川底温泉・蛍川 (大分県)

旅館は営業停止して日帰り客のみ受付。改定版の記事はこちら

住 所 大分県玖珠郡九重町菅原1453
電 話 0973−78−8234
交通機関 大分自動車道九重ICから国道210・387号線で約15km
JR久本本線豊後森駅から大分交通バス小国行きで30分、川底温泉下車すぐ
施設(日帰り用) 駐車場(20台)
宿 泊 10室(BT無し) 10,650円〜
泉 質 単純温泉  86℃℃ 無色澄明 180リットル/分 pH7.3
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 8時〜21時(予約不要)
定休日 無休
入浴料金 大人500円 
入浴施設 混浴大浴場1、女性用内湯1、露天風呂1、貸切風呂1
浴室備品 混浴大浴場にはシャンプー・手桶など置いてあるがカランはない。
観光スポット 竜門の滝、飯田高原、九酔峡、耶馬溪、阿蘇山、久住高原
お土産・食事 売店あり、昼食は不可
近くの温泉 宝泉寺温泉郷、壁湯温泉、黒川温泉、小田温泉、筋湯温泉、奥万願寺温泉、筌の口温泉、天ヶ瀬温泉など多数
九重町HP
観光協会HP
http://www.town.kokonoe.oita.jp/
http://www.kokonoe-k.com/
雑記帳 九重は町の場合は「ここのえ」、山・温泉・高原等の自然・観光の場合は「くじゅう」と呼ぶようだ。尚、九重連峰には、単独の山として「久住山」がある。
所在地 : 玖珠郡九重町
九重(ここのえまち)は大分県の南西部にあり、西側は標高350m〜1,000mの山林や田畑、東南には九州の尾根、標高800m〜1,700mの九重山群が聳えている。
この高原地帯には魅力的・個性的な温泉地が数多く点在していて、地元では以下の温泉を「九重九湯」と称してPRしている。
「龍門温泉郷、宝泉寺温泉郷、湯坪温泉郷、筋湯温泉郷、筌の口温泉郷、長者原温泉郷、寒の地獄、壁湯温泉、川底温泉」
日程の関係で全部は周れず、散々迷った末に「壁湯温泉」と「川底温泉」それに「長者原温泉(紅殻之湯温泉)」を選んだ。
温泉名 : 川底温泉
この日の予定は、前日宿泊した天ヶ瀬温泉を出発し壁湯温泉→川底温泉→大観峰(観光)→阿蘇内輪山ドライブ→地獄温泉→草千里(観光)→やまなみハイウェイドライブ→黒川温泉(泊)
天ヶ瀬温泉から国道210号線・387号線に乗って25km余り、万年山の裾野を巻くようにして進んだ。国道は300番台になると山間部や渓流沿いを走り、道も細くなって緊張を伴うことが多いが、387号線も道幅が狭まったものの、すれ違いに困るような難路でなく、なだらかな丘陵地帯を進む。途中、大きな岩が湯船の上をオーバーハング状に圧し掛かる壁湯温泉に立ち寄ってから川底温泉にやって来た。
一軒宿の蛍川荘は、大分県と熊本県の県境、6月になると蛍が舞う町田川の河畔に建つ。
例によって、ここにも開湯に関わる伝承があるがそれは別として、江戸時代末期の安政3年(1856年)に、当時の庄屋が川底に石を敷き詰め湯小屋を建てて温泉を開業したのが始まり。
その後、経営者が替わるたびに屋号が改められ、建物が増築・改築されたが、今回入浴した混浴大浴場だけは江戸時代からのものだという。
私がここに立ち寄ったのも、この大浴場に入浴するためだった。

町田川の清流を跨ぐ細い鉄橋を渡ると、右手に本館、左手に浴舎がありそちらに向かう。
古びた建物に入ると、日帰り用と思われる受付があるが誰も居ない。
しばらく待ったが来る様子も無いので、机の上に入浴料金の500円を置いて半地下の浴舎に向かう。本来は本館に行って入浴料金を支払うのだろうか。


引き戸を開けて中に入ると、そこには今まで見たことの無い浴室の風景があった。
奥行き10mほどの室内は、上部からのみ自然光が入って来て昼なのに薄暗く、床には3つの湯船が縦列で並んでいる。
何れも正方形乃至は長方形で、わずかな大小の差があり。下段が一番大きい(7〜8人が入れる広さ)。


一番手前の湯船だけ一段下がったところにあり、中段・上段の湯船からは表面張力の限界を越えた湯が静かにあふれ出て、周囲を水浸しにしてから側溝に流れている。
床の素材は磨耗と温泉の成分が付着して、コンクリートなのか石なのか定かではないが、どうやら石畳らしい。



驚くほど澄んだな温泉なので、それぞれの湯船の底に敷き詰められた大小の石が透けて見え、文字通り川底のようだ。
それでも、湯の透明さは水道水を沸かした湯とはあきらかに質感が違う。沸かし湯は普通のガラス、無色澄明の温泉はクリスタルガラスの重厚感やトロリ感が感じられる。


湯は上段の湯船の底から湧き出て、それが順番に中段・下段と流れていくので、それぞれの湯船の温度が微妙に異なる、との記述が多い。
実際に入ってみると、間違いなく下段が人肌よりほんの少し高い程度で一番温いのは間違いなかったが、私には中段の湯が一番高いように感じられた。


しかし、何れも熱い風呂が苦手の自分にも歯を喰いしばることなく入浴できる嬉しい湯温だった。
注意して観察したが、泡が立ち上るわけではないので、最後までどこの湯船から温泉が湧き出ているのか分からなかった。


一般的に、温泉の色は白濁した硫黄泉や鉄分を多く含んだ茶色の温泉など、色がついていた方が温泉らしくて好まれる(私もそうだ)。
しかし、艶がある無色澄明、肌に優しいこの湯に浸かってみて、濁り湯だけが温泉でないと改めて思った。


風呂は他に女性専用の内風呂、露天風呂、貸切風呂などがあるようだが、メインはあくまでもここだ。
宿泊の場合、時間によって混浴から女性専用に切り替えられるのか定かでない。
蛍川荘に泊まって、この湯にゆったりと浸かることが出来なければ意味が無い。
もしこのシステムがなければ、混浴を嫌う女性が多い現状に配慮して、是非、時間制を導入して欲しい。

浴槽から流れ出した湯でびしゃびしゃの床。手前、見えないが下段の風呂がある。正面には打たせ湯。この光線具合が何ともいえない情緒を醸し出している。
逆方向から見た浴室。光の屈折のせいだろうか、湯が青く見えてなんとも美しい。
町田川を渡って旅館へ。
飲泉所
大小の石・砂利が敷かれた湯底
施設名 : 蛍川荘 (入浴日:2005.4.4)
壁湯温泉
紅殻之湯温泉
国道に面しているので見落とすことは無い。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。