、ひとしきりそれを調べた。 「間違いないな。才渦の奇跡...の模造品だ」 そう断言するナエさんの瞳には好奇の輝きが、 ...口許には微かな苛立ちが現れていた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月26日(金)
マージジルママジジーンガ
|
と言うか、特に考えて書いてるワケじゃないので、情報のフェア・アンフェアなんて考えてられないのですね。いや、今書いてる下のシリーズですが。 モロ毒だねみたいなノリで読んでください。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「さてと、」 といいつつ、ナエさんは人形の半径10m内で倒れている人間を外へ蹴飛ばしにかかる。 「魔女っ娘。解錠は使えるか?」 「一応は。ただ、相性は悪そうです」 ナエさんは四人目を蹴飛ばしながら頷いた。 「相性」 「ええ、基本的に魔術師は、理屈で言えばどんな魔術でも使えるのですが...個人の魔力の性質で、得手不得手がありますから」 「魔術というモノはソフトウェアだ」 メイの言葉を受けて、ナエさんが詳しく説明する。 「魔術技師は魔法著作権協会から、そのたびに必要なソフト――術式を借りて、その式を杖にダウンロードする。 つまり、どういうソフトがあるかという知識さえ持っていれば、魔術技師はありとあらゆる魔術を使うことが出来る」 とは言え、専門用語が多すぎてタツマにはほとんど解らなかったが。 「だが使うことが出来るからと言って、使いこなせるとは限らない 個人の持つ魔力の性質・容量、使用する杖の機能・容量・演算能力。 そして術者の魔術との相性、その全てが影響するからな」 等と言いつつも蹴飛ばすのは止めていない。 ようやく全ての人間を蹴飛ばし終えると、ナエさんは腱を伸ばして背筋を伸ばした。 デスクワークが多い割にしなやかで伸びがある。 「よし、じゃあ解錠を頼む。対象は...」 顎で、それを差す。 「――この人形だ」 「はい、頼まれました」 メイは頷いて登山杖を取り出した。
要するにそういうことなのだ。 屍骸術は、自殺者を甦生できない。 そして、解錠の魔法が使えるハーシィは、施錠された密室のど真ん中で死んでいた。人形に盛大な返り血をまき散らして。 そして、未だ見つからぬと言う手首と杖と鍵と鍵の紐。 ある一つの簡単な要素が欠け落ちていて、それ故にその要素を知らぬ人間にとっては不公平ではあるのだろうが...それを差し置いても思い当たる可能性はある。 と言ってもまあ、その要素さえ知っていたら答えは簡単なのだが。 現に盗掘団の長は、ハーシィが何故死んだかを言い当てたらしい。
メイが、水晶のストラップが付いた登山杖を高く掲げる。 「万物ノ理ヲ体現スル、我ハ世界ノ杖也」 唱えたかと思うと彼女の周囲に淡く青い燐光が発生する。 リィィン―― 鈴の音を引き伸ばしたような澄んだ音が響いた。 「これが待機状態だな。“杖”」 を起動して準備状態に置く。 この場合の“杖” とは魔術の補助演算装置の意で、魔女っ娘の場合はさしずめ登山杖に括り付けたストラップか」 呟くナエさん。 その呟きはタツマが相手ではなく自分への呟き。 自分の思考への言語化。自分の思考への返答。 今の彼女の目と口は科学者のそれだ。 「魔術を見るのは久しぶりですか?」 「<発火>や<施錠>レベルのなら何度かは見たが、このレベルの魔術士の技は...そうだな。大学以来だ」 その間もブツブツと、何事かを呟いている。 今のこの状況、メイという希有なる才能を持った魔術士の技を、賢明に脳裏に焼き付けようとしているのだろう。 「<閲覧開始>...検索」 「いつもの術と違うな」 それは、ほとんど無意識から出た言葉であったが。 「なんだと?」 その言葉にナエさんは反応した。 「タツ、それはどういう...いや、今はいい」 「...検索完了――...理歴21...年製作、著作者シェ...ンライ...あ〜、これは...」 「ん、どうした」 と、これはタツマ。 メイはうっすらと笑みを浮かべた。 「これならおそらく大丈夫です。一部、得意な術も使えますし」 そう言ったかと思うと、人形に杖をかざす。 「<踏査>」 次の瞬間、人形の中心から蒼い波が伝うように空間を広がっていく。 なるほど、これはよく使う術だ。 「踏査――? たしか、踏査は限定空間を構成する物質・エネルギー・ベクトルを粒子レベルで四次元解析する超高等解析術だったはず。 ...どういうことだ。 たしかに解錠は鍵の構造を理解して運動エネルギーによってそれを外す術だが、鍵の構造理解程度で踏査のような高度な解析術は使用しなかったはずだ」 「自分の得意な魔術で応用したんじゃないですか? 高等とかそういうのは知りませんが、踏査は彼女の得意な術ですし」 「応用、だと」 やはり何とはなしに言ったのだが、今度もギロリと睨まれる。 「タツお前自分がどれほど途方もないことを言ってるのか解っているか?」 「いや、すみませんけど...」 タツマは魔術にはそんなに明るくはない。 それでもオークノートの一般人よりは詳しくはあるのだが、 「解析終了...あの」 言い合う二人に、申し訳なさそうにメイが訊ねてきた。 「鍵、二つ発見したんですけど」 その言葉に、ナエさんは瞬時に思考を切り替えて、メイに向き直る。 「おお、やはりか。とりあえず口の方を頼む」 無言で頷く、メイ。 タツマはそっと、メイの前に立ち抜刀する。 「一応、それ言うの自分の役目なんですけどね...」 「馬鹿言え、お前はせいぜい“壁”だ。それ以上でもそれ以下でもない」 逆に、ナエさんは少し下がりバットを構えた。 メイも杖を水平に構えて、人形へと杖の先を触れさせた。 「行きます――<解錠>」 カチリ、と音が異国の埃に満ちた倉庫で小さく鳴った。 (「屍骸術師と密室の鍵」) | | |
|
■2005年08月25日(木)
はしれはしれはしれ
|
買った本 感想を書いておかないと、わざわざ検索してきた人が空振りするということになりかねないので感想(どんな理由や)。
「死力のダンスパーティ(伝勇伝)」 今回は、外伝含めてギャグ一色でおもそいかったです。 にしても、ローランド編はまだなのか。 フェリスは確かにだんだん天然とアレ気な感じのギリギリになってきてるなあ。
「リアルバウトハイスクール12」 涼子開眼。最終的にキングクリムゾンみたいな見え方(最近だとサスケの写輪眼の予知) みたいに見えるのかな。 カムイの拳が軒並みいない状態じゃないと成立しない話という点から、カムイの拳なら寄生虫を追い払えるのかなと邪推。 寄生虫だけを見て斬る技の開眼もありえるかも。 死を殺す=病気を治すみたいなノリで。
「ソード・ワールドRPGリプレイ・アンソロジー デーモンアゲイン」 あーたーまーにーキャラがーはーいーらーなーいー Aマホみたいに日本名の方が良いなあ。 もっと、名前だけでキャラが解るようにしてほしいなあ。ロボロクスとか。 リプレイでそれを求めるのもアレだけど...
