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■2004年05月20日(木)
喉が痛い
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妙に咳が多くて困る。 弟の喘息をうつされたみたいで、なんともはや。 こういうときこそ「のどヌールスプレー」 なんだけど... あれ、どこいった?(キョロキョロ)
今週の絢爛舞踏祭(火星の海賊の話) ポイポイダー(船員:歩くイルカ) は相変わらずカッコいいなあ。キャラもずいぶん出てきたしどたばたした展開になってきています。 ラウンドバックラー(海中専用のモビルスーツみたいなの) はあいかわらず無能だなあ。ヤガミさんは活躍しないし(笑) 次回は、うわ東原恵(ののみ姉) が出てくるのか。同名だけど、同一存在かな。本人かもしれない(謎)
ミリオネアで3の0乗は「1」 とか言うクイズやってました。 0乗が1なのはどっかで聞いたことがある気がしますが、じゃあ何で1なのかかが解らないで悶々としました。だめだ、解らないや。
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「事故でいい」 とはタカさんの台詞だった。 「自殺です」 これはメイ。 「で、殺人かもしれないだって? なんだそら」 飛び込み台を見上げて、タツマは誰ともなしにぼやく。 屋根付き(壁はない) の水泳場には今のところ誰もいない。昼休みだから当然と言えば当然ではある。 ノートン商には水泳部とスイミングサークルが存在する。前者が競技水泳を主にしているのなら、後者は是非もなくレクリエーション、お遊びの為の部だ。 特に水泳が盛んな高校だということではなく、むしろ南に海を臨むオークノートはどこでも水泳が盛んなので、大抵の高校がこうして競技と趣味の部活を分けて運営しているのだ。 東の王都でも、タツマの在学していた警察学校がやはり全警連(全国警察学校連合) 優勝を目指す野球部と、趣味で野試合ばっかりしている草野球部に分かれていたが、あれと同じである。ちなみにタツマは草野球部に所属していた。さらにちなみにどうでもいい話、その警察学校は草野球部の方がなぜか強かった。 さて、 この4段もある飛び込み台専用のプールも、隣の10レーンに渡る50mプールも、高校の設備としては割りとメジャーな方なのだが、 ヤナシ・ウィルストン(48:非常勤講師) はこの飛び込み台の4段目、10mの高さから泥酔状態で飛び降りて、おぼれて水死した。らしい。 タカさん曰く「事故」 メイ曰く「自殺、でも本当は他殺」 他殺と来れば俺の分野だ。完全に傍観者を気取っていたが、そうもいかないというところだろうか。 推理小説じゃないんだから、手っ取り早く教えてくれてもよさそうなものだが、メイは何故かためらっていた。 「少々調べてきます。ナガノさんにお会いしたら引き止めていてください」 ナガノ・ウィルストン(18:ノートン商業高校生)。ヤナシの一人娘である。彼女の母親、つまりヤナシの妻は彼女の幼いうちに離婚して行方知らずだとか。 もし事件が殺人だと言うのなら、一番怪しいのが保険金を相続した彼女だ。 と言うのも、ヤナシは相当額の借金を抱え、その返済に首が回らない状態だったからだ。あくどい金貸しに手酷くやられ、方々からかなりきつい取立てを食らっていたらしい。べたな話だが、その返済に娘まで引き合いに出されたとか何とか。 ノートン商の事務所には、ナガノにこの水泳場に来る様にと呼び出しを頼んでおいた。警察の名を語ると(まあ、実際そうなのだが) 一発で了解を得ることができた。 ところが、呼び出すように頼んだメイがどこかへと消え去っている。 一体どうすればいいと言うのだ。 「あの...」 「ん?」 と、振り向けば見るからに純朴そうな女生徒が立っていた。 「その、こちら...水泳場でいいんですよね」 「いや、あんたの方がよく知ってるだろ」 「い、いいえ、そういう意味じゃなくて、そのあの、さっき放送が放送されてて、その」 と、手を握り指をせわしなく動かして喋る碧髪のロングの少女。 鼻の周りにそばかすを散らせた彼女が多分ナガノ・ウィルストンなのだろう。 とても人を殺せそうには見えないな、と、疑って何ぼの警察官でさえ思ってしまうのだった。 | | |
■2004年05月19日(水)
読まない内にまた新刊出るんだよな。
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『零崎双識の人間試験』 『ソード・ワールドRPGベーシック』 読了。電車に長いこと乗るコトが多いとは言え、読みきるのは時間がかかった。『人間試験』 ラストのあれ哀川さん? ドアの吹っ飛び方がなんだか、フィクションめいていて時宮かな? って思いました。 あと、オレンジ☆ロードの従姉妹ちゃんってどんな力だったっけ? 巻末にデスクトップアクセサリが付いてたけどうわあカード型のCDだ。印刷会社の説明会で見たきりだったけど本当に出回ってたんだなぁ。
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WEB拍手のコメント面白いっす。 トリビアのレスが多くて「へぇ〜」 と言う反応もあれば、「一般常識だぜ」 って反応も(笑)
日記じゃない方のコメントもあって嬉しい限り。 ところで自分、邪馬台国は一応奈良派なんですが、考古学の授業で聞いた限りじゃ奈良派の方が推理が強引だけど(笑:いや、どっちもか)
WEB拍手が登録数52000サイトを突破。個人サイトって52000もあるんだ...そっちがびっくりだ。 10日前が42000だったので爆発的に増えてますね。 実際「流行ってるなあ」 と言う印象はあります。 以前は20件回ったら一件ぐらいは付けているのを見かけたのに、最近は5件に一件ぐらいは見かけます。...言いすぎか。 でもそうやって頻発的に見たから自分も「つけようかな」 と思ったわけだから...ってことは、自分もその爆発的に増えた中の一人やんっ! 前に紹介した時は初期(「ろじぱら」 に紹介されてたあたり) だったからいいとして、今さら自分が「是非」 なんて紹介する必要なんて全くない(笑)
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Z会。白鳳町に二十六個あると言われる超内会の一つである。 『町内会』をまんまもじった『超内会』については、少しばかりの説明をせねばなるまい。 超内会は白鳳町における同年代(年度別)の町民集団によって構成される組織で、早い話が同窓会の町内版である。 もとはどう言う成り立ちだったのか白鳳町の住人ですら忘れて久しいが、確か白鳳町のさる政治家が、「成人式で暴れる阿呆が多いのは、かつての同級生と久しぶりに出会って、はしゃいでいるから」 だとかそん事をぬかしたのが原因だとは聞いた事がある。そのおっさんは成人式のスピーチで生卵を投げつけられて慌ててタオルで頭を拭き取ろうとした校長によってカツラをずらされていた。もちろん先生、司会者、新成人全員が大爆笑だった。 おっさんのカツラはどうでも良いが、そのおっさんの発言は意外と賛同者も多く、ちゃんと効力を発揮していた。 町は、この意見に従うがままに、 「ならもっと若者同士横のつながりを大切にさせよう」 と、決意して始まったのが『超内会』 の事の起こりである。 Z、二十六などから連想されるように超内会はAからZまでの二十六のアルファベットの会で成り立っている。会ごとに年齢制限があり、年を取るほど後ろのアルファベットの会へと移行していき、原則として年齢制限を越えて同じ会に居続けることは出来ない。 まず、0から六歳以下までがA会にあたる。 続いて七〜十九歳まで一歳ごとにB〜N会。 二十歳になると、年齢制限が二年おきになり、二十九まで計五つ、それがO〜S会となる。 その後は十年ごとにT〜Wの会が存在し、七十代以上は全てX会となる。 若者のつながりを保つための会なのに、全世代に対応しているのは白鳳町が老人福祉に力を入れているからだった。 もとは九十歳以上の会のはずだったZ会は人数の都合から、X会へと吸収された。やはり八十歳以上の会のはずだったY会も共に吸収されている。 話はZ会へと戻る。 名目のみの存在となったY、Z会は「せっかくだから何かに使おう」と言う委員会による会議の結果、それぞれ全く違う会へと組み直された。 まず、Y会は今まで『超内会でもやろう会』であった、超内会運営委員会がこれを名乗ることにした。「やろう会」という意味で「Y会」なのだそうだ。 そしてZ会である。 Z会は、ある超内会結成時のメンバーの一人が譲り受けることになった。 だが、結成云々は実はどうでもいい。 問題は現在のZ会なのだから。 彼ら、勿論わたしも含むZ会の面々が遭遇した事件は、確かに非日常的であり、それなりの話題性も含まれている。警察沙汰にならなかったのは、まあ僥倖と言えるだろう。 だが、当人達にとってはそれどころではなかった。 全く持って、とことん迷惑な話だった。これがZ会全員の意見だった。 話は、Z会の広報、つまり──わたしの野次馬根性から始まる。
(『Z会存亡の記紀』)
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こう言うの考えてるときが一番面白いです(笑) | | |
■2004年05月18日(火)
それはつまり創作にも言える事で、
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「青銅の色ってのはな」 と、押村先生。「正しくはその資料集の青銅器みたいな緑がかった青色じゃない。本来の青銅の色って言うのは」 と、ポケットの財布から五円玉を取り出した。 「こう言う色をしている」 自分に見せる。五円玉はピカピカに磨かれていて、 「先生。金色ですよ、これ」 「ああ、金色だ。金色って言うのはつまるは昔の人達にとっての金属の色って事なんだがな。 そして、その時代の人々が主に使っていた金属は青銅、つまり金色ってのは元は青銅の色のことってわけだ。もっとも、この色よりは少し白に近いらしいが。 ほら、黄色っぽい金色を黄金って言うだろ。あれはそう言うことだ」 「なるほど...」 五円玉を財布にしまって、先生は膝より低い椅子に座りなおした。 まぬけな座り方だった。中学生用の椅子をタッパの高い先生が座ると、どうしても膝を折り曲げないとならず、折曲げた膝も地面に大半が擦り付けられていてなんともみっともない。 椅子を敷いて正座していると言った方が正しいぐらいだ。 「お前らが青銅色だと思ってるのは、青銅の錆びの色だ。まあ、錆びると青くなったから、青銅なんて言うんだろうから...あながち間違っちゃいないんだが、とにかく昔の青銅器はあんな青緑色じゃなくて薄金色に輝いていたって事だ」 「...なるほど」 普段歴史に興味のない自分も、思わず頷いてしまう。 「しっかしそうか」 と、先生は背もたれに肘を付いて天井を仰いだ。「お前ら青銅鏡をただの飾りだと思ってたんだな」 「だって、あんな色してたら、顔なんて映らないって思うじゃないですか。まさか金色だなんて」 「ん〜。ほっといてもそのうち理解できるんだがなあ。そういう説明もするべきなのかなあ」 押村先生がこっちをほっぽりだしてなにやら悩み始めたので、自分はもう一度資料集を読み出した。青緑色の三角縁神獣鏡。 「こいつも昔は金ぴかだったってことですよね」 「そうだ。剣だって器だって錆びちゃいないし、書物だって絵だって壁画だってその時代では白いキャンバスの上で綺麗な色を出していた。衣服だって本当言えば縄文時代には布の服があったし、色や模様までついてオシャレなもんだった。テレビでやってる茶色い原始人みたいな奴隷の服なんか着ていなかったんだ」 「へええ...」 初耳だった。縄文時代や弥生時代に対してのイメージが、モノクロで見ていた画像がいきなりカラーになったようにがらりと変わっていく。 「錆びてないときのも見たかったなあ」 「そうだな。先生もそう思うなあ」
(『聞華神類学概論』)
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押村先生は富本銭をかっぱらった容疑で考古学会からお尋ねものになっていると言う裏設定があります(笑)
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古い掛け軸とかの絵を見るたびに、 「ああ、まだ紙が白かった時に見たかった」 と思います。 江戸時代とかの掛け軸って、どんなに状態がよくても時間が経ちすぎてるから紙が茶色がかってて絵の具も変色してるじゃないですか。 もう寿命がすぎたワインと言うかなんと言うか、絵にも紙や絵の具の要因で寿命があると思うんですが、どうなんでしょう。 寿命が切れた――ようは「時間が経って絵の耐久年数が過ぎて作者が狙って描いたものではなくなっている」 わけで、自分はそんな絵に作者の感性が100%封じ込められてるとはとても思えない。色が綺麗だった時に見ていないと、作者のイメージと違う物を見ている事になりますし。 もし、絵に物理的な要因で寿命があるとするなら、掛け軸を喜んで買ってる人って、寿命が切れた絵を買いあさってるってことになりますよね。 腐っても鯛と言う言葉もあるけど、なんだかなあとは思います。 CGで当時の色を再現、とかできないものでしょうか。 以前テレビで白黒写真をカラーにしてくれるサービスが紹介されていたのを思い出します。あれで当時の明治時代の色を再現したのを見たのですが、それを見てはじめて、ああ明治時代って本当にあったんだとよく判らない実感をした事があります。まあ、それだけ鮮烈だったんですね(笑) 似たようなのがあったので紹介。ここのメモリアルカラーの項です。
