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■2006年03月23日(Thu)
順調に何も書けません
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| 特に意味もなく千里。
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FF12やっています。めちゃくちゃ面白いですね〜。 戦闘がネトゲみたいです。 ボス戦の盛り上がりに欠けるんじゃないかとも思いましたが、そうでもなかったので良かった。 聖剣伝説みたいな感じかな。 | | |
■2006年03月22日(Wed)
物を紹介する
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物を紹介するときのコツは、とにもかくにも数を打つことだと思っている。 数を打つことの重要性は、数うちゃ当たるという格言を抜きにすると、アイディンティティの拡散である。
日記の紹介には、ベタ押しする物は誰も手を取らず、逆に、こんなの見付けたよ、程度に3行ぐらいで紹介している物は、割とみんなすんなり興味を示すと言う法則がある。 簡単な話で、あまり紹介しすぎると一歩引いて見てしまうのである。 この小説は俺の人生を変えた小説です! 是否読んでください。とか言われて、迂闊に手を取るだろうか。まあ、無理だろう。 重すぎるのだ。人生の一書とか、そりゃまあ、恋人とかならすすんで読むかも知れないがこんなWEB日記でそんなのを紹介してもへう゛ぃすぎてとても手を出せない。
紹介者にとって重要な物ほど、よりアイディンティティに関わる物ほど手に取られにくい。 紹介の一番の障害はある意味で紹介者なのだ。
で、ここで「数を打つ」 ことに話が戻る。 というのも、こういった重さは、数を打ちまくる=多趣味だとアピールすることである程度取り払うことが出来るからだ。 人生の書も100冊紹介すれば一冊ぐらい読むのに気が引けるなんてこともなくなるわけだ。
あと、メジャーな物は紹介には向かない。 メジャーな物はたいていの人が既知であり、既に自分の中で買うか買わないかを決めている。 そのため、紹介はただの感想にしかならない。 ついでに言えば、既知の人に体しては、既知の人に体する紹介をする必要がある。 | | |
■2006年03月17日(Fri)
ああ、やばいw
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■2006年03月13日(Mon)
模様替えしておいて何ですが。
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■2006年03月13日(月)
時間がないのよ
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| 描いてる暇が見つかりません。 幻想水滸伝5すらまだクリアしていないから(死) | | |
■2006年03月08日(水)
ポーション
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ポーション買いました...。
まずいなあ、これ...。二個合わせたらハイポーションになるんでしょうか。 | | |
■2006年02月26日(Sun)
保守2
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うお、書いてる途中で眠くなって来やがった。
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勇者株――冒険者支援証券。 そんな株が、大昔、この大陸には存在した。 簡潔に言うならば、それは冒険者達の冒険を事業に見立てた株式だった。 これにより、冒険者達はより多くの活動資金を募ることができ、出資者達はその出資に対するリスクを分散することができたのだ。 コンセプト的には株式の発祥――貿易に対する活動資金の調達と、出資者のリスク分散という起源的な株式運用法といえる。 ...のだが、 「冒険者なんてのは、俺の爺ちゃんが生きていた頃にもう絶滅してたって聞いたが」 「はぁ、そうなのですか?」 小首を傾げるメイ。 そもそも、この大陸には既に冒険者の需要はない。 無論、冒険され尽くした、と言うわけではないのだが。 「冒険者の主な仕事は二つだった。 おたからの発掘と、害獣、魔物退治――このうち、お宝はより大きな遺跡発掘組織が事業を取って代わり、魔物に至っては百年以上も前に駆逐されてしまっている」 指を折り、説明する。 馬車が石を踏んだのか、車体が跳ねた。 「っと、そんなわけで冒険者という事業は、成り立たなくなってしまったわけだ」 「なるほど...」
それはさておき、オークノートは広大である。 東都ルーズフェルとともにルーズフェル王国を代表する都市...とは、オークノートの住人が勝手に言っているだけだが、あながちそれは嘘ではない。 他の国ならば国ひとつと比肩できるほどの人口と経済力があるのも確かならば、馬車を半日走らせても街を横断することは出来ないぐらいの面積もある。 もっとも、都市部分はそれの10分の1ぐらいだが。
それもさておき、広大なオークノートには、証券会社も無数に存在するのであるが、こと勇者株となると、少し勝手が違った。
(屍骸術師と勇者株)
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■2006年02月25日(Sat)
保守
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土曜日は中途半端だ。
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「あの...株に何か嫌な過去でも?」 「そんなところだな」 聞いた途端、一瞬にしてメイの表情が悲壮なものに変わっていく。 幼き頃に両親と死別した兄妹、株。 そこから導き出せる解答は―― 「はぁ、株券を配給券か何かと勘違いしていたとかですか?」 『なんでやねん』 兄妹息を合わせてツッコミを入れた。 「それより、株を売るって事は証券会社に行くの? オークにあったっけ?」 「そりゃあるにはあるが...ここからだと、遠いな。車が必要だ」 「いえ、その。場合によっては質屋かと」 「質屋?」 と、これはタツマ。 「はい、以前少し調べたのですが。この株券、少々他の株式と種類が違うらしいのです」 『種類が――』 眉をひそめる兄妹。 嫌な予感がしたのだ。 「ええ、発行自体も随分昔に行われていまして、もしかしたら失効している可能性もありまして。そうなりますと、その、質屋で売るぐらいしかないのではないかと」 「君、その株ってもしかして」 嫌な予感ひしひし。 業を煮やして、タツマが聞いた。 「はい」 頷くメイ。 「冒険者支援証券――通称、勇者株です」
(屍骸術師と勇者株)
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■2006年02月24日(Fri)
何もかも忘れて。
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ええい今日から書いてやる。
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「で、君。財産何てあるのか」 「ええ、それなりに」 頷くメイ。 「メイちゃんって、森に住んでたのよね」 ヒュアリィが、天井を見上げて考えにふける。 「はい。隠者の森と言います」 「何もないへんぴな場所だ」 天井を見上げた、ヒュアリィが再びメイを見た。その肩をがしっと掴み、目を潤ませて、 「わかったわ。名残惜しけど、秋までの辛抱よね。大丈夫、私メイちゃんのことちゃんと覚えておくから」 「何がですか」 首を傾げるメイ。 「財産、つまりマツタケよね」 「どこがどう膨らんでその論理に落ち着いたのか知らんが...」 頭を抱えてタツマ。「あそこにはそんな殊勝な植物は生えてないぞ」 「そうですよ。毒草か薬草ぐらいなものです」 それはそれで一財産な気がするが... 「で、何を売るつもりだ? 言ってしまった手前なんだが、もし大切な物ならばそれを担保に銀行に金を借りた方が...」 「株券です」 『株』 兄妹二人は、眉をひそめ嫌そうな顔でメイを見つめた。 首を傾げる、メイ。 「いや、こっちのことだ...にしても株ね。君か、君のばあさんはずいぶんと財テクに御執心だったようだな」 「いえ」 臆面もなく、メイは首を振る。「担保です」 「それって」 タツマは、ヒュアリィを気にして言葉を選んだ。「仕事のか?」 「ええ、そうです」 「...なるほど、そりゃ売りたいはずだ」 「まあ、担保を担保にしてもって話ねえ」