内容自体はおもしろかったです。豪華メンバーだなあ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「まあ、だからといって盗掘団がメイを襲う理由もなければ、そもそもがあの倉庫の主が盗掘団だと決まったわけでもない、と」 あまり心配してはいなかったが、道中には特に誰に出くわすこともなく、メイも普通に海を眺めていた。 倉庫街を番号を頼りに歩き、一軒家よりは大きめの倉庫の前で立ち止まる。 内側からは鍵が開くことの出来ない両引き戸のドアを開こうとして、 「あの、けど、貨物の方は盗掘品だったわけですよね?」 メイが、そんなことを聞いていた。 扉に手を掛けたままでタツマは、 「現地で被害届が出ているからな。それの紹介でらしいとは踏んでいるが...そも、便宜上盗掘団と呼んでいるが、実際に盗掘をしているのは現地のスタッフだと聞くしなあ。 だから輸入者は美術品として買ったの一点張り。盗掘品とは知らなかったと言い張っている」 疲れた表情で、鉄の引き戸を引っ張った。 「せめてバイヤーが盗掘した品と知っていて売っていることが掴めれば...」 「すみませぇえええん! ここにある品は全て盗掘品でぇえええす! 知ってて買いましたぁ、むしろ現地でスタッフを雇って盗掘するように依頼したりもしましたぁ!! 全部、認めます白状しますバラしますぅうううううううう!!」 倉庫を開けるなりそんな叫び声がして、 「よぉ、早かったな」 ナエさんがどこから持ってきたのかデザインチェアに腰を掛けてこちらに手を振っていて、 「すみませんでしたぁああ、もう二度としませぇんんんんんんん!! ですから、ですから命だけはご勘弁をぉおお!!」 「うるさい」 ――ぎゅむ その腰掛けるナエさんのヒールで後頭部を思いっきり踏まれている男が一人。 それから、 ――その場に倒れ伏している人間が約30名。 「おしかったな」 ナエさんは、腕をつかねてそんなことを言った。 「ナエさんに呼びにいかせてこの場に残る、を選んでいたらイベントバトル突入だったのに」 いやあな予感がして、もう一度周囲を見た。 男達――ここまで来たらもう盗掘団なのだろうが、そいつらはよく見ると焦げてたり、痺れてたり、凍ってたり、すり切れてたり、ぶつぶつとうわごとを天井に呟いてたりしている。 「ナエさん...知ってて残りましたね」 「いや、対テロ武器とか試す機会なんてそう滅多にないからな。助かったわ」 臆面もなく言ってのけるナエさん。 「テロよりもナエさんの方が怖いんですが」 「サナエさんって強いんですねえ」 「おう、魔女っ娘。サナエさんと言うより科学の勝利だがな」 タツマとメイがナエさんに近寄ろうとすると、その瞬間を見計らったかのようにナエさんに踏まれていた男――こいつが盗掘団のリーダーなのだろうが――が突如起きあがりタツマが開けた出口へと猛ダッシュを掛けた。 さっきからチラチラ出口を気にしていたのようなので、そう言うことをするとは思っていたが。 「おぉ、嬉しいことしてくれるじゃないか」 ナエさんは舌をなめずった。 「ひぃ!」 もはや捨て台詞もでないらしい。 男は必死になって逃げようとして、あまりに必死なのでタツマもメイも思わず道を譲ってしまったが、その中でサナエはもそっと動いてデザインチェアの後ろから一本の棒きれを取り出した。 それは一見して、バットのように見えた。 再度見てもバットのように見えた。 三度見ても木製バットのようにしか見えないそれをナエさんは大きく振りかぶって、投げた。 長い髪が優雅にしなる。 バットのような物は垂直から飛び出して、くるくると回り、ちょうど七回と四分の一回転したところで、男の後頭部にめり込んだ。 あえなく気絶する男に、からんからんと落ちるバットのような物。 つかつかと、優雅に歩きそれを拾うナエさん。 「...科学の勝利?」 うろんな目で訊ねるタツマ。 「テロ殲滅武器マイナス8号「メッケ君」 だ。最大の特徴はテロを殲滅したあとで草野球が出来てしまう点だな」 「何でテロ殲滅したあとで草野球せにゃならんのですか。つか、ツッコむのもめんどくさいんですけど普通の木製バットじゃないですか」 「甘いな。実はこのメッケ君にはいささか大きなヒミツがあるのだ」 「何ですか」 「うむ、中にコルクが入っているのだ。心なしか打力が上がった気がする」 ええいもう何を基準にツッコめばいいのやら。 「あの、どうしてマイナス8号なんですか?」 メイが瞳をきらきらとさせてバットを見ている。 「まだ開発段階だからな。ベータ版みたいなモンだ」 「あと8回もバッチ当てるつもりなのか...」 どんどん話がそれそうになったので、タツマは話を戻した。 「狙いは人形で?」 「いや、倉庫のその他の盗掘品みたいだったな。今日警備が薄くなるとリークしてみたんだが...見事に引っかかったようだ」 もうツッコむか。 「人形も、盗掘品だったんですよね」 「ああ、間違いないな。魔王崇拝主義者――まあ、厳密に言うと違うんだが――そいつらの遺跡からかっぱらったと言うことだ」 ゴリ――とヒールで倒れた男の後頭部を踏み、 「こいつにいろいろ聞いた。だいたいがウチの推測と同じだったよ」 「ところどころ違ったんですか?」 アレだけ自信満々だったのに。 「あん? そこはこいつが嘘付いてるんだろうさ」 何を決まり切ったことをと言う目で、彼女はタツマを睨んだ。 「...さよーで」 もはや何も言えなかった。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月24日(水)