骨董品全般に言えることですが、骨董の商品って別に骨董品として生まれたかったわけじゃなくて、家具なら普通に家具としての使命を全うするために生まれたわけです。 あくまでそれはその時代の作者が、その時代の人間のために一所懸命作った作品なのです。 なわけで、それをコレクターが「古くて貴重」 である事を理由に買い求めて、それを理由に愛好すると言うのは、「結局それって作った人間の思惑と全然離れたところで楽しでるんだよなあ」 と思ったり思わなかったり。 『後の世で評価される』 と言うことがこう言うことだとすると、何の救いにもなってませんね。
そう言えば、レプリカ神獣鏡は以前見たことあります。 ぴっかぴっかで、なるほど確かに鏡だとやっぱりもって当たり前の事実に感心した記憶があります。 | | |
■2004年05月17日(月)
本格的に置いてみる。
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いろいろ実験も終わったので、WEB拍手を上の方に取り付けました。 気軽にぺしぺし押してやってください。 コメントしていただければ日記でレスするかも。
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ところで日記で小片シリーズ。 今までの合計を400字で換算すると170枚、文庫本で136ページ分でした。 ちょっとした長編の3分の1ぐらいですな(笑) まさにチリツモヤマトナ。
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トリビア: 『国構え』 に『ト』 と書いて『図書館』 と読む。 いわゆる中国の略字で、図書館業界では普通に使われている漢字らしい。 間違ってはいけないのが、あくまで『国構えト(以下 [ト])』 の読みは『としょかん』 なのであって、『図』 の略ではないことである。 『[ト]書館』 と書いてしまうと、それは 『としょかんしょかん』 と読むことになってしまい笑われる。
追:うお、2へぇ入った(笑)
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千里 「これ↓何?」 みずの「作者が以前描いた4コマをリメしたやつ。まだノートに十数本あるかな」 千里 「...そう言えば、TakeBack'sって、もともと部活宣伝用に考えたコントだったんだよね」 みずの「結局お蔵入りだけどね」 | | | |
■2004年05月16日(日)
デカレン〜
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Episode.14 『プリーズ・ボス』 毎回デカレンのタイトルはスタイリッシュでよいですな。 今回は、
赤「いざって時はボスが助けてくれるし楽勝だぜっ!」 犬「甘ったれんなぁああ!!(ドギャス)」
と、言うお話でした。 ピンチにゃ来ると言ってるのに、いきなり呼ぶバンが悪い(笑) ED前の、
赤「ところでボス、そのマスクの中、鼻は?」 犬「あ、それは聞くな(汗)」
って言う小ネタに大爆笑。公認の謎なのか(笑)
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「例えば、時間を止める能力なんて演出したけりゃだな、こうやって」 と、雪路部長は右手を教室の照明に翳してビシッとポーズを決めた。 「ポーズを決めると同時に、シャキーンなり効果音いれて照明を青とか緑の適当な色に変えてBGMを止める。その瞬間、他の役者がその場で一ミリも動かなくなれば時間を止めたって言う演出にはなるわな」 「おおおお!!」 「いやそんなに驚かれても困るんだが...長谷川」 「おおおお...はい?」 「その場で行進してみろ」 「へ?」 「いいから行進だ。手を上げたら時間が止まる。いいな?」 ああ、そう言うことか。 行進行進...ね。よし。 「1・2・1・2...こんな感じですか?」 「ああ、1・2・1・2・ストップ!」 「わ」 よりにもよって、足を上げてる最中に止められた。 ば、バランスが。 「...はい止め」 「ぐはっ」 足を落として息をつく。 「どうだ、桂介」 「駄目だな。動きまくり」 「そ、そない言われてましもっ」 「ストップ」 うわっと。 部長が右手を上げて、1,2と数えだす。 今度は両足が地面についていた。...よし今度は自信があるぞ。 雪路部長が数えるのを見ながらも、体を硬くしてひたすら耐える。 「...はい止め。どうだ浅倉?」 「だめね」 「ええっ!!? 今回めっちゃ自信あったのにぃ!」 「チリ、目が動いてる」 「あ...」 「あと、やっぱりちょっとフラフラしてるような」 「ううう...それホント?」 「ホント」 「ホントと書いてマジ?」 「それは違う」 う〜ん。ちゃんと動いてなかったと思うんだけどなあ。 「なにをやっとる。...自分じゃ判らないだろうが、指先や手首が止まれていない。意識して緊張できていない――つまり、無意識に動いてるんだ。桂介、手本」 「へーい」 話を振られた桂介は、ロボットダンスのように両手を前に出した格好でストップした。 「ほら、全然動いて無いだろ。こうやって神経を隅々まではりめぐらせて、体中を緊張させてるわけだ。触るとわかるが...」 「わ、ちょ。部長?」 と、部長は桂介をべしべし叩き、肩を押したり、指先をつまんで上下に動かしたりした。 「触ると判るが筋肉も関節も固い」 「あ、ほんとね」 「めちゃくちゃガチガチしてる」 「顔も赤いわあ」 「それって単に、照れてるだけじゃあ...」 希生さんのツッコミは聞かなかったことにして、みずのは遠慮無しに桂介の体を叩いたり抓ったり揉んだりツボを押してみたりした。 「いた、いた、痛ったいわボケェ! お前ら! 俺が動けないと思って無茶苦茶してんじゃねえよ! 普通に触れ!」 「ほほーん。あんなこと言ってますよみずのさん」 「雪路の時はされるがままだったのにねえ」 「やかましい!」
(『TakeBack's』)
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■2004年05月15日(土)
仔犬のワルツ2
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仔犬のワルツと言い、その他あれこれと言い、どうも最近はっちゃたドラマが増えてきている気がする。気がするどころか、何を今更な話かも知れないけど。 『真珠婦人』 のたわしのコロッケとか 『牡丹と薔薇』 のダイヤ食べて「美味しい美味しいわあ」 とか、「あなたなんて牡丹じゃなくて豚よ!」 とか、本人たちはいたって真面目なんだろうけど、はた目から見たらギャグにしか見えず、役者だって笑いながらやるか、さもなくば「これでいいの!? ほんとに!!?」 って首をひねりながらやっていそうではある...いいなあ面白そうだ。
特撮ブーム――が以前から続いているわけで、でもイケメン俳優はないだろう。イケメンって言葉がいけてねえ〜、ってそれにツッコンだら負けなんだろうけど。 そうそう、特撮と言えば、デカレンジャーの今回の敵は『アリエナイザー』 と言って「ありえない」 と「エイリアン」 をかけているわけですが、その後の後の番組のプリキュアでもしきりにアリエナイアリエナイと言ってたりして、世間ってやっぱりありえないものに憧れとか笑いとかを求めているのだろうか、と思ったり思わなかったり。
そんな訳かどうか知らないけど、どうにも普通のドラマまで特撮じみて来ている気がして、それはそれで面白いけど、ええんか日本。 そのうち火曜サスペンス劇場とかで、 『≪ライダー探偵事件帳≫変身ベルトが盗まれた!手がかりを消す謎の連続怪奇現象 調査するサンジェルマン伯爵が真犯人!? アルマジロ怪人の罠に落ちたライダーに明日はあるのか 西伊豆-東京150キロの殺人トリックを暴け!!』 みたいな話をやってくれるんじゃないだろうか。 最後はもちろん断崖絶壁で死闘とかそんなかんじがよろしいんじゃないんでしょうか。誰かやってくれ。
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「特撮ってやったりするんですか?」 「ああ、ん。やることもある」 「え、雪路それホント!?」 と、珍しくみずのが自ら顔を出してきた。 「ま、まあな」 部長はそれにちょっとひるみつつも、「開拓されてきた分野ではある。そこのチラシの山にも一個あったはずだが...いや、あれはパロディだったか。前にどっかの大学が超能力バトルものをやっていたけど、あのパンフどこいったっけな」 「なんだぁ、その程度なの...」 あからさまに落胆するみずの。 「いろいろ難しいんだよ。いろんなカメラでごまかすのが基本の『特撮』 を舞台でやるわけだからな」 「それはそうかも知れないけど」 なおも不満顔。 「部長。例えばどんなです?」 「例えば...そうだな。照明がやたら必要だ。ストロボとかビーム系のも必要だろうし、スモークも必要だろうな。それに音響。ビシッとかバキィとかの一瞬の効果音を使うとなると、任意のタイミングで任意の音の出せる特殊な機器が必要だし、んなの普通の劇場にあるわけ無いから持参しないといけないわけだし」 「うわあ、それは大変そう...」 「じゃあ。TakeBack'sでやるのは無理?」 うわ、やるつもりだったの、みずの? さすがにそれはむりじゃないかなあ。 「いや」 ところが部長は、あっさりと首を振って、「そこはひっくり返した跳び箱を船の上だと言い張れたりする演劇だ。やってやれないことは無い。設備もまあ、凝ればそうなるというだけで、音響だって音に併せて演技すればいいわけだし」 それはなんだかへぼいなぁ... 「照明だって、スイッチの組み合わせ次第でどうとでもなる。ただな」 「ただ?」 部長は腕を束ねて溜息をついた。 「つらいぞ〜。殆どを殺陣に使っちまうからなあ」 何かを思い出すように、天井を眺める。「正直アレを毎日の練習でやると思うとぞっとしない」 そう言う部長の顔は冷や汗でも伝ってきそうなほど嫌そうな顔をしていた。 「ふ〜ん。雪路でも音を上げるんだ」 「噛み付くなよ。おれだって、やってはみたい。みたいんだが...」 と、部長は目に皺を寄せ眼鏡のブリッジを押さえて、その手で前髪をいじって唸った。 「そうだな、ちょっとしたスパイスにに取り入れるぐらいならいいかもな、わけわかんねえところでダンスが始まる演劇もあるし」 「ホント!?」 「マジですか?」 「まあ、流れではあるしな。最近の演劇部員にゃあ特撮好きとか声優志望とかも多いし。取りいれて見るのも――悪くない」
(『TakeBack's』)
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■2004年05月14日(金)
どういう風の吹き回しか、
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七人の侍を見ました。 色々感無量。久蔵が好きになりました。 しかし、なんと言うのでしょう。 声も出ないというか、映画を見ているなんてことを一回も思わず、ただただ圧倒されて、物語に引き込まれていたような、いろんな人がブラボーと叫ぶだけあって、やっぱり凄いなあと思いました。見てよかったです。 どうでもいいけど、昔の映画って休憩があったんですね〜。 映画の途中で『休憩』 って文字が出てきてびっくりしました。