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■2006年02月20日(Mon)
夢見る君がときめく君が明日のヒーロー
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ようやくDJが落ち着いたのは、櫓の残骸を組み上げて造った、小さな櫓の上に刀を突き刺したときだった。 その過程でいろいろ解ったが、この刀、とにかくよく斬れる。 そして、斬ろうと思わなければまったく斬れない。 まさしく刀の理想型のような刀だったが、それよりもなによりも、ヒュウイはこの刀が何をやろうが折れないし曲がらないと言う特徴を発見し、それに感激していた。 これなら、刀の扱いなど知るわけもないヒュウイがどれだけ乱暴に扱おうと、刃筋が通るまいとお構いなしである。 「ボーイ、悪いことは言わねー。その刀はやめときな」 「何で」 と言おうとしたがよく考えれば「何を」 止めるべきなのかも見当がつかない。 「その刀には悪霊が憑いているのヨ!」 「D・Jもその類だろうが」 言った途端、警報ベルのような罵声が飛び交ったので、ヒュウイは耳を閉じて無視した。 五分経過。 「り、りぴーとあふたーみ。その刀は呪われている」 「この刀は呪われている」 「誰が繰り返せー言った!」 おまえだおまえ、とぼやいて本気で余裕無いなと内心呟く。 そんなにヤバイ物なのだろうか。 小高くつもった山の上に突き立つ、刀。ちょっとした伝承の聖剣のような様相だが―― 「呪いねえ...ハバキさんみたいな?」 「あんな、ちゃちぃ呪いじゃないワ。聞きなさい、ボーイ。 ユーはこれから、きっと、この刀に頼るだろう。だけど、一度でもこの刀に頼れば、将来。生涯。未来永劫に、それをした自分を悔いる自分を生み出すことになる。解らないでしょうけど、聞いておきなさい」 D・Jの声が、ことさら真面目になっていく。 「その剣を振るうと言うことは、振ったが最後、欠片一片の後悔もなく、見事に生き続けねばならないという、宿命を背負うことになる。でなければ、ヒュウイは一生、自分を恨み続けることになる。 だから――よく考えなさい。 そして、それでもまだ振るいたいというのであれば、その覚悟を背負いなさい」
(天上へのモーダルシフト)
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■2006年02月19日(日)
すすめボウケンジャー
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ボウケンジャー 青「落とし穴は落ちる前に駆け抜ける!」 桃「基本です!」
基本だったんだ(笑)
てか、いきなり裏切った黒に赤言いましたよ。
赤「お前が言ったんだ。俺の牙から逃れられる獲物はいない。 俺の獲物は――お前だ!」
ひぃ、なにこの強気っぷりw めちゃくちゃ俺様キャラでやんの。 黒、落ちちゃったよ。ちょっとツンデレ気味なのがなんとも(笑)
え〜、面白そうです、ボウケンジャー。 寝た子(敵) を起こしたのがこいつら自信だってのもツッコみどころなのか、それとも見所なのか迷いますな。 前川さんの時は、安心して王道を楽しめましたが今回の脚本は合成獣の哭く會川さんだそうでいったいどんな展開になるのやらとハラハラしますな。殉職ネタやってくれんかな。 ハラハラばっかりかい、俺。
あと、桃の話し方が個人的にめっちゃツボ。
カブト、のクロックアップは毎回金かかってるなあ。 脚本も良い感じ。 てか、カブトもボウケンも主人公キャラ俺様キャラなんですが流行なんだろうか。 跡部ですか、跡部ブームですか? 実写じゃデカレッドがやるそうじゃないですか。まったく想像つかないよ。 | | |
■2006年02月18日(Sat)
ひとつ数えて進めばいい、ふたつ数えて休めばいい、みっつ数えて考えればいい
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-BLEACH-バウンド編 BLEACHは新シリーズなんですねえ。 今日纏めてみましたが、浦原さんがりりん達の黒幕だったんなら、浦原さんがりりんの音声を真面目に分析していたあれは何だったんだろう。 まさかあの時点で浦原さんを黒幕にすること考えてなかったとか...大筋書く人と脚本書く人とで連絡取れてないとか? ありえそうだなあ。
それはともかく、改造魂魄のりりん。EDでは可愛く描かれていますが(おお、ED曲SunSet Swish※だ) アニメオリジナルキャラって、原作との帳尻付けるために死んじゃうケースが多いから今からハラハラしっぱなしです。 だ、大丈夫じゃなさそう...
※ビィトエクセリオンのED歌ってた人。
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暇を持てあますルーィが、ミハルに人類VS魔族の殲滅戦争という物語を聞いていると、突然ドアからノック音が聞こえた。 一秒と待たずに入ってきたのはハバキさんだ。 「入るぞ」 「...どうぞって言う前に開けたら意味無いじゃないのよ」 おかんかあんたは、と呟いてミハルさんは真っ黒になったホワイトボードを消し始める。 「随分、奮発したわね」 「そうでもない」 「大事にしてたんじゃなかったの。あれ?」 「いや、丁度良い頃合いだった」 謎会話が続く。 無言。黒いホワイトボードは一向に白くならない。 途中で諦めたのか、ミハルさんはホワイトボードを回転させた。 「...ああ、また観察日記付けるのね」 「日記は付けんが」 「終わったら読ませてね」 「つけん言うとるだろ」 「あ〜あ。友達なんて言っときながら体のいい実験台ってワケですか。ヒュウイ君かわいそー」 ヒュウイ、と言う単語に反応するルーィ。 ハバキに向かって、 「ヒュウイ、元気でした?」 「いや、目一杯しょげていたが」 「ヒュウイに、何を?」 「睨む必要はない。少しばかり力を与えただけだ。いや、力というか刀だが」 ハバキさんは、何が面白いのか、少しほくそ笑んだ。 「刀って...あの術具のことですか?」 「それは鍔の方ね。刀身の方――銘は克己って言うんだけど、」 「いや、」 と、ハバキさんは頭を振った。 「あの刀は、もはや【克己】 と言うにはふさわしくはないだろう。 その力も、運命もがだ。 ――そうだな。【挑まれしもの】 と言うのはどうだ?」 「ふうん、挑まれしものねえ」 ホワイトボードに、見知らぬ文字で何事かを書き、その下にルーィにも読める文字で、 「さしずめ――【デュランダル】 ってところかしら」
(天上へのモーダルシフト)
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■2006年02月17日(Fri)
きょうのぼやき
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内側の線が見えねえんだよインスタントシチューゥゥウ!!
お湯いれた直後にかきまぜろとかわがまま言うんじゃねえェェエ! 忘れるんだよ! いっつも!! とろとろじゃなくなちゃうんだよぉとろとろじゃあ! _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
崩れ行く櫓、落ちる木材。 そのわずかに確かな部分を蹴って、地面に落ちていくヒュウイ。 トップレベルの鳶だからコソできる芸当であったが、それでもその瞬間に立っていなければ今頃木材に飲まれて潰されていたことだろう。 「ハバキさん...」 四つんばいで着地、木材を避けるように転がる。 木材は避け斬れたが、刀がヒュウイの頬の数ミリ先に落ちてきた。 「うおあ!」 その悲鳴も、櫓が崩れる轟音に飲まれて。
