川上村は日本三大人工美林の一つ、吉野杉の生まれ故郷であり、日本で年間降雨量が最多と言われる大台ケ原から流れ出す吉野川の源流沿いに開けた村である。村のテーマは「樹と水と人の共生」で、日本一美しい水源地の村を目指している。
鮎やアマゴの魚影濃い清流と杉の香漂う清涼な空気のこの地は、南北朝時代には後南朝の中心地であり、往時を偲ばせる旧跡も多い。

この村の人口は面積269kuの広さに対し2、660人に過ぎず、昭和40年の7,165人から大幅に減少し過疎化が進んでいる。

村を南北に走る国道169号線
は、奈良市と新宮市を結ぶ紀伊半島縦断道路で総延長185.3kmの3桁国道だ。かっては西側を走る国道168号線とともに「酷道」と呼ばれる恐ろしい道だったが、現在では、熊野川町で168号線と合流する末端区間を除いて、中級ドライバーなら快適に走れる道路になっている。


住  所 吉野郡川上村迫695
電  話 07465−2−0006
交通機関 西名阪・郡山ICから国道24・169号で約50km
近鉄吉野線大和上市駅から奈良交通バス湯盛温泉杉の湯行きバスで40分・終点下車すぐ
施  設 レストラン、ラウンジ(喫茶)、駐車場(50台)
宿  泊 26室(洋室11・和室15) 14,700円〜 季節に応じて割安プランもあるので下記HP参照
外来入浴時間 食事付き入浴可 11時30分〜15時(不定休) 食事(昼食800円〜)をレストラン「山吹」で取り、領収書をフロントに持って行き入浴料600円を支払う。
定休日 不定休
源泉名・泉質 @ナトリウム炭酸水素塩泉 Aナトリウム・カルシウム炭酸水素塩泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人600円(上記の通り昼食を取らなければ入浴できない)
入浴施設 内湯男1女1、露天風呂男1女1
浴室備 品 シャンプー、ボディソープ、ドライヤー(ロッカーが無いので貴重品はフロントに預ける)
観光スポット 森と水の源流館、匠の聚、大台ケ原、大迫・大滝ダム、蜻蛉の滝、不動窟
お土産・食事 両方とも館内で可。道の駅が隣接。
近くの温泉 入之波温泉山鳩湯及び五色湯(車で20分)
川上村HP
杉の湯HP
http://www.vill.kawakami.nara.jp/
http://www.suginoyu.com/
雑記帳 ガイドブックによれば、当施設は人気があって「予約は早めに」を奨めている。
宿泊料金は、公共施設としては割高である。

データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
 
 
国道169号線川上村付近
川上村には2つの温泉がある。入之波(しおのは)温泉と湯盛(ゆもり)温泉だ。入之波温泉にはタイプが正反対の旅館、五色湯山鳩湯があり、それぞれの源泉は異なる。
湯盛温泉は、国道169号線沿い、工事中(というか、ほぼ完成して水を貯め始めたらダム湖上部の土地に移った新村落に地割れが起こってしまって貯水を中止中)の大滝ダムから3kmほど先にある村役場や道の駅と並んで建つホテル杉の湯で入浴できる。
ホテルの東側には川上村を源とする吉野川の清流が深い谷を刻んで北に流れている。
これまで、湯盛温泉の目の前を10回ほど通過していながら、入浴することがなかった(理由後述)。奈良県の温泉の中で未入浴が数ヶ所になった現在、今回は途中の温泉で浮気せず、家内と共に一路ここを目指してやってきた。

自宅から約90km、2時間半、湯盛温泉杉の湯の前を何回もも通りながら入浴しなかったのは、
一つにはすぐ近くに、私が関西一の秘湯と確信する入之波温泉山鳩湯で入浴してしまうこと。
二番目の理由は、ここで入浴するには食事(昼食)を取らなければならないことだった。

今回は、昼食時間にホテル杉の湯に到着するようにスケジューリングし、山鳩湯の豪快な掛流しを後回しにしてやってきた。

ホテルは川上村の町営で、部屋数は26(和室15、洋室11)、エントランスからロビーに入ると、眼下に吉野川の渓谷、その向うに1,000m級の山々が連なっている。

十分な空間に洗練されたロビー、ラウンジ(いつでも喫茶が可能)、フロントが配置され、さすが、町営で全国初の政府登録国際観光旅館に認定されたことが肯ける。

入浴するための昼食は、いったん外に出て別の専用入口があるレストラン「山吹」で取る。(昼食時は本館との連絡入口が閉鎖されていた。)

料金は800円台の一品料理(麺類・丼物)の他、幾つかの定食がある。私たちが注文したのは写真の「そまびと弁当(1,575円)」。地元の農林従事者(そまびと)がかって使用していた杉の弁当箱に、味付けがしっかりした料理が詰められていた。

山吹の領収書を持参して、ホテルのフロントで600円を支払って入浴する。脱衣室にロッカーはないので貴重品はフロントに預ける。

ここの謳い文句は2つの源泉が使用されているということ。
当日の男性用の内湯は縁が立派な槇造り、露天風呂は小ぶりの岩風呂だった。
パンフレットを見ると、どちらも「金明の湯」と名付けられており、異なった源泉は当日の女性用の檜造りの露天風呂「銀嶺の湯」に使われているらしい。

内湯は、窓側で掛け流しの設計になっていたが、ガイドブック、パンフレットの何れにもそれの記載がなかったので、循環に間違いないだろう。湯は特徴がない透明なものだった。
残念なことに、というか失礼なことに、フロントでは何の断わりもなかったにもかかわらず、男性用の露天風呂は温泉が入れてなくて空(から)の状態だった。
300円返せの心境だったが、気の弱い私は抗議しなかった。(女性用の露天風呂は湯が入れられていた。)
農産物直売所
温泉巡りの楽しみの一つは、新鮮で廉価な野菜・果実などを生産地の直売所で買い求めることだ。多くは、生産者の名前が分かる仕組みになっているのも、品質・安全面などで安心できる。
榛原にぎわい市場
吉野・奥吉野方面の温泉に行くときに必ず立ち寄る直売所。
地元(榛原町)の新鮮な野菜・草花などを市価の1/2から2/3で買うことが出来る。
・住所:宇陀郡榛原町赤瀬390−4
・TEL:0745−82−3252
・名阪国道針インターから国道369号線を南下約10km。
目立たない場所なので事前に電話して道筋を確認のこと。
柿直売所
国道168・169号線等の道沿いに多数。営業は9月中旬〜12月上旬
国道169号線吉野町、中荘温泉近くの直売所
富有柿(若干の傷あり)、バケツ一杯500円
大きな渋柿・百匁柿(ひゃくめがき)の渋を抜いた物。上品な味で美味しい。1,000円
湯盛温泉 ホテル杉の湯 (奈良県)

所在地 : 吉野郡川上村
施設名 : ホテル杉の湯 (入浴日:2004.11.25)
温泉名 : 湯盛温泉