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飛行機は一路タイから日本へと飛び続ける。 ――尾翼を前にしながら。 本来ならバンコクの国際空港でホームファミリーのホストマザーと初面会するはずだった。メールでしかやり取りしたこと無かったが、添付画像に映る妙齢の彼女は気さで恰幅がよくてとてもやさしそうな人だった。彼女と会える機会はもう無いのだろうか。 この日のためにつたないタイ語と英語まで覚えたと言うのに、まさか飛行機事故に出くわし、あまつさえ飛行機がバックまでしてタイから離れるとは思わなかった。よほど神様は自分をタイに行かせたくないらしい。 近所にタイ料理屋があったからなんて適当な理由でタイを専攻してしまった天罰だろうか。まあ、仏教国に天罰もあった物ではないか。 いろいろ辛くなってため息をつく。 ビジネスシートから窓の外を望めば、180度雲一面の世界で、前進してるのかバックしているのかわかったものじゃない。しかし、よく見れば翼の後ろから前へと雲が流れていくのが判断でき、その事実に肌があわ立つ。 「本当に巻き戻ってるんだな...」 まざまざと実感する。物理現象までひっくり返されては疑う余地すら残っていない。 「えーぐす」、だかそんな感じの声が聞こえた。振り返れば廊下をバックで走る5歳ぐらいの子供。そしてその先を同じく後ろ向きに走る父親らしき人物。 二人とも、振り返る事も無く前を見て後ろを走っている。 見た目、子供がバック走で父親を追いかけている奇妙な光景は、よく考えると親が子供を追いかけているのが“巻き戻って”いるだけだった。 「えーぐす」 はおそらく「すげー」 だろう。以前、バラエティ番組で『意味不明の台詞を叫んでから巻き戻しで聞くちゃんとした日本語になって聞こえる』 なんて企画をしていたのを思い出す。 謎の言葉と言うのはつまるところ日本語をローマ字にしてからひっくり返したもので、ようするに「EEGUS→SUGEE」 である。 言葉が巻き戻るということは、声も喉から口へと発した言葉が吸収されているはずで、よく考えればこうして聞こえているのはおかしいのではないだろうかと、ふと思う。戻る音波を聞き取っているのだろうから、本来は逆方向から聞こえてくるのではないか。...まあこうして聞こえてるんだから、聞こえるのだろうが。 別にその手の話の専門家と言うわけでも無いし、想像がおぼつかない。こう言う事象の専門家がいるのかすら知らない。 もちろん父親の方もわけのわからない言語を発して、子供から逃げて、ではなくて追いかけているのだが、早口だし言葉の量も多いし、何を言ってるのかさっぱりわからない。多分「ちょこまかしないで、席に座れ」とかそういうことを言ってるのだろう。 なんにせよ、完全に事故のパニックはすべて巻き戻っていた。 「さっきから気になってたんだけど、なんで他の人は巻き戻ってるのに俺は巻き戻ってないんだ?」 「おそっ!」 アロハの男が突っ込みをいれた。「今更それを聞くかジブン」 「いや、今なんとなく気になって。巻き戻ってないのが俺だけなら、なんとなく納得できるんだけど――あんたもいるし」 そして他の人間は全員巻き戻っている。「そういや、あんた名前は」 「それもおそっ!?」 男は、シートの上で派手にずっこけた。 吉本芸人のようだった。
(『Rollback』)
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異常な景色をリアルに作るのは難しいですね。 もし自分がそういう光景に出あったら、どこを見てどういう風に驚くのだろうか。 そんなことを必死になって考えて、こうじゃないかなあと思えるようなのを書くわけですが、本当に難しいです。生々しさが足りない。 こう言うのはホラーの領域かなあ。『猿駅』 とか異様な世界なのに、リアルだもんなあ。 | | |
■2004年05月13日(木)
うーん。
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おにぎり新製品 『たこ焼き入り』 なるものが売り出されていた。 手にとってパッケージを見れば、 「後を引くうまさ」
そのキャッチフレーズに誘われて、早速食べてみました。
ペリペリ。あ、海苔がビニールに持ってかれた。 まいいや。 ・ ・ ・ よし、完成。では! ・ ・ ・ ! なるほど。 これは確かに後を引く、
後悔が。
うん、普通にたこ焼きとおにぎりやん。 ていうかきみたち別々でいいから。無理してくっつくこと無いと思うよ、いやまじで。
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「まあ、時間軸の反転したパラレルワールドだとか、世界が終わったとか、膨張した宇宙が収縮し始めたとか、ここは地獄なんだとか、天国だとか、いろいろ言われてるけどな。まあ、結論は出ていねえ」 「ふうん」 「わかってねえなあ」 ふーっと、わざわざ声を出しながらため息。「ジブン、この意味の重大さぜんぜんわかってない」 なぜか関西弁だった。 「そりゃ、わかるわけないだろ」 あきれられても困る。それが本当だとすれば、自分はまさにさっきこの世界に足を踏み入れたばかりなのだ。 「飛行機事故って何が原因だったんだろうな」 「単なる老朽化。燃料タンクがいかれてあっという間にゼロになりやがった」 「ろ、老朽化ぁ!?」 雷が直撃したとか、テロリストが爆弾を使ったとか、そういう一大事かと思っていたのに、単なる不運な事故だとは。 せっかくのビジネスシートだというのに、 「不運だよな。万に一つだぜこんな可能性。ま、高い席でも足場が古けりゃ意味がねえってこった」 今搭乗している飛行機はかなり格安の賃金で乗れる会社の飛行機で、叔父さんが「命の関わる事に金を惜しむな」と、耳にタコができるぐらい言ってくれてたのに、結局ビジネスシートに乗りたいがために、安い会社を選んでしまったのだ。 「安物買いの銭失いって言葉知ってるか?」 がっくりうなだれる正行に、男が気楽に聞いてくる。 「身に染みてる...」 そういうあんたも安物に乗ってるんじゃないかと言ってやりたくもなったが。今となってはもう遅い。 それより気になる事が一つできた。 「あんた、なぜこの飛行機が老朽化で事故って知ってるんだ?」 「ん。あれだ」 男は座席に寝そべりながら、手を天井に向けてぶらぶらさせた。「ほら、ブラックボックスってやつ? なんか別の名前が逢った気がするけど、あれは俺たちが死のうが燃えようが残るわけだ。ええとメモリ? ディスク? いや違うな」 ああああと、空間をかき回すように動かして、手をたたく。「...ああ、フライトレコーダーだ。ブラックボックスは俗称だった」 合点が言ったとばかりに飛び上がって、シートの上で仁王立ちになる。「知ってるか、フライトレコーダー?」 「いや、それぐらい知ってるけど...って、おい。そういう意味じゃなくてだな」 「ブラックボックスはどえらい丈夫だからな。こいつだけは俺たちは死ぬかもしれないってのに絶対生き残る。ったく、理不尽な話だよ」 そう言いながら、男が前のシートを蹴っ飛ばす。「箱一個生還させられるんなら、人間だって一人ぐらい無傷で残せるんじゃねえの?」 後頭部をバリバリと掻き毟る。 直情的。ずいぶんと面白いやつだ。 無感動な性格のためか、正行はこういった何にでも感動をぶつけられる人間が割と好きだった。 「数の論理から言えば、一人でも生き残った方がいいのにな。こう、絶対に生き残れるミニシェルターみたいな箱作れってんだよな」 「そんな物あったら争いが起こるだろうが」 「いいじゃねえか、バトルロワイヤル。オレだったらあれ、絶対狩る側に回るね。この飛行機だって、最後の最後までしぶとく図太く生きてやるさ」 と、男は背もたれに足をかけて、腰だめに何かを構えて「パラララララ」 と喚いた。どうでもいいが、ずいぶんと日本の文化に詳しい。日本人なのだろうか。外国人には見えないが、かといってやっぱり日本人にも見えないまま。どうにも印象がぼやける。 「ジブンならどうするよ?」 「どうも。人殺しなんてごめんだし。もっと言えば、協力して逃げ出すなんてヒーローみたいな真似、とても俺には無理だし」 「そうじゃなくて、いや、そうなんだけどよ」 どっちだよ。「オレが聞きたいのは飛行機の方だよ。もし飛行機に絶対に助かる席があったとしたらお前はどうしていたかって事だ」 「どうしていた? ...分かりきってるじゃないか」 怪訝な顔で聞くと、男は「ああ」 と天井を仰いで額をたたいた。 「...っと、すまねえ。へへ、オレの方がこの世界の事に慣れてねえみたいじゃねえか。で」 男は、たっぷりと間を取ってから聞いてきた。 「どうしてたよ? あの墜落の瞬間」 男の目が狐のように鋭くなった。
(『Rollback』)
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■2004年05月12日(水)
例えば、
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例えば、これはフィクションです。に、ようやく一息つく。 例えば、これはフィクションです。に、当然だと激怒する。
ストーリーテリングとは要するに、嘘をつくと言うことで、 すばらしいストーリーをひねれる人は、すばらしい嘘がつける人だ。 嘘さ、幻さ、非現実らしさ、現実らしさ。 嘘ってのは現実と比較しないと嘘だと気づけない。 けど、ファンタジーは少し違う。 ファンタジーは現実と比較できない。 だから、だとすれば、 ――ファンタジーは嘘とは呼べない。 架空の世界を創造すれば、嘘は吐かなくてよい。 架空の人間、 架空の生い立ち、 架空のトラウマ、 架空の愛、 すべて最初から嘘っぱちならば、 正直者は嘘つきにならなくてもよい。 嗚呼、ファンタジーはなんとも心が痛まない。
(『無題』)
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『CASSHERN』 見てきました。 なんだか目の回りそうな勢いでした。 要潤が泥まみれでした。刀振り回して頑張っていたのが印象的。 内容は、どえらい観念的で、人は何故無意味な争いを続けるのかみたいな主張はこれでもかというぐらい詰め込んであった風に思えます。 けど自分には序盤のロボット大行進〜VS要潤あたりまでが一番見所だったかな(笑)
アニメの方のを見たことが無いので比較はできないのですが、見る限りでは多分別物でしょう(笑) ヤフーで動画が見れるらしいので、会員登録でもしようかな。 | | |
■2004年05月11日(火)
ガンガン購入
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うわ〜。救世主様休載に入っちゃった。残念です。 女王騎士物語が面白かったです。ポエール...男だよあんた。 大久保篤の新連載。 キャラが以前3つの読み切りのそれぞれの主人公達というトリッキーな連載です。刻の大地を思い出しますが、ノリは全然違います(笑)
『GOSICK− II − ―ゴシック・その罪は名もなき―』 も購入。 うお、Gothicじゃなかったのか(驚) いやあ、相変わらず九条君とヴィクトリカが微笑ましい。 そんなW萌えキャラでおくるゴシックですが(?) なに気に、富士見ミステリー文庫で初めて読んだ唯一マトモなミステリーだったりします。 他のは、これミステリーかってのばっかりで、こういう正統派でいてライトな感じのは無かったなあと逆に新鮮でした。 武田さんのヴィクトリア調(GOSICKの舞台は第一次世界大戦後の西欧の架空の王国) の絵もこれでもかというぐらいに見れて、満足満足。
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「雪路部長って2年生ですよね」 「っていうか、今TakeBack'sには2年しかいねーんだけどな」 そういえば、桂介も希生さんも2年生だけど。 「他の人は?」 「あん」 希生さんと顔を見合わせる桂介。「他の人?」 「だから、他の部員...」 「あの、もしかして長谷川さん、知らない? 桂介?」 「あ、ああ」 問いただされて、桂介は額を叩いた「そういや言ってなかったっか」 「へ?」 嫌な予感。 「うちの部はな、今俺と希生と部長の3人だけなんだよ」 沈黙。 「え、えええぇ!!」 「理由は色々あるんだけどね」
(『TakeBack's』)
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■2004年05月10日(月)
うお、
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意外と拍手数があったのでびっくりです。 ありがとうございました。 もう少し調整したら、本格的に取り付けてみたいですね。
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メイが仕事を請けるルートは三つある。 自分を仲介して受ける警察の依頼。 墓守協会長を仲介して受ける依頼。 そして、タツマとメイの下宿先「なみはや」 の大家を仲介して受ける依頼。
今回は墓守協会長の仲介によるもので、メイは月2回、墓守協会の仕事を受け入れることで、ある程度の墓荒らし行為に目をつぶってもらっている。 料金はほぼ必要経費で、実質ただ働き。3回目からはきっちり金を取るらしいが、まあ協会長は協会長で思うところがあるらしく、屍骸術を進んで依頼しようとはしていない。今回の依頼にしたって、 「回数は来月へ持越しできない」 という誓約内容だったために、 「ロハだし、どうせなら一回ぐらい使ってみるか」 と、急遽適当に見繕った仕事だったりする。 やめときゃいいのに、とタツマは思う。タダより高いものはない。試供品を試せば本製品を買いたくなるのが人情だ。タダだからと言って、必要もないものを頼むことはないのだ。 商人の一族の癖に、そういうところが協会長――タカさんは疎い。 似たような契約をしたルイスもだ。 メイを子供と侮っているのかどうか知らないが...いや、まあいい。 何にせよ、タカさんの依頼した内容は、協会にとってまったく毒にも薬にもならない仕事だった。様子見ということらしい。 様子見、等と 称して主導権を握っているつもりなのだろうが、その辺の機微など、代々ネクロマンサーしている商売人にはバレバレなのだった。