音が止むと、静けさが戻る。 突然の静寂に、きーんと言う音がする。 天を見上げると、もうハバキさんはいなかった。 ヒュウイは、押し黙ってお辞儀をした。 地面に突き立つ刀に気づく。 鏡のように煌めき、氷のような鋭さを持った、片刃の刀。 ヒュウイは何気なく引き抜こうとして、その柄に触れた。 『きゃ、』 「きゃ?」 『きゃぁあああああああああ!!!!!』 絶叫。いや、悲鳴。 櫓が落ちたときの音よりもでかかった。 「な、なん」 『ボ、ボーイ! ああああ、あんた何てもの持ってんのよ!!』 尋常ではないD・Jの声にビックリして、ヒュウイ 「は?」 『は、早く捨てなさい、そんなの早くビットビット!!』 「す、捨てろったって」 取りあえず刀から離れてみる。 『おお、置くなあそんなところに!! 持って持ってってばヨ!』 「ど、どうしろってんだよ」 言われつつも、律儀に刀を持つ。 刀は思ったよりも軽かった。鉄パイプぐらいだろうか。 もっとも、振ることを考えたら十分に重い。 『そ、そそそのままソノママで、いや、もっと上に上げてもいいヨ!』 「...で?」 『と、とと取りあえず木材、ボーイの目の前の山になってる木材の上に置いテ!! ハヤク!!』 「...なんなんだよ」 こんなに取り乱すD・Jも珍しいなとのんびり思いつつ、ヒュウイは言われるがままにそれを実行した。
(天上へのモーダルシフト)
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■2006年02月16日(Thu)
戦隊モノのカードゲーム
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出るらしいです。 その名も 「レンジャースストライク」
やべえ、買いたい。 プリズムパワーとか、格好良すぎ。泣けてくる。 クラッシュクラッシュですよ。
てか、なんで総表紙、バルイーグル? 人気在るのだろうか。
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斜めに斬りつけたあと、ハバキは面白くなさげに刀を振るい、投げ捨てた。 弧を描いてヒュウイの目の前の板に突き刺さる。 「うわぁ!!」 のけぞるヒュウイ。 「立てるじゃないか」 「え、あ...あれ?」 自分の体が切れていないことを確認して、そりゃそうだあんなに遠いところから斬れるわけがないとようやく気づく。 迫力だけで、斬られたと勘違いしてしまったのだった。 「そろそろ別れだ。もう逢うこともないだろう」 「え...あの、この刀は?」 ハバキは眉をひそめた。 「餞別だと言ったろう」 「え、ええ!」 仰天した。「これのことですか、そんな悪いですよ」 「要らぬなら捨てておけ。どのみち、お前の死後、適当に回収する予定だ」 言い放つ。 「その刀。過去には呪いすら切れぬナマクラだったが、今では少しばかり斬れる物も増えている。人間の飽くなき期待にもそこそこは応えられるはずだ。 現に今――俺は、お前の呪いを斬った」 「の、呪い?」 ぎしぎしと、櫓の構造材が音を立て始める。 崩壊が近い。 「なんのことはない。お前の抱えている問題点のことだ。 お前はなヒュウイ。遅いのだ」 「遅い――」 「そうワンテンポ、一拍子だ。 呼吸一つの僅かな間が、お前の行動は決定的に遅いものにしている。 何をするにしても、その呪いがお前をとろくする。 だから、いつも誰かに先を越されてしまうのだ」 「...それは、」 言いかけた、そこまでだった。 櫓が崩壊し、ヒュウイは重力に飲まれ下に落下していった。 櫓の柱と一緒に落ちていくヒュウイの上で、ハバキさんがそれを見下ろし、遠ざかっていく。
(天上へのモーダルシフト)
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■2006年02月15日(水)
鬼のように疲れていく一週間。
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| 現況とても日記を更新できるような暇が見つかりません。 に、日曜にまとめてお送り...できたらいいなあ。 電車の中で文章を打ち込めるツールとか欲しいぜ。 先日の絵チャ絵。 涼風コンビは某氏の作。 | | |
■2006年02月14日(火)
ちゃららん。
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| デューが思っていたより若いというご指摘がありました。 理由があります。 これ以上年を取ると、サリサタおばさんが30代になるんですねえ(笑) まあ世の中には29歳と16ヶ月とか言い張る人もいるみたいですが。 | | |
■2006年02月13日(月)
誕生日
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おや。今日、誕生日だ。
マジレンジャー最終回。 いやあ、熱かった。王道だわ。 まさか素敵眼鏡っ娘な冥府神スフィンクス(聖銃使い) があんなに活躍するとは。
最終回恒例の全員変身名乗り上げも熱いカッコイイ。 家族全員が一列に並んで変身! 熱い、カッコイイ、素敵すぎる!
『勇気の絆が未来を開く! 我ら魔法家族! 魔法戦隊マジレンジャー!!』
魔法家族!! ヘタr...(げふん)ヒカル先生が結婚したのもこのための伏線だったわけですね! 熱すぎるよ!!!
カイ「いくぜみんな。これが俺達の最後の、最強最大の魔法だ!」 『おう!!』 『マージ・マジ・マジェンド!!』 タコ「魔法であろうと何であろうと、喰らい尽くすのみ!」 タコ「な、なんだ! この私が喰らい尽くせぬとは! なんだこの光は!! なんなのだ...魔法とは!!」 パパ「教えてやろう。魔法...それは!」 『聖なる力!』 社員「魔法...それは」 『未知への冒険!!』 ママ「魔法、そしてそれは」 『勇気の証!!!』 カイ「溢れる勇気がある限り、魔法も無限! いくら喰われようが、消して尽きることはないんだぁ!!」 「そんなハズが! 私に喰らいきれぬ物はない!!」 『あぁあああ!』 「...これがみたされるということか、満ちていく満ちていくぞぉ...ぶわるあぁああ!!!」
熱すぎる。タコ(ン・マ:ラスボス) じゃないけどお腹いっぱいでした。
と思ったら、マジ家族砂浜で海を観ながら、 パパ「終わったんだな...」 アニキ「違うよ父さん――はじまったんだ」
タスケテ(笑) | | |
■2006年02月12日(Sun)
日曜日。
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なのだったのだろうか。
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「剣で呪いが切れると思うか? 空気が、霞が、水が切れると思うか?」 「いや...」 「勝手な話だ」 「はぁ、なんかすみません」
櫓が崩れるまで、残り二分――
ハバキさんは、何事かを唱えて鍔を刀の形に変えた。 ななめに振るう。
「謝罪は不要だ。...いつの頃も、期待されるのは悪くはない。 ただ、叶えられぬともそれに憤るのは筋違いなことだ。それだけだ、」 刀を青眼に構える。 「餞別をくれてやろう」 殺気。そう言うものだろうか、背筋の凍るような感覚。 自分に向けられていた。切る気だ。理解する。 「え、なっ」 立ち尽くしていた、足が、勝手に浮き上がる。 恐怖で、勝手に持ち上がったのだ。 心の底では、もういっそ死んでも構わないくらいに絶望していたというのに、だ。そんな感情などいとも容易く吹き飛ばして、ハバキさんの殺気はヒュウイを怯ませた。
残り一分――
ハバキは空中に立ったまま、櫓の上のヒュウイを斬りつけた。
(天上へのモーダルシフト)
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■2006年02月11日(Sat)
埋め込み。
