● 湯ノ花温泉
標高650m、南会津の山里にひっそりと湯煙をあげる湯ノ花温泉は、街道沿いと只見川の支流・湯の岐(ゆのまた)川の両岸に、20軒あまりの旅館と民宿、それに情緒ある4ヶ所の共同浴場が点在する。
渓流沿い、巨岩の横に湯小屋がある石湯は、すぐ横から湧き出る源泉が加水・加温無しでそのまま注がれ、足下からも温泉が湧出し、4ヶ所の中で最も情緒ある共同浴場だ。
● 下部温泉
日蓮宗総本山で宗祖・日蓮上人が祀られる身延山久遠寺にほど近く、日本三大渓
富士川の支流、下部川の渓流沿いに中小の素朴な旅館が30軒ほどが建ち並ぶ甲州三大温泉の一つ下部温泉(他に石和温泉・湯村温泉)。
下部川を跨ぐ神泉橋の袂にあり、昔ながらの湯治が出来る古湯坊源泉館には、30℃前後の温い温泉が自噴する日本最大級の足元湧出風呂「信玄公かくし湯大岩風呂(混浴)」がある。
● 古湯坊 源泉館 (山梨県)
● 長寿館 (群馬県)
足元湧出温泉旅館として、昔から全国的に知られた法師温泉の一軒宿。明治8年に建てられた長寿館本館、玄関先の軒下には、風雨にさらされ「御入浴客御指定」と辛うじて読める看板が架かっている。まるで江戸時代の旅籠の雰囲気だ。
巨大な梁が天井を覆う法師乃湯(混浴)の風呂は、丸太で6つに仕切られ、足元の砂地からぬるめの温泉が静かに湧出している。
● 法師温泉
800年の歴史を持つ三朝温泉は、世界有数のラジウム含有量の多い温泉として知られる。三朝川の清流に沿って、大小の旅館が立ち並び、気軽に入浴できる外湯も多い。
老舗の旅館大橋は、中国地方の銘木をふんだんに使用した純和風旅館。建物のほとんどが国登録の有形文化財に指定されている。
自慢は岩窟風呂と称する天然岩風呂で、巨大な岩石の間から温泉が湧出している。
● 旅館大橋 (鳥取県)
● 三朝(みささ)温泉
● 奥津温泉
美作三湯の中で最も俗化されていない奥津温泉は、吉井川の清流沿いにひっそりと湯煙を上げている。
奥津荘は昭和8年の創業、津山藩主専用の風呂であった鍵湯があった地に建つ。風呂の岩盤の間から透明度の高い温泉が自然湧出し、加水加温無し源泉かけ流しの温泉に身を浸す至福の時を過ごせる。
● 千原温泉
中国地方を代表する秘湯の日帰り温泉施設で、炭酸を含んだぬるい温泉が足下から湯玉と共に湧き上がる。
温泉チャンピオンの郡司勇さんが、秘湯を巡る著書「一湯入魂」で温泉、湯の使い方、建物の風情のどの点も理想的、満点と興奮気味に絶賛している。
● 千原湯谷湯治場 (島根県)
● 湯川内温泉
鹿児島県北部、出水市から5,6km山間部に入った渓流沿いにあり、湯治場の雰囲気を色濃く残す秘湯。
地元の人及び九州の温泉通には知られた温泉で湯治客も多いが、未だ全国的な知名度は高くない。
ガラスのような透明度の高い湯は、無造作に置かれた岩石の間から静かに湧き出し、その温い湯に一度浸かると出たくなくなる。
九州在住の温泉サイト仲間・プースケさんから紹介いただき宿泊したが、数多くの九州の温泉で最も感動した温泉・風呂だった。
● かじか荘 (鹿児島県)
阿蘇五岳の一つ、1,337mの烏帽子岳の西南麓、標高760mに湯煙を上げるワイルドな温泉。源泉となっている裏山の溶岩の裂け目から、硫化水素ガスが噴出しているところからこの温泉名がつけられた。
清風荘は、明治時代に建てられた本館や自炊棟などが建ち並び、湯治場の雰囲気を強く残している。
名物の「すずめの湯」は、まるで泥湯のようで、湯船の底にたまった細かな泥をかき分けるようにして湯が湧きあがっている。
● 地獄温泉
● 清風荘 (熊本県)
旅館福元屋は、壁湯温泉の一軒宿で、館内は民芸風にアレンジされている。
名物の露天風呂は、前を流れる町田川が長い年月をかけて岸壁を洞窟状にえぐって、その窪みから温泉が湧出しているもの。
