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■2005年09月21日(Wed)
むげんにいきるかいつぶり。
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貝のような人生もいいかもなあ。 影響を全て遮断するのではなく、自分という貝殻の響きで世界を認識するみたいな。
「秘伝1」村松恒平 購入。 物を書くと言うことに関する様々な悩みや疑問をQ&A方式で説いていくという本。元はメルマガなのかな。 もっとも、広視野な文章業について書かれているため、自分のようにネットで小説を公開する人間に該当するアドバイスは少ない。 だが、それでもハッとさせられる経験談、考え方等が随所にあり、幾度となく目から鱗が落ちて行ってしまった。 特に、「推敲は一回のみ、手直しは加えれば加えるほど元のおもしろさが消えていく」 と言うくだりは、まさしくその通りで、自分はこの文章を読んだ途端、あたかも闇を裂く稲妻の眉に落ちると見えて消えたる心地であった。((c)夏目漱石) 自分自信、演劇によって得た経験の中で「ネタは錬れば練るほどおもしろくなくなる」 と言う確信を持っていたはずだったが、こんな単純なことも小説に活かせていなかったのだと実感。 何も分かっていなかった自分に歯がゆい思いを感じたのだった。
高いけど、おすすめです。 本屋で立ち読むか、図書館で読んでみましょう。気にいりゃ買えばいいさ。
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デューはネクタイをよってロープを造りながら、団長に尋ねた。 「団長さん、東の遠征って、どれぐらい離れたところまで行ったの?」 「へ? ...そ、そうっスね。こっから馬で丸一日ってところでしょうか」 「全員で?」 「いえ、この拠点には常時、何人か留守番を残しますが」 「ん〜じゃあ、一応、その人達の名前訊いて良いかな?」 さらっと言ったつもりだが、団長の表情が厳しくなるのをデューは見すごさなかった。 指を立て、口許に近づけて、何かを言いかけた団長の機先くじき、 「...団長さん。あんたは、立派な人物だ。リーダーシップと言い、罪を償おうとするいさぎの良さと言い、盗賊団なんてやらしとくには勿体ない」 ネクタイを複雑に結び輪を作り、デューはそいつへと近づきながら、 「だけどね。俺から言わせりゃ、あんたは高級すぎなんだよ。 悪に手を染めるってのは、ある意味そこで一線を越えちゃってるんだから。よほどの覚悟がなければ、戻れないポジションに来ている。そこんところを自覚してあげないと、他の団員が苦労するよ」 結んだ輪を広げながら、どんどんと近づく。 途中何度か他の団員を踏んだみたいだが、気にしなかった。 「もう一度聞くけど。その留守番組が誰だったのか、指さして答えてくれるかな。名前入りで」 団長は、しばし考えた様子だったが、やがてええいと口に出して、 「わかりました。俺はこいつらを信じます。あそこで仰向けになってるジョナサンと、ここで寝ころんでるダーナル、そんでもって、そこの」 と、デューのすぐ下でうつぶせになっている男を指さして、 「...ワイアットです」 「やっぱりね」 確信に満ちた声は、実のところ一つの賭だった。 外れたら次を考えればいい程度の、リスクもない賭だったが、はたしてそれは見事に成功した。 ワイアットと呼ばれた男は、 「ちぃ」 と、吐き捨てて転がり、飛び退り起きあが、ろうとして、 脚がもつれて床板につっぷした。 端から見れば、腕立て伏せをしたかのように映っただろう。かなり間抜けな光景だった。 男の足首には、ロープのように細く捻れたネクタイが巻かれている。 デューが結んだネクタイの輪をすっぽりと両足に嵌めたのだ。 足が絡まってなお逃げようとあがくワイアット。 「無駄だよ。もがけばもがくほど結び目はきつくなる」 自称元トレジャーハンターの爺さんに教わった結び方である。 「哀れだな。とぼければまだアリバイは機能したのに。団長はお前を信じると言ったのに。お前は、自分の創意も仲間も信じられなかった」 侮蔑するように睨むと、はじめうろたえていたワイアットも、やがて憎悪の眼差しを向け、 「ガキが...」 そのまなざしが気に入らないので、デューはカウボーイブーツでワイアットの横面を蹴飛ばした。 「ガキに諭されるぐらい、底辺で間違ってるってことだろ」 ワイアットが気絶がてらに唾を吐いたので、唾棄するのは勘弁しておいた。
(アリバイと40人の盗賊)
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■2005年09月20日(Tue)
少年ハート
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| ツール関係を見直してみる。
PIXIA→OpenCanvas Word→NAMI2000
図は、NAMI2000にOpenCanvasで落書きしたもの。
※NAMI2000はアウトラインプロセッサ。 文章をツリー式に管理できる。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「謎は全て解けました」 おばさんは、デューと団長の前に立つや否や、そう言い放って間を待った。 「犯人は...この中にいますか?」 「聞かれても」 「デュー、いない可能性もあるんですよ」 肩に乗った三つ編みを弾いて、自信満々におばさん。 「まっかせなさい。私の推理は星詠みより確かよ」 正直、おばさんの祖母直伝の星詠みとやらの方がよっぽど頼りがいがあるのだが。 「ま、いいや。それで犯人って誰?」 「いいやって...デュー。あなたこの私こと美少女探偵を舐めているわね」 「...四捨五入して30歳の美少女がどこにいるんだよ」 叔母はデューのツッコミをさらりと流して、 「そうね、名前は知らないけど、登場はしたわ」 助言。だったのだろう。 彼女はデューの反応を待つように、じっと瞳を重ねてくる。 思考するのさえシャクに感じていたが、デューは渋々考えた。 とはいえ登場人物なんて、限られている。 デューと、叔母と―― 「それって...」 ふとよぎった思考に、目の前が明るくなる。 瞳孔が広がったのだと、自覚しながら、 「ありえないわけじゃないけど...」 冷や汗が頬を伝うのを感じながら、デューはおそるおそる訊ねる。 「正気? 犯人がそいつだとしたら、物凄い後味悪いよ?」 「え、どういうこと?」 不思議そうに。 気付いてないのかい。 「...一応聞いとくけど、どうやってその推理にたどり着いたの?」 「それは勿論」 叔母は自信満々に無い胸を張った。「名探偵の勘ですよ」 「勘かい」 叔母の探偵としての才能は、推理力ではなく勘によるところが大きい。 そして――認めやしないだろうが、彼女の勘はそれは星詠みや占いなどに代表されるオカルトの領域だ。 推理はあてずっぽうの癖に、なぜか事件は解決する。だから、口さがない彼女の友人達は、彼女をして「迷探偵」 とあだ名する。 ま、いいか。 慣れきった様子でため息をついて、デューはネクタイを首から抜く。 「犯人はわかった。となると、残りはアリバイか...」 アリバイか。 一度は何の意味もないと思っていた存在が、ここに来てまた意味を持ってくる。 まあ、そういうこともあるだろう。 「ま、どうでもいいか――このまま解決編ってのも」
(「アリバイと40人の盗賊」) | | |
■2005年09月19日(月)
ホネホネロック
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| 七人の武器屋絵。 塗り絵(嘘)
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叔母は。相変わらずボンヤリぶつぶつと考え込んでいる。 時折窓の外から星を見て、草も乗らないパイプをふかして、 「おば、」 言いよどむ。 何を見ていたのだろうか。ずいぶんと深く物思いをしていたようだった。 「じゃなくて、――さん、」 「ん、デュー。なに、両親が恋しくなった?」 「いや、あんな息子を親友に預けて新婚水入らずとかのたまうような親は置いといて」 「預けられる身にもなって欲しいものですが、...邪魔者でしたからねぇ。私たち」 微苦笑してディアストーカーをいじる叔母。 「けど、デュー。あんな甘ったるぅぃ新婚イチャイチャ夫婦と一緒に暮らして、耐えきれる根性があった? ん?」 「絶対無理」 即答する。 「でしょう」 ふたたび微笑む叔母さん。 その微笑は、やっぱりどこか少し苦みばしったものだったが... 「っと、それより。色々調べたから今度こそちゃんと推理してくれよ」 「あら、デュー。ちゃんと推理してるじゃないの。それに、あなたとこの大陸に渡ってからは百発百中だったはずよ」 「わかってるよ、だから拉致されたんだし。そうじゃなくて、」 言い返そうとするが、あまりにも自信たっぷりに言われるので言葉を失う。。 きょとんとデューを見返す叔母の瞳は、それでも迷いもなく自信に満ち溢れている様子で、 「それじゃ、百発百中とやらの推理を聞かせてやってよ」 ため息をついて、少しぶっきらぼうに頼むのだった。
(アリバイと40人の盗賊)
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■2005年09月18日(Sun)
大賞三作。
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購入 「紅牙のルビーウルフ」:淡路帆希 「琥珀の心臓」:瀬尾つかさ 「七人の武器屋」:大楽絢太
改めてみると、うちの感想って挿絵家に優しくないなあ。
ついむらっと来てファンタジアの新作全部買っちゃいました。 個人的に富士見の新作って、ここ最近ヒットしている印象がなく反面、ミステリ文庫は好調だなあと言う印象。 けどまあ今回の三作は、なんとなくいい感じ。 て、まあ自分がファーストインプレッションで買ってるんだからそれだけでいい感じなんだけど。 (自分が大衆的な人間だと言う観点から)
以下簡易に感想。 詳しくはmixiにて。
『紅牙のルビーウルフ』:淡路帆希 ジャケ買い、ではなくカラー最終ぺージ買い。 絵は問答無用で、美麗。 なんというか、これでもかと言うぐらい王道モノだった。
『琥珀の心臓』:瀬尾つかさ あらすじ買い。絵の方は正直好かない部類。 かなり概念系だけど今回一番面白かった。と言うかラストがすっごいホラー。 生々しい感情描写と女の友情が素敵。
『七人の武器屋』:大楽絢太 ずいぶん懐かしいノリで楽しく読めた。 というか、ニセドラシル最高。
三作とも、面白かったです。 王道、概念、コメディ、と三者三様ってかんじでした。
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「無実を証明できないのなら、犯人を捕まえるしかない...んじゃないかなあ」 「へい、でもそれは無理なんすよ」 「ん、心当たりがある?」 頷く盗賊団の頭。ぺらぺらと話出す。 「あの記者、腕の方は良くも悪くもない、うだつのあがらない中流ってところだったんす。記事の内容も、まあ犯罪をネタにしちゃあいますが長い物に巻かれよみたいなところがありやした。 一応、マフィアやその他の収賄には屈しなかったみたいで、いつかデカいヤマあてて成り上がってやろうと思っていたらしいです。 個人で動くことが多くて、自分の取材については記事になるまで誰にも明かさず、瓶詰めの蓋みてえに口が堅いってことでは評判だったんすよ」 らしいとかみたいとか、ずいぶんと伝聞が多い。 「誰から聞いたの、それ」 「へい、こいつの」 おかしらは遠くで伸びてる一人を指さした。 「情報でして。で、ところが、一度火がつくと途端に口が軽くなるって評判で、だからうだつが上がらない中流だったわけですが」 「んなこたぁどうでもいいよ」 死人を悪く言うななんて言って置きながら、自分が悪口雑言を吐いていることには気付かないらしい。 「それで、火がつくってのは...もしかして、アルコォル?」 「へぇ、その通りで」 異邦人であるデューは故郷だとがぶがぶワインを飲んでいたものだが。 この新大陸は、酒を飲むことも造ることも厳しく法律で禁止されている。 酒を飲むことが犯罪などとは全く思わないが、法で禁止されていることを行うことが犯罪なのなら、ここ新大陸では飲酒は犯罪だ。 卑しくも新聞記者がそれを破ると言うのもいかがなものか。 「普段から飲むの、その人?」 「いや、そこまでは聞いてませんが」 「その軽くなった口で、何か言っちゃったわけだよね」 「へぇ、アトランドファミリーのキンタマをニギったとかなんとか。運の悪りぃことに、奴が飲んでたバーの店主がアトランドと繋がりがありまして」 「ふぅん」 キンタマて。アトランドファミリー...たしか、ここらで二番目ぐらいに大きな組織だ。具体的にどんな急所だったのかは、まあ聞く必要もないか。麻薬、密造酒、人身売買、恐喝、殺人。なんでもありだ。 なんにせよ、分かったことは一つだった。 この盗賊の親分は、アトランドが新聞記者を殺し、その濡れ衣をこのトンチキ盗賊団に着せたのだと思っている。 だから、犯罪者を捕まえてそれを警察に付き出すのは無理だと。 そう考えている。 アリバイを証明できない、真犯人は付き出せない。 なにもかも全て理解できているのに、周囲を壁にふさがれたかのように打つ手がない。 ――袋小路か。 (追い詰められるってのはある意味負けだが、何もかもが終わったわけじゃあない。袋小路ってのはな――) のんびりとした、棒読みの様な声を思い出す。 それは、店の近所の裏路地で日がなボンヤリしている男の言葉。 「袋小路ってのは、道が一つだけに絞られるってことなんだよな」 それは、追い詰められたものにとって最後の好機。 籠に追いこまれた獣に逃げるチャンスがあるとすれば、狩人が籠を開く瞬間だけだ。
(アリバイと40人の盗賊)
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■2005年09月17日(土)
レッツコンバイン
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| クラウドの剣解剖図(拡大版は、サムネをクリック) 合体剣のギミックを詳しく調べてみました。 ほとんど自分用のラフですが。
判明したことは、
1:一本の剣に五本の剣が集まっている。 2:剣自体は四種類。 まず、芯となる剣が一本。 芯剣の前(刃部)に刃がナックルガードを兼ねている剣が一本、 後ろ(峰)に峰がのこぎり型の剣が重なって二本。 側面に鍔に柄を折りたためるギミックの剣が二本。
1はカミソリを長くしたような物。ほとんど骨。 1と2の二刀流が使い勝手がよさそう。 2は合体時皮金になるから、一番堅そう。 3・4はそんなに切れ味ないかも。1と2をくっつけて使用する場合の二刀流武器といったところか。ソードブレーカーとして使える可能性も。 5・6はほとんど予備。少し短い。大剣になったときは切ることに参加しないので、案外切れ味がよいかもしれない。
以上を考えるに、普段は2使うのが一番物持ちが良いような気がする。 1の剣が歪んだら合体できないし。 | | |
■2005年09月16日(Fri)
青龍、白虎、朱雀、玄武、空陣、南斗、北斗、三台、玉如!...急急如律令!!