(『続く』)
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■2004年05月09日(日)
Episode.13「ハイヌーン・ドッグファイト」
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| 採掘場を取り囲むアーナロイドを一瞥するドギー、 「ざっと数えて100体か...」 サングラスを外し、不適に哂う。「勘を取り戻すにはちょうどいいぜ!」 「エマージェンシー! デカマスター!!」
と、ここぞというシーンで、CMイン。
生殺しじゃあああああ!!! 牛角のCMやってる場合じゃねえよ。
で、CM明け。 ボスことアヌビス星人ドギーが遂に変身。胸に燦然と輝く100のマーク。 待ってました!! いや、もう雑誌で読んでからこの日をどれだけ待ったことか。 「百鬼夜行をぶった斬る! 地獄の番犬、デカマスタァア゛!!」 血の味がしてきそうな雄叫び。 すげっ、カッコよすぎ! ワンコなのにっ!! グラサン全く似合ってないのにっ!! でも、
鼻は!!?(潰れてるよなあ)
犬「ディーソード・ベガ!!」 おお、使い込まれた刃が光を帯びて新品のよな光沢を!! それだけの演出で、歴戦の猛者としてのドギー、しかもいまだ現役! って感じが出ていたような。剣ひとつでここまで思わせてくれるなんて、くそう、やられた。 って、おお!!? 右下に100ってカウント出てますよっ!!! で、そのカウントが雑魚を一人二人斬るとどんどん減っていって、 なるほど100人斬りかっ!! スゴい演出だ(笑) うわっ、残り30で五秒滅殺、何この展開!!! 燃えるよ!!! 犬「俺のハートに燃える火は、悪人どもには地獄の業火! 燃やし尽くすぜ、平和のために!!」 犬「俺の育てた五人が来たぜ」 犬「ジャッジメント!!」 犬「デリート許可!!!!!!」 犬「ディーソォォォドベガッ!!」 犬「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」 犬「ベガスラーーーァッシュ!!!!!!!!!!!!!!!」
ドカーン! 犬「これにて一件コンプリート。悪がいるから、俺は斬る」
って、一人で決めちゃった! 宇宙刑事かよ! 他の五人にいらねえぇ。 もう完全に脇役。あんたらは牛角のCMにでもでてなさいって感じでした(笑) うわあ、デカマスターセット欲しくなってしまった。 最っ高! まさに、子供のためのヒーロー番組。やはり、スーパーヒーローは王道の更に王道を行く演出で攻めねば! 大人な我々は、それを横から見せてもらっているんだなあと実感しました。
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徒然と、かなり昔に紹介したWEB拍手を導入してみました。 試しに押してみてくだされ。
コレ↓
(現在、解除中です。) 登録制だから自サーバーにも負担をかけず、タグを貼り付けるだけって言うお手軽さがいいです。(配布版はもう少し苦労しますが) IPやホストも記録配布していないので気も楽。 今まで書き込みをするのをためらっていた人もこれならばんばん押してくれるかもしれませんね。
現在登録サイト数48000(5/9現在) すごいですね〜。自分も色んなところで見かけます。 自分みたいにレス考えるのに一時間かかっちゃうよ、みたいな人間にはこういうのがついているとありがたいんですよねえ。もっと流行って欲しいです。
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母の日ということで、芋焼酎をプレゼントしました。 な ぜ に 芋 焼 酎 ? そういう家族です(笑)
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「...なにこれ」 「何って、母の日祝い」 「...普通、カーネーションとかにしない?」 咥えタバコをピコピコと揺らして、母上が眉をひそめた。「なぜにビー券?」 「サラダオイルのほうがよかったか?」 「...いや、まあ、あんがと。もちろんこの券渡せば買ってきてくれるのよね?」 「それはサービス対象外だ」 「あ、そういや、ウチまだあんたのお買い物券持ってたりすんのよね。無期限の奴」 「...らじゃー」
(『無題』)
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■2004年05月08日(土)
仔犬のワルツ。
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仔犬のワルツをなんとなくよく見てます。エンタの神様を見るためにテレビ付けっ放しにしていると言うのが一番の理由なんですが、いやいやいや、中々どうしてエンタの神様よりはっちゃけてます(笑) ピアニスト達の場取るオーディション&遺産相続レースみたいな話で、 6時間耐久『森の狩人』 引き続けとか(ヴェクサシオンの三分の一だ:笑)、 狭い箱の中で延々大音量の音楽聞かされるとか、 まさに拷問のごとき種目の数々。 こんなレースで生き残るのは、ピアニストじゃなくて変人だ(笑) 最後はシナファイ(※) とか弾くんじゃなかろうか。
※シナファイ・・・以前とくダネ! でやってた演奏不可能、弾けば指が血に塗れる、とまで言われているクセナキスと言う人の超難曲。最高10段ぐらいの譜面を1人で弾くという無茶さ加減、なのに大井浩明と言う人がテレビで弾いていた。あの指の動きは人間業じゃなかったなあ。
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「あのさ、キタハジ」 と、ランクルの運転席に馬にでも乗るかのような勢いで滑り込み、「一つ言って置きたいんだけどさ」 「俺も一つ言っておきたい」 憮然と、助手席に乗り込んで、「俺はキタハジじゃなくて、喜多聡だ」 「ああ、そう。わたしは片梨ひらり」 さほど反省した様子もなく、彼女はステーキにナイフでも突き立てるかのような勢いでキーを差し込み、「そんなことはちゃいしてね、キタハジって秘密守れる?」 「口は悪い方だ」 「うん、それは分かってるけど」 幾分いらだった口調で、鍵を回す。「あのね、女の子助けたいんでしょ、冗談言ってる場合じゃないんだよ」 ガコガコと、目まぐるしくギアを動かし、クラッチを踏んでアクセルをふかす。 「口が悪いから言わせてもらうけどな。秘密ってのはいちいち守るとか聞くもんじゃなくて、何に気付いていても必要がなければ黙っててやることを言うんだよ」 ディーゼルエンジンでも積んでるのかというほどやかましい排気音。ひらりが、アクセルを何度も何度も踏み込んでいる。 「ん〜てことは、あたしのことも大体解ってたってことよね」 「いいから、早く行け。うちの生徒の命がかかってんだぞ」 「ういうい。カッコイイネェ、おにぃちゃん」 にやにやと。 ひらりは回転数が上がったエンジンをクラッチにかませた。 「うるせ」 え、まで出ずに声が潰れた。 急加速で体がシートに押し付けられる。 「舌かむよ。この子、アスファルトの上じゃ不機嫌だから」 車庫を一瞬で抜けて淀みないステア。わざととしか思えないようなタイミングでタイヤを滑らせ、直角に回転。 「キング・オブ・オフローダーなんか街中で走らすな!」 「しかたないじゃん。向こうでこれしか運転してなかったんだから、ねえ!」 ギアをどんどん入れ替えながらも車道に出た。 「なんだ!」 「日本って、左側車線でよかったんだったっけ!?」 「代われ! 俺の方がなんぼかマシだ!!」 「だーいじょうぶ。これでもあたし適性検査 Fなんだから」 「そりゃ乗るなっつーコトじゃねーかっ!」 「え、そうだったの? ま、いいや。もーまんたい、なんくるないさ、ぽれぽれはくなまたたー」 「じゃかあっしいわい!!」
(『無題』)
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久々に車を運転しました。 車線どころか、ギアの入れ方も忘れてしまっていてあせりました。(しかもオートマ) | | |
■2004年05月07日(金)
ガッシュが二日連続で
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金色のガッシュが二日連続でやってましたが、それでも関東から遅れに遅れまくってるよ、オロローン。 サンビームさんはいつになったら出てくるのやら。
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『え! ぬせどぉす』 ↓ 『E NUSEDUOS』 ↓ 『SOUDESUN E』 ↓ 『そーですね!』
――バンザーイ!!
...ムーンウォークでカートを運ぶアテンダントを見て、正行にも、なんとなく現状が読めてきた。とても信じられたものでもないが、信じる信じないなんて関係がなく、目の前でことが起こっていればどうでもいい話だった。受け入れざるを得ない。 「まあ、俺なんて最初クラーク・ケントが地球を逆回転させたんじゃねえかって思ったもんだよ」 けけけと、笑うアロハシャツの男。 人をのなめたような顔つきの不思議な男だった。白から黄色にかけての肌、だけどアジア人にも、欧米人にも見えない。あえて言えば日本人。体系も日本人だ。長い一筋に束ねた黒髪を背中まで伸ばして、黄色のアロハシャツをジンベエの様に着こなしている。サンダルと胸元にグラサンと、まるでバカンスにでも出かける旅行客のような格好だった。ハワイに行くのなら納得出来るが、何ゆえタイ行きの航空便に載っているのだろうか。 「逆回転って、それは今のこの状況と何か関係が?」 「なんだスーパーマンも知らねえのかよ? 時代感じちまうなあ。ま、俺も見たの随分後になってからだけど」 シートを大胆にも2人分使ってどっかりと寝そべった男は、通路側に頭を寝かせてあおむけ逆さの状態でこちらを睨んだ。 「巻き戻ってるんだよ、世界がな」 さも当然の事実を告げるように、男はそう言ってのけた。 それは、状況を見る限りでは正行にも納得できる話だったが、しかし納得できたからと言ってそれが何だというのだ。 「...何で世界がいきなり巻き戻らなけりゃならないんだよ」 平淡な声で、正行はそう漏らした。 「ま、当然の疑問だな」 男は、こちらがそう言うのを見越してきたかのような口調で、「いっぱいあるぞ。それこそ、人は死んだらどうなるのかの回答みたいな感じで。聞きたいか?」 めんどくさそうに言う男の声だけで、正行は嫌気が差して首を振った。 「...つまり、よく解かっていないってことか?」 「解かってはいる。それぞれの分野がそれぞれなりの説を唱えて、それを信じて、それなりの回答をして死んでいったさ。生憎、この巻き戻りを直した奴はまだいないけどな」 「死んだ?」 「ああ、死ぬってのはこの場合、赤ん坊に帰る事だな。人間ってのはどうも年をとってもボケるらしいけど、若返りすぎてもボケるみたいだ」 なるほど。 状況は理解した。 だが、理解したことで、更に解からなくなってきた問題が、どんどんどんどんと現れ始めて、一体何を聞けばいいのかが解からなくなってくる。 「別に“それ以外”は元の世界とかわらねえさ。こうやって」 と、そいつはアテンダントのカートから紙コップのビールを無断で取った。「物に触れることも出来れば、飲み食いだって出来る」 男は、ビールをぐびりと飲み干して、紙コップを通路に捨てた。 「スチュワーデスのカート見てみな」 「え?」 「ビールがまだあるだろ」 目を凝らす。既に遠くにバックしていたアテンダントのカートが、先ほどよりも物であふれている。見れば、アテンダントが金を払い、客が商品を渡している。 そしてそのカートの上には。 「あ、本とだ」 ビールの紙コップがまだ残っていた。 「で、さっき俺が捨てた紙コップを見てみろ」 「無い...!? まさか、さっきまであったはずだ」 男は、寝たままの姿勢で欠伸を一つかいた。 「ま、つまりこういう世界だってことさ」
(『Rollback』)
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■2004年05月06日(木)
極限見終わりましたー
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ネットで視聴者プレゼントやってたから送っとこう...。 犯人わかりませんでしたねー。 いや、わかるような話の内容でもなかったんですが。 ともかく、面白かったです。 色々謎な部分が残ってましたが、原作だと補完されてるのでしょうか。 それとも、以下続刊? 一度確かめておこう...