たまに前の方で寝てる
|
極上生徒会は、れいんです角元です角元れいんです、の回。 まだ始まってないけど凄い楽しみだ。 れいんちゃん先輩の三段活用はおもしろくて好きです。 にしても極上は最高だなあ。 もはや水曜日のお楽しみとなっていて、あと数回で終わってしまうなんて考えられない。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「で、何でウチがこんな南端の倉庫なんかに連れ去られなきゃいけないんだ?」 サナエ・バンプ(30) 科学特捜課の課長。天才。 飛び級で王立中央大学を卒業後、一番充実した研究施設が警察の科学特捜かだったからとかそんな理由で入署。 翌年、課長に就任。19歳という異例のスピード就任であったがその後は出世もせずに研究にいそしむ生活と、ツッコミどころ満載の御仁である。 スレンダーな体躯に、白衣と腰まで伸びた黒髪のコントラストがあつらえたように似合う美人だが、いかんせん性格悪い、威圧感がある、酒臭い、タバコ臭いと回し蹴りのような人生を送っているせいか、こと恋愛話で彼女の話題が上ることはまったくない。 今日はロングの髪を先の方だけ三つ編みにして垂らしていた。 彼女は目蓋の落ちたトロンとした目で、隣のタツマを見下ろす。 ...タツマも長身の部類なのだが、彼女の方が背が高いのである。 「いや、科特で暇そうな人見繕ったら、ナエさんだけだったんで」 「しかし埃っぽいな。外国の物ばっかりなんだろ、この倉庫って。変な菌とか混ざってないだろうな...」 豪快に無視して、ずかずかと倉庫を歩いていくナエさん。 「土とかは、徹底して落としてるはずですけどね」 確かに埃くさい。 ――数日前までは、血の臭いもしたのだろうが。 「あった、これだ」 薄地の紙袋で覆われた、マネキンのようなシルエット。 タツマが(ルイスの) 様々な権限を活かして、あらかじめ運んでおくように頼んでおいたのだ。 「何だ、まだ紙なのかよ。東の方じゃ全部ビニールだってのに」 ぶつぶつと文句を言うナエさん。 これだから西は技術レベルがいつまでも周回遅れなんだとか、研究設備も東のお下がりばっかりだしとかなんとか、 「じゃあ東に行けばいいじゃないですか」 「...まあ、中古は中古で攻略本も出回ってるから、楽なんだよ」 「なんですかそれ」 自分と同じ背の高さの紙袋を破くと、血まみれ(乾いているが) の人形が姿を見せる。 「うわちゃ」 思わずのけぞるタツマ。スプラッタは嫌いなのだ。 「返品できるのか、これ。盗掘品だったんだろ?」 「...まあ、返さなくても良んじゃないですか。北の群島とは国交ないし」 腐れ官僚め、とぼやいてナエさんは人形をしげしげと見つめる。 「触っていいのか?」 「ご随意に、ただ」 「わーってるよ。気をつける。それより灯りをくれ」 確かに昼とはいえ倉庫の中は薄暗い。 タツマは腰の剣を引き抜いた。 グリップと刃が一体の鍔無しの小刀。 赤い刃に指先を触れさせて、小さく呟く。 「<発動>」 とたん、刃が淡く光ったかと思うと、次の瞬間には白く眩しい光明を生む。 「そんなにいらん、絞れ」 言われたとおりに、光量を絞ってから木製の人形を照らす。 赤黒い血で塗りつぶされた木製人形が生々しく映し出される。 木製の人形は、よく見れば胸から広がるように奇妙なかんじの模様があるが、血に塗りつぶされてほとんど見えない。あまり詳しくはないが、何かしらの魔法に関連した模様のようだ。 手足の造形などはかなりいい加減で筒を適当に組み合わせた程度。指も掘ってそれっぽくは見せているが、浅すぎてあってもなくても大して代わりがない。 股間を見る限り、雌雄の区別もないようだ。 というか顔すらない。口はあるが、ほとんど四角い穴である。その口にもおびただしい血の跡が残っていて、怖くて不快だった。 その人形の首に左右から紐が二本ぶら下がっていて、ちょうど肋骨の下辺りで切れた跡を残した端っこが揺れている。 ナエさんは、人形の後ろに回ったり下から眺めたり触ったり叩いたりしたあとで最後に口の中をのぞき込んで、 「なるほどね。まあ、努力の跡は認めてやらんとな」 と、そんなことをコメントした。 「わかったんですか?」 「およそ、この手の物には余分がない。裏を返せば、全てに意味があるってことだ。それより、あの魔女っ娘はどこだ?」 「魔女っ娘は知りませんが、メイなら海が珍しいらしくて埠頭でずっと波を見てますが」 「...そんな錆と油だらけの海なんて見ても情緒無いだろうに。 今度、海水浴にでも連れて行ってやるんだな」 「日焼けで泳ぐどころじゃなさそうですけどね」 長年、森に暮らしていた弊害は思いの外大きいらしい。 「迎えに行け、嫌な予感がする」 「嫌な予感?」 「いや、言ってみただけだが。シチュエーション的に」 「...今回は別にそんな伏線」 ――盗掘団。 「あったなあ、そう言えば...」 ため息をついて灯剣を手渡す。
(「屍骸術師と密室の鍵」) | | |
|
■2005年08月23日(火)
good-bye good-day
|