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安達祐実が結婚したんですってね。 微妙に同年代なので、そこそこ気になったり。 安達祐実の代表作と言えば、そう「ゴーストハンター早紀」 と「聖龍伝説」 です(おい) まあ、聖龍はともかく早紀の方はもう一度見たいかなあ。
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「つまりはアリバイがあると」 アリバイと40人の盗賊、とどうでもいいことを考える少年。 「てか、元の事件がよくわかんないんだけど。ええと、コロシ?」 「へぃ、犯罪専門の新聞記者でした」 「犯罪専門ねぇ」 相槌を打つデューに、 「へぃ、私達もずいぶん目をつけられていまして、その」 と、 「あの記者、滅茶苦茶いけすかねえんすよ!」 「そうだ、俺らのやってないことも全部俺らのせいにして!」 「オレ、死んでしまえって思ってた。殺しはしねえけど、」 一斉に起きあがって騒ぎ立てたのは、他の盗賊達だった。 どうも話しを続けているうちに回復したようだ。 「黙れ、てめえら!」 ドゴン――と、床をぶち叩く音がした。 「死人を悪く言うな! それから、今、俺がこの方がたと話してるんだ。騒ぐんじゃねぇよ」 「そうよ」 反応したのは探偵だった。「これ以上キャラを増やさないでくださいよ。一作品に五人までと言う鉄の掟を知らないのですか」 「なんの掟だよ...」 叔母に突っ込みを入れつつも、デューはつぶさに状況を整理する。 (全てを見るな。どうせ分からない。肝心なのは、“どうすれば解決するか”だ) それは、母の経営していた店に稀に来る刑事の言葉で、 「っと、そのアリバイてのは保安官や刑事に話して理解してもらえそうなもの?」 「...どうせ無理すよ。あいつらは、貧乏人の言葉なんか信じようともしないですし」 「そう言う感情論じゃなくて、客観的に証明できるかどうかなんだけど...」 愚痴や偏見の有様を聞いてどうにかなる瞬間ではない。 半ばイライラしつつも、根気よく聴取をする少年。 叔母は叔母でロクな材料も揃わないのに推理に入っていて、役に立たない。 二三話を聞く内に、デューはおぼろげながら事態の概要を掴み取る。
まず、このへっぽこ盗賊達は今すぐにでも足を洗いたい。 犯罪をしたのは事実なので、警察なり保安官に自首しようと思っている。
それは良い、のだろう。 いくら反省しようと過ぎた過ちは不問にならないが、重要なのは今のあり方と罪の精算だ。
しかし、自首をしようとした段階で、盗賊達は自分たちに掛けられた罪が不当に重いことを知った。 これは冗談じゃないぞと、盗賊達は一致団結したらしい。 罪は償うが、他人の犯罪の分までは償いたくはない。
まあ、これも解らないではない。 本当に改心したいのかとも思うが。
そこで盗賊達は、せめて自分たちに掛けられた冤罪の中でもっとも重い「新聞記者殺人事件」 の容疑だけでも晴らそうといろいろと調査をした。 そいうことらしい。
「事件当時、オレらは東に遠征中でした。ですからありえないんすよ」 まあ、そのアリバイもあり得ないのだが。 そこそこ裏も取れそうな不在証明だが、これをお上の前で証言するのは難しいところだろう。 「よし」 デューは一つ頷いた。 「どうにもならないなぁ」 そして首を傾げた。 「お願いしますよぉおお!!」
(アリバイと40人の盗賊)
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■2005年09月15日(Thu)
すげえよ、アキバ王。
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なんだあれ。 実況板のスレ消費スピードが 1000〜1800res/min(分)とかアホみたいな数値に。
孫引き参考:
NHK総合の勢い: 17res/分 20:45〜21:00 [N]845 NHK教育の勢い: 10res/分 20:45〜21:00 NHK手話ニュース845 日本テレビの勢い: 5res/分 19:00〜20:54 プロ野球〜東京ドーム「巨人×阪神」 TBSテレビの勢い: 25res/分 19:54〜20:54 うたばん フジテレビの勢い: 44res/分 19:57〜20:54 奇跡体験!アンビリバボー テレビ朝日の勢い: 3res/分 20:00〜20:54 新・科捜研の女[終] テレビ東京の勢い: 1869res/分 19:30〜20:54 TVチャンピオン
テレ東だけあって、アニメ使い放題だったのが印象的だったかなあ。 でもメイド喫茶の方が多かったなあ。 てか、プリクラ千円とか高ーー! 「プリクラだけでも400円ですねでメイドさんがつけばこんなもんです」 と、爽やかにのたまっていた店員さんが印象的でした。
あと、誰か知らないけれど金のロックマンを売るなーーー!w
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「なるほどつまり、貧乏からついカッとなって盗賊団やってみたモノの、ロクに成功もせずに失敗ばかりで、借金はかさむ一方で、そんなだから、他のみんなの士気もがたがただしで、罪の意識とかも目覚めてしまうしで、いい加減足を洗いたいんだけど、何故か重犯罪人としてお尋ね者になっていてのっぴきならないと」 「別に要約して説明してくれなくてもいいんだが、その通りだ畜生」 「冤罪ねえ」 帰ろうかな、とデューはぼんやり考える。 いまさらだが、ココは街はずれの廃宿である。 別に街に根を下ろしても良さそうなのだが、街には街でマフィアが縄張りを貼っているので新米潰れかけの盗賊団が根を下ろすには危険すぎるらしい。 ...借金もしているらしいし。 ウェスタン・ブーツで軋む床板を鳴らし、おばさんが乗ったら抜けそうだなとか考える。 (要するに、会社をクビになってのっぴきならないサラリーマン達がスプーンで銀行強盗とかコメディしてたら、いつのまにか本物の犯罪者の濡れ衣を掛けられたと) 三文小説にでもありそうな話だ。 「で、おっちゃんは具体的に何の罪を押し着せられてるんだ?」 「殺人です。しかし、それはありえないのです。 盗賊団結成時、我々は人殺しと貧しいモノから奪うことだけは止めようと心に誓ったのですから」 「...いや他の人間からも盗めないくせに、そんな御法度作られても」 「わかりました」 とつぜん、今の今まで黙り込んでいた女性が、一つ頷いた。 「事件の謎は八割方解けました」 「まだ八割も事件の概要を教えてもらってない気がするんだけど」 「ふふふ、解っちゃいましたですよぉ」 「口調、口調がヘンだから」 叔母は、どうにも推理となると思考が幼児退行する性質がある。 彼女は、パイプを胸でごしごし擦って内ポケットに収めて、ディアストーカーを目深に被った。 そして真剣な顔で向き直り、 「デュー、今すぐ事件の関係者をここに集めてもらえますか」 「いや無理だから」 そもそも容疑者すら判明していない。 「犯人はこの中に...」 「いたらこの話、終わると思うんだけど」 「冤罪なんです、後生ですから信じてくだせえ!!」 「むぅ。私の推理を否定するの? しちゃうの??」 どこかくじけた様子で、肩を落とす。 「おばさんのは推してるだけで理が無いじゃないか」 あいかわらずだな、この人は。 と思いつつ、デューは大きく息をつく。
(アリバイと40人の盗賊)
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■2005年09月14日(Wed)
思い出に負けた。
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アドベントチルドレン初回限定版購入しました。 初回限定版は、映像特典あると思ってたんだけどパッケだけ違うらしい。 限定版以外にも特典版と言うのがあって、こっちはフィギュアにTシャツにインターナショナルにアニメOVAがついていたらしい。 ネットで見たインターナショナルの専用スタンドはべらぼうにカッコよかったなあ。 もち、値段もべらぼうですが、フィギュアやアニメの完成度は十二分に高いらしく、今思うとあっちを注文しても良かったかもなあと後悔していたり。 今買うとすげえプレミアついてそう...
