所在地 : 玖珠(くす)郡九重(ここのえ)町
大分県と熊本県の県境には、個性豊かな名湯や秘湯が数多く点在している。
これらの温泉を地域別に大雑把に括ると、一つは大分・熊本両県にまたがる九重連山周辺、もう一つは熊本県の阿蘇山周辺に所在している。
九州11泊の旅の3日目、前日宿泊した天ヶ瀬温泉から今夜の宿泊地・湯布院温泉に向う途中、ほんの少し遠回りして秘湯の趣がある九重町の2つの温泉に立ち寄った。川底温泉と壁湯温泉である。
住 所 |
大分県玖珠郡九重町大字町田62−1 |
電 話 |
0973−78−8754 |
交通機関 |
大分自動車道九重ICから国道210・387号線で約7km
JR久本本線豊後森駅から大分交通バス宝泉寺温泉入口行きで20分、壁湯下車
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施設(日帰り用) |
売店、駐車場(30台) |
宿 泊 |
8室(BT無し) 11,700円〜 |
泉 質 |
単純温泉 37.8℃ 無色・無臭 1280リットル/分 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) |
7時〜22時(予約不要) |
定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人400円 (共同浴場は200円) |
入浴施設 |
内風呂女1、露天風呂混浴1、貸切風呂2 |
浴室備品 |
露天風呂では体は洗えない。 |
観光スポット |
竜門の滝、飯田高原、九酔峡、耶馬溪、阿蘇山、久住高原 |
お土産・食事 |
売店あり、昼食は不可 |
近くの温泉 |
宝泉寺温泉郷、川底温泉、黒川温泉、小田温泉、筋湯温泉、奥万願寺温泉、筌の口温泉、天ヶ瀬温泉など多数 |
九重町HP
観光協会HP
壁湯温泉HP
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http://www.town.kokonoe.oita.jp/
http://www.kokonoe-k.com/
http://www.kabeyu.jp/ |
雑記帳 |
九重は町の場合は「ここのえ」、山・温泉・高原等の自然・観光の場合は「くじゅう」と呼ぶようだ。尚、九重連峰には、単独の山として「久住山」がある。 |
高原と温泉の町・九重町は、大分県の南西部に位置しており、東は大分郡、直入郡に、北西は玖珠町に、南西は熊本県阿蘇郡に接している。
町の中央部を筑後川上流玖珠川が東西に走り、西側に田畑、山林等が開け、東南には久住山、大船山等10有余の標高800m〜1,700mの九重山群がなだらかな山容を見せている。町の大部分は山林、原野に覆われており、気候は変化が激しく、東北から九州の気候を内包している。
この日、前日宿泊した天ヶ瀬温泉を9時前に発って、国道210号線を東に15kmほど進み、途中で国道387号線に乗りかえて浅い山間を10km進むと、道路沿いに壁湯温泉の看板が見えてきた。
九重連山・阿蘇山が見渡せる「大観峰」の愛犬アルベール。後ろが九重山群。
温泉名 : 壁湯温泉
九重連山の西側一帯を走っているとき、「九重九湯」の案内板を度々見かけた。
九湯とは、町域にある龍門温泉郷・壁湯・宝泉寺(温泉郷)・川底温泉・筌の口・湯坪・長者原・筋湯(温泉郷)・寒の地獄をいう。大温泉地あり秘湯ありで、どれも魅力的な温泉地だ。
3ヶ月前から始めたプランニングの中で、この地域で必ず行く温泉としてリストアップしたのは、川底温泉そして、ここ壁湯温泉だった。
この温泉を知ったのは、3年前に買い求めた日本秘湯を守る会編集の「日本の秘湯」に掲載されていたことによる。
ここの豪快かつ野趣たっぷりの露天風呂に、将来入ってみたい、という夢が今回実現することになった。
玖珠川の支流、町田川沿いに湧く温泉は、250年ほど前に発見されたと言われている。
半洞窟の源泉場所は、周りの壁に苔などが生えていたため「かび湯」と呼ばれていて、それが現在の「かべ湯」に転じたと言う。
ここは、福元屋旅館と民宿の2軒だけの小さな温泉地だ。
国道から細い道を川に向って下っていくと、道が左右に分かれる。右手は、共同浴場(200円)の露天風呂、左手を進むと福元屋に至る。
旅館は木造で簡素な建物だが、内部に入るとこげ茶をベースにした和風モダンな洒落た造りのロビーに驚かされる。
置かれているすべての家具・什器や置物は、素朴で手造り感があふれている。帳場の横には、私にとってはお馴染みの日本秘湯を守る会の会員旅館を示す大きな提灯がぶら下がっていた。
ここで500円を払い、いったん外に出て階段を下っていくと名物の露天風呂(混浴)が見えてきた。
なるほど噂に聞く豪快な露天風呂だ。目の前が町田川の渓流、湯船の真上にはオーバーハンギング状態で巨大な岩がのしかかり、左右も奥も岩盤で囲まれている。湯気の湿気のせいだろう、岩盤は苔で覆われている。
風呂はかなり深く、底は大小の石がゴロゴロしている。透明なさらりとした単純泉はぬるく、40分浸かって下さい、の掲示に納得がいく。湯は奥の岩盤の割れ目から湧いているようで、そこに近づくと湯温が若干高くなった。
渓流沿い、深い湯船の真上に巨大な岩盤が圧し掛かる。
旅館と共同浴場の2ヶ所で入浴が出来る。
共同浴場(下手)
こげ茶をベースにしたシックな内部
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
館内には「日本秘湯を守る会」会員の提灯。
施設名 : 旅館福元屋 (入浴日:2005.4.4)