昼の墓場(田舎限定) というのは割と青春ロマンなポイントでして、まあその辺はセカ中でもやってましたが遺骨は盗むな。 まあ、自分自信、自転車の練習を墓場でしたと言うぐらいの墓場ニアンなわけでして、そういうところもあってか墓場が観光名所な街と言うのもいいのではなかろうかとこんな街を造るわけです。 実際問題、ファンタジーで一番おもしろいのは魔法とか必殺技やキャラクターや神話より、こうやって勝手気ままに街や国を造ることだと思っています。 現実にもあり得そうだけど、今から街を造ってもこうはならないんだろうなぁみたいなのがいいですね。 ヴェネチアとか京都とか、歴史的な宗教的な無茶があるようなのが好き。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
墓場だというのに蝉の声がうるさい。 メイは茶店の長椅子に仰向けになって、太陽の隠れた天井を見上げていた。 その顔をファイルでパタパタとあおぐタツマ。 「日射病だな。顔が蒼い」 「め、めんもくありまへん」 じっとりとした汗に、血の気のない顔。 体温が上がり、意識もかなりもうろうとしている。 直射日光に当たりすぎて生じる、日射病の症状そのものである。 「二時間近く術を行ってたからな。無理もないさ」 寧ろ、彼女の体調の悪さに気づけなかった自分の方が間抜けだろう。 「に、にっしゃびょうのばあいは、木陰で足をたかくして衣服をゆるめて、」 「もう全部やってる。いいから呼吸だけしてろ」 屋根の影に据えられた長椅子に仰向けで寝ころぶメイ。 足は靴と靴下を脱いで、同じ長椅子に座るタツマの膝の上に乗っかっている。 衣服は、元から緩いシャツと半ズボンだけだった。そのズボンのベルトも緩めている。 「...お日さまの光は嫌いです」 「苦手じゃなくて、か?」 「森の中は、こんなに眩しくも、暑くもありませんでした」 前髪を揺らす風に目を閉じる。 呼吸はずいぶんと落ち着いてきているようだ。 「まだフラフラするか、他に何かして欲しいことは?」 「まだ少し。そうですね、あとは塩水を」 「塩水なんて売っとらせんわ」 茶店の中に消えたタカさんが、盆にラムネの瓶を二本乗せて帰ってきた。 「炭酸...」 タツマにはありがたいが、日射病の人間にはどうだろうか。 「嬢ちゃんはこっちだ」 盆を持っていない左手に瓶を握っていた。 スポーツドリンクだった。 「わたしもラムネがいいです」 しぶるメイを無視して、盆からドリンクの入った瓶を受け取る。 飲み口の細長い、ビール瓶を小さくした感じの瓶だった。 「タカさん、コップなんてのは...」 「茶店にあるわけないだろ」 「...茶店ならあっても良いだろ」 長椅子の先の机を見たらストローがあったのでそれを一本拝借する。 紙袋を破いて蛇腹付きの曲がるストローを出して、蛇腹を伸ばして瓶に差す。 それで長さは、何とか足りた。 「ほら、ゆっくり飲め」 「ひゃい」 メイは体を起こして、おずおずと瓶を受け取った。 ストローに口を付けて、ゆっくりと吸いこむ。 「上品なモンだな」 「瓶で飲めないんですよ。飲み方が解らないとかで」 正確には飲み口が細い容器に入った飲み物を上手く飲むことが出来ないのだ。 「この前は傾けすぎて服にこぼしたし、その前は吸いすぎて舌が抜けなくなったし」 「まるっきり子供なわけか」 「ええ」 「...なんだか人格に不当なレッテルを貼られている気がします」 ずいぶん正当な気もするが、とは言わないでおく。 ラムネの瓶の蓋を裏返して、手のひらで瓶の口を叩く。 ポン、と音がしてラムネ瓶の中にビー玉が落ち込み、しゅわしゅわと泡が出た。 「ラムネなんて久しぶりかもな」 「なんだ、もう懐かしさを楽しむようになったか。古くさい奴め」 「ほっといてください。どうせ古くさい人間ですよ」 泡を食べてから、ラムネを飲む。 喉に爽やかな炭酸の痛みと、ほのかな甘味が通り抜けていく。 その様子をメイが羨ましそうに見ていたので、タツマはそちらは見ないようにしてラムネを飲み干す。 かかとで思いっきり膝を踏みつけられたが、それも無視した。 「いちゃつい取るところ悪いが、話の続きをしてくれんか?」 「こっからは企業秘密ですよ」 取り合わないタツマ、と言うより彼も実のところかなりばてていた。 「守秘義務は守らないのに、企業秘密は守るのか。殊勝な商売だな」 呆れた様子で、タカさんはラムネを飲む。 タツマは苦笑して、 「じゃ、最後に四つだけ。 使われた魔法は“解錠” と次に“施錠”。どちらも対象に、扉の鍵なら最低でも扉に触れなければ発動しません。 メイが受けた依頼は、杖と、手首と、鍵と、凶器を探すこと。 そして被害者は何かで腹を刺され、手首を切断され、その手首と手首が持っていたであろう杖が見つからない。 そして鍵。鍵の紐は血まみれの人形に掛かったままでした。倉庫の中心に置かれた血まみれの人形に。まるで、鍵のぶら下がってる部分だけ、こう、」 手刀をおろす。 「刃物で切られたように」 「ふん」 タカさんはラムネの瓶を空に透かして、おもしろくもなさげに息を吐いた。 「つまらん、推理もクソもないな」 「そりゃ、推理は警察の仕事ですからね」 透かした空き瓶の中では、ビー玉がころころと輝いていた。
(「屍骸術師と密室の鍵」) | | |
|
■2005年08月22日(月)
This is the magic word. Here is the magical world.
|
アミノ系飲料値上げされてるような...