(以下、微ネタバレ)
クラウドの剣すげーーーー!! 最大六本まで分離可能な大剣って、破邪百獣剣も真っ青だよ! アレかっこいい、アレ欲しい。て言うかあれだけでDVDの元が取れたようなもんだよ。
いやあ、おもしろかったです。 アクションばりばり。八割ぐらいアクションでもー目が回る回る。 個人的には召喚獣やらマテリアやらリミットブレイクやら、FFの大げさな戦闘スケールをほぼ忠実に再現できているあたりが物凄く嬉しかった。 何とは言いませんがアニメになったとたんいきなりエフェクトやら効果がショボくなるゲームって良くありますし、ああいうのって作り手側が思ってる以上にがっくり来るんですよね。
ジェノバってなんだっけって思いながら見てましたが、そういうことはどうでもいい。とにかく懐かしいやらカッコイイやら。 ストーリーはほとんど覚えてないけどそんなことどうでも良いぐらいに迫力満点で見応えがありましたさ。 と言うか、ストーリーは基本外伝(あるいはAFTER) 的な作品だし、そんなことより主人公ズのその後やフルCGのアクションを素直に楽しむべき。 正直字幕追っててもストーリー難しかった。
にしても、ティファはじめ女性陣はめっちゃ可愛かったなあ。 ユフィの船酔いに思わず笑みがこぼれたり。 マリンだけ微妙だったかな。 ティファの格闘もクオリティ高くてよかったです。かなり無重力でぎゅいんぎゅいん回っていましたね〜。ミラ・ジョヴォヴィッチや水野真紀でもああは行くまい。 ヴィンも変身こそしなかったけど、ミュータントっぷりは遺憾なく発揮していました。携帯持ってないことをアピールする辺りが微笑ましい。 タークスもまあ、そこそこ出番あったかなあ。 お笑い担当だったけどw
(おまけ) CMも入っていました。 内容は、ACのトレーラーと、近日発売のヴィンセントのアクションゲームと、現在配信中のタークスの携帯ゲーム、それから...あ、アニメ? どうやら特別版についていた、ザックスイベントをまとめたOVA 「LAST ORDER FINAL FANTASY VII」のダイジェストらしいです。 ついでに今後発売されるザックスメインのゲーム「クライシス・コア」 のCMも兼ねているようで。 もしかしたらアニメは究極限定版(約二万円)でしか見られないのかもしれない。
ヴィンセントのゲーム(ダージュ オブ ケルベロス) にユフィが出てました。 あ、衣装ちょっと違う。 ゲームの方ではリーブさんがもう少し活躍するそうで、その辺も見所かなあ。 他のキャラも出てくるようです。クラウドだけ映ってなかったのが気になります。スピンオフによくある本編主人公は顔見せ無しだったりして。
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「ば、馬鹿な」 盗賊団の親分はうつ伏せで土を舐めながら、うめく。 「な、なぜ40人もいた盗賊団がこんなガキ一人に壊滅するんだ!」 「ほんと。なんでだろ...」 少年は周囲――残らず倒れふす盗賊達を眺め、ぼやく。 「紙幅が少ないからでしょう。行間を読みなさい」 「7000文字ぐらいありそうだよ、おばさん」 おばさんと呼ばれた女性は、拳をデューの頭上に落して、ディアストーカーをかぶりなおした。 縄で擦った手首を軽く撫で、コートの懐から古ぼけたパイプを取り出す。 「全く、ようやく落ち着いたわ」 「煙草なんてとうに切らしちゃったくせに」 悪態をつきながらもデューは頭を抑えて涙ぐんでいた。頭が痛いのもあったが、それ以上に拳骨を打ちおろすという動作に絶対的な身長の差を浮き彫りにされているのが痛かった。 「ああ、デュー」 そんな少年のコンプレックスもつゆ知らず、妙齢の女性は大仰に嘆く。 「お金を切らしたのは誰のせいでしょう。 先日アレほど苦労してアジトを見つけ追いこんだ賞金首を、あやまってアラスカ行きの運搬物に詰め込んでしまったのはどこのどなたでしょう」 「そ、その話はいいじゃんか。“しふく”が足りないんだろ?」 「...と、そうでした。そこのあなた。見たところ開拓移民の開拓を終えて職を失って、結果盗賊になってしまっていた一団ズ」 「な、なんだ」 「正解なのかよ」 ぼやく少年。 「その通り立ちくしょう! 悪かったな」 「悪いには悪いですが、本題は別です。 いくらそこな間抜けな少年がカモラと喧嘩して目立ったとはいえ、それで保護者である私が盗賊団にさらわれる理由にはなりません」 元々喋る気力すらなさそうな男は、それで言葉を失った。 叔母さんは、ディアストーカーを被りなおして、不適に笑う。 「良いでしょう。縛られてもないのでだんだん考えるのに飽きてきました。 あなたが足を洗うというのなら、非礼は目を瞑り、とっとと事件を解決して差し上げましょう」 「おばさん!?」 「いいのか、お...」 「私はまだ二十代ですっ」
(アリバイと40人の盗賊)
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■2005年09月13日(Tue)
今週の購入物
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「男爵校長」購入。 もえよんの4コマはこれで最初で最後かもしれないなあ、としみじみ。 男爵校長は廃刊したもえよんの生き残り組の一角。 まんま、萌え四コマ雑誌に連載されていた4コマですが、4コマとしてもしっかりオチがついていて面白いです。 というか、4コマとして面白くないと買わないんですが。
何と言うか絶妙の間の取り方、全コマボケっぱなし、ありえないオチ(と校長)等、ツボな要素が多くて素敵。 よく分からんがキレがある、そんな四コマ(どんなん) 青先生単体のネタが一番好きかなあ。
青井「今日はパン工場見学です!! みんな行儀よくするように!! パン工場を甘く見ると 思わぬ痛手をこうむるぞ!!」 アリカ「フランスパンで殴られるに違いない!」 青井「いや、それはないだろうフランスじゃあるまいし!!」
この手の多段ボケばっかりなのが男爵校長の味。
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砂と埃にまみれ、金髪はもはやただの黄髪になりつつあった。 頭頂から微妙にずれたディアストーカーの位置が気になるが、手が届かない。 つくづくやるせないとは、このことだろうか。
「...街入っていきなり拉致されるとは思わなかったわ」 「ふ〜ん。おばさんでもそう言うことあるんだ」 返ってきたのは少年の声。そろそろ声変わりするかしないかと言うぐらいの中途な高さのよく通る声。 彼女は、目を閉じて嘆息する。 何かを呪うかのように、とはいえ何をも恨まぬようにと。 「デュー、聞きなさいデュー。あなたには三つ言っておくことがあります。 まず、私はおばさんではありません。 次に、拉致されることを想定していなかったとは言っていません。 最後に、私がこうして地元でもお尋ね者の盗賊団に捕えられたのは、あなたが見境も無しに地元のカモラと喧嘩をしたからです」 ひと言ひと言、噛んで含めるように説きふせる妙齢の女性。 デューと呼ばれた黒髪にネクタイジーンズ姿の少年はひとしきり考えた後、 「30歳はおばさんじゃん」 「よりにもよってそこにだけ反応しない! それに私はまだ20代です!」 自称二十代の女性は怒る。 後ろ手にぐるぐる巻きにされたままなので眉だけをつり上げて。 対して黒髪の少年は、肩をすくませ、 「それにカモラじゃなくてマフィアだし。言葉はちゃんと使おうぜ」 「どっちでも一緒でしょうに」 「全然一緒じゃないことない。新しい言葉を認めないようになるのは、歳を食った証拠だぜ、おばちゃん」 デューの悪たれ口に妙齢の女性は目眩を起こしたかのように首を振り、 「ああ、デュー」 嘆く。「どうして、こんなに小憎らしく育ってしまったのでしょう。 きっと私以外の“教師たち”全員の責任でしょうね。そうに違いありません。 それとも“あの両親”のどちらかの血がそうさせているのでしょうか。 わたしは、あなたの叔母として悲しくあります。情けなく思います」 「自分がおばさんって言うのはいいのかよ...」 舞台役者もかくやの大仰な台詞に、バツが悪そうに頬を掻くデュー。 それは自己の不徳で家族や教師を引き合いに出てきてしまった居心地の悪さで、 同じ言葉を他の誰かが言えば少年は烈火のごとく怒っただろうが、 彼女のぼやく分にはデューはめっぽう参ってしまうのだ。 彼女もまた、デューの家族で教師だから。 「けど、いたずらと言葉遣いに掛けては、ほとんどおばさん譲りだと思うんだけどなあ」 「嘘を言わない。私があなたに与えたのはもっと崇高なモノです」 「崇高なモノ?」 不信気に、少年。 「ええ、」 自信満々にぐるぐる巻きの彼女。 「じゃあ、その崇高なモノは...」 ぐるり、と少年は周囲を見回した。 そこには、先ほどから無言でデューとその叔母を二重にも三重にも囲みナイフや銃をを突き出している、 ――盗賊団の面々。 「この状況をなんとかできちゃったりするのかな」 冷や汗を垂らすデューに、 「もちろん」 彼女は欠片も疑わずにそう答えた。
(「アリバイと40人の盗賊」)
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■2005年09月12日(月)
ほっとけないらしい。
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ホワイトバンド運動をご存知でしょうか。 300円で白いわっかを買って、世界の貧困を失くそうと言う運動です。 世界でも割と有名で、各国はおろか日本でもかなりの著名人がこの運動に参加しています。 最近ではCMもやっていましたし、もしかしたら店先で並んでいるのを見たことがあるかもしれません。 またそうでなくても、
「3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。」
と言う衝撃的なコピーを何度か耳にしたことがあるかと思います。 あれはこのホワイトバンド運動のコピーです。
本サイト http://www.hottokenai.jp/
この運動の趣旨は、要約するとホワイトバンドを身につけ、「私は世界から貧困を無くしたいと思っている、」 と言う意思を示すことだそうです。 バンドには3秒に1人を示す「***」 の刻印がされていて、逆に言えば「***」さえあれば、白い紙テープでもいいらしいです。 運動の参加者は、このわっかを身につけることで、自動的に意思を示したことになります。 世界中が白い輪だらけになれば、きっと世界は(政府は)おのずと貧困を見逃さないだろう、みたいな趣旨ですね。
白いバンドと言う辺りに、どこかファッション的な感がありますが、 「ファッションでもいいじゃないかやらない善よりやる偽善だ」 みたいな部分も多分に含んだムーブメントと言えるでしょう。
さて。
「偽善も善」 と言う奴が嫌いです。 偽善の意味を吐き違えてるのが嫌いです。 自分の善に自信が持てていないのが嫌いです。 何が善かの判断を考えもせずに放棄しているのが嫌いです。
ゆえに自分はこの運動がある意味で根本的に嫌いです。
まあ、それはさて置き、 このホワイトバンド運動にはこんな噂があります。
http://whiteband.sakura.ne.jp/
最初に脳裏をよぎったのは、例の「緑の募金」 でしたが、まあそこまで悪辣なものでもないとは思います。...思いたい。 でも、「日本のホワイトバンドがやたら経営に不自然な点があること」 と、「払った金ではアフリカの貧困な人たちは一人も助からない」 と言うことだけは知って置いた方がいいと思います。 ついでにアメリカと集金目的と最終目的が違うことも。
少なくとも自分は、白い輪を巻くような事はあっても(ないけど) 本屋で売っている日本の白いわっかを買うことはないでしょう。
(つ〜かCMって、どんだけ儲かってねん)
参考:http://wsn.31rsm.ne.jp/~chapel/mt/archives/200508/17-222528.php | | |
■2005年09月11日(日)
せんきょー
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選挙行ってきました。 ちょっと人増えてたかな。 結果は自民大躍進って奴みたいで。 いやはや、 ...まあいいか。望んだ結果だけどすごすぎるなあ。
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選挙特番、関西ではMBS(ローカル)とTBSが圧勝だった模様で。 他所のローカルがどうだったのかは知りませんが、関西はちちんぷいぷいが選挙特番を受け持ちましたからね。そりゃ強いですよ。 ちちんぷいぷいの関西での人気、番組制作力、公平性、説得力が如実に出た感じになっておりました。 あと、普段右寄りの癖に画面上のテロップ(視聴者メール)が反自民のコメントばっかりなのに笑った。 T(筑紫)BSはすごいよ、うん。
堀江VS亀井が接戦だったのが印象深いというか、浮動票、若者票、ついでに広告効果の恐ろしさがじわじわと出てきたようで。 にしても、民意って奴がようやく現れてきた結果だと言うのに、それを「国民は小泉に踊らされている」 みたいな風に結論付けるマスコミ陣営はいかがなものか。亀井さんも言ってたけど。 裏を返すまでも無く「国民は考え無しの馬鹿だ」 と言ってるわけで、一番国民を馬鹿にしてるのって、結局そう言うやつらなんじゃなかろうかと思ったり。 そんなだから、ちゃんねらはマスコミを敵視するんじゃないか。 朝日の捏造なんてのも、自民票につながったんじゃないか。
反郵政法案、野党、マスコミ全てを纏めて「改革を止めるな」 と叫ぶ小泉さんに投票しようと思うのは当然の流れだったんだろうなあ。 民意って奴が思っていたより纏まって揺らぐ(二極化しにくい) ってことが、今後の問題だろうか。 | | |
■2005年09月10日(土)
瞳を綴じて。
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こええよ。
書くことがあんまり無いので、そろそろまた別の文章でも載せていこうかなあ。 ただよしの更新は、次回は早いはず...きっと。 この話終わったらもうちょい気楽なの書きたいなあ。
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のまねこ問題ついにヤフートピックスに。 あ〜明後日にはすっかり忘れ去られてそうだ。 選挙。 自分は支持政党があるので行きますが、だからと言って他人に選挙に行こうとは言いません。 前回言ってるけどw と言うか、その前回で懲りたんですけどね。 自分、前回(参院選) の投票激しく後悔してるからなあ。 うかつに行って後悔から学ぶってのも手だろうけど、やっぱ支持政党ぐらいは先の先を見通さないと駄目かもしれん。 あとあとずーんと響くから、覚悟を決めて行くべきですね。 組織票の水薄めるためだけでも、とにかく行こーぜーみたいなことは、まぁさすがに言えなくなりましたとさ。 白紙投票で意志を通すってのもあるか。 そういや、最高裁判所裁判官 国民審査なんてのもあったっけ。
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亨。...なんか明日夢っぽい? 自分の中ではイメージ通りだけど、文章から得られる雰囲気とはちょっと違うかもしれない。 | | | |
■2005年09月09日(金)
めんぼう。
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| たまに思うが、自分の絵って個性が無い気がする。 だからって別に個性が欲しいわけではないけど。 ようするに、名無しの絵を見ただけで、ああこれは しゃんぐさんの絵だなって思う、みたいなのが無さそう。 更に言うと文章にも無さそうなんだよなあ... 新発見・即戦力主義というか、ころころ作風変るからなあ。 しかたがないとはいえ、影響を絞らななあとも思ってしまう。 まあ、んなこと言っても個性って本人は気づけないもんだし、 しらないうちに出ているのかもしれないけど。 たとえば、線の雑さ詰めの甘さ塗りの下手さ、とか。 −要素ばっかりだな... | | |
■2005年09月08日(木)
わからなかったアレが即わかる!
