3年前の目標であった温泉300ヶ所入浴の達成記念として、中国地方屈指の名湯で世界有数のラジウム含有温泉・三朝温泉の老舗旅館大橋に宿泊した。ここは温泉教授・松田忠徳氏の「日本百名湯」の旅館でもある。
施設名 : 旅館大橋 (宿泊日:2005.10.21)
三朝町には誇るものが2つある。
一つは言うまでもなく中国地方を代表する名湯・三朝温泉。
もう一つが「三徳山・投入堂]だ。
三徳山は標高900m、山全体が国の名勝・史跡に指定されている。
投入堂は、三朝温泉から車で10分ほど、その三徳山の垂直な崖の途中にあり、鳥取県唯一の国宝建造物である。
どうやって、こんな場所に建てることが出来たのか信じられない。役行者(えんのぎょうじゃ)が麓で組み立てたお堂を、神通力で「えい、やっ」と投入れて置いた、という伝承を信じたくなる。
ここにたどりつくには、死亡者がでたこともある急な崖道を登って行かねばならない。前回、温泉仲間とここを訪れたとき、3人は登ったが、足腰に支障がある私共夫婦は下から仰ぎ見るだけに留めた。
中国山地・三徳山の麓、三徳川を跨ぐ三朝橋を中心にして40軒弱の大小の旅館、土産物屋が立ち並ぶ三朝温泉。年間170万人が訪れる三朝は、世界で有数のラジウム含有量の多い温泉として知られる。
三朝温泉発祥の株湯、ぼさつの湯、三朝橋のたもとの河原露天風呂、2ヶ所の共同浴場など多数の外湯もあり、湯巡りも楽しめる。
山陰では、最も情緒溢れる温泉街だろう。
開湯以来の歴史・伝統から老舗の宿も多く、中でも「斉木別館」「依山楼岩崎」は、料金は高いが満足度の高い宿として人気がある。
前回は現役時代の会社が所有する大仙寮に宿泊する際に立ち寄ったが、今回は300ヶ所入浴の自分への祝い。
前日宿泊した城崎温泉を発ち、鳥取砂丘を観光したり、岩井温泉・吉岡温泉等に立ち寄ってから、今夜の宿・旅館大橋にやってきた。
ここは、温泉教授・松田忠徳氏激賞の宿だ。
三徳川を跨ぐ三朝橋のたもとの河原露天風呂
唐破風の玄関前に車を停めると、伝統を感じさせるが、その規模は実感できない。しかし、三徳川の対岸に渡って見ると、長大な純和風建築に感嘆する。
木造3階建て、4棟からなる建物が鶴翼のごとく100m近く連なり、その典雅な佇まいはまことに見事だ。これで部屋数はわずかに31室、その上すべての客室の造作が異なる贅沢さだ。
昭和7年の創業、鳥取県の銘木をふんだんに使った建物の大部分が、国の登録有形文化財に指定されている。
館内に入ると落ち着いた和洋折衷のロビーを通して、三徳川の清流が望まれ、そこのソファーでおうすを頂ながらチェックインを済ませる。
係りの若い女性に案内された部屋は、床の間・飾り棚・書院障子・天井などの凝った造作が、大正・昭和初期の雰囲気を漂わす京間の8畳。それに4畳程度の控えの間と広縁があって、かなりのスペースだ。
窓からの清流の風景も素晴らしい。
平日宿泊 @19,050円(税込み)(T付)
登録有形文化財の証
ロビーでチェックイン
窓枠も木造
床の間の生け花
脇息のある和室
食 事
夕食・朝食とも部屋食。
夕食は一品ごと、量を抑え、洗練された料理が、白を基調にした食器に盛られてサーブされる。見た目にも鮮やかだ。味・盛り付け・色合いとも申し分ない。
それもそのはず、大橋の総料理長・知久馬惣一さんは、京都・奈良で修行、地元の素材を使った創作料理が高く評価され、厚生労働大臣所管の「現代の名工」に指定されている。
ヤマモモの食前酒・季節の先付け・秋茄子のゼリー寄せ・栗のすり流し(松茸)
朝 食
三朝温泉随一のロケーションで全室が三徳川に面する。あまり長いので全貌が写らない。左にまだ伸びている。
ここの売り物は、何と言っても「天然岩窟の湯」だ。更衣室の扉を開けると、地下への階段があり、右手にトリウム泉、中央・左側に2つのラジウム泉の湯船がある。採光を抑えているので薄暗い。