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つまりそこが問題なのだ。 「保険制度を独占する墓守協会ってのは、強く宗教の影響下にある。 知ってるか? 宗教ってのは大抵が自殺を認めていない」 「ええ」 と、メイが鷹揚に頷いた。「死後の世界を夢見られるのは、生きてる間だけですからね」 などと、深いような深くないような台詞を呟きつつ、遊歩道を歩く。 既に街から郊外へ2時間も歩いていると言うのに、彼女の足取りはいまだ溌剌としたモノだった。歩幅が二倍近く違うと言うのに疲れもしないらしい。 「えっと、墓守協会も自殺を認めてないっていうことですよね。だから」 「ああ、だから保険金は下りない。オークノートの保険はあくまで“墓守協会に寄付をしてきた人物の遺族に対してカンパをする”って建前だからな。まさか宗教の冒涜者にカンパするわけにもいかんだろ」 「ふうん。世知辛いのですね」 「まあ、自殺者にまで保険金を下ろしてたら経営も辛くなるだろうし。けどまあ、保険制度を考えたスーガイタって国じゃ、課金年月が一年以上だとかそう言う条件次第で自殺者にも降りるそうだから、宗教上の理由が一番デカいんだろうさ」 などと気のないやり取りを交わしているうちに遊歩道は終わりに近づき、鬱蒼とした木々の間から校舎が見えてきた。 オークノート市立ノートン商業高校。その名の通り商業系の市立高校だ。 市立だけあって、授業料が安く就職率も良い、郊外にあるにもかかわらずオークノートの少年少女たちの受験倍率は高い。 ヤナシは、自営業の傍らここの非常勤講師を勤めており、スイミングサークルの顧問も勤めていた。 ――そしてプールの中央で水死体として発見されたのだが、 「確かプールは校舎の東だったな。屋根付きって事らしいが...」 「そこにヤナシさんの娘さんが居られるのでしょうか?」 「さあな」 と、建物から視線を移動させると、メイがバックパックから杖――水晶の根付がついた登山杖を取り出しいた。 「? なにしてんだ?」 「聴取した情報を緩衝領域に呼び出します」 杖の水晶が、青く灯る。「そですね、鞄から必要なファイルを取り出して読み直しているといった感じでしょうか」 メイが杖を降ると、蛍の光ほどのさやかな光はあっさりと消え去った。 「ヤナシ・ウェルストン。死因は水死でしたね。そして屍骸から得た情報では自殺。...自殺ですか」 メイの口からため息が漏れた。 「疲れたか?」 と言うわけでもなさそうだが、 「いえ...」 いつになく静かな口調だった。「宗教観が混在するオークノートなら、あるいはとは思いましたが」 神妙な顔でうつむく。 「...」 何を? と聞くような雰囲気でもなかった、無言で促す。 「人は何故自殺を拒むのでしょう」 ふとした疑問を口にするように、彼女は振り向いてタツマを見上げた。「何故、それでも人は...自殺するのでしょう」 透き通るブルーの瞳。遠く、平淡な、濡らした磨りガラス越しに空の奥底を覗くかのような、そんな瞳。 「人間は、悔いを残して死にます。事故、殺人、病死、自然死。残した悔いの量は大小しますが、例外はありません。そして屍骸術師はそれにつけ入り、屍骸と契約を交わすのです」 ですが、と彼女は続ける。「ですが、自殺者には悔いが残りません。どれだけ、後ろめたくあろうと、自ら死を望んだその瞬間は、何もかもを肯定してしまいますから」 「...」 望んだ死を迎えるものは幸福で、望まない死を迎えるものは不幸だ。 ならば自殺はどうだろうか。 自ら望んで死を迎えるとすれば、少なくとも望まない死ではない。 だとすると、その瞬間だけは、幸せが訪れていることになる。 「屍骸術師は、悔いを残さない自殺者の屍骸とは契約が出来ません」 「...は?」 「なのに、ヤナシ・ウィルストンはわたしに悔いを伝え、その悔いを晴らすことを約束に契約を交わしました。『娘を、よろしく頼む』 と」 「ちょ、ちょっとまて。君、それって...」 彼女の瞳は、元の色を取り戻し、オークノートでも有数の商業高校。その校舎をじっと見据えていた。 「タツマさん。ヤナシ・ウィルストンは自殺ではありません。事故か、あるいは...殺されたのです」
(『屍骸術師と保険金』)
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■2004年05月05日(水)
とりびあーん
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『きみの意見には賛同できない。 が、その意見を述べる権利は死んでも守る。』 (ヴォルテール)
『きみの意見には賛同する。 が、その意見を述べる権利は死んでも認めない。』 (西尾維新)
・ ・ ・ さ、あなたはどっち? 自分は、どっちでしょうね。 どっちも好きですけど、前者の方が強いかも。
上は民主主義を語る時にあまりにも有名な言葉(らしい)、原文は英語なので西尾さんの文章にあわせてみました。 西尾さんのはそれのもじりですね。 もじりなのに、本来の言葉にも勝るとも劣らず深い意味があります。 真逆の意味に感じられないところがまたいいです。 なんだか、ジョジョっぽいけど(笑) あと、調べたらヴォルテールの言葉じゃないと言う説も。リンカーンの桜の枝みたいな後に作られた逸話だったとかなんとか。
そう言えば、トリビアで「4分33秒」 が出てました。 以前、絵掲示板でミスって白紙投稿をした時に、こじ付けで引用した覚えがありますが...そうか、トリビアだったのか(笑) 実際に演奏されてました。なんだか面白そうでした。 オーケストラバージョンも是非聞いてみたい(笑) 演奏に18時間かかる「ヴェクサシオン(嫌がらせ)」 のネタも面白かったです。 圧巻は「日本刀VSピストル」 で、まさか刃に撃った銃弾が真っ二つになるとは...しかも刃毀れなし! 漫画だけの世界かと思ってました。 でも二つに分かれると逆に危なそう(笑)
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不味いと思う酒ほどよく酔える。 特にワインは一発で酔えた。 だから、俺はワインが好きだった。
(『神様の愛し方』)
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■2004年05月04日(火)
極限推理を楽しんでいます。
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「極限推理コロシアム」 と言う推理小説のドラマが、関西地区で四夜連続でやっていて、それを見るのが最近の楽しみです。 原作は読んだこと無いのですが、メフィストの小説大賞の作品のようでして、俗に言う館モノ? 極限推理の名の通り、いきなり拉致された主人公達が、『夏の館』 と言う館に閉じ込められ、殺人ゲームに巻き込まれるという話です。主人公達は拉致してきた支配人の指示通りに、その犯人を当てなければならない。 しかも、『夏の館』 と同様に『冬の館』 というところでも同様のゲームが行われていて、そっちの犯人も当てなければならない。 見事二人の犯人を当てれば当てた館の人間全員に1000万、当てられなかった方はは皆殺し。もちろん一度でも外れれば皆殺し。 と言うまさに極限推理。 まさかこれ系(対象年齢が青年ぐらいの推理モノ。西尾維新や京極夏彦もこの辺に入る)の小説がドラマになるとは。 いやはや、嬉しい限り。 これからもどんどんなって欲しいです。(でも何故に関西限定?)
原作知らないので本当に楽しめて観れています。 失礼かもしれませんが、原作モノを読む時は原作を知らない方が楽しめますね。 逆のパターン...は、やったことないから解かりませんが。どうなるんでしょうね? 映画を見たあとに原作を読むってどんな感じだろう。
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「自殺か、やっかいな」 マジでやっかいだ。 このままファイルを放り投げて中央公園にでも散歩に行きたいところだった。 「ひゃっはいへふか」 ずぞぞ〜。 「食べてから喋れ」 「ひゃい」 と、ざる蕎麦をもぐもぐ。「それって、紙パックにストローが落ちるより厄介ですか?」 「...そっちの方が厄介な気もするが」 そんな戦慄級の危機的状況、どうすればいいのかさっぱりわからない。 こっちはといえば判りきっていた。 自殺。 近年その件数が雪ダルマ式に増大し、オークノート市警を悩ませている。 理由は簡単だ。
墓守協会主催の課金式遺族義援金制度。いわゆる、 ――『生命保険』
なんてものが広く背間に認知され始めたからである。 「命がお金になるなんて変な世の中ですよね」 臆面もなく呟くメイ。蕎麦を持つ箸を止め、「...なんですか、その何か言いたげな目は」 「いや、なんでもない」 目が口ほどにものを言った。 注意しよう。 「ま、生命保険自体はいいシステムだとは思うがな。まだまだ使う人間の幼稚さが否めないってだけだ」 だから安易に自殺に走る者が増える。 これはそう言う事件だ。 メイが箸を持つ手を止めて「でも」 と、小首を傾げた。「自殺だとお金が入らないのではないのですか?」
(『屍骸術師と保険金』)
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■2004年05月03日(月)
雨。
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| 「あ〜あ。なんか気ぃ抜けちゃった」 彼女は空を見上げていて、だから表情は見えなかった。けれどきっと笑顔だろう。想像でごまかす。 「風も無いのに吹かれちゃったタンポポの綿毛って感じ」 そう言って彼女は、親指と人差し指をつまんで、その指先をふっと吹いた。開いて、飛んでいった綿毛を追うかのように空を仰ぐ。 「いろいろ期待してたのになあ。こう、人生最大のめーんえべんと? だったのよ、まじで。だからどうせなら全力全快最速最高のタイミングで飛び立ってやろうっ」 言葉尻に勢いをつけ、その声で彼女はフェンスを蹴った。自分よりも背の高いフェンスの天辺から遥か大空へ舞い上がるように。そして、 「ってさ。考えてたの」 ふわりと、しなやかに身を屈めて――それこそタンポポの綿毛のような身軽さで降り立つ。セミロングの柔らかな髪がうなじからこぼれる。 膝を伸ばして立ち上がる彼女は、雫を乗せたレンゲのように爽やかな、想像通りの笑顔で。 湿気を帯びた空気の中、まるで春の風がそこにだけ吹き抜けたかのようだった。 あ、と彼女は小さな顎を空に向けてから、手を叩く。 「インストラクターに無理やり落とされたバンジージャンプの感じ、の方がしっくりくるかな」 ――それはどうだろう...