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| 髪が伸びてきた。 散髪しないとなあ。 | | |
■2005年09月07日(水)
スライムベホマラー
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■「ツンデレ」も現代用語で「テラワロス」 はてなは9月6日、新語辞典「現代用語の基礎知識2006」(自由国民社)に掲載される予定の「はてなダイアリーキーワード」が決まったことを明らかにした。
選ばれたのは約100語。「萌え属性」「ツンデレ」「ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」といったオタク語や、「地上波初登場」「政権担当能力」「ママさんダンプ」なども。「珍走団」「DQN」や「テラワロス」「改革Tシャツ」など、採用語の誕生時期は新旧さまざまだ。 参照リンク テラワロス 「地上波初登場」 より「全米が泣いた」 のほうがいいなあ。
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階段を下りきる直前で、カイはその気配を感じた。 一階の階段は地下もなく、地下があるとするならば階段があるはずの部分は、ちょうど袋小路となっている。 その袋小路を、カイは手すり越しに見下ろした。 袋小路には、放置された机と椅子が転がっていて、その机に…隠れてるつもりなのだろうか。小柄な少女がうずくまって震えていた。 下級生だろうか。本当に小柄な生徒だ。 片側に付けた大きめのリボンといい、なんと言うか小っちゃな動物みたいだ。 あの、リボンは見覚えがある。どこだったか… いや、それより。 震えている。すなわち、危険に瀕している。 イコール、危険が迫っている。 そして、それらしき物が廊下を駆けて来て、 「――こんなところにいやがったか!」 机のひっくり返るような音。 残響が喧噪もない校舎内に良く響いた。 「いや、いやぁ!」 そんな悲鳴を上げて四つんばいで逃げようとしている。 男――これもたぶん下級生だろう。これと言った特徴もないが、青のブレザーと、右耳にピアス。少し不自然な日焼け。 血眼になって少女を追いかけてきたといった感じだったが、よく見れば実際、瞳にびっしりと赤い線が蜘蛛の巣のように這っていた。 明らかに正気ではない。
よくは判らないが―― いや、まあよく判ってからでは遅すぎる気がするが。 「…とりあえず、男の方をはっ倒しとけばいいか」 カイは手すりを飛び越えて男に延髄に蹴りを入れた。 ちょうど机に近づこうとしていた男はもろにそれを喰らって、あっさりと気絶をして。 「やば、やりすぎたか…? そういや今の俺の身体って、金属やら何やらが入って重くなってるって比沙に言われたような」 少しだけ蒼くなって、呼吸を確かめる。 だいじょうぶそうだと判断して、カイは少女へと振り返ろうとして、 ゴン―― と、音がして。目の前が明るくなる。 頭蓋骨が揺れた。 ああ、これは気絶しかけてるんだな。とぼんやり考えてから、 ――少女に椅子を投げて、そのどこらへんかが後頭部にぶち当たったのだと思い至った。
暗転。
(ただよし)
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一カ所、だろうだろうと連発している部分がありますね。 自分はこういうの気になって仕方ないのですが、実際のところこういうのは誰も気にしません。 文章書く人がどれだけ読んでいるかは知りませんが、 地文の語彙は基本的に少ない方が良いです。 むしろ使う語彙を絞った方がいい。 テンプレートみたいなのを作ってもいいでしょう。
語彙が豊富でなければならないのは台詞。 あるいはここぞという描写。 まあ、それが難しいわけですが。 | | |
■2005年09月06日(火)
よくわかる魔法講座。
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購入したモノ
「お願い朝倉さん 5」 「ふぁんきーサーバント 2」 「魔人探偵脳噛ネウロ 2」 「デスノート 8」
ふぁんきーサーバントおもしろいなあ。 ネタも新パターンが増えたし、使い回しと繰り返しの微妙なバランスをしっかり保っているし。 と言うか、伊勢崎さん含め戸籍課の雰囲気がめっちゃ好き。 こういうのが何回も読める四コマ漫画なんだよなあ。
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うぃ、魔法講座です。 「はぁ」 ちなみに魔法と魔術の違いはありません。 あったような気もするけど、今の気分ではなかったことに。 「はぁ。浅墓ですね」 なにがいな。 で、ええと、魔法ですが全編に共通して言えるのは念動力と回路を使うと言うことで、まあぶっちゃけ電力とコンピュタープログラムなわけで、些細な力を素に複雑な歯車を回すことで様々な仮想現象を発言させるという... 「? どうかしましたですか?」 あ〜だめだ。やめよう。 「はぁ、やめるのですか」 やっぱね、演出は大事。 この手のは、ちゃんとしたところでちゃんとした扱いで説明してこそ外連味ってのが出るんだよ。日記とかでやってもなあ。 「しかしそのちゃんとしたところがないわけですが...」 まあ、それもそうかあ。 なんか作ろうかな、用語辞典とか。 数が揃えばはったりとなるとは思うんだけど。 「...先ずは、キャラクターを紹介するコンテンツの方が優遇されるべきだと思われますが」 よし、じゃあそれがオチで。 「はぁ、浅墓ですね」
(終わり)
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■2005年09月05日(月)
書くことをやめてはいけない
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ネウロは面白いなあ。 ヒステリアは赤ちゃん抱えた人かなあ。 赤ちゃんが爆弾と言う展開。 ダメだ、普通すぎる。
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「最近、何も書いておられませんね」 まあ、昨今の反動と言うか。なんというか、下々も忙しいし。 「世間の目が萌え絵のサイトになっちゃいますよ」 それはまたなんだか人格に不当なレッテルを貼られているような。 「萌え絵がですか?」 いや、絵やのうて小説のサイト...うち。 「はぁ、浅墓ですね」 なにがいな。 「絵をみて来られるお客様の方が多い気がしますが」 いや、一応小説の方が多いのだよ。 極力、絵で宣伝しないように気をつけてるし。 「はぁ」 それはともかく、ぶっちゃけネタがつきた。 「でもまだ、ワイルド・ディキシィが残っているのでは」 あれは思い出したようにじっくり書きたいからなあ。 「ただよしを書いてみては」 それはコソコソやってる。 「以前の三人娘さんのお話などは」 なんで、屍骸術師シリーズを出さんのかは知らんが、あの三人娘もなあ。 書くとしたら一冊物で挑戦してみたいね。 「はぁ、一冊物」 うぃ、文庫一冊を想定した長編。ところで文庫一冊ってアニメだと何話分なんだろうね。 「はぁ、あにめですか」 ...人選ミスったかな。現代人にすれば良かった。 まあ、長編を書くにしろ、そろそろまとめてファイリングしといた方がいいんじゃないかと思うもんがあるんだけどね。 「なんでしょう」 世界観。 「それはええと、浅墓ですね」
(充電中)
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■2005年09月04日(日)
きっと素敵な宇宙船。
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吹雪と亜里抄 説明しますと、胸のつかえが取れて上機嫌の吹雪と、同級生に向かって「尊敬している」 とかもにゃもにゃ言ってしまったせいで今更になって恥ずかしくなってきている亜里抄。
1年後、亜里抄は演劇部の部長になるのでした。
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エウレカセブンがだんだん訳のわからない方向に...
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■2005年09月03日(土)
Flyaway...
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Replay
| が〜。時間かけてしまった。 特に誰でもありません、な絵。
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「テニスの王子様」テニス呼称を差し止め申請をぐぐる
うわ〜。増えたなあ。先週まで三件もなかったのに。 男爵ディーノさんとこは毎週良質のジャンプ感想を書かれるところで(特にテニプリ) 自分も楽しく読まさせていただいております。 なワケで、ネタが広まる前からネタの発生源を知っていたわけで。 ああ、こうやっておもしろいモノは広がっていくんだなあとなんだか新鮮な感じ。
はてなとmixiを見る限り、4割近くだまされてるようで。 まだ初期段階だからかな。 どうでもいいけど、ネタニュースって騙されたら「騙されたorz」 っていうのが一番軽傷で済むと思います。 どう考えても騙されているように見える文章なのに、あとから「いや知ってて書いてるよ」 とか言われてもなあ。
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早売りジャンプ情報。 幻想水滸伝V発売決定。
って、ファレナの女王国かぁ。 正直4でやればよかったのに。 今回はいつの時代だろ。 例の事件の話かなあ。だとしたらゲオルグ・プライムがキーパーソン? 4様は登場するのかなあ。 4様結構好きなんですよね。主人公集団の中では坊ちゃまの次ぐらいに。その次はゲドかな。
なんにせよ、ローレライは出て欲しいかな。 | | |
■2005年09月02日(金)
秋に桜、だからコスモス。じゃあ、秋に桜が咲いたらなんて呼べば良いんだ。
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Replay ノベルの方、更新してます。 次はただよしかなあ。
タツマ・アヴェル(21)
極度のめんどくさがりや。 そのワリに面倒見が良い。 趣味は料理と禁煙。
21才で警部補とエリート官僚族であるが、既に出世路線からは外れている。 人付き合いのいい加減な人間で、他人の生き様にとことん踏み込まないし干渉しない。ことが丸まればそれで良いと言う考え方のため、常に無難な選択を選びがち。無難であれば何でも良いため、時に人としてそれはどうだろうという行動も平気で取る。 ギャルゲーで常に最悪の選択肢を選ぶ感じ。 そこそこの要旨と、警部補という地位と、一応礼節をわきまえているという美点がなければ、ハブにされていることだろう。 警察内では、その仏頂面からかなり怖がられている...様に思われているが、いかんせんまだまだ若手な事と、ルイスが適当にタツマをいじることで特にとげとげしい感じもなく、「ああそう言う奴なんだな」 と受け止められている。 メイのことは世間知らずの妹が増えたぐらいに思っている。
嫌いなモノは沈黙(ただし自分以外) で、賑やかな(ただし自分以外) 場所が好き。
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「はちがつのゆき」 読了。読了〜 すんません、さすがに本編スキップしたよ(泣) 歌のイベントが見れなかった気がしたから、フラグとかあったのかな。
はちがつのゆき感想
あま〜い! 初孫を抱くおじいちゃんぐらい甘い話だよ小沢さ〜ん!! 干し柿級にスウィートな話でした。 糖尿出そう。
相変わらず、こちらがどういう気持ちになって読んでいるのかを理解して創ってるなあと思いました。 見せ方とか、余韻の持って行き方とかが抜群に上手いです。 って、こんな制作側視点な感想言うから物書きって駄目なんだよ。 とにかく感動もんです。かき氷とか言ってる場合じゃないですよ(笑) | | |
■2005年09月01日(木)
九月なのに“セプテン”バーっておかしくね?