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DS版BLEACH(格ゲー) が物凄い面白いらしく、どのぐらい面白いかというと、特にBLEACHのことを好きでも嫌いでもない人でさえ嵌るぐらいの凄い人気だとかで、大是否これはやらねばとDS購入を決意したのはいいが、どこいっても売り切れでした。 どうもマスコミがDSブームをあおりすぎたせいで、DSの売れ行きが尋常じゃないことになっているらしいです。 てか、ヤフオクでプレミアついてるし。 三月にDSライトが出るらしいので、それまで待ちかなあ。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「お金が尽きました」 開口一番、ネクロマンサー探偵のメイ・ザーリアはそう告げた。 警部補、タツマ・アヴェルは自作のラーメンを啜ってから、頷いた。 「そうか、短い付きあいだったな」 「助けなさいよ」 コペンとおぼんで叩いたのは妹のヒュアリィ・アヴェル。 詰まるところ、いつもの三人がなみはや荘の共同キッチンを囲んでいる。 今度は汁を啜るタツマ。 「金の切れ目が縁の切れ目と、」 「それじゃお兄ちゃんヒモでしょうが」 おずおずと、メイが口を開く。 「あの、別にお金を借りようとか、そう言ったことではないのですが...」 「なんだ、水くさいな。つきあいは短いが俺と君との仲じゃないか。よければ、なんなりと力を貸してやるぞ」 「わざとらしい」 いきなり掌を返した兄に、軽くため息をつく、ヒュアリィ。 「だいたいお兄ちゃん、警部補なんだからそこそこ金あるじゃないのよ。 別に貸してあげても」 「コート新調したおかげで、向こう三ヶ月小遣いもないんだが...」 「...なんでそんなに飛ぶのよ」 無論、それ以外にもいろいろ散財する理由があるのだが、それはノーコメントのタツマ。どちらにせよ、いまの話の腰はソコではない。 「金の具申する先があるのか?」 例の半年契約の老人を思い出したが、あそことは現在コンタクトを取れないはずだ。 「まさか、君。銀行に借金でもする気か? 俺が言うのも変だが、あまり勧めないぞ」 「いあ、そもそもメイちゃんじゃお金貸してくれないと思うんだけど」 冷静にツッコミを入れるヒュアリィ。 タツマは、はぁ? と、呆れた。 「ヒュリィ。メイの社会的信用力は俺より上だぞ。借りられる金の限度額だって、無制限だ」 「え、なにそれ...」 タツマではなく、メイを見て驚くヒュアリィ。 メイは、首を傾げて。 「えっと、なんだかそう言うことなのだそうですけど」 「なんで? どうして?」 「魔術士だからだ」 代わりに答えるタツマ。箸を置いて黙礼。 「いろいろ省くが、国家資格である魔術士の免許持ちって奴は、それほどの信用がおけるってことだ」 「...要はそれ程、魔術士が凄いってコト?」 「凄くはないが、」 実際、この前捕まえた免許持ちも犯罪グループの一員だったわけだし。と、呟く。 「権威と力があるんだよ。特にメイの持つ免許にはな」 「ルイスさんより?」 「官僚と比べられてもな、」 苦笑するタツマ。 「そうだな。一概には言えないが――例えるなら国家第一種と司法試験とその他の運転・取り扱い免許、ついでに博士号を何個も持っているようなもんだな」 「へぇ...めちゃくちゃねえ、それ」 めちゃくちゃなんだよ。と心の中で呟く。 「メイちゃんの免許にはって、どういう意味?」 「ああ、一応聞いてたんだな。そのまんまだよ。魔術士の資格試験はランクがあってな。そのまんま魔術の実力と思えば早いんだが。 メイのは中でも最上級の...3歩手前なんだよ」 「3? それ凄いの?」 「まあ、借金し放題だな」 キリが良いので、タツマは話を戻すようにメイを促した。 「借金ではありません、」 メイは、頬を膨らませた。 「ただ少し、私財を売却しようと思いまして」 聞いた途端、タツマはため息をついた。 「どっちにしろ、自転車操業じゃないか」
(屍骸術師と警部補2)
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■2006年02月10日(金)
光求めてる誰かがいたなら
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辺境さんのところでネトラジが公開されているみたいですね。 まあ、あんなただダベってるだけの会話記録をラジオと言ってしまって良いのかどうか。 まあ、大半のネトラジってそんな感じだけど。
ここでデュー少年の話について補足しておきます。
デュー少年、あるいはサリーおばさんの話は、自分がこの日記で連載した『エントランス・ザ・パラレル』 「消えた銀行強盗」(06/1/21〜2/6) 及び、「アリバイと40人の盗賊」(05/9/13〜16・9/18〜22)の二編のことです。
パラレルなエントラ世界、およそ15年ぐらい未来の話です。
ウェスタンルックのデューという少年と、まんま名探偵ルックのサリサタおばさんが新大陸――というか、禁酒法時代のギャングな世界やインディアンもびっくりの西部劇の世界を冒険します。 旅の目的は逆新婚旅行。 フロンティアパブから外に出られないデューの母――テムズに、ならせめて新婚夫婦水入らずでいちゃつける様に取りはかろうと、息子デューと居候サリサタが旅行に出かけたと、そう言うわけです。
このとき、デュー12,3歳。サリサタおばさん2?歳。 息子が十代なのになぜ母親のテムズが新婚なのかというと、デューの父、つまりテムズの旦那に放浪癖(失踪癖) があり、デューが6歳になるまで一度もフロンティアパブに寄りつかなかったこと、そしてその後テムズと結婚する段に落ち着いた次の日にまた6年失踪してしまったからだったりします。ロクな親父じゃないな。
めんどいので、年表にします。
エントラの時代を0年とします。
1年目 テムズ、恋に落ちてデューを出産。 懐妊直後に恋人――つまりデューの父親、旅に出る。 もちろんデューのことも知らず。 サリー、フロンティアパブの一部を借りて、本格的に探偵業をはじめる。 客がまったく来ないので、主な依頼はデューのお守り。
2〜5年 サリー、細々と仕事が入るようになって来る。 郊外に探偵事務所を設立。 ただし、仕事場は狭くて仕事のスペースしかないため、フロンティアパブに居候したまま。
6年 デュー、フロンティアパブの手伝いをはじめる。
暇なときにテーブルでサリーが読み書きや計算を教えていたが、他の客も面白がって、デューにいろんなこをと教え出す。
親父、帰ってくる。親父テムズにぶっ飛ばされる。後、婚約。 親父、デューの存在を知ってとりあえず驚く。 親父、テムズと本格的に家庭を築くことを決意。 親父、次の日失踪。
6〜12、3年 デュー、親父を連れ戻す旅に出ることを覚悟する。 この時点で、母親を悲しませてばかりの親父にかなり頭がきている。
フロンティアパブの客達も同様で、デューは彼らに本格的に師事し始める。 このころのデュー、手足の指よりも多くの先生を持つ。
13年 サリサタ、デューの親父を発見する。 今度こそテムズに半殺しにされると皆は思ったが、半殺しにする前に大泣きしてしまったためにうやむやに。 郊外の教会で、盛大な結婚式を挙げる。 二次会はフロンティアパブ。
事実上の新婚生活を始めたコーンウォル夫妻のバカップルぷりに、サリサタ及びデュー撃沈。 サリサタ、新婚二日目にして事務所に退散。 その時デューも一緒に逃げようとしたが、敢無く夫妻に捕まり、また撃沈。 デュー家出する。いろいろ納得できずに非行に走ろうとしていたところを、サリサタに捕まり「逆新婚旅行」 をしないかと持ちかけられる。 以上。 あくまでパラレルですよ。 父親は誰かとかは聞かないよーに。 あえて言うと、デューの先生として登場しているキャラは候補から外れます。。 | | |
■2006年02月09日(木)
金言が思い出せない。
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メモがないときに限って、よさげなことばが思いつきます。 どうすりゃいいんだか。
どうでもいいですが、エアシャワーって機械にエアシャワーと名前を付けるのは詩的より何より言葉の限界ってヤツを感じます。もう、新しい概念は言葉に出来ないんだね、みたいな。 もっとこう、アグレッシブに言葉を作っていってもらいたいもんです。
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ガンガン買いました。
「ひぐらし、暇つぶし編」 ああ、なるほど。といった感じ。 続きに期待。 神社の宴会はごがつのそらを思い出しました。
作者の方は小劇場に関わったことがあるらしく、あの小劇場の雰囲気を知っていると言うことに少し親近感が涌きました。 小劇場の独特の雰囲気は確かに魔力があります。 あれは一度体験してみないとわかりませんね。大劇場じゃ味わえません。 小劇場って、どれぐらいの大きさか御存知でしょうか。 教室よりも狭いんですよ。舞台がじゃないですよ。 客席と舞台が、です。 息づかいさえ聞こえる距離で、軽く呼びかければ振り向きそうな近さで役者が演技してるんです。ストーリーが、フィクションの世界が展開されていくんです。 もうね、あれは凄いです。たとえ、脚本がつまらなくても、そんなの霞みます。
一度是否行ってみなさいって、勧めるんですがだいたいこう言うのって勧めても機会があればとか、是否行ってみたいですねとかその場限りの適当な文句で逃げられるんですよね。 チケット持って連れて行かないとまず無理。
「女王騎士」 女王騎士は、王道と見せかけて次の展開が読めないのが魅力です。 決して展開は王道じゃないわけですよ。 良い感じです。