(『視れども飽かぬ』)
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そろそろ自販機で「あたたかい」 がなくなってきました。 この時期に冷たいの飲むと腹を壊すので困り気味。 ダイドーが比較的多く熱燗を入れてくれているので、最近のマイフェバリットはダイドーMコーヒー。熱量が多いので温まります。
雨が多い。 バイト中に雨が降ると、外に置いてある在庫(おかしな表現だ) を廊下に戻さないといけないのでてんやわんやです。 何故在庫が外にあるのかというと、スーパーってキャパシティの120%の勢いで発注するから、倉庫が足りなくて通路にまで商品がはみ出るんですよね。廊下が倉庫状態です。 で、そんな状態じゃ、邪魔でろくに働けないから日中は外に出すのです。 朝廊下から外に出して、営業が終われば中に入れ。 で、それが自分の朝一の仕事の訳で...もっと面積大きく作っとけばよかったんじゃあと思ったり、思わなかったり。 | | |
■2004年05月02日(日)
連休中の日曜日程つまらないものはない
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「あ、あの客」 と、監視カメラの映像を指差すと二宮さんが「何?」 と聞いてきた。 「昨日、他の客と喧嘩してた客だ」 「あ〜、そいつね。見てたよ」 頷く二宮さん。 この客は色々大変だった。とにかくわがままなのだ。客と喧嘩した理由も、このおっさんがレジの列に割り込んで、それを客に注意されたからだったりする。 「散々怒鳴り散らして、挙句に店長につまみ出されて、“もう来ねえ”とか喚いてたのになあ...」 何で来たんだろ。 「それがさ」 と、二宮さん。笑いを堪えるように口元に手を当て、 「外のカメラにさ、30分に一度ぐらい店の前行ったり来たりしてんのが映ってんのよ。う〜ろうろう〜ろうろ。っはっは。もう何がしたいんだかって感じ」 「ん〜後ろめたいとか?」 「けっ。どんな心境よ」 二宮さんはケラケラと笑った。 「でも結局来てるんですよねえ」 「ほーんと。どうしようもないねえ」 と、 「どうしようもないのはあんたたちよ」 パコン。パコン。 「あたっ!」 「いてっ?」 丸めたカレンダーのようなもので頭を後ろから叩かれた。 実際その通りで、振り向けばそこにカレンダーを丸めて鬼の形相をしたチェッカーチーフ。 「げ」 「ち、チーフ」 「なぁに監視カメラ見てニタニタしてんのよ」 気持ち悪い。と、汚物でも見るかのように。「人を裏から眺めて陰口叩いて楽しいか、あん? 盗撮マニアにでもなったつもり?」 「...言いすぎですよ、チーフ」 イスから身を起こして抗議すると、チーフは皮肉気な表情をすっと引っ込め神妙な顔をした。 「言い過ぎね。そう思う、二宮君?」 「...う、いやその、今の行為は悪かったとは思いますが」 「二宮さん?」 「“が”なによ?」 「い、いえ。自分たちが悪かったです、すみません」 二宮さんがうなだれて謝った。 「あんたは?」 「...すみませんでした」 正直、何が悪いのか解からなかったけど、二宮さんに謝られては俺も反論できない。しぶしぶ謝ってイスに座り直す。 「って、そんなこと言ってる場合じゃなかったわ。二人とも、暇だったらカートの整理頼めないかしら。西口に固まっちゃって、東口に一台もないのよ」 「え、あホントだ」 出入り口の映像を見ると、東口に買い物かごを乗っけるカートが無い。両方とも出入り口なのだが、反対の西口にはカートがどっさり。どうやら休日の混み具合で流れが出来たらしい。 「ホントだじゃないわよ。そういう所こそ、見てなさいよ」 チーフは腕を束ねて嘆息した。
(『タイトル未定』)
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まあ、実際問題、監視カメラはあんまり好きじゃありません。
どうも見ているときの人間が好きになれないんですよね。ニヤニヤと言うかなんと言うか。ニマニマでもいいけど。 いや、誰だってそうなるんです。自分だってなります。聖人君主だってなるんじゃないでしょうか。だから嫌なんです。 警備員だけ見ればいいんじゃないかなあとは思います。
あ、そう言えばバイト先の監視カメラの記録はHDDです。奮発してるなあ。 | | |
■2004年05月01日(土)
プラン9って懐かしい面子。
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エンタの神様に波田陽区が再登場ですからっ。残念っ! 最近ピン芸人多すぎじゃあ斬りっ!!(ズバシュ)
ヤ、残念じゃないんですけどね。 でも、青木さやかが出ると友近が出ないのは何故? 別にかぶってないと思うんだけどなあ。
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「相手を侮らないコト。自分が考え付くことを当人が思いつかないはずもない。 それを読み、じゃあなぜその考えに行き付いていないのかを考える。 馬鹿だから思いつかないのではなく、聡いからそうせざるを得なかった。そう推理をめぐらすこと。 自分が考えている時には相手も考えている。ゲームじゃないんだから、こちらのターン相手が動けないわけでもない。漫画じゃないんだから主人公が修行している時に敵ボスが修行していないなんてこともない。 漫才のツッコミがあるだろ? あれは本当に相方が馬鹿だと思ったらツッコミはツッコメない。 相手が賢い人間であることを理解して、その上で馬鹿なことをやっているのだと想像できない限り、ツッコミはボケをボケだと気づけない。 わかるか? お前は強い。だが、誰も信頼していない。 お前は強い。だから弱い。 敵が強く聡い人間であると仮定できないから、それを前提にした戦術が組めない。相手の弱さに意味を見出せない。 自分を過大に評価して、そしてそれを逆手に取られて敗れ去る。 ――いいか? ゆえにこれからお前が培うのは信頼、信用。そういったもの。 相手を過大に評価し、世の中に自分より愚かなものはいないと理解する修練。ただの戦士には到底無理な訓練ではあるが、これを経れば、油断という概念は自然と無くなる」
(『無題』)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ まあ、実際そんなもんです。 仕事でなにか一つミスを見つけても、実際のところそれはわざとそうなっているというのが多く、要するにミスを見つけたこと自体がミス。勘違いなわけです。 何か誤りを見つけたら、まず自分の勘違いを疑え。 | | |
■2004年04月30日(金)
ドラマガ購入。
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おっ、伝勇伝特集。 ...隔月刊行とは、やるなあ。 とめどなく伝勇伝、賛成だ(笑)
イラストマイスターは...予想通りかな。 くさなぎさんの絵はユーモアがあって好きだなあ。あ、けど5点差だ。接戦だったのか...。 ん、固定ファンが票を伸ばしたとか書いてある。やな言い方。 それとも、固定ファンが分かるほど投票数少ないのかな。同点が結構あったみたいだし、1位が3桁で、2位から2桁ぐらいかも。 制度が変わるようです。 二年度からは半年短期勝負。これはいいかも。点差が開きすぎて後半で姿を見せなくなった人もいましたし。 あと、点数のつけ方に変化がつい多模様。1位から10点、6点、3点、2点で、5位まで。なるほど、打率より打点重視ってところでしょうか(?) 5位までしか載らないとなると、殆どの人の結果が分からなくなりますね。 ランクインまでもう少しの人! とかそう言うコーナーがあってもいいかも。もち、アドバイスつきで。
おお! オマケ、ドラスタのカード表だ。 うおぉ! 複写眼のライナめっちゃほすぃ!! 他にはライナ&リナ リナ&ゼロス アザリー&オーフェン おお、マリア教師に、ルシル・エリス、シンドレッドに南雲にジェディスさんにジェ、ジェット気流って乗り物なの?
連載陣は...ん〜どれも途中経過だなあ。 伝勇伝がストーリーに入ったんでそこは満足。
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馬車が走る。これでもかってぐらいに走っている。 「なななななんなんだ。いったいなんなんだってんだよ、タダのレースじゃなかったのかよ!」 ていうか馬車は勝手に走ってる。御者のライナの意思なんてお構い無しだ。 と言うのも馬車馬が後方の爆音やら衝撃波やら熱波やらピコピコ☆とかいう音に怯えまくっているからで、 「...どこだどこだどこでおかしくなっちまった? いやもうなんもかも全ておかしいって、さっきからどこの国とも違う変な魔法やら武器やら、機械とか、そんなのまでドチャドチャと。しかも全員ありえないぐらいに強えし! 特にあの栗毛の魔法使い!! 竜破斬(とか言ったか? 山一つ消し飛ぶなんて勇者の遺物級の魔法、いったいどこの国の...ってまた来た!」 ちゅどご〜ん、と。馬車の後方で派手な爆発が巻き起こる。 二発三発四発、どんどんと爆発は近くなって来て、御者台のライナはその轟音に青ざめ、 「フェリス!!」 「ん、なんとかしろ」 馬車の幌上の超絶美少(自称&他称) は涼しい顔してだんごをパクついたまま。 「だぁあああああああ! 運転席からじゃ迎撃なんてできねえって!! マジ死ぬ! マジやべえ!!」 血相を変えて叫ぶライナ。打って変わって、フェリスはゆっくりと空を見上げて、 「ふむ、大きいのが来たな。今度のはみごとなまでに直撃コースだ」 「感心してんじゃねえ! せめて御者だけでも変わってくれよ」 「ダメだ、今忙しい」 「ってそういって、どうせいつもみたいにただのんびりとだんご食ってるだけだろうが」 「危ないっ!!」 と、突然ものすごい勢いでフェリスが剣を抜き放ち、 「うわっ!」 そしてそれをライナが慌ててよけて、ジト目で、 「...で?」 「ん、危なかったな。貴様は危うく世界を敵に回すところだった」 「なにがっ...って、ああハイハイどうせまた車上でダンゴを食べる至福のひと時を妨害するなど神をも恐れぬ発言がどうとか言うんだろ? だぁから、今はそんないつもの話してる場合じゃなくって...ってか来たっ来た!! フェリス!! 何とかしてくれ、頼む!!」 「...やれやれ」 あきれた声を出したかと思うと、フェリスはライナの首筋につけていた剣を返し、刃先をライナの襟首に引っ掛け、 「へっ?」 ぽいっと、そんな軽い感じの動作で、ライナは尋常ではない力を受けて馬車から虚空へと放り出された。その先には迫り来る火炎の弾がやってきていて、 「要望通り、貴様の重たい腰を何とかした。さあ、存分に盾となりこの馬車を」 「っだぁああああ、そんなんで護るかよ! くそったれ!!」 毒づく間にも、火炎球(はどんどんと近づいてきていて、 空高く放り投げられたライナはそれを刹那の間じっくりと見据える。 ――とたん、ライナの右目に朱の五方星が現れ、 「範囲200...威力...うわ、アレ爆発するのかよ」 と、初めて見たはずのその魔法を信じられない速度で、構成、法則を読み取り効果と性質を見極めていく。 すべての魔法を読み取り、我が物とする複写眼(。てんででたらめなレースの中では、忌まわしきこの瞳だけが頼りだった。 「干渉は難しいけど、だったら馬車に届く前に何かぶつけて爆発させれば...って、迎撃の前に爆発するアレンジがしてあるな。てことは、この術は目くらましで、さしずめ本命は」 と、つぶやいている間にもライナの指が高速で魔法陣を描き始め、 同時に頭の中で、とある先程“覚えたばかり”の術構成を頭に浮かべ、 そして―― 「我は呼ぶ破裂の姉妹!」 “声”の届くギリギリで衝撃波が発生する。 そして、結果を見ないうちに空中で反転して、 「求めるは焼原(>>>・紅」 今度は馬車の"前方の地面"を舐めるように炎が魔法陣から解きはなたれる。 ローランド特有の文様を媒介にした魔法と、先ほど遭遇した黒ずくめで目つきの悪い――これもまた化け物のような魔法使いから複写した音声を媒介にした魔法との同時併用。いくら、ライナが複写眼の保持者とは言え、かなりの荒業ではあった。 後方の火炎球が衝撃波で爆散するのと、荒れ狂う火炎が前方の地面に現れた"氷の蔦"がそれに絡め取るように蒸発するのは同時だった。 うそっ!? とか、そんな感じの声が氷窟蔦(の発生したと思しき茂みから聞こえて...遠くなっていく。 馬は未だに狂ったように走っていて、御者の必要など全く無かった。 幌の上に着地したライナは開口一番。 「よぉし、今の内に逃げんぞ!!」 「ん、追い討ちしないのか?」 相変わらず団子を食べているフェリスは、腹の立つほど優雅にたずねた。 「...あのなぁ、あんな化けモン相手に戦えるかよ。フェリスだってさっきあの魔術師にくっついてた金髪の剣士に苦戦してただろうが」 「ん、あの者とは中々気が合ってだな。ついつい勝負を忘れてダンゴの話に」 「嘘付けっ!? めいっぱい打ち合いしてただろうが!! ...あ、いやそういえばあんときお前らボソボソとずっと喋ってた...って、人が死にそうな思いしてる横でそんなこと話してたのかよ!!」 「聞けばあの剣士、例の栗毛の魔法使いの保護者だというではないか。奇遇なことにこちらも理性と欲望の赴くままに誰彼構わず人を襲う変態色情狂男の保護観察者。奇遇の者どうし積もる話もあるというもの」 「保護者と保護観察じゃ意味が違うっ、つーか何気に犯罪者!? だいたい理性と欲望じゃ常時どう転んでも変態色情狂ってことじゃねーか! ...ああああもうどうでもいいや。俺は寝る。もう寝る。賞金とか、勇者の異物とか知ったことか、リタイアして残りのターン全部寝て寝つくしてやる!!」 「そんなに永遠に寝たいというのなら今すぐにでも」 「だぁああああ! 結局それかよ!!」
(『伝説のレースの伝説』)
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と、言うわけで、ドラスタの小説。 うわ、小説の二次創作(ドラスタってあたりある意味四次元) ってこれが初めてだ。 ライナはもっと、怠け者ですね。失敗。リナの扱いが何気にひどいと反省。 伝勇伝は国ごとに様々な形態の魔法が存在して、その魔法の構成方法、術法はどの国においてもトップシークレット、他国に魔法がバレるということは即ち国の滅亡すら招きかねないと言う世界観です。 そんな世界だから、瞳に写しただけで術を解析して、なおかつ真似て使うことのできる複写眼はこの世界では国すら滅ぼしかねない特異な能力なわけで、そう言う設定がかっこいいんですよね。 まさに、一人多国籍軍(笑) ライナの使う魔法ではエスタブール国の、 「我・契約文を捧げ・大地に眠る悪意の精獣を宿す」 という、脳のリミッターを外して体を酷使できる魔法がお気に入りです。 書きたかったのに、紙幅がたりんかった...今度書こう。 | | | |
■2004年04月29日(木)
映画デー
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コナンの映画見てきました。 今日は会員デーだったんですね。
映画の内容について触れるのは、まあとりあえずやめておき。
ここは一つ映画の最後に出てくるお約束のあのテロップと、 自分がそれに対して思った所感とをあわせて、 コメントとさせていただきます。
あのテロップ
↓
『この作品はフィクションです』
わかっとるわぁあ〜〜〜〜〜〜!!!