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むきりょく感にて「ごがつのそら」のNScripter版が、おまけシナリオとイラスト増量でアップされました。 しっかし、またサーバーが「状態:しに」 です。 人気のバロメーターとはいえ早急な復活を願うところ(笑)
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質問があったので、なぜなに世界観解説。 こういうのは、聞かれない限りやらない方が無難かもねえ。
【才渦の時代】・・・ ようするに、「ただよし」 直前の時代。 世界がピンチになって、人類がやる気を出した時代。 概念として、地球の抗体反応――例としてあげればアルケミスターズ(ウルトラマンガイア)や人類の決戦存在(ガンパレ) の発生が近いが、一部に天才が発生したわけでなく、みんなが天才となった――つまり、一般兵もやたら優秀だった点が大きく異なる。
【模倣素体】・・・ ジーン・オブザーブド・ラーニング・マテリアル=マヌカン 直訳すると、「遺伝子を観測し学習する素体or人形」 頭文字をくっつけると「Golem」 となったりならなかったり。 ようは、コピーロボット。鼻は赤くない。 研究が間に合わず、最終戦に投入されたのは一体のみ。 戦後ちょっとだけ研究されるも、材料費がアホみたいに高く結局お蔵入り。何体かが封印され、あとは廃棄された。 フブキも開発に携わったため、一体だけ持っている。 実は「ただよし」 登場済み。 おまけの挿絵〜。
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■2005年08月31日(水)
野外ステージでジャズを聴く。
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| あ、やべナエさん黒髪だよ。 オークノートのアジア系は全員黒系だったっけか。
終了。 別に謎解きじゃないけど、謎の配置がいまいちかなあ。
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埠頭。 消波ブロックの上で潮風に白衣をはためかせるナエさん。 遠くから聞こえる汽笛の音、そろそろ明るさを増してきた灯台の光が時に港を照らす。 「悲しい事件だったな...」 「べつにそうでもなかったような」 叙情的な歌謡曲が流れてきそうな雰囲気で呟くナエさんに、おもわず口を挟むタツマ。 なにゆえこんなところで、そんな雰囲気に浸っているかというと、倉庫の方は盗掘団を捕まえに来た警察の応援でごった返しているからである。 後々、事情聴取は必要ではあるが今はそれどころではなかった。 「いいから、そう言うことにしとけ」 「そうは言われましても」 所詮、この話は間の抜けた事故だ。 成果と言えば、盗掘団が暴行未遂で逮捕されただけ。 上手くいけば殺人の容疑も追加されるのだろうが、 「結局貧乏くじを引いたのは、ハーシィなんでしょうね」 人形と鍵を、あるいは口の鍵穴を見つけなければ、忌まわしいデストラップに引っかかることもなかったであろうに。 「腕が噛みちぎられてもなお“施錠”をしたプロ根性は認めたいがな」 どの辺がプロ根性に当たるのかがよくわからないが... 本人は「いやもう無我夢中でさぁ。頭パニクってとにかく口から手を取りもどさなきゃとかしか思ってなかったんだよなあ。もうちぎれてるっつーのに」 と言っていたか。まあ、名誉のために黙っておこう。 どうにも死後でも会話をしているせいか、いまいち神妙になれない。 海を向いたまま、ナエさんは「まあ、そうだな」 と呟いた。 「ウチら技術者にしてみれば自業自得なんだがな、 未知に挑むのも、術を会得するのも含めて――」 それを求めても仕方あるまい。言外にそう含んでこちらを向く。 「人間、鍵が在れば試さずにはいられない。ウチとて同じだ。 だが、あの鍵は壊れて...いや壊されていた」 金製の鍵は、櫛が一本折られヤスリがかけられていた。明らかに人為的な細工だった。 「遺跡の保管者か、バイヤーか、はたまた盗掘団か。 誰かが未完成な装置の暴走をおそれ、意図的に壊したのだろう。 そうすれば、あの殺人装置は動かない。タダの美術品だった。 しかし双方に運の悪いことに、彼氏は魔術で鍵を無理矢理開ける方法を知っていた」 そして、ハーシィは鍵穴に鍵を詰めたまま、 ――その鍵を抜いて手に握り――、 腹を刺され、嵌めていた指輪型の“杖”を起動させ、手首と杖と鍵を噛みちぎられ、飲み込まれた。 「なまじ鍵を開ける手段を知っていたため、迷わずにそれを選択した。 ――人間、手段が在れば試さずにはいられない」 波音と潮風が耳朶を打つが、ナエさんの声は不思議とよく聞こえた。 「だから結局、彼氏に人殺しのスイッチを押させたのは、本来あり得ないはずの鍵を開ける手段、不可能を可能にする力――魔術だ」 そして科学もな、と呟いて、ナエさんは消波ブロックを跳んでタツマの側による。 「だがなタツ。不可能と言うことには、不可能で在るなりの意味が存在するんだよ。鍵が壊れていたのにも意味があったのと同じく、な」 タツマの背中を少し眺めて、歩き出す。 「ゆめゆめ、気をつけんといかんぞ...お互いにな」 背中越しにそう聞こえた。 ナエさんの足は灯の多い倉庫へと向かっていた。 そろそろ、警察の逮捕劇も一段落付いてる頃合いだ。 「...そうですね」 タツマもそれに習って歩き出す。
無理が通れば、道理が引っ込む。 道理が引っ込めば、危険が舞い込む。
タツマの肩で寝息を立てている少女は、果たしてそれに気づいているのだろうか。 夜に近づく風がどんどんと背中以外の体温を奪う。 「とりあえず、コートを新調しないとなあ、」 と、タツマは考えるのを止めて、ため息をついた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
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■2005年08月30日(火)
お茶を飲むよりa-chi-a-chi アドベンチャー!!
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| 夏・雪で連想できるのがかき氷ぐらいしかない...
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おお、ナエさんは反応が良いなあ。
「殺し屋」タマちく. 「やりすぎ射手と燃える森(六門リプレイ3)」
購入。 六門リプレイカラー挿絵がないなあ。 何故?
殺し屋は...おお、アクションコミックスだったか。 どうりでキララとかじゃ踏み込めないネタが多いと思った。 こういうブラックなところはブラックな漫画も好きです。
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「ミートカーソル・オン!」 言うがいなや、ナエさんの斜め正面、膝から胸にかけてに長方形のラインが浮かび上がる。 キキキキキキキキィ―― ガラスが高速に研磨されるような叫声が響いた。 「見えた! 撲殺――プリズム打法!!」 咆哮のままに、ナエさんは空中に浮かぶストライクゾーンに神速のスウィングを叩き込む。 白い閃光が生まれ、爆ぜた。 次の瞬間、閃光が白球の形へと収束し高速で叩き出された。 ピッチャー強襲のライナー・ドライブ。 白の球は、空中でまさにプリズムのごとく七色の球に分割する。 そのそれぞれが、あらゆる方向から、 ――コートを被ったまま立ち上がった人形に突き刺さる。 燃えた、凍った、たぶん痺れた、爆発が起こり、空間が歪み、カマイタチがコートをずたずたに破く。 その度に人形は弾けたり跳ねたり踊ったりしたが、最後に紫色の波動がみよんみよんと放たれたときだけは何のダメージもなかった。 「ち、さすがに精神干渉波は効かねえか」 毒づくナエさん。 金属バットを再び構えて、また同じ打法(?) を繰り返す。 相手がまだ動けるかとかそう言うのは確かめないらしい。 「コート弁償してくださいよ...」 「経費で落とせ」 落ちるかなあ。 あのコートもかなりじょうぶなほうだが、さすがに燃やされ切り刻まれては耐えられるはずもない。 「盗掘団やっつけたのもそれですか」 「おうよ。テロ殲滅武器マイナス5号「ブライアント君」 だ」 「...とりあえず、7号から6号までの間に何があったのか知りたい」 「特徴としては、テロを殲滅した後に高校野球にも出ることが可能だという」 「高野連が許しませんよ、んなモン。というか、あ〜」 タツマはコートに別れを告げながら、メイに向き直った。 「ゆっくりでいいから、無理しないでいいぞ」 「はい」 とメイは、術に集中していてそれどころではなさそうではあったが、額に汗を流してそう答えた。
「<施錠>」 淡く光る杖の先端(地面に付く方) が、もはやピクリとも動かない人形の胸を叩く。 音を立てて何かが巻かれる音。 人形の口が開いてぽっかりと空洞を見せる。 体中のトゲや爪が引っ込み、最後に腹の刃が腹に収ま...ろうとして、収納部のどこかが歪んでしまったのか、ガッと音を立てて戻らない。 「これ、やり過ぎなんじゃないですかナエさん...」 人形は、もはや原形をとどめていなかった。 腕はちぎれ足は奇妙な方向にねじ曲がり、木製の皮膚は裂けて中からケーブルやら回路っぽいのが見えている。 マネキンがマンションの屋上から飛び降り自殺でもしたら、こんな風になるのではなかろうかとそんなことを考える。 「しかたなかろう」 ナエさんは、バットを肩にふんと鼻息をたてた。 「油断したら、不意打ちで死んでしまうパターンだぞ。お前が」 「おれ確定ですか」 「魔女っ娘。疲れてるところ非常に申し訳ないが、最後の術を頼む」 無視してナエさんは蒼い瞳の魔術士にそう頼んだ。 「...はい」 メイは少しだけ自分の調子を探るように目を閉じて、頷いた。
呪文が流れる。 「模倣素体。その本来は、対魔獣用に造られた戦闘兵器だ。 “鍵を持つ者”の遺伝子を採集し、それを模倣して人造の兵士を作り上げる、戦闘用“ゴーレム” ――ジーン・オブザーブド・ラーニング・マテリアル=マヌカン...」 ナエさんは、人形を蹴飛ばして転がした。 「こいつは、それの習作。そして...劣悪な出来損ないだ。 ロクに遺伝子も真似られず、ただ肉を喰らい、それをエネルギーに暴れるだけの、デストラップ...」 人形の背中がむき出しになる。 「ここだ、頼んだ。」 その肩胛骨の真ん中に、メイは杖を置いた。
「――<解錠>」 ガコ――と、その音だけが鳴った。 いや、よく見ると背中に長方形のスリットが生まれている。 メイが、そのスリットを杖の先で下にずらした。
生まれた空洞には。 赤黒い血のこびりついた金色の鍵と、 時間が経って肉が腐り骨が剥き出しになった手首と、 その人さし指に嵌められた白銀の指輪――
メイは、最後の気力を振り絞り、杖でとん、と地面とこづいた。 彼女の身体を覆う蒼い粒子が、発散して霧散する。 「...以上で今回の依頼を終了いたします」 そう言って微笑んで、それからようやくふらりと倒れ込んだ。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
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■2005年08月29日(月)
名作に見る日本語表記のたのしみ
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| メイ、のような違うような。 別に設定資料とか造ってないからなあ...。 半ズボンで登山杖持ってたら何だってメイになってしまうorz
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躍りかかる人形を相手に、タツマは剣をがむしゃらに打ちおろす。 剣が人形の腹から生えた刃にあたり軌道がメイからそれる。 腹の剣は意外と軽い素材で出来ていたらしく、短いタツマの灯剣でもあたり負けすることはなかったが、さしもに人形の勢いまでは止まらなかった。 残った体に肩からぶつかる。 熱い感覚が肩口を走り、痛みに耐えかねてそれを突っぱねるように人形から遠ざかる。人形は体当たりを食らってそのままがらんごろんと転がった。 「タツ!」 ナエさんが悲鳴を上げた。 「...大丈夫ですよ」 一瞬だけ、ちらりと見るとコートの肩口が裂けている。 ぬるりと、二の腕を伝う温い感触。 そこら辺に転がった人形の指先に、いつのまにか金属の爪が伸びていた。 右手中指が赤く染まっている。 ――全身武器か。やっかいな。 リーチが圧倒的に足りない。ハリネズミに爪楊枝で挑むようなものだ。 ナエさんのバットをもらっておけば良かったと後悔しつつも、剣を捨てる。 そして、腰に手を回してベルトから黒筒の三段警棒を引き抜いた。 この警棒は警察官のサブウェポンとして支給されているもので、タツマはこれを刀身の短い灯剣と併せ好んでよく用いる。 ボタンを押し込みロッドを振ると、刀身が瞬時に伸びて一般の刀剣程度の長さになった。 「にしても、一般人の血肉だけで、あれほど動くか」 「え、それって...」 聞こうとしたとたん、人形が跳ね上がってタツマを標的に襲いかかってくる。 タツマは両手で警棒を握りこみ、力一杯に袈裟懸けに振った。 人形は全ての勢いを根こそぎ奪われて、派手に吹っ飛ぶ。 「メイは?」 「だめだ、暑さにやられてる」 「はい...すみません、しばらく時間がかかりそうです。」 メイは、気丈に振る舞うこともなく、ただ今の状況を正確に伝える。 と、後ろの高い位置から肩を叩かれる。 「タツ、五秒稼げ」 ナエさんだった。 「...了解」 何をするのかは解らないが、ナエさんがそう言うのなら信じればいい。 再びはいつくばった人形は、関節を奇妙に曲げながら倒立し、腹の剣を突き出すようにして走る。 カラコロと遅れて付いてくる手足が無性に気持ちが悪い。 再度の袈裟斬りで剣を結ぶが、突如、相手の刃が腹から抜け落ちた。 「なっ――」 勢いを殺しきれずに身体が沈む。 そこに隙が生まれた。 人形が腰を文字通り回転させて腕をぶるんと振りあげる。 巻き込まれるように回転する左手の手刀が、タツマの後頭部へと吸い込まれ、 ――警棒を捨てて、後頭部を両手で押さえた。 そこに、金属の光を携えた手刀が叩き込まれる。 手の側面に、本物の刃が生まれていた。 手刀が手首に食い込み、コートの袖ごと切断したかと思われたが、そうはならなかった。 手刀は袖を突き破ることもなく手首で止まっていた。 タツマは、痛む手首を庇うように体を入れ替え、人形に足払いを掛けた。 二枚蹴りをもろに食らった人形はなすすべもなく、みたび転ぶ。 足払いの際の交錯で、またどこかを斬ったらしく足から鋭い痛みが走ってきた。 が、そんなことを気にしていられない。 即座にコートを脱いで、人形に叩きつける。 投げたコートは、投網のように広がり人形を覆う。裏地の各所に強い摩擦性があるコートが、人形にへばりつきいてその動きを阻害した。 「ナエさん!」 警棒を拾いながら、後じさる。 「ようし、下がれ!」 そう言ったナエさんが手に持って振りかぶっていた物は、 一見すると、金属バットのように見えた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
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■2005年08月28日(日)
あいつはポジティブな馬鹿だ。
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テニプリ実写化!
