川上村は東西を台高山脈と大峯山脈そして北を吉野の山々に囲まれ、多雨地帯から流れ出る数々の源流はここで合流して吉野川となり、しばし北行、後に西行して名前を紀の川と変え、和歌山市で紀伊水道に注ぐ。

川上村はその名に相応しく吉野川・紀の川の生みの親である。
村にはいたるところに、大小さまざまな形の滝が見られるそうだが、腰痛が持病の私は軽登山もできず、残念ながら一つも見ていない。

吉野林業発祥の地でもある川上村では、500年前から杉の植林が進められてきて、村のほとんどが山林で、国道168号線沿いから仰ぎ見ると、よくあんな高いところまで植林したなと感嘆する。

木曽檜、秋田杉と並んで日本三大人工林の吉野杉だが
、林業は輸入材に圧迫されて全国的に低迷を続けている。
林業の中心だった川上村も同様で、このことは、村の人口が1965年には7,165人いたのが2007年にはわずか2,045人となり1/3以下に減少していることからも分かる。
奈良県北部から和歌山県南端にかけて、紀伊半島を南北に縦断する山岳国道が2本通る。

番号が隣り合わせの国道168号線と169号線だ。
何れも急峻な山の斜面をえぐって完成した山岳道路で、近年、あらたなトンネル建設や2車線化が進んで入るものの、豪雨で修復まで数年が見込まれる大規模な土砂崩れが起こるなど、いぜんとして日本有数の秘境を通過する難路である。

この両国道沿いには多数の温泉が点在している。
国道168号線は、2004年4月に全施設源泉掛け流しを宣言した十津川温泉郷から和歌山県に入って湯の峰温泉川湯温泉渡瀬温泉を通過する。
国道169号線は、ここ入之波温泉から上北山下北山村の温泉、さらには三重県の秘湯・湯ノ口温泉へと通じている。

ハトの谷を150mまでボーリングしたところ、炭酸を多く含む重曹泉が自噴したという山鳩湯は、「温泉教授」の松田忠徳氏が著書の中で激賞、その後新聞・テレビ・ガイドブック等で度々報道され、日本中に知られる温泉宿となった。

ここはまことに個性豊かな温泉宿である。

道路からは建物が見えず、マッチ箱を積み上げたような建物がダム湖への僅かな斜面に建てられ、いまにも湖に滑り落ちそうに見える。

次に温泉そのものである。
自噴・土色の重曹泉が先ず内湯を満たし、そのまま露天風呂につながって、最後はダム湖に流れ落ちている。
内湯や檜の露天風呂は大量に含まれるカルシウム等の物質が堆積したり付着し、まるでごつごつした溶岩風呂に入っている気持ちがする。
季節によって加温するが、加水していないぬるめの湯には長時間入浴できるが、これが災いして湯当りする人もいるようだ。。
住  所 吉野郡川上村入之波
電  話 07465−4−0262
交通機関 西名阪・郡山ICから国道24・169号65km
近鉄線 八木駅・大和上市駅から湯盛温泉杉の湯下車乗りかえ入之波温泉行きバス終点下車
施  設 食事処兼休憩室  駐車場(12台)
宿  泊 8室  11,500円〜(何れもBTなし)
外来入浴時間 10:00〜17:00 
外来定休日 日帰り入浴は毎週水曜日(但し水曜日が祭日の場合は営業)
泉 質 ナトリウム炭酸水素塩泉(含炭酸重曹泉)黄土色  39℃(加温なしの源泉掛け流し)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人700円 
入浴施設 内湯男1女1、露天風呂男1女1(他に宿泊者専用があるようだが不詳)
浴室備品 シャンプー、ボディソープ、ロッカー
観光スポット 大台ケ原、大迫・大滝ダム、蜻蛉の滝不動窟
お土産・食事 ここで昼食として取った「あまご釜飯」はなかなか美味しかった(1,500円)
土産は「道の駅杉の湯川上」で。(詳しくは川上村HP参照)
近くの温泉 入之波温泉五色湯(車で1分)、湯盛温泉
山鳩湯HP
川上村HP

