風 呂
眺望が素晴らしいデッキ付の露天風呂。
3つめの風呂、鮮度が良いのだろうか、源泉が違うのだろうか、透明度が高い。
初の北海道湯巡りをプランニング中、多くの方から推薦頂いた日本秘湯を守る会の宿・丸駒温泉旅館。
神秘的な紺碧の支笏湖の湖畔に建つ絶好のロケーション、そして絶景の展望露天風呂と湖と一体となった足下湧出露天風呂、得られた満足は期待していた以上に大きかった。
千歳市は北海道の中南部、石狩平野の南端に位置し、札幌市・苫小牧市などと境を接している。
市域は東西に長く、西部は支笏洞爺国立公園に属する支笏湖地区で山岳地帯、中央部は平坦で市街地地区、東部は丘陵地帯で農林業が盛んである。
気候は太平洋と日本海気候の境で雨量は比較的少なく、平均気温は長野県・軽井沢に類似している。
千歳はアイヌ語で「シコツ・・・大きな窪地・谷」と呼ばれていたが、昔、沢山の鶴がいたことから、1805年(文化2年)、「鶴は千年・亀は万年」の故事に因んで「千歳」と名付けられた。
大正15年に当時の農民が造った着陸場を前身とし、今や3000m級滑走路を2本持つ新千歳空港が北海道の玄関口となっている。
創業以来、底から温泉が湧き出ている天然露天風呂。
天然の巨岩がせり出している。
右側が湖、湖水と湯面が同じ高さ。
支笏湖(支笏洞爺国立公園)
今から約3万年前の火山活動により陥没して出来た周囲約42km、最大深度約360m(国内第2位)のカルデラ湖である。
対岸の山は風不死岳(1103m)
ロビーからの風景
庭にはエーデルワイス(ミヤマウスユキソウ)が咲く。
ラウンジ
支笏湖の湖畔には3つの小さな温泉地がある。
「支笏湖温泉」は湖の北東岸にあり、美人の湯と言われるつるつるの重曹泉(ナトリウムー炭酸水素塩泉)が湧き、旅館が4軒ある。
支笏湖温泉と向かい合うように北西岸にある一軒宿が「丸駒温泉」と隣り合う「いとう温泉」だ。
丸駒温泉は、1915年(大正4年)、湯が湧くという噂を聞きつけた男が対岸から船で渡り、草ぶきの湯小屋を建てて湯治を行った。
彼が丸駒温泉旅館の初代館主・佐々木初太郎である。
この日、前日宿泊した大雪山山系中の旭岳温泉から国道237号線を一路南下、ラベンダーが薄紫色に色づいた上富良野(前日観光)で左折、富良野岳(1500m)山腹の吹上温泉と十勝岳温泉で入浴した。
その後再び国道に戻って南下を続け、夕張ICで道東自動車道に乗り道央自動車道の千歳ICで降りて支笏湖東岸に出た。
氷菓子:季節の果物
酢の物:もずく酢
蒸し物:冷製茶碗蒸し
鍋物:魚貝の陶板焼き
煮物:海老絞り寄せ饅頭
洋皿:スモークサーモン
お造り:サーモン・間八・帆立貝等
前菜(手前)
先附:手作り胡麻豆腐
毎朝大量のサラダを食べるように躾けられているので、ここでも。
夕食は部屋食、朝食はレストランでバイキングとなる。
夕食は肉が入らない会席風和食膳で、特に北海道の食材が中心、というわけではない(サーモンが2つの料理に使われていたものの)が、海が近い温泉ではないのでこれに失望はしなかった。
名物のチップ(ヒメマス)の料理は別注で可能だが、漁期の7月8月を除いては天然物ではなくて養殖物のようだ。
朝食は私が好むバイキング、例によってパン食にしたが、温かいオムレツ、自家製のパンが嬉しかった。
料 理
正面玄関
丸駒温泉でクルーズが出来る。
支笏湖温泉を通り過ぎ国道453線で湖を半周する。前方に恵庭岳(1320m)、この麓に丸駒温泉がある。
一軒宿の丸駒温泉旅館。
日本秘湯を守る会の会員旅館、丸駒温泉旅館には電気が引かれておらず自家発電によっている。
館名の由来は、昔、恵庭岳で取れる硫黄を運搬する馬がケガをしたときに、ここで治療をしたことに由来するそうだ。
原生林が生い茂る恵庭岳を背後に、日本最北端の不凍湖、全国屈指の水質を誇る支笏湖が目の前の絶好なロケーションに、白壁3階建ての建物が映える。
支笏湖の周辺は本州の湖のように観光化されていなくて、湖畔に建物が全く見えず、行き交う観光船やボートも見当たらない。
生活排水もないのだろう、湖面は鮮やかな濃いブルー、前方には溶岩ドームを持つ風不死岳が険しい山容を見せている。