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かつて大陸には人の天敵がいた。 魔族、あるいは魔属と呼ばれる存在。 彼らは突如として人より生まれ、絶望を糧に兵隊を増やし、生存本能を天秤に仲間を増やし、わずか数ヶ月足らずで大陸の半分を支配したという。 ナエさんはとつとつと語り出す。 「人類のピンチに、国を滅ぼされた民達は一つに集い、一つの軍隊を造った。 それはまさに大陸の全勢力。まさに国中の武技、魔術、兵装技術が集った。 最新技術から、秘伝、秘奥、伝説の武具まで、ありとあらゆる情報が全ての国から一挙に集い、残らず開示され、それを元にして高められていく。 ただ一つ、魔族と立ち向かい魔王を滅ぼすという目的のために。 その時代、人々の技術と、能力は通常の人類史ではあり得ない速度と精度で高められていた」 ナエさんの口調はどこまでも羨ましげで、しかし切ない。 「研究者にとって、これほど理想的な時代はなかったろう。 また、これほど命がけで挑戦できた時代もないだろう。 一つの目的に命がけで挑むことの出来る物を天才と呼ぶ。 この時代の人間は全ての人間が天才であった。 故に後の世の人間は、この時代をこう呼んだ。 全ての人間が天才となる時代――才渦の時代と」 羨ましいのだろうか、羨ましいのだろう。 タツマならば、そんな時代になど生まれたくもないが。 「才渦の時代...これがその時代の兵器を真似た品だと?」 「ああ、才渦の奇跡とは、その時代の超技術によって造られたアイテムの総称。希少価値や技術レベルでは神々の落宝、刻の遺産に及ぶべくもないが、それでも昨今の技術では再現不可能とさえ言われていたハイテクノロジーの塊だ。 ...まあ、これはそれの、習作だが」 習作。つまり、いつか本物にも負けず劣らない物を造るための練習作品。 「何で、魔王崇拝主義者がそんな物...っていうか、なんで人間がこんな物造る必要があったんですか?」 だんだん恐ろしくなってきたな、とため息をつく。 既に一刑事につきあえる話ではない。 「は?」 と、ナエさんは馬鹿を見る目つきで、「お前、まさか魔王崇拝主義がどういうものだかちゃんと知っていないのか」 「え、ですから魔王を崇拝するんでしょう?」 「またアホみたいな誤解をしとるな...まあ、仕方ないか。魔王崇拝主義って名前自体あくまでこっちがそう呼んでるだけなんだがな。 じゃ、タツ。そいつらは魔王を崇拝して何の得があるんだ?」 「え、それは」 魔族の王、魔王。一説には人を魔族にする力があったと言うが。 「自分が魔族になるため...とか」 「阿呆。確かにそう言う輩もいるが、そりゃまた別の思想だ」 いいか、と続けて、「魔王崇拝主義ってのは魔王を再び召喚して人類と戦わせようという団体だ。 どっちにしろ危険だからウチの国じゃ禁止されてはいるが、その支持者は一般人が考えるより遙かに多い」 支持者多いのか。 「魔王を――召喚? なんでまた」 「それぐらい自分で考えろよ。魔女っ娘は分かるよな?」 「はい、えっと...」 と言うメイは、どこかフラフラだった。 「人類の天敵を復活させて、またみんなで一つになって戦おう、と言うことですよね」 「メイ。君、体は大丈夫なのか?」 「ええ、術を使ったせいか、数刻前の目眩が少しぶり返してきたようで...」 聞くより先に、デザインチェアに座らせる。 メイは座り心地の良さにびっくりしている様子だったが、とりあえず背にもたれて落ち着くように言った。 それから、メイの解答をようやく思い出して、 「また戦うために? それは才渦の時代をまた起こすってことか」 「それもあるが、それだけではない」 続けたのはナエさんだった。 「過去、一つにまとまったはずの大陸の国々は時代が進むにつれ再びいがみ合い、今も小規模な小競り合いが起きているところがある。 それ以上に大陸の外に向ければ、未だに戦争をしている国や、何かと抗争に持ち込もうとしている国が後を絶たない。我が国もいくつかの国と交戦状態だ」 つまり今度は世界すら巻き込んで一つにまとまり、高め合おうというわけか。 それはなんというか、 「理屈は解りますし、宗教よりも現実味もありますけど... ――なんか、馬鹿みたいですね」 平和のために、争いを創る。 原理は雨降って地固まるだが、降るのは血の雨だ。 「ウチもそう思うよ。技術にしても、あまりにも急速に高まりすぎた故に、後世に伝えきることが出来ずにその大半が潰えたが――いつかは追いつくことは出来るだろうし、潰えなかったいくつかの技術では追い越してさえある」 殺人人形をバットでこづき。 「これも、本物の“模倣素体” 自体は既に現存しないが、技術自体は再現が可能だ。まあ、国家予算クラスの資金がいるから誰もつくらねーけどな」 その人形はと言えば、赤黒い剣と血に濡れた歯に染まり。 「で、なんで人間がこんな物造る必要があったんですか?」 「阿呆、誰が戦乱のくそ忙しい時期に、こんなあからさまに対人のデストラップ作るか。こいつは、習作だといっただろ。本物のある機構を真似ようとして失敗して、結局こんな機能に落ち着いただけで――」 そこまで言ったところで、ナエさんは突然黙りこんだ。 「ナエさん?」 「まずいな。刺したり齧ったりがそう言う意味だったとしたら...メイ!」 余裕の無い声で、チェアに座る少女に声を掛ける。 メイは、声は出さずに見ることで呼びかけに応えた。 「施錠を頼む。今すぐだ」 「はい――」 詠唱が始まる、それよりも先に。 人形が小刻みに揺れて、胸の紋様が怪しく輝き出す。 「タツ、メイを守れ」 彼女自身はバットをほうり捨てて、白衣の袖に手を入れる。 嫌な予感、と言うよりナエさんの真剣さに圧されて、タツマは言う通りに動いた。 ――人形が飛び上がり、メイを襲うような動きを見せたのは、その直後だった。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
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まあ、書いといて何ですが「古代に栄え滅びた超文明のオーパーツやハイテクノロジー」 なんてネタは、まるっきり時代遅れなんですけどね。
だいたい、「うおーロストテクノロジーなんかわからんがスゲー」 みたいなノリは、それこそバブル期の可能性はあっても技術が伴わなかった時代の夢工場であって、 今日び、少年少女がロストテクノロジーなんてネタ見てもコカコーラー飲んで手放しで喜ぶはずもなく。 まあ、そんなのが通じたのは精々21世紀まででしょうね。 なんたって今やSFに足を踏み入れたかのような時代。 ワールドビジネスサテライトで得たネタでSFが書けてしまう。 科学物として見た場合も、最近のテーマの主流はハガレンみたいな進歩の先にある人間の業みたいなのが主流で、ロストテクノロジーとかあんまり入る余地がない。
ロストテクノロジーって概念時代もうロストもんですな。 だいたい、そんなもんがもしあったら、とっくに解析できとるわい、人間舐めてんのかと思うわけですよ、昨今の人間は。 すげーどころか寧ろストレスなわけです。 | | |
■2005年08月27日(土)
ろーんりぼーいろーんりがー
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レイザーラモンHGは実はハードゲイでも何でもない普通の好青年住谷であることを隠しているということを弄られるキャラとして笑いを取るようになってきているなあ、とそんなことを思った。何、わからん? 要するに。チューヤンやボビーやビビアン・スーやさとう珠緒に 「お前実は日本語ぺらぺらやろ」 と聞いて笑いを取るのと同じ理屈である。
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「なるほど、こりゃえげつねえワな」 感心してるのか、呆れているのか。 ...おそらく前者だろうが、ナエさんはため息をついて、人形を眺めた。 その人形の容貌はと言うと、口の空洞が鉄の壁によって閉ざされており、腹からは赤黒く細長い金属が一片、ただ水平に伸びてている。 メイが解錠を行使したとたんの出来事だった。
その事実を知らなくても、ある程度の推測は立つ。 今にして思えば、ルイスにはその推測が立ち、だからメイとタツマを呼んだのだろう。
部屋は密室であった。 ――殺人犯がいたとするなら、“施錠”を掛ける前に逃げる必要がある。 “施錠”は原則として施錠を行う対象に触れなければならない。 倉庫の中央で致命傷を負ったハーシィが、倉庫の鍵を施錠することは不可能。 よって、扉に“施錠” は使われておらず、故に“解錠”も使われていない つまり、倉庫は依然として密室。
そして、自殺ではない(手首をちぎられ、刺され、凶器と手首がない) ならどうやれば人は死ぬか。 答えは、
――事故。
短絡的だが最も簡単な解答。 何者かがハーシィを殺したのではない、何かが彼を殺したのだ。
メイが解錠を行使したとたんの出来事だった。 突如人形は、バツンと溜め込んだ何かを弾けさせるような音を立て、二つの現象を同時に起こした。 まず、顎に巧妙に隠されていた歯(刃) が、さながら鋏みギロチンのように噛み合い、口を閉ざした。 そして、ほぼ同時に腹の横隔膜に隠蔽されていた刃がぬっと何かを貫かんばかりの勢いで突き出たのだ。 離れて、杖の届くギリギリで術を行使した故に誰も怪我することはなかったが... いまさらに、重い何かが喉の奥に沈み込んでくる。 喉が渇いたので、つばを飲む。 「とりあえず、凶器発見ですね」 軽口めいて呟く。 腹の刃からは、赤黒く時に白い筋とも肉とも付かない物が、さながら赤身を切り潰した包丁のようにこびりついている。 ナエさんは臆することもなく、ひとしきりそれを調べた。 「間違いないな。才渦の奇跡...の模造品だ」 そう断言するナエさんの瞳には好奇の輝きが、 ...口許には微かな苛立ちが現れていた。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
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■2005年08月26日(金)
マージジルママジジーンガ
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と言うか、特に考えて書いてるワケじゃないので、情報のフェア・アンフェアなんて考えてられないのですね。いや、今書いてる下のシリーズですが。 モロ毒だねみたいなノリで読んでください。