頭上には大きな岩がオーバーハング状にせり出して、左右も岸壁、まことに迫力ある湯船となっている。
湯は39℃とぬるいので、40分入浴してください、との貼り紙がかかっていた。
● 壁湯温泉
● 旅館福元屋 (大分県)
宝泉寺温泉郷の最奥、蛍が舞う町田川上流沿いに建つ蛍川荘(けいせんそう)。
河原から湧く温泉の上に浴槽が設けられているので、湯船の底から透明度の高い温泉が湧きだしている。
湯船は三段に分かれ、下流にいくほど温度が下がる。洗い場も湯船もすべて石造り、底には大小の岩石が転がっていて、文字通り川底の雰囲気を醸し出している。
● 川底温泉
● 蛍川荘 (大分県)
中国地方の日本海側で最古の温泉と言われ、落ち着いたたたずまいの旅館が数軒寄り添うように並んでいる。
岩井荘は、館内のいたるところに和風モダンのセンスがあふれ、いかにも女性好みの宿だ。
ここの長寿の湯は、湯船の半分が胸近くまでくる深さで立ち湯となる。
底に敷かれた松板のすのこの間から、生まれたままの湯が湧出している。
● 岩井温泉
● 岩井荘 (鳥取県)
奥津・湯郷と並ぶ美作三湯の一つで中国地方を代表する名湯。
高さ70mを超える湯原ダムの下、旭川沿いの河原に3つの混浴露天風呂を有する砂湯は、西日本露天風呂の横綱に番付されている。
3つの風呂の温度はそれぞれ異なるが、熱く感じる風呂は無く全般に低め、長時間浸かることが出来る。
温泉は風呂の底から湧き出ている。
水着着用は禁じられているがタオル巻きはOKのようだ。
● 湯原温泉
● 砂湯 (岡山県)
中国地方の南麓を流れる吉井川の畔に湧く奥津温泉は、古来から知られる湯原温泉・湯郷温泉と並んで美作三湯の一つ。
客室数がわずか10室の老舗旅館「東和楼」は自然湧出する天然の温泉が名物。
地下のトンネルをくぐって行く小さな岩風呂の底からは、透明でまろやかな湯が湧きだし、湯船の外に流れ出る。
● 奥津温泉
● 東和楼 (岡山県)
湯原温泉へ向かう途中の小高い丘、まるで城壁のような高い石積みの上にひっそりと佇んでいる。
これほど古色蒼然とした宿も珍しいが、それもそのはず、明治初期の建物だ。
だが、ここには岩盤の割れ目から透明度の高い温泉が湧き出る足元湧出風呂がある。
源泉温度が34℃、冷たく感じる寸前の微妙な温さがなんとも心地よい。
その上、pH9.1のアルカリ性のためだろう、適度のヌルスベ感がある極上の湯だ。
● 湯原温泉郷郷緑温泉
● 郷緑館 (岡山県)
おそらく日本で最大の露天風呂であり、かつ足元湧出風呂である。
川湯温泉は、周囲の標高数百メートルの山々に囲まれ、熊野川の支流・大塔川の穏やかな流れに沿って、10軒余りの旅館・ホテル・民宿・共同浴場がこじんまりと並び、ひっそりとした温泉街風景をつくりあげている。
ここは、大塔川の川床を掘り、湧き出す湯で自分の露天風呂を造るユニークさと冬季のみに造られ開放される巨大な露天風呂で、全国にその名を知られている。
水量が少ない11月から2月の冬の期間だけ、本格的な土木工事で川をせきとめて、長さ50メートル、幅15メートルほどの超巨大露天風呂を造り上げる。
● 川湯温泉
● 仙人風呂 (和歌山県)
尻焼温泉は、小さくて素朴な温泉宿が3軒だけの秘湯。
草津温泉から東北に10km余り、やがて行き止まりとなる国道405号線から県道55号線に乗り換えてすぐの所にある。
ここの名物・川原湯は、長笹沢川の二つの堰の間に温泉が湧出し、天然の露天風呂となっている。写真だと小さく見えるが、30mx25mほどもある。
それでも川湯温泉(和歌山県)の仙人風呂よりは小さい。
しかし、野趣度からすると、人工的に砂利を積み上げる仙人風呂よりこちらの方が高い
● 尻焼温泉
● 川原湯 (群馬県)