紀伊半島中央の十津川村は泉質が異なる「
湯泉地温泉」「
十津川温泉」「
上湯温泉」の三つの温泉が湧出。関西有数の温泉地だが、大阪から車で約3時間半かかるために(この時間では無理・・管理者注記)知名度は今ひとつ。宿泊者は減少の一途で、昨年度は約58,000人。
きっかけは一昨年7月に宮崎県内の入浴施設でレジオネラ菌感染の7人が死亡した事故。安全を求める声に、村は「ひなびた温泉だからこそ、できることもある」と松田忠徳・札幌国際大教授(温泉文化論)の協力で準備を進めた。
第三セクターの宿泊施設(
ホテル昴のこと・・管理者注記)の循環装置を撤去。旅館なども改修し、村内20軒の旅館と民宿、公衆浴場5ヶ所がすべて「源泉かけ流し」を達成、準備が整った。
バブル期にも乱開発されなかったのが幸いし、湧出量が最も少ない上湯温泉で毎分120リットル85度。日本温泉協会も「湯量と施設数に無理がない」としている。村は新年度から3年かけて周辺も整備する方針。
温泉学会長の保田芳昭関西大教授の話
「宣言は全国の温泉地にインパクトを与えるはず。村の試みを温かく見守りたい」