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「さてと、」 といいつつ、ナエさんは人形の半径10m内で倒れている人間を外へ蹴飛ばしにかかる。 「魔女っ娘。解錠は使えるか?」 「一応は。ただ、相性は悪そうです」 ナエさんは四人目を蹴飛ばしながら頷いた。 「相性」 「ええ、基本的に魔術師は、理屈で言えばどんな魔術でも使えるのですが...個人の魔力の性質で、得手不得手がありますから」 「魔術というモノはソフトウェアだ」 メイの言葉を受けて、ナエさんが詳しく説明する。 「魔術技師は魔法著作権協会から、そのたびに必要なソフト――術式を借りて、その式を杖にダウンロードする。 つまり、どういうソフトがあるかという知識さえ持っていれば、魔術技師はありとあらゆる魔術を使うことが出来る」 とは言え、専門用語が多すぎてタツマにはほとんど解らなかったが。 「だが使うことが出来るからと言って、使いこなせるとは限らない 個人の持つ魔力の性質・容量、使用する杖の機能・容量・演算能力。 そして術者の魔術との相性、その全てが影響するからな」 等と言いつつも蹴飛ばすのは止めていない。 ようやく全ての人間を蹴飛ばし終えると、ナエさんは腱を伸ばして背筋を伸ばした。 デスクワークが多い割にしなやかで伸びがある。 「よし、じゃあ解錠を頼む。対象は...」 顎で、それを差す。 「――この人形だ」 「はい、頼まれました」 メイは頷いて登山杖を取り出した。
要するにそういうことなのだ。 屍骸術は、自殺者を甦生できない。 そして、解錠の魔法が使えるハーシィは、施錠された密室のど真ん中で死んでいた。人形に盛大な返り血をまき散らして。 そして、未だ見つからぬと言う手首と杖と鍵と鍵の紐。 ある一つの簡単な要素が欠け落ちていて、それ故にその要素を知らぬ人間にとっては不公平ではあるのだろうが...それを差し置いても思い当たる可能性はある。 と言ってもまあ、その要素さえ知っていたら答えは簡単なのだが。 現に盗掘団の長は、ハーシィが何故死んだかを言い当てたらしい。
メイが、水晶のストラップが付いた登山杖を高く掲げる。 「万物ノ理ヲ体現スル、我ハ世界ノ杖也」 唱えたかと思うと彼女の周囲に淡く青い燐光が発生する。 リィィン―― 鈴の音を引き伸ばしたような澄んだ音が響いた。 「これが待機状態だな。“杖”」 を起動して準備状態に置く。 この場合の“杖” とは魔術の補助演算装置の意で、魔女っ娘の場合はさしずめ登山杖に括り付けたストラップか」 呟くナエさん。 その呟きはタツマが相手ではなく自分への呟き。 自分の思考への言語化。自分の思考への返答。 今の彼女の目と口は科学者のそれだ。 「魔術を見るのは久しぶりですか?」 「<発火>や<施錠>レベルのなら何度かは見たが、このレベルの魔術士の技は...そうだな。大学以来だ」 その間もブツブツと、何事かを呟いている。 今のこの状況、メイという希有なる才能を持った魔術士の技を、賢明に脳裏に焼き付けようとしているのだろう。 「<閲覧開始>...検索」 「いつもの術と違うな」 それは、ほとんど無意識から出た言葉であったが。 「なんだと?」 その言葉にナエさんは反応した。 「タツ、それはどういう...いや、今はいい」 「...検索完了――...理歴21...年製作、著作者シェ...ンライ...あ〜、これは...」 「ん、どうした」 と、これはタツマ。 メイはうっすらと笑みを浮かべた。 「これならおそらく大丈夫です。一部、得意な術も使えますし」 そう言ったかと思うと、人形に杖をかざす。 「<踏査>」 次の瞬間、人形の中心から蒼い波が伝うように空間を広がっていく。 なるほど、これはよく使う術だ。 「踏査――? たしか、踏査は限定空間を構成する物質・エネルギー・ベクトルを粒子レベルで四次元解析する超高等解析術だったはず。 ...どういうことだ。 たしかに解錠は鍵の構造を理解して運動エネルギーによってそれを外す術だが、鍵の構造理解程度で踏査のような高度な解析術は使用しなかったはずだ」 「自分の得意な魔術で応用したんじゃないですか? 高等とかそういうのは知りませんが、踏査は彼女の得意な術ですし」 「応用、だと」 やはり何とはなしに言ったのだが、今度もギロリと睨まれる。 「タツお前自分がどれほど途方もないことを言ってるのか解っているか?」 「いや、すみませんけど...」 タツマは魔術にはそんなに明るくはない。 それでもオークノートの一般人よりは詳しくはあるのだが、 「解析終了...あの」 言い合う二人に、申し訳なさそうにメイが訊ねてきた。 「鍵、二つ発見したんですけど」 その言葉に、ナエさんは瞬時に思考を切り替えて、メイに向き直る。 「おお、やはりか。とりあえず口の方を頼む」 無言で頷く、メイ。 タツマはそっと、メイの前に立ち抜刀する。 「一応、それ言うの自分の役目なんですけどね...」 「馬鹿言え、お前はせいぜい“壁”だ。それ以上でもそれ以下でもない」 逆に、ナエさんは少し下がりバットを構えた。 メイも杖を水平に構えて、人形へと杖の先を触れさせた。 「行きます――<解錠>」 カチリ、と音が異国の埃に満ちた倉庫で小さく鳴った。 (「屍骸術師と密室の鍵」) | | |
■2005年08月25日(木)
はしれはしれはしれ
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買った本 感想を書いておかないと、わざわざ検索してきた人が空振りするということになりかねないので感想(どんな理由や)。
「死力のダンスパーティ(伝勇伝)」 今回は、外伝含めてギャグ一色でおもそいかったです。 にしても、ローランド編はまだなのか。 フェリスは確かにだんだん天然とアレ気な感じのギリギリになってきてるなあ。
「リアルバウトハイスクール12」 涼子開眼。最終的にキングクリムゾンみたいな見え方(最近だとサスケの写輪眼の予知) みたいに見えるのかな。 カムイの拳が軒並みいない状態じゃないと成立しない話という点から、カムイの拳なら寄生虫を追い払えるのかなと邪推。 寄生虫だけを見て斬る技の開眼もありえるかも。 死を殺す=病気を治すみたいなノリで。
「ソード・ワールドRPGリプレイ・アンソロジー デーモンアゲイン」 あーたーまーにーキャラがーはーいーらーなーいー Aマホみたいに日本名の方が良いなあ。 もっと、名前だけでキャラが解るようにしてほしいなあ。ロボロクスとか。 リプレイでそれを求めるのもアレだけど...
内容自体はおもしろかったです。豪華メンバーだなあ。
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「まあ、だからといって盗掘団がメイを襲う理由もなければ、そもそもがあの倉庫の主が盗掘団だと決まったわけでもない、と」 あまり心配してはいなかったが、道中には特に誰に出くわすこともなく、メイも普通に海を眺めていた。 倉庫街を番号を頼りに歩き、一軒家よりは大きめの倉庫の前で立ち止まる。 内側からは鍵が開くことの出来ない両引き戸のドアを開こうとして、 「あの、けど、貨物の方は盗掘品だったわけですよね?」 メイが、そんなことを聞いていた。 扉に手を掛けたままでタツマは、 「現地で被害届が出ているからな。それの紹介でらしいとは踏んでいるが...そも、便宜上盗掘団と呼んでいるが、実際に盗掘をしているのは現地のスタッフだと聞くしなあ。 だから輸入者は美術品として買ったの一点張り。盗掘品とは知らなかったと言い張っている」 疲れた表情で、鉄の引き戸を引っ張った。 「せめてバイヤーが盗掘した品と知っていて売っていることが掴めれば...」 「すみませぇえええん! ここにある品は全て盗掘品でぇえええす! 知ってて買いましたぁ、むしろ現地でスタッフを雇って盗掘するように依頼したりもしましたぁ!! 全部、認めます白状しますバラしますぅうううううううう!!」 倉庫を開けるなりそんな叫び声がして、 「よぉ、早かったな」 ナエさんがどこから持ってきたのかデザインチェアに腰を掛けてこちらに手を振っていて、 「すみませんでしたぁああ、もう二度としませぇんんんんんんん!! ですから、ですから命だけはご勘弁をぉおお!!」 「うるさい」 ――ぎゅむ その腰掛けるナエさんのヒールで後頭部を思いっきり踏まれている男が一人。 それから、 ――その場に倒れ伏している人間が約30名。 「おしかったな」 ナエさんは、腕をつかねてそんなことを言った。 「ナエさんに呼びにいかせてこの場に残る、を選んでいたらイベントバトル突入だったのに」 いやあな予感がして、もう一度周囲を見た。 男達――ここまで来たらもう盗掘団なのだろうが、そいつらはよく見ると焦げてたり、痺れてたり、凍ってたり、すり切れてたり、ぶつぶつとうわごとを天井に呟いてたりしている。 「ナエさん...知ってて残りましたね」 「いや、対テロ武器とか試す機会なんてそう滅多にないからな。助かったわ」 臆面もなく言ってのけるナエさん。 「テロよりもナエさんの方が怖いんですが」 「サナエさんって強いんですねえ」 「おう、魔女っ娘。サナエさんと言うより科学の勝利だがな」 タツマとメイがナエさんに近寄ろうとすると、その瞬間を見計らったかのようにナエさんに踏まれていた男――こいつが盗掘団のリーダーなのだろうが――が突如起きあがりタツマが開けた出口へと猛ダッシュを掛けた。 さっきからチラチラ出口を気にしていたのようなので、そう言うことをするとは思っていたが。 「おぉ、嬉しいことしてくれるじゃないか」 ナエさんは舌をなめずった。 「ひぃ!」 もはや捨て台詞もでないらしい。 男は必死になって逃げようとして、あまりに必死なのでタツマもメイも思わず道を譲ってしまったが、その中でサナエはもそっと動いてデザインチェアの後ろから一本の棒きれを取り出した。 それは一見して、バットのように見えた。 再度見てもバットのように見えた。 三度見ても木製バットのようにしか見えないそれをナエさんは大きく振りかぶって、投げた。 長い髪が優雅にしなる。 バットのような物は垂直から飛び出して、くるくると回り、ちょうど七回と四分の一回転したところで、男の後頭部にめり込んだ。 あえなく気絶する男に、からんからんと落ちるバットのような物。 つかつかと、優雅に歩きそれを拾うナエさん。 「...科学の勝利?」 うろんな目で訊ねるタツマ。 「テロ殲滅武器マイナス8号「メッケ君」 だ。最大の特徴はテロを殲滅したあとで草野球が出来てしまう点だな」 「何でテロ殲滅したあとで草野球せにゃならんのですか。つか、ツッコむのもめんどくさいんですけど普通の木製バットじゃないですか」 「甘いな。実はこのメッケ君にはいささか大きなヒミツがあるのだ」 「何ですか」 「うむ、中にコルクが入っているのだ。心なしか打力が上がった気がする」 ええいもう何を基準にツッコめばいいのやら。 「あの、どうしてマイナス8号なんですか?」 メイが瞳をきらきらとさせてバットを見ている。 「まだ開発段階だからな。ベータ版みたいなモンだ」 「あと8回もバッチ当てるつもりなのか...」 どんどん話がそれそうになったので、タツマは話を戻した。 「狙いは人形で?」 「いや、倉庫のその他の盗掘品みたいだったな。今日警備が薄くなるとリークしてみたんだが...見事に引っかかったようだ」 もうツッコむか。 「人形も、盗掘品だったんですよね」 「ああ、間違いないな。魔王崇拝主義者――まあ、厳密に言うと違うんだが――そいつらの遺跡からかっぱらったと言うことだ」 ゴリ――とヒールで倒れた男の後頭部を踏み、 「こいつにいろいろ聞いた。だいたいがウチの推測と同じだったよ」 「ところどころ違ったんですか?」 アレだけ自信満々だったのに。 「あん? そこはこいつが嘘付いてるんだろうさ」 何を決まり切ったことをと言う目で、彼女はタツマを睨んだ。 「...さよーで」 もはや何も言えなかった。