観光協会HP
http://www.yamabatoyu.yoshino.jp/
http://www.vill.kawakami.nara.jp/
http://www.vill.kawakami.nara.jp/kankyokai/kyoukai.htm
雑記帳 はじめここにきたとき、当初は五色湯に行くつもりが間違ってここに到着してしまった。当時はなんともみすぼらしい温泉旅館に見えた。それが温泉入湯経験が増えるに従がって、掛け流し、源泉100%、土色のこの湯の良さが分かってきて、いまや、私のお気に入りの温泉になっており、これまでに多くの方をお連れした。
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
2008年10月改定版
入之波温泉 山鳩湯 (奈良県)
所在地 : 吉野郡川上村
 温泉名 : 入之波(しおのは)温泉
施設名 : 山鳩湯 (最終入浴日:2008.2.18)
厳しい自然の川上村。左側山腹を国道168号線が走る。
入之波を「しおのは」と読める方は相当の温泉通と言っていい。
元禄時代には既に「御夢想塩湯」という名で知られており、谷崎潤一郎の「吉野葛」にも登場するようだ。
昔の源泉はもっと低い所にあったが、大迫ダムの完成によって湖底に沈んだ。

近年になって、泉質において正対する二つの湯元(山鳩湯・五色湯)が注目され、特に山鳩湯は、マスコミや各種温泉ガイドブックに関西圏を代表する秘湯・名湯として度々紹介され、全国的にその名が知られてきている。
温泉教授・松田忠徳氏がその著書で、入之波温泉を知床を上回る秘境の地と評しておられる。
奈良県には紀伊半島の深部、日本三大秘境の十津川温泉があるが、川上村もアクセスの不便さでは負けていない。
国道169号線から外れて大迫ダムの上を進む。
ダムから4km、すれ違いが難しい隘路を進む。夜間・凍結時の運転には注意が必要。
デッキの上にあり、ダム湖と吉野の山が見渡せる露天風呂。
外気温が低いときに撮影すると湯気でこんな風にしか撮れない内湯。すべてが黄土色の世界だ。
温泉サイト仲間の「せっとん」さんから頂いた湯気無の内湯。風呂が常に波打っているのは、下の写真のように天井近くから湯が落とされるため。
脱衣場
風呂へは更に階段を下る
食事処
いかにも秘湯の雰囲気
玄関へは階段を下る
建物は道から見えない
上が食事処と客室、中が休憩所、下が風呂
ダム湖への斜面に建つ
山鳩湯は国道169号線からそれて4kmの隘路を進み、もう一軒の宿、村営の五色湯入口を通過して300mほど先にある。

駐車場は3台分ほどあるが満員のときが多く、そのときは向って右側の道路のダート駐車場に、さらにそこも塞がっているときには、道路沿いに適宜停める。


宿は道からは見えず、ダム湖に落ち込む斜面にへばりつくように建てられている。
背後には剥き出しの崖も聳え、地震や大雨のときどうなるか心配する人もいるだろう。


入口から階段を下りた先が玄関、一歩足を踏み入れると「これぞ秘湯の雰囲気」を味わえる。
入浴料金は大人700円、入浴時間は午前10時〜午後5時まで、定休日は毎週水曜日だ。
食事処があり、あまご丼などの一品料理や鍋物などが食べられる。

部屋は4.5畳から10畳までの8室(BT無)、料金はHPによれば11,500円からとなっているが、予約の際は電話で確認ください。

何故か湯は天井近くからドバドバと落としている。
●濃厚な温泉が造りだした芸術を鑑賞ください。
湯船の材質が全く分からない!
温泉は内湯から露天風呂に流れる
露天風呂への湯口
眺望が素晴らしい!
露天風呂の湯が湖へ流れ落ちる
これまで多くの方をお連れしたが皆さん感動! OKさんも同じくだった。
まったく泉質が違う五色湯は人気の宿。(写真をクリックすると記事へ)
奈良県と言うよりも関西を代表する秘湯・入之波温泉山鳩湯。
今回、同じ入之波温泉五色湯に宿泊、8回目の入浴を果たした。
今や全国区の知名度、休日は大変混み合うようだ。
入之波温泉山鳩湯
入之波温泉五色湯(村営)
湯盛温泉ホテル杉の湯(村営)
●川上村にある温泉・旅館
(写真をクリックすると記事へ)