住 所 田辺市本宮町川湯
電 話 (本宮町観光協会)0735−42−0735
交通機関 五條から国道168号線等で約110km
JR紀勢本線新宮駅からバスで約1時間
五条ー十津川村ー本宮町ー熊野市間の国道168号線及び白浜ー本宮町の国道311号線は、冬季、チェーン規制が多発するので要注意。
施 設
女性用脱衣場 駐車場は風呂の下流の河原
宿 泊 周囲の旅館・民宿など11軒
泉 質 不詳
(川底から湧いている73度の源泉に、大塔川の清流を引き入れて40度前後に調整)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 6時30分〜22時(平成18年11月から左記に変更) 
定休日 11月から2月まで無休、但し増水で閉鎖されることがあるので事前に観光協会に電話して確認することが必要。また、下記の富士屋のホームページで毎日の状況が表示されている。
入浴料金 無料
入浴施設 露天風呂1(混浴・水着着用可)
浴室備品 なし
観光スポット 熊野本宮大社、熊野古道、瀞峡(ウォータージェット)熊野速玉大社、那智の滝、熊野那智大社、青岸渡寺
お土産・食事 音無茶、栄香梅、ぼたん鍋、あまご酒、めはり寿司
温泉しゃぶしゃぶ・湯豆腐
近くの温泉 湯の峰温泉渡瀬温泉十津川温泉郷南紀勝浦温泉奥熊野温泉女神の湯)上小野温泉ひすいの湯)湯の口温泉(湯元山荘湯の口温泉)入鹿温泉(瀞流荘)、熊野川温泉(熊野川温泉さつき)雲取温泉(高田グリーンランド)
田辺市HP
観光協会HP
富士屋HP
http://www.city.tanabe.lg.jp/
http://www.hongu.jp/
http://www.fuziya.co.jp/top.htm
 (ここで仙人風呂の状況が分かる)
雑記帳 本宮町に鎮座の熊野本宮大社、新宮市新宮の熊野速玉大社、那智勝浦町の熊野那智大社を総称して熊野三山という。12世紀の平安時代後期から熊野三山信仰が高まり、京都の下鳥羽から淀川を下って現在の大阪市の天満橋そばに到着、熊野九十九王子の第一番目、窪津王子に参拝、そこから和泉の国を南下、紀の川を越えて有田、湯浅、御坊そして田辺から中辺路(なかへじ)を通って熊野本宮の山中へ。本宮からは熊野川を舟で下って新宮、那智を巡礼した。熊野九十九王子は、難行苦行の道中、熊野権現の御子神を参拝するために設けられた神社である。
国道168号線で十津川村を通過し、熊野川を左手に見ながら熊野本宮大社の前を通り過ぎて2km余り、本宮温泉郷の湯の峰、渡瀬そして川湯温泉へのルート標識が現れてくる。
この三つの温泉を巡って一周しても10kmに満たない。

その内の一つ、川湯温泉は、周囲の標高数百メートルの山々に囲まれ、熊野川の支流・大塔川の穏やかな流れに沿って、10軒余りの旅館・ホテル・民宿・共同浴場がこじんまりと並び、ひっそりとした温泉街風景をつくりあげている。

ここは、大塔川の川床を掘り、湧き出す湯で自分の露天風呂を造るユニークさと冬季のみに造られ開放される巨大な露天風呂で、全国にその名を知られている。

川床から湯が湧く温泉は、群馬県の尻焼温泉をはじめ幾つかあるが、ここの仙人風呂は水量が少ない11月から2月の冬の期間だけ、本格的な土木工事で川をせきとめて、長さ50メートル、幅15メートルほどの超巨大露天風呂を造り上げる。
期間限定とは言え、おそらく日本一の大きさだろう。

それでも冬場の雨や雪で増水すると川水で浸食されて閉鎖されることがある。
3年前だったろうか、私が最初に川湯温泉に行ったとき、今回宿泊した富士屋のホームページに、雨による増水のため流失して再構築に一週間かかった様子が記されていて、地元の苦労に頭が下がった。これで無料で入浴できるのだから、入浴する方はこれを心に留めておきたいものだ。


その時を含めて川湯温泉を通過したのは3回、2回は仙人風呂のシーズンオフだったが、いつの日か、ここに入浴しようとかねがね思っていた。
大塔川に沿った川湯温泉街
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
川湯温泉 仙人風呂 (和歌山県)
2005年5月1日付けで、東牟婁郡本宮町は、田辺市を核に龍神村、中辺路町、大塔村とともに合併した。
これにより(新)田辺市は、太平洋側から国道311号線沿いに県下最東部の山間部まで、東西に細長い広域自治体となった。
世界遺産登録となった熊野古道の中心「中辺路」をカバーする部分である。