館内は典型的な観光温泉ホテルの雰囲気で決して洗練されているとは言えないが、ロビー正面のガラス窓から見る風景は誠に素晴らしい。
男3人に割り当てられた部屋は落ち着いた和室の10畳(広縁+BT)、ここからの眺めも素晴らしい。
しかし全56室のうち、湖に面していない部屋もあるので、予約の際は必ず湖側と確認することをお勧めする。
宿泊料金は、山手側で10,000円前後から、湖側は13,000円前後からだが、年度・季節・曜日・宿泊人数・プランなどによって変動するので詳細は下記HPを参照されたく。
湖に接したこの露天風呂は、全国に20ヶ所ほどしかない足下湧出風呂で、底に敷かれ玉砂利の間から温泉が湧き出ている。
温度が熱い時は、この砂利を湧出場所に厚く敷き、温い時はこれをよけ、湧出する温泉の湯量を調整するという。
しかし、実際入浴してみると、湯玉が底から湧き上がってくる所は目視できず、どうやら小さめの女性用の方がはっきり見えるようだ。
常連客の方が、「岩の間から温泉が出ている」と言って、大きな岩の前で浸かっておられたが(写真左上)、宿に確認してないので真偽は不明だ。
面白いのは、風呂の湯面が隣の支笏湖の水面の高さと同じになること。
かって大雨が続いたとき湖の水面があがり、これに伴って風呂の深さが1m60cmにもなったそうだ(最低で50cm程度に下がるとのこと)。
このためだろう、風呂場の横に浮き輪が置いてあった。
日本広しと言えども、風呂で溺れる可能性のある所は、たぶんここ以外無いだろう。
源泉は自噴・動力引揚両方で4本有しており、代表的な泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉(旧泉質名:含土類・石膏-食塩泉)だ。
風呂によって温泉の色が異なっていたが、これは異なった源泉が注がれているためか、温泉の鮮度によって異なっているのか定かでない。
日帰り入浴は、10時〜15時まで(予約不要)、料金は大人1000円。
庭からの眺め
落ち着いた10畳の和室、夏でも涼しいということで冷房設備は無い。
住 所 | 北海道千歳市幌美内7 |
電 話 | 0123−25−2341 |
交通機関 | 道央自動車道千歳ICから約35km JR千歳線千歳駅から中央バス支笏湖行きで45分終点下車、タクシーで約15分(送迎バス有) |
施設(日帰り用) | ロビー、湯上り処、駐車場(70台) |
宿 泊 | 56室(和室/T51、洋室/BT1 和洋室/BT4) 宿泊料は山側で10,000円前後〜 詳細は下記HP参照。 |
泉 質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉(旧泉質名:含土類・石膏-食塩泉) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 | 午前10時〜午後3時 予約不要 |
定休日 | 年中無休 |
入浴料金(外来) | 大人 1000円 |
入浴施設 | 内湯:男女別各1 露天風呂:男女各2 サウナ 貸切風呂2 |
浴室備品 | シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット | 支笏湖、山線鉄橋、野鳥の森、苔の洞門、風不死岳、恵庭岳、オコタンぺ湖、美笛の滝 |
お土産・食事 | 館内に土産売店 昼食付き入浴(要予約) |
近くの温泉 | 支笏湖温泉、いとう温泉 |
千歳市HP 観光連盟HP 丸駒温泉旅館HP |
http://www.city.chitose.hokkaido.jp/ http://www.1000sai-chitose.or.jp/ http://www.marukoma.co.jp/ |
雑記帳 | 支笏湖とセットになっている洞爺湖だが、2週間後にサミットが開催されるので警備が厳しいだろうと推測し、登別温泉を含めて近づかなかった。 翌日、洞爺湖から遠ざかる支笏湖からニセコに向かう途中の国道で、多くのパトカーや白バイとすれ違い警備の厳重さを認識した。 |
この砂利の下から温泉が湧き出ている。
鉄分を含んでいるような色合い。
石造りの内湯、手前にもう一つ湯船がある(写真中央)