あ〜。にちゃんねるかν速で新党とか作ってくれんかなぁ。 新党VIPとか新党ワロスとか。 マニュフェストはVIPPERのVIPPERによるVIPPERのための政治とか。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「血まみれ人形とは大層な銘だな」 タカ・セイビナ(46) 黒褐色の肌に剃り込みハゲのパンチパーマ。 掘りの深い顔に鋭い眼光、大工のように自然と鍛え上がった体躯。 これで墓守協会の長(しかもインテリ) だと言うのだから世の中は分からない。 「ちゃんと手は合わせただろうな」 「警察ですから手は合わせませんよ」 警察はすべからく賢勇界に所属している。 故に墓前への挨拶儀礼としては敬礼が正しい。 「そういう意味では言っておらん」 「礼は欠いていませんよ。それと、こっちも別に人形自体が本当にそう言う名前と言うわけじゃないんです」 タツマは、頭の上がらない口調でそう言い返す。 「モノ自体は、奇妙な模様がありますがただの木製人形でして、それがこう、」 と、手を上げるが、どう表現すればいいのか思いつかずに額の汗を拭く。 「とにかく血まみれになってしまいまして」 「その鍵を探せと来たか」 「ええ、別の税関局員――こいつは倉庫に施錠して先に帰ったんですけど、ああっと鍵は内側からは開けることも閉めることも出来ないそうです。 なんでそれなのに鍵を掛けたかというと、鍵を定時に返す必要があったからだそうです。 で、そのハーシィは施錠と解錠の魔術が使えたからだそうで、鍵を締めて帰らせたのはハーシィの指示だったそうです。侵入者対策ですね。 施錠はともかく解錠は資格のいる魔術で事後報告書とか必要で面倒なんですけど、ハーシィはその部分は了承したそうです。 で、ここからが本題で、そいつ、ええとハーシィじゃない方の税関局員が見たそうなんですけど、どこかの遺跡周辺の村で購入したとか言う木製の人形、それが倉庫の真ん中に、でん、とマネキンみたいに立っていまして、そいつが首からこう」 首にネックレスをかけるように手を動かす。 今度は表現できた。 「紐で括って下げていたそうです、木製人形と同じ模様の金製の鍵を」 「相変わらず敬語の会話が整然としやんな、お前は」 ...わかってはいるのだが。 一応、読解は出来たらしくタカサンは渋い顔でううむと唸る。 「金の鍵と木製人形の一対か。嫌な組み合わせだ。北海の品か」 「よくご存知で」 「北の群島には大陸から追われた魔王崇拝主義が今も栄えているらしい」 「魔王崇拝ですか」 「その遺跡を餌場にしている盗掘団がいると耳にしたがな」 「...よくご存知で」 タカさんは墓守長と言う職業柄、様々な宗教・思想・文化――そして情勢に詳しい。 タツマもそういう面で世話になることがあるわけで、 (にしても、魔王崇拝で盗掘団――ねぇ) 「しかしお前さん、そんな話をわしにしていいのか? 警察資料なんだろ?」 そう訊かれてタツマは、 「っても、これはメイの依頼ですからねぇ...いいのか?」 と、後ろを振り返る。 「へ、は...へふにはまわないと、思いまふぅ」 タツマとタカさんの少し後ろには、息を切らし汗を浮かべたメイがふらふらと歩いていた。 「って、えらいバテバテだな」 「じ、持久りょふには自ひんがあるのでふが」 暑さにやられたか。森暮らしが長かったメイには夏の直射日光はきついのだろう。 「そういや、陽の光が苦手とか言ってたなぁ」 「もぐらやあるまいに」 そうこう言ってる間にも、熱射病で倒れそうになっているメイ。 「...途中でジュースとかアイス売ってませんか。ババヘラとか」 「あるかそんなもん」 吐き捨てるように行って、タカさんは足を進める。 「ここ向こう行ったら茶店がある」 茶店はあるのか。 メイとタツマがこうしてタカさんの案内で共同墓地を歩くのも、既に7回目だった。 何故案内が必要かと言うと、地図だけでは確実に迷うからだ。 街の真ん中に位置する共同墓地は、年々同心円状に広がっており、今やその規模は街の10分の1にまで達していると言う。 共同墓地は広大で、しかも入り組んでいる。 多様の宗教と、多様な歴史と、オークノート市民の価値観がそうさせたのであるが、それはまあ別の話だ。 まるで迷路のようだとはオークノートを訪れる観光客大半の言葉だが、オークノート市民がそれを聞けば「馬鹿言うな、迷路が墓場みたいなんじゃないか」 と言い返すことだろう。 オークノートの辞書では、墓場とは最も入り組んだ迷路の比喩として載っている。 「ちゃ、ひゃみへはどこでひょうは...」 「...いかんな、脳までとろけかけているぞ」 タカさんは手ぬぐいで汗を拭って、快晴の空をふり仰いだ。 遠くではセミの音が大量に鳴っている。 「帽子ぐらい買っておくべきだった――でしたね」
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月21日(日)
りきがある。
|
冷めたカレー鍋を相手にする場合、カレー鍋全部を暖めるより、必要分をレンジでチンをする方が安いのだろうか。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「一昨日未明、ミナミの保税倉庫にて税関局員が殺害された」 「ほ...ぜいかん?」 小首を傾げるメイ。 「税関ってのは物の輸出入を取り締まって関税を賦課・徴収するところ。 保税倉庫は外国の貨物を関税の徴収を保留したまま蔵置しておく場所だ」 「...はぁ」 更に小首を傾げるので、ため息をついてタツマは、 「あとで説明してやる」 と腰を落として、耳打ちをする。 「あっはっは。仲が良いな、お二人さん」 警部であり同期であり幼なじみでもあり強犯課の上司のルイス・ヴァインは、そんな二人を微笑ましそうに眺めている。 タツマは思わず、デスクを蹴飛ばそうとしたが、逆にめんどくさいことになりそうなので話を進めることにした。 「殺害は確定なのか?」 「ああ、刃渡り20センチ以上の刃物らしきもので腹部を刺されている、凶器は見つかっていない」 と、新しい厚紙に綴じられたファイルを手渡す。 黄色のファイルに綴じられた資料をパラパラと捲っていくと、3ページ目で死体の写真が貼られていた。 至って普通の死体だ。