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■2006年02月08日(水)
心が次から次へと 溢れ出す
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推理小説はやっぱり解決編がおもしろくてなんぼだなと頓に思う。 こうも、間際になって後付の設定ばかり出してちゃやってられんよ本と。推理できないじゃん。 まあ、自分推理小説でろくに推理なんてしないけど。 いかんせん推理小説って難しい。 クリアしなきゃ行けない問題が多々あるというか、配置しなければならない要素が多いというか。
どなたか、推理小説の書き方の載ってるサイトか本をご存じないでしょうか。 | | |
■2006年02月07日(火)
空を駈けて未来へと
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買い換えた携帯(901iSと一世代前のだけどね)で、旧機を撮影。 添え物は、バルサの切れたはにわストラップ。
携帯、薄くて色も気に入ってるんだけど、いかんせん機能がそろそろ限界。 自分は機能に限界を感じたら、さらなる物を買い換える時だと思っています。 だから、大抵とっかかりは安物か無料のツールです。 安いツールは安いだけに、ごちゃごちゃしていない。初心者が使うにはむしろありがたい仕様なんですね。 ペイントソフトしかり、あれしかりそれしかり。 最初は安物でいいんだよ。うん。
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■2006年02月06日(Mon)
終わった。
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終わり〜。
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馬を買った。 景気よく二頭分、両方栗毛の馬である。 少しおっかなびっくりで、手綱を握っているデュー。
様々な師匠を持つデューは、もちろん馬術もしっかり習っていた。
横では、おばさんが慣れた様子で手綱を取っている。パイプを吹かしながら、かなり危なっかしいのに、デューよりも安定した乗馬っぷりだった。 心なしか馬も安心しているように見える。
ちなみに、馬術はおばさんに教わった。 意外なことに、馬に掛けてはおばさんが一番上手なのだ。 馬族の生まれだからとうぜんですぅ、とうそぶくけど、どこまで本当なのだか。 「何人いたと思う?」 街がおぼろげになった当たりで訊ねてみる。 共犯者のことである。 「思いません」 おばさんの解答は完結だった。つまりは0人。妥当な線だ。 荒野を蹴る蹄の音が、響いて遠のく。 「デュー、貴方はどう思いますか」 「俺も、いないと思うけど」 「そうではなくて。あなたなら、」 「...俺はガキだよ。そんな打算なんて働かないよ、きっと」 もちろん、警察に共犯者など居ないのだろう。 最初にトイレを調べたとき、おばさんとデューは天板の上の屋根裏『すぐ傍』 で、黒い鞄三つを発見していた。中身はもちろん、盗まれたお金だった。 そして、便器の方で焦げた数枚の紙切れ、借用書の束を見つけた。 おばさんと、デューはそれを見てこう結論づけた。 犯人はこの借用書の人間(達) であると。 多分、返せない借金に目の前が暗くなって、腹いせと金目当てでこの強盗を思いついたのだろう。 で、盗みに入って、途中まで上手くいったのはいいが、警察が集まる気配を感じて金をトイレに隠し、借用書だけを(犯人を特定できないよう束で) 焼いて逃げた。 あるいは、金はついでに盗めればいい程度に思っていて、本来の目的は借用書を焼くことだった、とも考えられる。が、まあおそらく前者だろう。 何にせよ一番陳腐で、現実的な話で、謎らしい謎もないような気がした。 が、おばさんは違った。
「なぜ、これが見つからないのでしょうね」 天井を見上げ、おばさんは首を傾げた。 「こんなにわざとらしいところにありましたのに。警察の方が、何度も、何人も探した筈ですのに」 「それは...」 考えられる可能性なんて、一つしかない。 見つけた警察官が、黙っているのだ。 おそらく、共犯とか、そんな理由じゃなくて。単純に、目の前に現れた大金に、欲目を出したのだ。 打算――今これを見つけたことを黙って、後日こっそり回収すれば、この金は自分の物になる。間抜けな犯人に罪をなすりつけて、――そんな打算が、一瞬で警察官を狂わせたのだ。 見付けた人間が見てないフリをしたから、金は消失したのだ。 「嫌な話だけど、それしかないと思うよ」 「許せませんねぇ」 おばさんの口調が、子供じみてきた。 人の悪い顔をしている、何か悪戯を思いついたかのような。 「やめようよ、見つけたって報告するだけでいいじゃん」 デューは忠告した。こんな事に関わるべきじゃない。おばさんは当てずっぽうで、推理してればいいのだ。 「わかってますよ」 おばさんは、デューの頭を撫でた。 「一度。一度だけ、猶予を与えましょう」
結局、その一度でも鞄発見の報は聞かれず、さらには元在った場所より更に見つかりにくい場所にまで移動されていたのだが。 それでがっくりきたおばさんは、予定通り罠を張ることに決めた。通称不良警官ホイホイ作戦である。史上類を見ない大おとり作戦であったと、後の警察は恐怖するのがだそれはどうでもいい。 デューはあの応接間で、頭取と信頼の置ける警察官、つまり警部にだけことの仔細を記したメモ書きを見せ、この作戦を決行した。 あまりのとんでもない真相に激昂するかと思われた警部だったが、最後までメモを読んだあとの第一声はため息だった。「わかった、手続きとかは気にするな。人手も俺の信頼できる人間を用意する」と疲れたような声で言ったのを思い出す。あの時ほど彼に同情した瞬間はない。 頭取ずっと口を開いていた。 間抜け達は、共犯の容疑を掛けられた上で独居房に留置されている。今頃、警部によってこってり絞られていることだろう。と言うか懲戒免職だ。 二頭の馬は、荒野を走る。街はまだまだ先だ。 「...で、いくら貰ったのさ」 デューは不機嫌だった。 不機嫌をぶつけるように、おばさんに尋ねる。 おばさんは、馬の運ぶ風にあおられて、大変幸せそうだった。 「デューの乗ってる馬一等分ですよ」 まあ、それなりに高価な値段だった。 たった一日にも満たない依頼料としては、破格とも言える。 「...なら、別に必要なかったじゃないか。一頭だけでも十分だったんだろ」 「私達は構いませんけど、二人乗りだと馬が可哀想ではないですか、」 「そう? へたっぴが使い潰すよりはマシだと思うんだけど」 「私が教えたのに、使い潰すわけないでしょう」 馬の背を撫でる。馬、上機嫌。 デューを乗せてる馬も心なしか、羨ましそうだった。 同じように、馬の背を撫でてやる。我慢しろと、呟いた。 「...ちゃっかり、契約取り付けるんだもんな。ほんと、あくどいよ」 「デュー。商売上手と言いなさい」 あの事件のどさくさ。おばさんは当初「お願い」 であったはずの捜査を「仕事依頼」 にまで昇華していたのである。
「そうですね、私に仕事...依頼を持ちかけたのですからあなたは犯人ではない。私もトードリ氏を信じて仕事を受けた。だから疑わない。それはとても重要なことに思えます。 ――どうでしょう?」 「そ、そうですよ、その通りです!」
頭取をわざと疑う推理をして、慌てさせた上で名探偵が銀行の依頼で仕事をしていることを確認したのだ。 まったく、あくどい。 頭取も、後々しまったなあという顔をしていたが、それでも支払いを渋るようなことはなかった。合掌。
「探偵の依頼料なんて出なくてもいいとか言ってたのに...」 「それはそれ、ですよ」 機嫌良くパイプを銜えていたが、火が消えたらしく懐を探りはじめる。 新しいマッチ箱を取り出しかしゃかしゃと鳴らす。 「何? 嬉しそうに...」 「いえいえ、気が利いて結構。感謝しますよ」 それはデューが銀行に向かう前に買ってきたマッチだった。 「別に向かう前でも構いませんでしたのに。朝一番に買いに出向いてくれるなんて...これも私の教育の成果でしょうか」 鼻歌でも歌いそうだったが、それよりもタバコに火を付けることに熱を入れる。 馬の上だというのに両手離しで器用に着火している。 おばさんが、タバコに集中し始めたのでデューも無言で馬を駆る。 手綱を捌き腹を蹴ると、馬は嫌がりながらもスピードを出した。 とたんに、景色が加速して、おばさんと馬と街が遠ざかっていく。 加速する風景の中、デューは目を瞑って考える。 「...俺もタバコ吸おうかな」 「やめておきなさい。背が縮みますよ」 一瞬で、おばさんが併走していた。パイプを吹かして、片手だけで手綱を持っている。まるで悠然としている。馬をはやらせたという様子は全くない。 願っただけで馬がそう動いてくれたかの様で、 「ま、いいけど」 手綱を持つ手を緩めて、空を見上げた。