(「屍骸術師と密室の鍵」)
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■2005年08月24日(水)
たまに前の方で寝てる
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極上生徒会は、れいんです角元です角元れいんです、の回。 まだ始まってないけど凄い楽しみだ。 れいんちゃん先輩の三段活用はおもしろくて好きです。 にしても極上は最高だなあ。 もはや水曜日のお楽しみとなっていて、あと数回で終わってしまうなんて考えられない。
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「で、何でウチがこんな南端の倉庫なんかに連れ去られなきゃいけないんだ?」 サナエ・バンプ(30) 科学特捜課の課長。天才。 飛び級で王立中央大学を卒業後、一番充実した研究施設が警察の科学特捜かだったからとかそんな理由で入署。 翌年、課長に就任。19歳という異例のスピード就任であったがその後は出世もせずに研究にいそしむ生活と、ツッコミどころ満載の御仁である。 スレンダーな体躯に、白衣と腰まで伸びた黒髪のコントラストがあつらえたように似合う美人だが、いかんせん性格悪い、威圧感がある、酒臭い、タバコ臭いと回し蹴りのような人生を送っているせいか、こと恋愛話で彼女の話題が上ることはまったくない。 今日はロングの髪を先の方だけ三つ編みにして垂らしていた。 彼女は目蓋の落ちたトロンとした目で、隣のタツマを見下ろす。 ...タツマも長身の部類なのだが、彼女の方が背が高いのである。 「いや、科特で暇そうな人見繕ったら、ナエさんだけだったんで」 「しかし埃っぽいな。外国の物ばっかりなんだろ、この倉庫って。変な菌とか混ざってないだろうな...」 豪快に無視して、ずかずかと倉庫を歩いていくナエさん。 「土とかは、徹底して落としてるはずですけどね」 確かに埃くさい。 ――数日前までは、血の臭いもしたのだろうが。 「あった、これだ」 薄地の紙袋で覆われた、マネキンのようなシルエット。 タツマが(ルイスの) 様々な権限を活かして、あらかじめ運んでおくように頼んでおいたのだ。 「何だ、まだ紙なのかよ。東の方じゃ全部ビニールだってのに」 ぶつぶつと文句を言うナエさん。 これだから西は技術レベルがいつまでも周回遅れなんだとか、研究設備も東のお下がりばっかりだしとかなんとか、 「じゃあ東に行けばいいじゃないですか」 「...まあ、中古は中古で攻略本も出回ってるから、楽なんだよ」 「なんですかそれ」 自分と同じ背の高さの紙袋を破くと、血まみれ(乾いているが) の人形が姿を見せる。 「うわちゃ」 思わずのけぞるタツマ。スプラッタは嫌いなのだ。 「返品できるのか、これ。盗掘品だったんだろ?」 「...まあ、返さなくても良んじゃないですか。北の群島とは国交ないし」 腐れ官僚め、とぼやいてナエさんは人形をしげしげと見つめる。 「触っていいのか?」 「ご随意に、ただ」 「わーってるよ。気をつける。それより灯りをくれ」 確かに昼とはいえ倉庫の中は薄暗い。 タツマは腰の剣を引き抜いた。 グリップと刃が一体の鍔無しの小刀。 赤い刃に指先を触れさせて、小さく呟く。 「<発動>」 とたん、刃が淡く光ったかと思うと、次の瞬間には白く眩しい光明を生む。 「そんなにいらん、絞れ」 言われたとおりに、光量を絞ってから木製の人形を照らす。 赤黒い血で塗りつぶされた木製人形が生々しく映し出される。 木製の人形は、よく見れば胸から広がるように奇妙なかんじの模様があるが、血に塗りつぶされてほとんど見えない。あまり詳しくはないが、何かしらの魔法に関連した模様のようだ。 手足の造形などはかなりいい加減で筒を適当に組み合わせた程度。指も掘ってそれっぽくは見せているが、浅すぎてあってもなくても大して代わりがない。 股間を見る限り、雌雄の区別もないようだ。 というか顔すらない。口はあるが、ほとんど四角い穴である。その口にもおびただしい血の跡が残っていて、怖くて不快だった。 その人形の首に左右から紐が二本ぶら下がっていて、ちょうど肋骨の下辺りで切れた跡を残した端っこが揺れている。 ナエさんは、人形の後ろに回ったり下から眺めたり触ったり叩いたりしたあとで最後に口の中をのぞき込んで、 「なるほどね。まあ、努力の跡は認めてやらんとな」 と、そんなことをコメントした。 「わかったんですか?」 「およそ、この手の物には余分がない。裏を返せば、全てに意味があるってことだ。それより、あの魔女っ娘はどこだ?」 「魔女っ娘は知りませんが、メイなら海が珍しいらしくて埠頭でずっと波を見てますが」 「...そんな錆と油だらけの海なんて見ても情緒無いだろうに。 今度、海水浴にでも連れて行ってやるんだな」 「日焼けで泳ぐどころじゃなさそうですけどね」 長年、森に暮らしていた弊害は思いの外大きいらしい。 「迎えに行け、嫌な予感がする」 「嫌な予感?」 「いや、言ってみただけだが。シチュエーション的に」 「...今回は別にそんな伏線」 ――盗掘団。 「あったなあ、そう言えば...」 ため息をついて灯剣を手渡す。
(「屍骸術師と密室の鍵」) | | |
■2005年08月23日(火)
good-bye good-day
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昼の墓場(田舎限定) というのは割と青春ロマンなポイントでして、まあその辺はセカ中でもやってましたが遺骨は盗むな。 まあ、自分自信、自転車の練習を墓場でしたと言うぐらいの墓場ニアンなわけでして、そういうところもあってか墓場が観光名所な街と言うのもいいのではなかろうかとこんな街を造るわけです。 実際問題、ファンタジーで一番おもしろいのは魔法とか必殺技やキャラクターや神話より、こうやって勝手気ままに街や国を造ることだと思っています。 現実にもあり得そうだけど、今から街を造ってもこうはならないんだろうなぁみたいなのがいいですね。 ヴェネチアとか京都とか、歴史的な宗教的な無茶があるようなのが好き。
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墓場だというのに蝉の声がうるさい。 メイは茶店の長椅子に仰向けになって、太陽の隠れた天井を見上げていた。 その顔をファイルでパタパタとあおぐタツマ。 「日射病だな。顔が蒼い」 「め、めんもくありまへん」 じっとりとした汗に、血の気のない顔。 体温が上がり、意識もかなりもうろうとしている。 直射日光に当たりすぎて生じる、日射病の症状そのものである。 「二時間近く術を行ってたからな。無理もないさ」 寧ろ、彼女の体調の悪さに気づけなかった自分の方が間抜けだろう。 「に、にっしゃびょうのばあいは、木陰で足をたかくして衣服をゆるめて、」 「もう全部やってる。いいから呼吸だけしてろ」 屋根の影に据えられた長椅子に仰向けで寝ころぶメイ。 足は靴と靴下を脱いで、同じ長椅子に座るタツマの膝の上に乗っかっている。 衣服は、元から緩いシャツと半ズボンだけだった。そのズボンのベルトも緩めている。 「...お日さまの光は嫌いです」 「苦手じゃなくて、か?」 「森の中は、こんなに眩しくも、暑くもありませんでした」 前髪を揺らす風に目を閉じる。 呼吸はずいぶんと落ち着いてきているようだ。 「まだフラフラするか、他に何かして欲しいことは?」 「まだ少し。そうですね、あとは塩水を」 「塩水なんて売っとらせんわ」 茶店の中に消えたタカさんが、盆にラムネの瓶を二本乗せて帰ってきた。 「炭酸...」 タツマにはありがたいが、日射病の人間にはどうだろうか。 「嬢ちゃんはこっちだ」 盆を持っていない左手に瓶を握っていた。 スポーツドリンクだった。 「わたしもラムネがいいです」 しぶるメイを無視して、盆からドリンクの入った瓶を受け取る。 飲み口の細長い、ビール瓶を小さくした感じの瓶だった。 「タカさん、コップなんてのは...」 「茶店にあるわけないだろ」 「...茶店ならあっても良いだろ」 長椅子の先の机を見たらストローがあったのでそれを一本拝借する。 紙袋を破いて蛇腹付きの曲がるストローを出して、蛇腹を伸ばして瓶に差す。 それで長さは、何とか足りた。 「ほら、ゆっくり飲め」 「ひゃい」 メイは体を起こして、おずおずと瓶を受け取った。 ストローに口を付けて、ゆっくりと吸いこむ。 「上品なモンだな」 「瓶で飲めないんですよ。飲み方が解らないとかで」 正確には飲み口が細い容器に入った飲み物を上手く飲むことが出来ないのだ。 「この前は傾けすぎて服にこぼしたし、その前は吸いすぎて舌が抜けなくなったし」 「まるっきり子供なわけか」 「ええ」 「...なんだか人格に不当なレッテルを貼られている気がします」 ずいぶん正当な気もするが、とは言わないでおく。 ラムネの瓶の蓋を裏返して、手のひらで瓶の口を叩く。 ポン、と音がしてラムネ瓶の中にビー玉が落ち込み、しゅわしゅわと泡が出た。 「ラムネなんて久しぶりかもな」 「なんだ、もう懐かしさを楽しむようになったか。古くさい奴め」 「ほっといてください。どうせ古くさい人間ですよ」 泡を食べてから、ラムネを飲む。 喉に爽やかな炭酸の痛みと、ほのかな甘味が通り抜けていく。 その様子をメイが羨ましそうに見ていたので、タツマはそちらは見ないようにしてラムネを飲み干す。 かかとで思いっきり膝を踏みつけられたが、それも無視した。 「いちゃつい取るところ悪いが、話の続きをしてくれんか?」 「こっからは企業秘密ですよ」 取り合わないタツマ、と言うより彼も実のところかなりばてていた。 「守秘義務は守らないのに、企業秘密は守るのか。殊勝な商売だな」 呆れた様子で、タカさんはラムネを飲む。 タツマは苦笑して、 「じゃ、最後に四つだけ。 使われた魔法は“解錠” と次に“施錠”。どちらも対象に、扉の鍵なら最低でも扉に触れなければ発動しません。 メイが受けた依頼は、杖と、手首と、鍵と、凶器を探すこと。 そして被害者は何かで腹を刺され、手首を切断され、その手首と手首が持っていたであろう杖が見つからない。 そして鍵。鍵の紐は血まみれの人形に掛かったままでした。倉庫の中心に置かれた血まみれの人形に。まるで、鍵のぶら下がってる部分だけ、こう、」 手刀をおろす。 「刃物で切られたように」 「ふん」 タカさんはラムネの瓶を空に透かして、おもしろくもなさげに息を吐いた。 「つまらん、推理もクソもないな」 「そりゃ、推理は警察の仕事ですからね」 透かした空き瓶の中では、ビー玉がころころと輝いていた。
(「屍骸術師と密室の鍵」) | | |
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