血溜まりの中にうつぶせているので傷口は見えない。 次のページを捲ると、それを簡易に線画化したものと、人体図に損傷箇所を赤斜線で塗りつぶしたもの(こちらは前後ろ二つ) が添付されていた。 写真のイラストはカラー写真が未だに劣化が激しいための措置なのだが、死体の生写真を見るのに抵抗のある人間にとってはそれ以上の役割もある。 メイが手を伸ばしてきた。 反射的にファイルを上へ上げる。 「タツマ、見せてやれ」 「あの、大丈夫ですから。慣れてますし」 「...そうだったな」 彼女は、自分よりも死体を見てきているのだ。 「すまん、俺が慣れてなかった」 ファイルを手渡し、ルイスを見やる。 「右の手首がないようだったが」 「ああ、事件現場、その周囲からも見つかっていない。それらしい血痕もな」 資料を渡したルイスは、既に別の書類を片付けにかかっている。 ファイルの色みから察するに盗掘団に関する案件のようだが。 「倉庫には内側から鍵がかかっていた。他に出口はない」 「その通り、俗に言う密室だな」 「言わんでいい。鍵は?」 「見つかっていない。そこが問題なんだ」 「問題」 怪訝な顔をする。 「合い鍵は?」 「合い鍵?」 ルイスも似たような顔をした。 「...ああ、“そっち”の鍵か。事故当時は、全部管理されていて手のつけようもなかったそうだぞ」 “そっち”はともかく、ずいぶんと適当な物言いなのが気にかかる。 どうやら、倉庫の鍵はあまり関係ないらしい。 思い至ることがあったので、メイからファイルを取り戻し、ページを捲る。 半ば奪い取るようではあったが、特に身を入れて見てはなかったらしく、文句は言われなかった。 「魔術の使用記録があったんだな」 「察しが良くて助かる」 捲っていくと、右肩に魔法著作権協会とかかれたプリントアウトに行き当たる。 機械的に書かれたシートには、住所と、 「事件当時発生した魔術は二つ。<施錠>と<解錠>がそれぞれ一回ずつだ」 そこで使用された二つの魔術の記録。 それぞれが、文字通りの効果を発揮する魔術ではあるが、 「ばかばかしい、密室でもなんでもないじゃないか」 「俗にと言ったろうが」 小難しい顔の、ルイス。もっとも、その顔は書類を向いたままだが。 「施錠はともかく、解錠は資格が要ったよな」 「ああ。ちなみに、使用した人物は有資格者で、その点は問題がない」 「話が見えん」 魔術の使用者は殺された被害者本人だった。 つまり、解錠・施錠者が犯人ではない。 この時点で密室はまた密室に戻ったわけなのだが、 「見えなくてかまわないんだよ。そこはどうでも良いんだ」 まあ、それはそうか。 ただの密室殺人事件程度では、彼女が呼ばれる理由がないのだから。 書類を一通りチェックして、ルイスは万年筆のキャップを外してサインを描く。 「君たちに依頼したいのは他でもない」 「はい」 と、応えて居住まいを正すメイと、 「たち、じゃねぇ」 ぼやくタツマ。 ルイスは微笑ましくそれを見てから、書類を180度反転してそれをつきだした。 「被害者の税関局員、ハーシィ・ハートゲイトを甦生し、失った“右手首”及び“杖”と“血まみれ人形の鍵”の回収につながる情報を聴取してもらいたい」 ああ、あと、とルイスは付け足した。 「ついでに“凶器”もだ」
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月20日(土)
壊れないように離れていく君を
|
Q:どうやったら毎日そんなに日記を書けますか。
A:毎日書こうなんて思ったら負けです。 その日起こったことなど次の日でも一週間後でもだいたい覚えています。 一度最低ランクの日記を書くと、毎日の更新が気楽になります。 自分のキャラとか、クオリティとか気にしはじめると何も書けなくなります。 と言うか、その時点で日記じゃないけど。
真面目に言うと、日記は日記であり、結局のところ一番読むのは自分であると言うことを自覚すると良いかと思います。 その日食った物リストなんかも、今はつまらないけど1年後に見れば普通におもしろいはずです。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
がつがつと最高級デラックス特選炭火焼きミラクル天ぷら丼定食〜そして伝説へ〜を食べる幽霊を眺めながら、 タツマはパイポをしがみ息を吸い、ため息じみた息を吐いた。 「なるほど、こんな味だったのか。こりゃうめえわ」 男は本当に上手そうにその天丼定食(味噌汁と漬け物付き)を食べている。 「美味いならもっと味わって食え」 「ゆっくり味わってなんていたら味なんてわからないじゃん」 ...言いたいことは解らないでもないが。 ハーシィ・ハートゲイト(享年25際)。彼が甦り、メイに協力するための条件。それは非常に明確だった。 時価・要予約・一年待ち。 オークノートでは割と有名な伝説の「天丼定食」 を一度でいいから食べたかった。 まあ、それ自体はタツマでも納得できる遺恨だが、 「にしても、毎回こんなめんどくさいことやってるのか」 「今回は難易度が高かったですね」 隣で折りたたみ椅子に座っているメイが、かた耳で答えた。 「一番の問題は、私もハーシィさんも最高級デラックス特選炭火焼きミラクル天ぷら丼定食〜そして伝説へ〜を見たことが無いと言うことでした。 以前も申しましたとおり、屍骸甦生術は死者の持つ後悔・遺恨を生存本能、魂のエネルギーとして甦生します。そのため、術師はその遺恨を晴らすことを公約する必要があります」 つまりそれは、誰かに遺言を伝えたり、残された家族の将来を補償することであったり、ベッドの下に隠したエロ本を黙って焼却することであったり、一生に一度でいいからアレを食べたかったというような願いを叶えることであったりする。 「最後にアレが食べたかった。と言う遺恨自体はそう珍しくない部類の願いに入ります。その場合屍骸術師は死者に対してそれを食べたという幻を見せることで契約を果たしますが」 つまり、今やっているこれである。 現在メイのネクロマンシーで甦っているハーシィは、無体甦生――つまり幽霊の状態である。 正確にはメイとタツマの見る幻影として甦っているらしいが、まあそれはどうでもよい。 ともかく、その幻覚に対してさらに天丼定食の幻覚を見せ食べさせていると言うわけだ。 