(消えた銀行強盗 完)
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■2006年02月05日(Sun)
空前の健康ブーム。
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よーし後一話。 モーダルの続き書いたら何書こうな。
仮面ライダーカブト、面白いですね〜。 あの間の抜けた感じがいいし、バトルシーンのクロックアップがまたカッコイイ。 周りがスローな空間の中で、ライダーと敵だけ超高速で動くという描写が、実に凝っている。今回のはヘタレが爆風で吹っ飛ばされて地面に落ちるまでにライダーと敵が激しい戦闘をして敵をやっつけるというアクションでした。スローで空中に浮かんでるヘタレが面白すぎです。
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「そこまでです!」 屋根裏に声が響く。 「だ、誰だ」 「俺だ」 声とはまったく反対の方角の柱の上から、デューが振って来た。 新品のネクタイ――ではなく、捕縛帯を男の片手に掛けて縛り、回し、反対の手に輪を掛けて、とてきぱきと縛り上げる。 黒の鞄に手を掛けていた男は、自分が後ろ手に捕縛されるまでされるがままだった。 「ほい、いっちょあがり」 「な、何をする貴様! な、何の権限があってこんな」 「逮捕。あ〜、一応許可貰ってるぞ。捕縛帯使ってるし」 暗い屋根裏で、指を差す。 そこには、腕を組んで勝ち誇っているおばさんと、 「け、警部!」 昨日の刑事がいた。いまさらだが階級は警部らしい。 二人は、やはり柱の陰に、上にと隠れている。 場所的には応接室の上あたりか。 刑事は、渋い顔でデューと男を見た。 「見事な手際だな、誰に習った?」 「レドのおっさ...いや、故郷に警察の知り合いがいてね」 「本場仕込みか」 全ての捜査術は英国より生まれ、流布される。 刑事の言にはそんな引け目が含まれていた。 「やれやれだ。こんな、坊やにあっさり縛られちまうなんてなぁ。 これだから若い奴らは...軟弱で、」 シャッポを握りつぶす。 「軟弱な上に、性根まで腐ってやがる。ついに強盗なんて真似をするとはな」 「ご、誤解です警部!」 男――私服だが、そいつは昨日刑事に報告をしていた警官が、声を張り上げる。 「これは、これはですね――むぐ」 デューは、慌てて猿ぐつわを噛ませた。 「あ〜ごめん。下お客さんの場所だから騒がないでくれよ」 引きずる。男は抵抗したが、デューの引っ張る力の方が圧倒的に強かった。 デューは背が小さいので立って歩けたが、男は屈んでいないと歩けなかったからだ。男は、何度も天井に頭をぶつけながらおばさんと刑事の入るところまで連れてこられる。 よく見れば、応接室への天板が外れている。 「天井ではお静かにですよ。共犯者さん」 近寄った、愉快そうに男に近寄る。 「そして、バレたときはネズミのモノマネです。今度コツをお教えして差し上げましょうか?」 「いらないってさ」 「言い訳なら、後で何時間でも聞いてやる」 刑事が、男の胸ぐらを掴み上げ、ドスのきいた声で呟いた。 そして、応接室への穴へと蹴落とした。 声も上げられずに、真っ逆さまに落ちる男。 そいつは、男の上に落ちたので怪我はない。 「もっとも、大半は出尽くしてると思うがな」 落とした応接室では数人の男達が似たように縛られて、積み重なっていた。
(消えた銀行強盗)
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■2006年02月04日(Sat)
なんでも幸せだと思えることが幸せ。
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日記のネタが尽きかけなので、出して欲しいキャラ・ネタとか書いてください。
頂天のレムーリア アルファシステムデザインワークス 陰からマモル6
購入。 レムーリアいいですねえ。簡単に言うと、コンビ魔法の世界なんで戦うときは敵も味方もカップリングなんですね。即席のカップリングとかもあって、カップリングによって飛び出す魔法の型も違うので非常に面白いのですよ。 魔法使いは一人覗いて全員漢だけど(笑)
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「やめたほうがいいよ」 デューは、おばさんに忠告した。
その都市に居着いて、三日目に突入している。 別に三日経てば出ていかねばならない、と言うルールがあるわけでもなく、デューとおばさんの旅はほぼ気まぐれなのだった。 六年ぶりに帰ってきた馬鹿親父と、そんな親父にベタ惚れの母。 この旅の趣旨は、二人が夫婦水入らずでいちゃいちゃする為に、おじゃま虫のデューと居候のおばさんが遠出すると言う『逆新婚旅行』 である。 母が店を開けてまで、六年越しのハネムーンを決行するのに躊躇っていたために、変わりにデュー達が出ていくことになったのだ。 ので、特に滞在期間が決められているわけではない。 むしろ、一年でも二年でもいた方が、あのバカップルにはありがたいことだろう。と、自分の親のことながら思うデュー。
「なにがでしょう」 おばさんが首を傾げる。 パイプは吸っていない。 そこが開店前の銀行の...男子トイレの中だからだった。 「お金、いっぱい貰ったんだからさ。別にあくどいコトしなくてもいいじゃん。 俺、金に五月蠅くないのが、おばさんの数少ない美点だと思ってるのに」 デューは、昨日から不満なのだ。 「デュー、聞きなさい、デュー」 教え子に諭すように、おばさんは微笑む。 「お金という物は、いくら有り余ろうと、大事なときには決まって足りない物なのですよ。蓄えたときこそ、油断せずに稼ぎなさい、」 「母さんの言葉じゃないか」 「それに、金は天下の回り物です。だから、いつでもどこでも、どんどん回してあげなきゃいけないのですよ。それが業を界とするものの勤めなのですから」 「それも、マーティンのおっちゃんが言ってた事じゃないか」 もう一度、おばさんは微笑んだ。 なんだか満足気だった。 気勢を削がれて、デューは率先して前に出る。 目指したのは一番奥の便器...その上。 天井の板を見上げる。そこの天板だけ板がズレるような構造になっている。 凝視、じっと見る。天板の端に金色の糸のような物が見えた。 「あったよ、おばさん」 「果報ですね」 便器にブーツを掛けて手をばし、慎重に爪で挟む。 金の髪の毛。おばさんのブロンドだ。 「...ちゃんと手入れしなよ。よれよれじゃん」 「それは昨日も聞きました」 頬を膨らませるおばさん。
トイレの便器の一番奥、その中に入り、黒革の靴を便器に乗せる。 見上げ、天板を慎重に押しのけた。 屋根裏は、それ程暗くはない。透き間がところどころにあって、そこから陽が差し込んでいるのだ。 屋根裏に昇り、見当を付けて這い入る。 音を立てないように、慎重に歩く。いつ客が来て気づくか解らない。 それほど、遠くに隠したわけではない。 果たして、それはすぐに見つかる。 黒い鞄が三つ、柱に隠れるように置かれていた。
(消えた銀行強盗)
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■2006年02月03日(Fri)
恵方巻き。
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巻きずし食べました。 恵方巻きは関西の風習なのですが、どうも最近はコンビニやスーパーや海苔業界の陰謀で全国展開をしているらしいです。 あなた方のお家でも恵方巻きの噂ぐらいは聞いたのでは無かろうか、と思う奈良県民。 この日、スーパーでは店員の大半をつぎ込んで巻き寿司を大量に生産します。 普段の総菜用キッチンでは人手が収まらないので、休憩室である食堂で机をずらっと並べて造ります。 長めの缶コーヒーが1,5本並んだ程度の太巻きがだいたい400〜500円前後で売られます。中身は干瓢、厚焼き、あとなんか草。 高い気がします。 手作り(つまり流通経路数が少ない) で原材料考えても、どう考えても足下見ています。まあ、そう言うもんなのでしょう。 ちなみに豆は食ってません。 豆の風習が廃れていってるような。 豆は売れても儲からんからなあ...