おいおいおいおいおいおいおいおいおい! もう無茶苦茶(汗) いやあ、すげえブッ飛んだ展開でした(笑) でも、推理シナリオをそこそこにクライムアクションに持って行ったのは、いい構成かも。
自分的に思わずおっとなったシーンがありまして、 劇中で演劇をするんですよね。その時の空気や音が妙にリアルでおおおっと1人で感心していました。 静かな深海にでも沈んだかのような静寂と、さながらソナーのように響く役者の声。客の緊張。舞台上の荘厳なまでの眩しさ。 映画としては何てことのない掴みのシーンなんですが、マジで魅入ってしまいました。
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と、言うわけで私の出番となってしまった。 吊り橋の向こうには桂介。おでこを叩いて「次は何でいくか」 必死で考えている。そりゃそうだ、あいつ、これでもう部長と希生さんとで3回目だし。 最初はただ単にわがままな人、次は飛行機に間に合わない人と設定付き、次はなんだろ? ちなみに部長は何故かぶりっこ風の女子大生(おねが〜い♪の一言で桂介KO)、希生さんは仕事明けの疲れた芸人。話を聞かずに我を通すなんて、普段に見合わない早口まくしたての関西弁で、なんていうか皆ちゃんと演技してるんだなあって感じ。 でも、桂介だけはほとんど素だったような。 「よし、いいぞ」 桂介が、腹をくくった様子で立ち位置に付いた。 「長谷川、準備はいいか?」 「あ、はい、いつでもどうそ」 「よし、じゃ、10秒集中...よーい」 パン―― 雪路部長が拍手を打って、私は教室の床中央へと走り出した。 今回私が考えたネタは塾に遅刻しそうな人。最初は捻らず身近な演技の方がいいと雪路部長のアドバイスである。 と、橋の中央で鉢合わせた。 それから、あ、えっと、なんだったっけ? 「あ、あの、すみません、い、急いでるんでその...」 わっちゃ〜、しどろもどろ。 いろいろ台詞組み立ててたんだけど、桂介の前に立ったとたん全然思いつかないでやんの。恋する少女かわたしゃ。 きょとんとした桂介がふっと、口を緩めて、 「まぁ。話しがまとまってないんなら、まとまってからじっくり聞いてやるからさ。とりあえず向こう行こうぜ、な」 あ、余裕の笑み。むっか。余裕ぶっこいてやがるわ。 桂介の目をきっと睨む。知らず俯いて口を見ていたらしい。 「そんな時間無いの! これから塾があるんだから! こちとら受験生なのよ」 「お」 お、ちょっとひるんだ。あ、隙見っけ。 「じっくり聞く暇あるんだったら、悪いけど一旦戻ってもらうからね」 「あ」 「いい?」 「う」 「えお...じゃなくて、さ、どいてっ!」 パン―― 「それまで。桂介の負け」
ありゃ? 桂介、結局何がやりたかったんだろ。 「いや、行き当たりばったりにしようかと思って」 さよか。
(『TakeBack's』)
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ネタが思いつかないので、雰囲気重視で書いてみました。 吊り橋のエチュードは第三舞台「リレイヤー3」 でやっている劇中の劇団の練習です。演劇部でも練習に取り入れてました。第三舞台ファンが多いんですよね、あの部。 | | |
■2004年04月27日(火)
狙っている玩具がありまして
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でもどこにも売っていないんですよね。
って、題名から続けて書く方法があるから題名の項目はやっぱりいるかな。
『吉永さん家のガーゴイル2』 読みました。 二巻目だし、しばらく今あるキャラをコロコロと転がしていくのかなあと思ったら、今回も吉永家に負けないニューキャラ登場。飛ばしてくれます。 怪盗百色登場! すごい面白かったです。 でも、吉永家が最強なのは変わりませんね。吉永家コンボ強し!(笑) 最近はファミ通文庫も何気にいい仕事していて、読者として嬉しい限り。 電撃系とはまた違ったフットワークの軽さがあるというかなんと言うか、エンタメポップな感じがします。
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「エチュードをやる」 「エチュード?」 首を傾げる千里に雪路部長はニマリと笑って、 「即興劇だ。今から私がある題目を出す。お前らはその題目に沿ってアドリブで演技をする、それだけだ。簡単だろ?」 おお、それはなんだか本格っぽい。 希生さんが教室の机を前へかたし始め、桂介が後方に出来たスペースに出てきた。 「何やります? 吊り橋、自己紹介?」 「そうだな。自己紹介のほうが簡単だが、吊橋の方がおもしれぇし...」 などと部長は呟いたが、次の言葉はそれはもう一瞬だった。「吊り橋にするか」 「言うと思った」 肩をすくめる桂介。この辺のオーバーな仕草がなんだか演劇部員っぽい。 と、桂介は教室後ろの入り口で床を指差して、 「いいか、ここに吊り橋がある」 そして、ついっと対面の窓にまで線を引くようにその指を移動させた。 「この吊り橋はとても幅が狭く、人一人分しか渡れない。で、この両端から二人がやって来て真ん中で鉢合わせるわけだ」 細い道がそこにあるかのようにゆっくりと、桂介は床を歩く。 それに付き合うように雪路部長が窓側の方から歩いてきて、千里の見ている真ん中で桂介と鉢合わせた。 「二人は理由があって、一刻も早く向こう岸に渡りたい。だけど、この状況じゃどちらか一方にバックして貰うしかない」 「...ま、要するに」 と、これは雪路部長。「その行きたい気持ちを演技で表現して、相手を戻らせたら勝ちってことだ。ちなみに」 言うなり部長は桂介の襟を引っつかんで持ち上げた。 って、うわっ。本当に持ち上がってるよ。身長差10cmぐらいありそうなのに。 「っちょっ、こら部長、持ち上げんなっ」 「こうやって、体に触れるのは禁止」 「ったり前だ!」 桂介が、ちょっと顔を赤らめて抗議している。 「じゃないと全部部長が暴力で勝っちま」 「無論、こーうやって押したり殴ったり蹴飛ばしたり落としたり投げ飛ばしてそこの上を歩こうとするのも禁止。あくまで演技力で勝負するように」 耳障りな発声をして床に倒れた桂介はさておき、それは中々楽しそうなゲームだ。演技力だけではたして相手が退くのかどうかわからないけど。 「あ、でも、この状況って実際なら」 「実際なら、四つんばいになってそこを跨ったらとか、体半分ずつですれ違えばとかそう言う身も蓋も無いことを言う以外だったら質問は受け付ける。で、なんだ?」 「...い、いいいえなんでもないっす」 あわてて首を振る。 雪路部長はふんと鼻を鳴らして、 「ま、一度やればわかるだろ。おい桂介何、寝転んでるんだ、模範演技やんぞ」 「...へーへー」
(『TakeBack's』)
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■2004年04月26日(月)
題名の項目無くそうかな。
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『ヒトクイマジカル〜殺戮奇術の匂宮兄妹〜』 読み終えました。 ジョジョネタが多い(笑) 普通に漫画を引き合いに出すのが凄いと思います。まさに新青春エンタ。 現代モノで今の漫画について触れないなんて、現実じゃあまあ無いですからね〜。 「そ、僕は自動的……じゃあ、ねえけどな!」 とかも最高(笑) そして序盤のノリと、後半のキレ。何よりキャラのよさ。ていうか、変人多すぎ。しかも、いい人どんどんばしばし死んでいくし。ぼくの厄病神っぷりに磨きがかかってるなあ(笑) でも、今回ぼく(主人公) がちょっと進歩したしその辺も満足。いや、みいこさん最高です。あ、でも春日さんもいいし、ラストで出てきた看護婦さんもでもやっぱり哀川さんは今回で番少なかったし、崩子ちゃんは最後にぶっ飛ばしてくれたたけど、でも今回はやっぱり姫ちゃんかな。ラストの、 ありがとう。 あのぼくがあの台詞を言うという、あれがもう。
いやはや、最近良い小説ばっかり読んでいて嬉しい限りです。
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千里「ね、ね、ね。知ってた!? 金閣寺って銀閣寺にオレンジ色を塗っただけなんだって!!」 みずの「千里、それ違う...」
(『TakeBack's』)
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■2004年04月25日(日)
徒然。
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消火器の詐欺まがいが多発しているらしく、見知らぬサインはするなと言われました。 なんでも、既存の会社の下請けを装ってくるらしいです 余裕のある人は、その会社の担当者や電話番号聞いて撃退。 無い人は、事務員にまかせよう。
発注ミス(向こうの営業の方が悪いらしいけど) まるごとバナナが通常の二倍納品されました。お陰で今日はまるごとバナナが、一個100円。 なるほど、たまにチラシにも無い商品がいきなり安かったりするけど、こういうことか(笑) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「万物ノ力ヲ体現ス。我ハ世界ノ杖ナリ」 リィィン―― 鈴の音を引き伸ばしたような澄んだ音。 「踏査(」 杖の先端に灯る天使の輪(――法則語魔法陣。 それは、史上最古に、世界が呟いた言葉。 万物の理を構築する、最大最小単位の言語。 円陣が揺らぎ、震え、蒼い波が薄暗い地下室を満たして。 そして、メイは唱える。まるで詩を紡ぐかのように。 長い音、細い音、短い音、太い音、詠韻を踏み、陰影に富み、人に聞こえることも無く、世界に現れ、世界の内に消え去る、脆弱な歌詞。 律動を乱すこともなく、坦々と、訥々と、浪々と、詠々と。 故に黙々と。 「2...1...完了。半覚醒状態(で起動します」 しばらくして、亡骸がピクリと動く。 そして、蒼白の口から息が漏れ始めた。
――ややあって、メイは玉の汗を拭い、ふうとパイプ椅子に腰をかけ。 「...どうぞ」 と、腿の間に待機状態の杖を挟みこんで、こちらを促す。 タツマは頷いてから、ファイルを手に尋問を開始した。 「ヤナシ・ウィルストン。2,3、聞きたいことがある」 「――はい」
(『屍骸術師とやさぐれ警部』)
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■2004年04月24日(土)
ん、あれ?