お互い幻覚同士と言うわけではないが、ハーシィからすれば幻覚でも錯覚でもなく、ちゃんと本物を食べていることになっているらしい。 「いかにネクロマンサーと言え、情報にないものは創り出すことは出来ません。 死者が一度でも食べたことがあるのであれば、その記憶を元に再生は可能ですが...」 つまり、「あのとき食べた天丼定食をもう一度」 と言う願いならかなえられるわけだが。最初にメイが言ったとおり、術者も死体も知らない、見たことがない物の幻は造ることが出来ないと言うわけだ。 そのため、今回の契約の履行には、術者であるメイが現物――最高級デラックス特選炭火焼きミラクル天ぷら丼定食〜そして伝説へ〜を情報解析する必要があったわけで。 金もともかく一年も待っているわけにも行かず、あんな方法をとったが... 「まぁ、それでも店で売っているものだからマシな方か」 まだ、世界の海をマッハ8で泳ぐという伝説のキングホワイトホエールを食べてみたかったなんて遺恨じゃなくてよかったと喜ぶべきだろう。 「そういえば、あの客さん泣いていましたね。別に食べられなかったわけではないのですけど」 「あ〜そうだな」 と微妙に声を上げるタツマ。 きょとんとするメイには解らないだろうが...ああいうのは気分なのだ。 一応、店主自らが厳選した素材と、最高級のの手間と料理技術が掛けられているらしいが、結局のところ、一年待って高い金を払わなければ食べられないというレアリティがその天丼定食を美味くしているのである。 だから、その気分に一度でもケチが付くというのは実際、致命的なのだ。 当のハーシィは今回の件でこちらが被った面倒を全く知らずに美味しそうに天丼定食をがつがつと食べている。 「なぁ、俺らもあんな感じに食べることは出来ないのか?」 「出来ない事もないですが、おばあちゃんは“みじめになるからやめとけ” と言っていましたね」 ...まあ、そういうモノなのだろう。 タツマは最高級デラックス特選炭火焼きミラクル天ぷら丼定食〜そして伝説へ〜を美味そうに頬張る幽霊を眺めて、再度パイポをしがんだ。 「うめぇ〜〜ふぅ〜〜!」 奇声を上げる幽霊。「生きてて良かったーー!!」 死んどるつ〜に。 「喜んでいただいて幸いです。実のところ、少々不安でした」 メイは、スタンドしている杖をくるくると回してそんなことを言った。 「不安?」 「ええ、」 うなづいて、それからメイは小首を傾げながら、 「厳選された素材と言う割には成分と成分の比率がスーパーで売っている食材と大差がなかったものですから...微量ですが何故か重曹も検出されましたし」 ――ちなみに重曹は天ぷらをさっくり揚げる家庭のウラ技によく使われている。 タツマはパイポをしがんで息を吸った。 「...厳選したんじゃないか? スーパーで」 「あ、なるほど」 パンと手を叩いて得心するメイをよそに、ため息じみた息を吐く。 あとで誰にも言わないように釘を刺しておくべきだろう。 サラリーマン達の夢を潰してはいけない。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月19日(金)
ホリエモンってドラえもんよりもデジモンの名前みたいだよなぁ。
|
だから、ごきげんようは生放送じゃないんだってば。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「はいよ、最高級デラックス特選炭火焼きミラクル天ぷら丼定食〜そして伝説へ〜! お待ち!!!」 カウンター席の男性客は歓喜の涙を流しながらお盆を受け取った。 「つ、ついについにこの定食を食べる日が」 男は何十秒もかけて、震える手でカウンターにお盆を置いた。 眼前に広がる、豪勢という言葉ではとても良い足りない丼定食の風景。 男は千万無量の思いではらはらと涙を流した。 「入社早々、俺は中央からこの街に一人飛ばされ...引っ越したその日にこの店で親子丼を食べた。しょっぱかった。 二月が経つ頃には俺は慣れない西の風と孤独でぼろぼろになっていた。 長雨の日に俺は初めて会社を無断欠勤した。休んだところで行く当てもなく、俺はこの店で半日をただ過ごして...そのとき、俺はその定食の存在を知った。 自棄になってそれを頼もうかと思ったが、時価、要予約、一年待ちと書かれた値札がそれを阻んだ。 その日、俺は誓った。 二年だ、二年目のボーナスのとき、俺がまだこの街にいるなら...食べてもいいだろう。 そう誓ったあの日から、俺はこの日のためだけに生きてきた。 決して楽な仕事じゃなかった、何度も絶望し、挫折した。 けど、そのたびに俺は今日のこの日が来ることを思った。そうすることで不思議と何にでも耐えられた...」 男の独白は続く。 店主は黙して新聞を読んでいた。 「そうして今まさにこの瞬間がやってきた!」 男は涙を拭いて割り箸を口で割った。 「食べる、俺は、俺は食べるぞぉおおおおお!!」 と、丼に手を掛けた瞬間。 「はい、待った」 カウンターの後ろから別の男がその手を掴みあげた。 「へ?」 そこには夏なのにコート姿の男がいた。 黒髪の青年――男性客と同じぐらいの年齢の若者は、 「食事中にすまんが、こういうものだ」 と、自分の腰に差した剣を見せる。 この街において、帯剣者が示す職業は一つだけだった。 「け、警察の方が何かご用ですか?」 コートの男――刑事は神妙に頷いて。 「慌てないで聞いてもらいたい。 ...実は、この界隈で連続ピッキング強盗で指名手配されている男が潜伏中とのたれ込みがあって張り込んでいる」 「え...れ、強盗?」 「無人の家屋を狙ってピッキングを繰り返す凶悪な強盗犯だ。 既に計七名の罪もない目撃者が皆殺しされている」 「は、はぁ」 無人の家屋に侵入して何故七人も殺せるのか、という根本的な問題にも気づかずに相づちを打つ男。 「とにかく、その連続サムターン回し強盗は」 「え、ピッキングじゃあ」 「間違えた。で、そのカム送り解錠強盗だが...目撃者の証言によると、その強盗は今の君と似た箸の割り方をしていたらしい」 「はぁ――?」 「と言うわけで、参考人として署まで来てもらえるかな? もらえるよな?」 断言するように、刑事は男の手を掴む。 