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「では、金庫に触れる可能性のあった人物と、時間帯をチェック...と言いたいところですが止めておきましょう。守秘義務がめんどくさい」 探偵にあるまじき発言をさらりと言って、おばさんは未だに口に銜えたままのパイプを手に置いた。 いつの間にかパッケージを開けていたバニラ香料のタバコを火皿に乗せて、それから先ほど刑事に貸したマッチ箱を開いて...顔をしかめた。 懐をまさぐる。 「もう無いよ、マッチ。さっきので最後」 とたん、おばさんの顔が絶望に歪んだ。 刑事が、ん、と言って火の着いた紙巻きタバコを差し出す。 おばさんは表情を輝かせて、パイプを口に銜え、近寄った。刑事も紙巻きの火を勢いづけるためにタバコを銜え息を吸う。 タバコとパイプ分の距離で火のやりとりをするおばさんと、おっさん。 パイプに煙が上がったところで、おばさんは一息ついた。 空になったマッチケースを机に置く。 「...そう、こう考えることも出来ます。 金庫の中にはもとからお金はなかった、と」 ケースを開く。中は当然、空っぽだった。 「もともと中身が無くて、強盗が金庫を開けて、何も奪わずにそのまま逃げた。 するとどうでしょう、普通の人間には強盗がお金を持って消え失せたかのように見えてしまうのです」 「そんな、あ、あり得ません」 しどろもどろで頭取が説明する。 自分が疑われないように、けど金は見つかるようにと必死なのが、可哀想なぐらいによく解る。そんな、ごちゃごちゃに入り組んだ説明だった。 要約するとこうである。 彼は朝の初めに金庫の中を確認している。 強盗を金庫へ案内したときにも、チラッと見ている。 故に、金が事前に消えていたなんて可能性はない、と。 「その確認とやらは、一枚一枚きっちり確かめるのか?」 デューが訊ねる。 「その、たとえば二枚目からは新聞紙だったみたいな感じだったらバレるのかってことだけど...」 「...それなら、いや、でも少なくとも朝の確認では気づくはずです」 熟考して応える頭取の説明に、刑事が頭を掻いておばさんに訊ねる。 「なら、朝から犯行前までに金庫から盗み出されたと言うことか?」 「んなことが出来るなら、強盗なんてする意味無いよ」 と、デュー。 「...だな」 あるとすれば、それは共犯が疑われないためであるが。 それなら、 「そうですねぇ。あるいは、銀行ぐるみで汚職に手を染め――たとえば使い込みで今回盗まれた額程度の隠し負債が在ったとするなら、共犯どころか銀行員が率先して銀行強盗を演出しようとしたと言うことも考えられますね。もとから無い金を盗まれたように見せかけるのだから、消失トリックとしては完璧です...が」 ちらり、と、おばさんは横目を向けると、頭取が泣きそうな顔をしていたのでジト汗を流して、付け足す、 「まあ、その可能性は薄いとして。朝の確認をも誤魔化す方法もあります。 偽装する物が、新聞紙でなければいいのです。つまぁり」 つまり、偽札。 つまりおばさんの推理では、銀行強盗一味は、あらかじめ金庫の金を偽札とすり替え、そして強盗に入り、偽札を焼き払って逃亡した。 刑事が首を捻る。 「いかんせん、する意味があるのかがわからんな」 「利点としては、主要な犯行時刻を大幅にずらすことで成功率を上げる点でしょうか。偽札をわざわざ強盗に入ってまで焼く理由は...あえて言えば、銀行側に共犯者が居ることを隠すこと、でしょうか。本来の犯行方法を悟らせないという目的もあるかも知れませんが...弱いですね」 しかし、その理由だと、やはり銀行側が首謀者に近い立場だというコトを示唆している。 どちらにせよ「弱い」。 もっとも、そんなことはおばさんとて解っている。 いわば、これはデモンストレーションなのだ。 「さて、そろそろ結果が来てもいい頃合いだと思うのですが...」 そう呟いて、おばさんはパイプに意識を傾ける。 沈黙は数秒だった。 ノックが聞こえた。「どうぞ、」 と何故かおばさんが応えると警官が一人、入ってきた。これと言った特徴はないが、乱暴そうな顔に無理矢理(何が無理矢理かはよく解らないが) 眼鏡を掛けている。 刑事と二三、会話を交わす。 しばらくして刑事がため息をついた。 「みつからんそうだ...」 「...そうですか」 おばさんは、はじめて――目に見えて落胆した。 「仕方ありませんね、デュー」 「わかった」 おばさんの瞳が、ディアストーカーの奥で決意にきらめいた。 仕方がない。まさしくそうであった。 ――これ以上の時間稼ぎは何の意味もない。 警官が退室したのを確認して、デューは、ポケットから二つめの物証を取り出す。紙だった。 それは、金庫に散乱していた金に紛れて発見された借用書。 「二人とも、これをじっくり見てくれ」 訝しげにそれを覗く頭取と、刑事。 呼吸が同時に止まり、同時に目を見開く。 結末は近い。
(消えた銀行強盗)
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■2006年02月02日(Thu)
では続き
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「マジックでもトリックでも、まず疑うべきはサクラ――つまり被害者側に共犯者のがいる可能性です」 一呼吸。全員を睥睨する。 扉まで歩きバンと強く一回叩いた。扉の向こうに立っていた警官が、びっくりして音を立てた。 「...今回の事件で疑うべき共犯者のパターンは3つ。 まず客の中、は既にその通り」 窓ガラスをバンと叩く。また、似たような音がする。 「二つめ...銀行員の中。 そう、この事件は銀行員の中に共犯者がいると仮定した場合、およそ大抵の謎が意味を成さなくなる。 とくに、あなた――トードリ氏が共犯である場合、もはや前提条件さえも無意味でしょうね!」 「ま、待ってください」 たまらず、頭取氏が声を張り上げる。 「待ちません。今回の事件、犯人はある奇妙な行動を行っています。 それは何か? ...簡単です。 犯人は金を消失させるという、大胆克つ計画的な奇術を行っていながら、必要以上の金を盗んでいないと言うことです」 自然と三人の目は、ソファ脇のバッグに寄せられる。 100ドル札がところどころ顔を出した、おんぼろのバッグ。 「金庫内には、お金が散逸していました。それはもうめちゃめちゃです。 いかにも詰め込めるだけ詰め込みました、と言いたげでした。 しかし、散逸量が明らかに多すぎです。奪った額が明らかに少なすぎでしょう。 これだけの計画を立てておきながら、何故そんなみみっちい額で満足できるのでしょう」 無茶苦茶な理屈だ。が、反面確かにその通りだと思わせる説得力がある。 おばさんの推理には、迫力がある。 母に言わせると、昔からおばさんの推理は、根拠はないが迫力だけはあった、らしい。今は、少しだけ根拠を付けることを覚えているので、迫力に真実味が増している。 おばさんは、胸を張りながら頭取に指を突付けた。結果かなり無理のある姿勢になる。 まあ、それはともかく、だ。 今度はおばさん、ブーツでリノリウムを鳴らして外の壁の方へと近づく。 「鞄三つ分です。一つでも二つでも四つでもなく、三つなのですよ。犯人が強奪する額は、この金額でないといけなかった。 では何故そうじゃないと駄目だったのか」 バン――壁を叩く。外で金を捜索していた警官が、また驚いて音を立てた。 「壁に耳あり、ですねぇ」 「まったく、最近の若い奴らは」 刑事が沈痛な面持ちで、顔をしかめる。 この時代、警察の腐敗は目も当てられないぐらいに進んでいる。 中には、何のために警察に入ったのだか疑いたくなるくらいの人間も、確かにいた。聞き耳を立てている警官がそんな奴らばっかりだとは言わないが、いかんせん警察官としては不適切だ。 「デスクワークと処世術ばかり上手くなり追って、肝心の正義すら持ち合わせていないヤツがごろごろいやがる。 ...機会があれば、すぐにでも免職にしてやるのだが」 どうやら刑事は、そんな時代を憂える、数少ない人種の方なようだが。 「...考えられるのは、その量がお金を消失させるトリックに関わっている場合です。犯人がお金を消失させることが可能な最大限度額が鞄三つ分だった」 まくし立てる。 反論は許されない。言いたいことは山ほどあるのに誰も反論が出来ない。 いや、そうではない。 あえて言えば――そう、続きを聞きたい。 おばさんの台詞には、仕草には、視線には、立ち振る舞いや間の取り方には、皆をしてそう思わせるだけの迫力...魅力がある。言い方を変えれば演技力だ。 「しかし――そう、私は鞄は焼かれたと仮定しています。 すると、お解りでしょうか...ここで問題が発生します。 果たして、消失した中身、お金は本当に鞄三つ分だったのか、 ――ではありません。 何故、どうせ焼くと解っているのに鞄を三つも用意したか、 ――でもありません」 一言、一文字呟けば、誰もが思い知る。 彼女こそが、この推理劇の主人公だということを。 一挙手、一投足もいらない。微動だにしないだけで理解する。 自分たちは、ただの登場人物でしかないということを。 