本宮町の歴史は古く、熊野本宮大社や熊野古道、わが国最古の温泉とも言われる湯の峰温泉等で知られている。
言うまでもなく「本宮」という名前が熊野三山(雑記帳参照)の中心「熊野本宮大社」に由来する。

現在の本宮町は森林地帯が93%を閉める林業の町。北に果無山脈、南に大塔山系の山岳で囲まれ、町の中を熊野川が流れている。

国道168号線を十津川村から南下し、本宮町内の川湯・湯の峰・渡瀬温泉を通過すると、やがて山並みの間をぬって流れる熊野川が左手に見えてきて、太平洋に注ぐ新宮市まで平行する。
168号線もここら辺りまで来るとカーブがゆるやかに、道幅も広くなって熊野川の景観を楽しみながら快適なドライブが楽しめる。
熊野本宮大社・八咫烏の幟
熊野川
湯の峰温泉
龍神温泉
所在地 : 田辺市本宮町
温泉名 : 川湯温泉
施設名 : 仙人風呂 (入浴日:2005.12.13)
師走の中ごろ、2泊で南紀の温泉を巡ることにし、その内の1泊を仙人風呂の目の前に位置する富士屋に決め予約を入れた。
電話を受けた女性は、女将さんだったのだろうか、彼女の応対は明るくテキパキしていて、旅館の応対はこうでなければ、と感じ入った。


前日宿泊したあまり知られていない日置川温泉(記事、追ってアップ)を発って、途中、勝浦温泉の何ヶ所かに立ち寄ってからここにやって来たのは午後3時半、折からの大寒波襲来で、雪が降り始めてきた。
案内された部屋から外を見ると、斜め前に仙人風呂。零下近い温度のために湯気がもうもうと舞い上がり、その上、雪のために風呂の全貌は見えない。
浴衣には着替えず、仲居さんが入れてくれたお茶も飲まないで、タオルを持って慌しく仙人風呂に向かう。
道路側から仮設の橋を渡って河原に下りる。

あらためて見る仙人風呂は50mx15mほどあるだろうか、本当にでかい。
3方は重機で川底をえぐって、その砂利を積み上げて土手にし、正面の自然の山すそとで風呂を造り上げている。

仙人風呂の手前には腰の高さ程度の目隠しが建てられていて、おそらくそこが男性の脱衣場なのだろう。
右手には女性用の簡易脱衣場が設けられている。
奈良県側、五条・十津川方面からの客が国道168号線の凍結で来られなかったのだろうか、それに平日、寒さと雪が重なって先客は誰一人おらず私のみ。

この風呂はもちろん混浴、川沿いの旅館から丸見えだし、それにギャラリーも多いので水着での入浴が多い。旅館でもそれを貸し出してくれる。、
しかし、この日はなんのためらいも必要ない。雪と寒さに震えながら裸になって風呂に浸かる。

思った以上にあたたかい湯温に驚く。これだけ広い面積で、しかも川下側の土手の一角を崩して掛け流し(なんとも豪儀な掛け流しだ!)にしているのに、これだけの温度を保つために、川底からどれほどの温泉が湧出しているのだろうか。

湯に浸かりながら周囲を見回す。左手に富士屋の長い建物、右手が山すそ、下流の風下側は湯気がもうもうと舞い上がって風呂の前方が見通せない。
頭の中で暗算する。50mx15m=750平米(230坪)の風呂に我一人、なんとも贅沢な貸切風呂だ。

頭寒足熱、風呂に入ったからには、この雪・寒風も心地よい。
せっかくだから風呂を縦断することにする(横断は長過ぎる)。
底は大小の河原石が転がり歩きにくい。デジカメを持っているので、万一躓いても濡れないように、手を高く上げてそろそろ歩く。まるで降参兵のようだ。15m歩いて対岸に到着、しばし違った角度で周囲を見回す。
戻る時、今度は、正面に旅館があるので、立ち上がって歩くのは気恥ずかしい。日本の古来の泳法のように、デジカメを持った手を上に挙げて、腰を落したままで移動する。
長湯をしたかったが、脱いできた衣服に雪がかかっているが気にかかって、そこそこで風呂から上がった。


腰までの高さの柵。多分、脱衣場所なのだろう。
女性用の脱衣場
道路側から仮設の橋を渡る
早朝、重機で風呂の修繕
川下から見る仙人風呂。
川上から見る露天風呂。
対岸で浸かりながらの撮影、建物は宿泊した富士屋。