「え、ちょ、まっ、そんな割り箸の割り方なんてみんな同じって言うか、だいたい何で被害者の目の前で犯人が割り箸を割る必要が」 「そのへんは設定されていない」 「それって今考えてるってことじゃな――いや待って待って待ってって!!」 そうこう言い合う間にも、刑事は問答無用で男を入り口へ引っ張っていく。 その気迫に問答無用のオーラを感じたか、男は、 「わかりました、わかりましたから! 刑事さん、せめて食事が終わってからでも」 「駄目だ、事は一刻をも争う」 「せ、せめて一口だけでも」 「何を言うか、こうしている間にも犯人は次の犯行を行っているかもしれないのだぞ」 「ま、まって、それなんか論理がおかしくな――」 「四の五の言うな! さ、行くぞ。店主、邪魔したな!!」 そう言って、刑事はのれんをくぐって引き戸を閉めた。 「お、俺の最高級デラックス特選炭火焼きミラクル天ぷら丼定食〜そして伝説へぇええええええええええ!!!!」 断末魔の悲鳴が、店の外で響いた。
店内は静まりかえっていた。 残された店主と丼定食。 丼定食は湯気を立てていた。 店主は静寂の中でただ呆然としていた。 しばらくして、店主はふと我に返った。 いつの間にか、カウンター前に一人の少女が立っていた。 青い髪でノースリーブの夏服を着たその少女は、手に棒きれのようなものを持って丼定食をしげしげと眺めた。 それから、店主の視線に気づいて微笑んで、また視線を丼定食に戻して、 『踏査』 と、短く呟いた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
| | |
|
■2005年08月18日(木)
昨日今日明日の変わらぬ日々で、
|
七夜月幻想曲遊びたおしました。 って、近衛貴之って瀬戸口かいっ。 あいかわらずガンパレ組は本名で登場できないんだなあ。 小夜ががんばっていて良い感じ。 コーターローはうじうじしてますなあ。 あと、ロジャーの「全米が泣いた!」は良い台詞だ。
一通り終わったものの、辞典がまだ埋まらない。 ミニゲーム(シューティング) の成績とかだったら一生無理かも(笑) あと予告通り、以前のドカンの際の読者質問が載せられてましたね。 全300問近くあって、読みごたえあるなあ。 あ、自分がした質問発見。ちなみに日向の奴です。
最近読んだもの。 「冲方式ストーリー創作塾」
創作術とか言う割りに精神論やら体験談ばっかりであんまり面白くなかった。 だいたい、「小説は文才が無いとかけないと思ってませんかいえいえフツーの人でも小説は書けるんですよ」 だなんて、この一億総ブログ時代に何を古臭い既成概念蒸し返して覆すのか。インターネットは電話料金が高いと思ってませんかと今時まだ言ってくるぐらいの違和感がある。 序章がやたら長くその割りにそんな話ばっかりなので、この時点で読むの辞めようかと思った。本題書け本題。 なんつーか、ビジネス成功本の序章ってこんな感じだよなあ。 中身もまぁ、なんというかあれだ。 ハウトゥ本の創り方とか書いたら売れるんじゃないだろうかと思った。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
実のところ台詞をニュアンスで覚えるというのは大変難しい。 台詞の直前の感情の動きを理解しきれない、あるいは理解しても実践できないのが原因だったりするが、単純にキャラの思考パターンを理屈で理解しても実際に再現できないという事でもある。つまりは理屈どまりなのだ。
(「三百代言と三文芝居」)
| | |
|
■2005年08月17日(水)
赤マルジャンプ感想
|
新人漫画、わりと面白くって読み応えがありました。 武装錬金おわってねぇ〜〜。 いやぁ、熱い展開でした。 この漫画のファンで良かったよ。
なんか、今度ジャンプレボリューションとか言う増刊雑誌に和月先生の読みきりが出るそうです。 ジョン=ドゥとか言うフランケンシュタインの話だそうで。 ジョン=ドゥってあれですよね。郵政タロウとかそんな感じ。 ヒロインらしき眼鏡の女の子がカワイイのでどえらい気になります。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
さて、たとえ話と言うのは実のところ何にでも使える。 人生を四季にたとえる事もできるし、人を花にたとえる事もできる。 性格を動物にたとえたり、野球をロサモタにたとえる事もできる(だれもしらんかそうか)。 もっと実践的に言えば、演劇をダンスにたとえたり、ドラマをゲームにたとえたり、ネットを蟻の巣にたとえたり、世の中を遊園地にたとえたり、と何だろうと可能である。 ようは何かが共通してればたとえは成立するのだ。
(「たとえ話と基礎鍛錬」)
| | |
|
■2005年08月16日(火)
ブンブンブブブン黄色いバカンスよ♪
|
(プラス思考と弁証法)
さて、思うにこの手の言葉はいかにも胡散臭い。 思考にプラスもマイナスもへったくれもないだろう。この手の感覚はどうも苦手だ。 (中略) そもそも、プラス思考なんて言葉を使いたがる奴の大半はプラス思考じゃない。 本物のプラス思考という人間は大方が天然だろうからだ。 プラス思考の人間がワザワザ「自分はプラス思考です」 などといわんだろう。「私は人間です」と大手を振ってやれやっほほいと叫んでいる奴など、まあ天然っぽいがいないだろうに。
マイナス思考の人間がさも羨ましそうにプラス思考などという言葉を使うのだ、とは言わん。だが、プラス思考がいいと思うものがプラス思考という概念を必要以上に意識する。
まあ、そうでありたいというおまじないのよなモノだということだな。プラス思考という言葉は。 己の性質に合わない思考パターンを目指すというのはある意味洗脳だと思うのだが、自分がする分には問題なかろう。 やりたきゃやれ、なりたきゃなれ、だ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
あ〜ぱにぽにやってるなぁ。 そういえばサンデーにベッキーみたいなキャラがおよそ二名いるなあ。 どっちも好きな漫画だからいいんだけど(その理屈もどうだか)
| | |
PaintBBS Java like a children's Homepage
DiaryCGI [nicky!]
,
|