風呂は何れも三徳川の岩石を積んだ豪快なもの。湯船の中は、大きな段差があるので、気をつけなければならない。一番深いところでは、胸までくるので立ち湯となる。そのためもあって、一風呂一人が最適だ。
自家源泉5ヶ所、うち自噴泉3ヶ所!すべての風呂が完全掛け流し。岩窟の湯は湯船の底から湯玉が湧きあがる「足元湧出風呂」だ。湯は透明、なめらかで皮膚をを包むような感触がある。
トリウム泉、含有成分のためだろうか、石が黒く変色している。小さな湯玉が不規則に上がっていた。
岩窟の湯は、女性の入浴時間が15時〜21時、男性が21時〜24時30分・5時〜9時となっている。
「ふくべの湯」は楕円形の2つの浴槽が重なったタイル張りの風呂。窓からは森の緑と三徳川が見渡せる。ここからは渓流が目の前を流れる露天風呂に出ることが出来る。(入浴時、多数の先客がいたので、撮影が出来なかった。)
住 所 |
東伯郡三朝町三朝302−1 |
電 話 |
0858−43−0211
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交通機関 |
中国自動車道院庄ICから国道179号線で65km
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施 設 |
宴会場、ラウンジ、売店、 駐車場(50台) |
宿 泊 |
31室 料金は2万円前後からだが、詳細は下記HP参照。 |
外来入浴時間 |
15:00〜21:00 |
定休日 |
無休 |
泉 質 |
含弱放射能ーナトリウムー塩化物温泉 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
外来入浴料金 |
大人1,000円 (予不要約) |
入浴施設 |
内湯男女各1、露天風呂男女各1、蒸気風呂、足湯、洞窟風呂等
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浴室備品 |
シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット |
大山、蒜山高原、三徳山三佛寺(投入堂)、小鹿渓 |
お土産・食事 |
三朝の何よりのお土産・ご馳走は温泉。三朝橋のたもとの河原露天風呂は三朝温泉のシンボルで混浴・無料。株湯は三朝温泉発祥の湯で入浴料は200円。 |
近くの温泉 |
東郷温泉、はわい温泉、関金温泉、奥津温泉、湯原温泉 |
三朝町HP
旅館組合HP
旅館大橋HP
三徳山HP |
http://www.town.misasa.tottori.jp/japan/
http://www.tabijozu.ne.jp/~misasa/
http://www.o-hashi.net/
http://www5d.biglobe.ne.jp/~mitoku/ |
雑記帳 |
(三徳山ホームページから)
三徳山その開山は慶雲三年(706)にさかのぼります。役の行者が3枚のハスの花びらを散らし、「仏教に縁のあるところに落ちるように」と祈ったところその1枚が伯耆の三徳山に落ち、この地を修験道の行場として開いたのが始まりとされています。その後、嘉祥二年(849)慈覚大師円仁により釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来の三尊が安置されたので、天台宗三徳山三佛寺と称し、堂舎38、寺3千軒、寺領1万町歩、3千石を領していた。(以下略) |
奈良県在住者には嬉しいお名前の飛鳥(本名)さん。お世話になりました。
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
三徳山の崖に建てられた国宝・投入堂。
お造り(部屋の灯りを消してローソクの演出)
山菜の錦蒸し
松茸の鋤焼き
車海老の吹き寄せ焼き
ホタテ貝のコブ〆