「大きな問題なのは、盗んだ額が少額な事由に鞄の量は無関係であると言うことです。よって、その理由は別の場所にある、そう考えられます。 さて――」 だからと言って、消失トリックに札束の量が関係していないという理由にはならないのだが、取りあえずの断定にみんなして呑まれる。言葉の勢いに流される。 おばさんはずるいと、毎度思うデュー。 みんなそんなおばさんの勇士に見惚れてしまうのだ...自分は違うけど。 もう一度自分は違うと、腹の裡で呟いた。自分はそんなことでは惚れない。 「さて、戻りましょう。さて、...さて」 「銀行、共犯、」 「ああと、そうでした。銀行員が共犯であると」 「ま、待ってください!」 頭取も戻ってきた。今度はおばさんの喋る前に言葉を続けた。 「わ、我々を疑っておられるのですか?」 「この場合あなたが一番怪しいのですよねえ。怪しさ度は、金庫に関わる権限の二乗に比例することでしょう」 もっともらしく頷くおばさん。 デューは、二乗はいらないと思った。 「そ、そんな。何故私が...そうですよ、何故貴女に依頼した私が共犯だというのです!」 「そうですね、私に仕事...依頼を持ちかけたのですからあなたは犯人ではない。私もトードリ氏を信じて仕事を受けた。だから疑わない。それはとても重要なことに思えます。 ――どうでしょう?」 「そ、そうですよ、その通りです!」 ...あ〜あ。 デューは、頭を抱えたが、頭取氏は逆に表情を輝かせた。 「よいでしょう。そこは信頼しましょう。 しかし、疑わないのは、貴方だけです。他の銀行員については、探偵の義務として疑わせていただきます」 「は、はい。それで結構です」 結構じゃないような気もするが、まあ自分が矢面に立たされればそんなものかも知れない。 デューは、また一つどうでもいいことを悟った。
(消えた銀行強盗)
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■2006年02月01日(水)
二月。
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二月ですね。
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「では、トードリさんで」 おばさんは、まるでショートケーキが売り切れだと聞いた客のようにそう言った。 「え、ええ。わたしですか!?」 時分に指を差して驚く頭取。 んっふっふと、変な含み笑いをするおばさん。 「私の経験上、時分をさされて“私ですか”と確認をとる人間は嘘をついているというパターンが多いのですよ」 天井を見上げる。 ちなみに、天井を見上げるのは、モノを思い出そうとするときの心理的動作だという。逆に下を向いて考え事をすれば、嘘をつこうとしている心理的動作。 それはともかく。一階建ての銀行には申し訳程度に屋根裏がある。 デューも試しにトイレの天板をひっくり返して探してみたりしたものだが、 「念のため、もう一度ぐらい調べた方がいいかもな」 おばさんではないが、いろいろ疑わせた方が良いだろう。 「あれこれ推理して、結局銀行の中に隠してありましたじゃ目も当てられないし」 「部下には隈無く何度も調べるように言ったが」 「なら、調べる場所を交代してみたら? 何度探しても見つからない落とし物も他人が調べたら一発で見つかる場合だってあるし」 「ふむ、」 子供にのせられると言う事実を意に介さないらしく、刑事は部下を呼び寄せて再調査を指示した。 「...、どうした。お望み通りにしたつもりだが?」 「いや、俺が言うのがなんだけど、刑事さん物分り良すぎない? 俺、見ての通りガキだよ?」 「ああ、そんなことか」 刑事は紙巻きタバコを取り出して口に銜えた。「なに、たいした理由じゃない」 おばさんが、マッチを貸した。自分で所持していた箱の最後の一本だ。 ふと、そう言えばマッチを買うのを忘れていたと思い出す。必然的にあれが最後のマッチなのだが、伝えるべきか伝えないべきか。 まあ、いいや。 「ええと、理由は?」 「今日は息子の誕生日でな」 「死亡フラグですねぇ」 と言った、おばさんを二人は軽快にスルーした。 「だからまあ、今日一日ぐらいは子供には逆らわないでおこうとな」 「おめでたいけど、本当にたいした理由じゃないなあ」 苦笑する。 この人は犯人じゃないな、とそんなことを考える。 まあ、頭取氏もおばさんに依頼を持ちかけた時点で共犯なんて説は無いのだが。 おばさんが、火のついていないパイプを銜えて「さて」 手を叩いた。 「デューの推理。通報の時間差トリック――は、面白くはありますが欠点があります。 ひとつは、閉店間際とは言え、人通りの多い街での銀行強盗の通報タイミングなんて土台操りようがないと言うこと。 二つ目は、いくら何でも銃声がすれば音は外に漏れます。さっきは説明を省きましたが、わたしも銃声を聞いています。ちゃんと、向こう三軒まで響くぐらいの音でしたよ。そしてお隣はカフェです。聞き逃すわけがありません。 最後に三つ...そんなことをするぐらいならば、通報する前にとっとと全員で逃げればいいのでしょうに」 「...なんで言及するときだけ、正鵠を射るかなあ」 しかも、皆中である。 「しかし、フェイクを用いてタイミングをずらすと言うアプローチは良い着眼点です。ある意味王道ですが」 吸気の変わりか、パイプがぴこっと上下に動いた。 「デューは、これを偽の鞄の中身――偽金を用いて通報時間をずらしたのだと推理しました。結果こそお馬鹿ですが、幾つかの不可解な事象には当てはまっていたようですね。 もっとも、無理矢理当てはめようとして矛盾を増やしただけにも思えますが」 「う...別にいいじゃん、推理はおばさんの仕事だろ」 「あらあら、いつもわたしの推理は当てにならないとぼやいていたのは、どこのどなただったかしらね」 ふふん、とおばさんが鼻で笑った。 その笑い方だけ、妙に大人びていて、誰かの真似みたいだと毎回思う。 「そうですねえ。警官の皆様が再調査を終えるまでには幾許か時間がありますし、」 三人に向いて、おばさんは微笑んだ。 それは、まるで子供を諭すような口ぶりで、デュー以外は彼女より年上なのにもかかわらず、その場の男どもは悉くその笑顔に飲まれて、黙りこくる。 「いいでしょう。では、燃やしたモノを鞄とその鞄の中身と仮定して話を続けましょう」 | | |
■2006年01月31日(Tue)
夢を信じるなり
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助手兼掃除番のちょんまげロボットっていってるんだけど、子供の頃は毎回なんて言ってるのかわかりませんでした。 なんのはなしだ。
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実のところ、事件はこの時点で解決してしまったのである。 というのも、おばさんが犯人の顔を覚えていた...いや、正確には犯人以外の顔を覚えていたからだった。 「待ち時間暇に飽かして、こうして覗いていたのですけど。あの方だけ、見た覚えがないのですよねぇ」 つまり、そいつが人質に紛れ込んだ、犯人というわけだ。 「信じる信じないは、あなた方のお勝手ですが。私は責任を持ちましょう」 刑事が、おばさんを見て、次にデューを見た。そろそろこの刑事も二人の関係を理解してきたようだ。 デューは肩をすくめて、 「...おばさんの記憶力は信じるに足りるよ。 出たトランプの数ぐらいなら、四デッキ分マーク付きで覚えられる。 だからまあ、少なくとも、その人が犯人であることだけは間違いない」 問題なのは、 「――問題は、最後まで残るというある意味一番危険な役を誰が担ったかって事だよ。 使い捨てか、逆にグループで最も信頼されている人間か...」
結果的に、それは後者によって行われていた。 この日の後、刑事は初動捜査において彼の身辺を調査することに重点を置いたため、パンの欠片のように僅かな手がかりをも見逃さず、銀行強盗グループの全貌を掴み、逮捕へと至った。 もっとも、それはサリサタとデューがその街を旅立って数週間後のことだが。
おばさんは、パイプを取り出して銜えた。 目を細め何も知らない市民と、何も知らないフリをした犯人を見つめる。 「哀しい事件でした」 「いや、動機とか全然知らないから、俺ら」 「それで、お金は! 奪われたお金はどこなのです!」 頭取が声を荒らげた。 まあ、気持ちは解らなくもない。犯人がわかっても、金が返ってこなければ意味がない。今回の件で、この人に責任が及ぶとは思えないけど、それでも心中穏やかではないのだろう。 「おおっと。そうでした」 手を叩くおばさん。 「では、共犯者はデューと言うことでどうでしょう」 「おばさん...さてはもう飽きてきたんだろ」 「何を言います。デュー、聞きなさい、デュー。叙述トリックはまず一人称を疑うことからはじまるのよ」 「どこの基本だよどこの。危険な台詞を吐くなよな」
(消えた銀行強盗)
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