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うわ、げんしけんアニメ化? 何でもアニメになるなあ。
さて、いつもはコピペなしリアルタイムで書いてるんですが、今回は没原稿から。 モンコレ小説。珍しく元ネタありものです。『ひよ杯』 に出そうと思ってたんですけど、色々考えて没にしました。...一応ちゃんと、オチまで考えてたんですけどね(弁明すると、長すぎた) というわけで、ここで一部供養。
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モリガン様との出会いは、わたしが新兵にも満たない幼年期の頃まで遡る。 当時、わたしが過ごしていたコロニーを魔族に襲撃され、そこをすんでのところでモリガン様に助けていただいた。 そして、端的に言えばわたしはその時、モリガン様にシビレてしまった。 後はもうストーカー。 少しでもモリガン様に近づこうとわたしは、運動オンチであったはずなのになんとワルキュリア(鳥騎兵)に志願してしまった。 そう言えば、わたしが軍に就くと宣言した時はアイリ驚いてたっけ。 で、いろいろあったんだけど今はモリガン様と運命の再会を果たせたのだった。もっとも、モリガン様はその事をしっかりと忘れていたけど。 以来、自他共に認めるモリガン様唯一の取り巻きとして、聖魔戦争激戦区『東方前線』で日々奮闘しているのだ。
「奮闘って言っても、もう、なんて言うか孤軍奮闘ですけど」 「そうだな」 「けど、なんとしてでもあの時の恩に報いたいのです。あの時のモリガン様、素敵だったぁ。輝いて見えました!!」 「そう言う力だからな」 「一部で変な噂が出回ってるけど、わたしぜんぜん気にしてませんから。わたしのことは気にせずに、もうバンバン戦っちゃってください! 一生懸命お役に立ちますから!!」 「わかった」 肩がこける。 コメントを期待したわけでもなかったけど、あまりにも杜撰なその台詞にリタは気が萎えるのを感じた。 「モリガン様ぁ。せめて、文章で喋ってくださいよぉ」 「そうだな、すまない。いや、私はリタの言葉を聞いてそうかと頷き反省した」 「...やっぱり、いつもどおりでいいです」 モリガン様が「そうか」 と呟いた後、ふと、空を見上げて片腕を掲げた。 バサバサ―― と、モリガン様の篭手に一羽の猛禽が止まる。 公園に降り立ったその鳥はモリガン様の騎乗する愛鳥だった。なんという種類かはわからない、モリガン様は「雑種だ」 と言っていた。拾ってきたと言うことかな。 「トレーニングを済ませたか。では巣へ戻れ」 もう一度空に手を掲げるとモリガン様の愛鳥は空へと羽ばたき帰って行った。 それは雄雄しく、王者の風格を思わせる勇壮な飛び方で、 「いいなぁ。わたしもああ言うのに乗りたいです」 大空を滑る二匹の猛禽、その上に跨る二人の乙女。 「無理だな」 「えぇっ!?」 夢ごごちの妄想をばっさり切るように、あっさりと言われた。 「野鳥を乗りこなそうとするのは非常に難しい。熟練の鳥騎兵でも新たに別の鳥に乗ろうとすれば、5年はかかるだろう」 「あ、ああそういうことですかぁ」 「新兵にはワルキュリア用に飼いならされた鳩が一番だ。鳩はいい。鳩は帰巣本能に優れている。迷子になりやすい新兵には最適だろう。飛行能力では猛禽類の方が上だが、飛行距離ではそう劣るモノでもない。それに、編隊飛行にも向いている」 おっしゃるモリガン様は先ほどとは打って変わって饒舌だった。戦闘の事となると途端にモリガン様の口は油でも挿したかの様に滑らかになる。 まったく、そんなことだから戦闘狂と呼ばれちゃうのに。
(『没原稿』)
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アイリと言う名前は後で置換することを前提にそこかしこからとっています。とにかく思いついたものを書きとどめておきたいたちなので、割とこういう処置をとる場合が多いんですね。
『日記で小片』 も既に一ヶ月以上が経過しているわけですが。 自分の文章は、まだまだ筋肉が少なく贅肉が多い部分もあり、その辺を毎日の修練で何とかしていきたいです。 さて、どうなんでしょうね。書くだけで文章力ってつくのでしょうか。 | | |
■2004年04月23日(金)
これがなんだか、ほんとに便利。
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ヤフーのメモ帳機能が過去類を見ないほどに便利だと言うことに気づく。 何でこんな便利な機能見逃してたんだろう。
銀玉が、なにやら五倍近く増刷して飾られてました。うわい。
日記も長く続くと、いろんなところとネタが被ったり、ともすればネタを引用させてもらったりもするわけですが、 そういう時って「この記事、話題にするよ」 とか、いちいち断りを入れるもんなんでしょうか。トラックバック機能ならリンクするんでしょうけど、どうにも悩みます。 自分はあまりそう言うことはしません。断りは入れないほうです。まあ、そのかわり以前のオフ日記のように差し障りのない文章になります。 逆に言及もしません。一応、引用されることに対しても文責持って書いてるし、 引用されること無いし(笑)
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「と、言うわけで演劇上の著作権の話だが...ま、いいか。どうせ必要ねえや」 思わず、メモ用紙から目を離して、部長の顔を見上げる。 「...ちゃんと教えてくださいよ」 「いいんだよ、どうせ私がいる期間中に本屋で売ってる台本なんて使うことねえし」 あからさまにめんどくさそうな雪路部長。 なおも食い下がると、ようやくイスを傾け背後のハードカバーを取り出して、 「これの最後に書いてある。無料でやる場合は出版社に許可を取るだけでOK。有料でやる場合は、一律何円。大体それが基本だ。まあ、新しい台本は許可が降りないがな」 確かに、料金表やら、編集部の住所やらの載った項目がある。 「へ〜。こんなのするんですね」 「するわけねえだろ」 「へ?」 鼻息混じりにあっさり言われて、私は思わず固まった。 「こんな片田舎の演劇部で、パクったとか著作権違反だとか...どうやって知るんだよ。知ってても、いちいち訴訟しに来ると思うか?」 「そりゃまあそうですけど」 「最悪、タイトルと話の内容をちょっとイジれば、完全別のオリジナル作品にだって出来るんだぞ。そんなのに金払う酔狂な部活なんてあるか」 ...なんか、今物凄く聞き捨てならないこと行った気もするけどそこは黙っておいて。 「でも、うちの部はオリジナル一本なんですよね」 「まあな」 「やっぱりこだわりとか?」 「こだわりっちゃあ、こだわりだ。キャスティングや大道具で悩むことないし」 雪路部長は、眼鏡を押し上げて。 「何より、おれの書いた本の方が面白いからな」 腕を束ねて、にやりと笑った。
(『TakeBack's』)
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■2004年04月22日(木)
休みなんで、
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映画見ようと思って映画館まで行きましたが、時間があわずに放棄。 来た人が来た時間に見れる映画館とか開発されないでしょうか。
最近、大学生になった弟の帰りがめっきり遅くなってきたので、その辺で色々な揉め事が。でも、メールすればいいだけだし、なんだかんだで便利だよなあ、今の時代。 家庭用ホームページってのはどうだろうと思った。 一家に一つホームページ。 今日の行動予定がアップされたり、今日の晩御飯がアップされたりするわけです。すると、 「お、今日はカツか。昼飯でカツどん食おうおもっとったけどやめとこ」 「ああ、今日遅いのか。じゃ、アイツの分作らなくていいな」 とかそんな風になるのでは。 他にも家計簿報告ページとか、今日の家庭菜園とか、今日の風呂掃除とか、そんな感じのページを作って...まあ、それぐらい電話ですればいいか。
変な夢をみました。 いろんな人が、伝勇伝にはまったと、HPやら掲示板で報告しているのです。 正夢にならないものか。
バウワウ、読破。次はデュラララだ。
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気絶した昨日の俺、俺はそのまま殴り殺してやろうかと思った。 まあ、やらなかったけど。 呼び止められたのだ。 「やめとけ」 「......」 「って言わなきゃやめなかったのか、未だに不安だ」 で、“俺”が後ろを振り向いたら、今度はそいつがそこにいた。 「ら、誰だよ?」 「明日のお前」 後ろを向くと、昨日の俺は消えていて、 「何しに来たか、解かってるな」 俺は答えない。 泣き終えて泣き晴らして、いい加減うんざりしていた。 だから、何も考えず、叫び声を揚げてそいつに殴りかかった。ただの喧嘩後のハイテンションなんだろう。意味なんてない。 殴りかかられたそいつは、まるでそう来るのが解かってるかのように――って、当たり前か、とにかく動じず殴りかかる手を掴み足を払って残った手で胸を押す、まあ、俺の文章力じゃ表現も出来ないけど、よーするにリオンの『七星天分肘』 を豪快に決めてくれやがった。 たちまち視界がぐるんと回って、空には綺麗な満月が見えて、 暗転。衝撃に息がつまる。 アスファルトに後頭部から叩きつけられた俺は、視界に火花を飛び散らせ、息も出来ずに目を白黒とさせて、 「うわ、マジで決まった。三時間練習したかいがあったな」 キーンと響いている耳にことさら驚く、明日の俺の声が聞こえて。 「なるほど、最悪の面だ。一昨日から何も変わっちゃいねえ」 意識が朦朧として、そう言うそいつの顔が見えない。 そいつは、「おーいて」 と、まるで自分のことのように痛がって――って、そりゃそうなんだけど、 「ま、それでも――」 とにかくそれが俺の聞いた最後の声で。
二日も路上で寝込むとなると、さすがに通報されてお巡りさんに怒られた。親も朝だというのに呼び出されてしまい、今度は親に怒られた、と言うより殴られた。さんざん怒られて病院に行ってみると、指の骨にヒビが入っていたことがわかり、適当な処置をしていたせいでさらに医者にまで怒られた。 教師には怒られなかったが、イジメの心配をされてうんざりするぐらい親身に説教されたし、クラスメイトにいたっては同情だかなんだか、やたら遠回りに見てきて息苦しい。中程度に仲の良い奴がたまに話を聞きにくるため、それがまたうっとおしい。 「なんだかなあ」 何も変わらない生活、変わった体験をしたのはつまり自分だけ。 なんだかなあ、だ。 まるで漫画だ。昔、ドラえもんがタイムマシンで数時間後のドラえもんを呼び出して、一緒に宿題をやる話があったけど、あんな感じだ。喧嘩もしたし。 どうでもいいけど、あれ、一日後とかのドラえもんを呼べばいいんじゃないのか? 「漫画ね。おれ、そんなに特別な生き方してたっけ?」 どうなんだ、今日の俺よ。 痛む腕をふらふらと動かして、足を同時に払う仕草。 「そういや、アイツ強かったよなあ。練習したんだろうなあ」 ふと、思い出す。 気絶しかける前に聞いた、あの声、あの台詞。
“「なるほどな、最悪の面だ。一昨日から何も変わっちゃいねえ」”
“「ま、それでも、昨日よりはマシか」”
俺は、今夜もそこに行こうと思う。 ...とりあえず三時間特訓をしてからだけどさ。 (『明日の俺』 完)
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■2004年04月21日(水)
どこへ行くのか
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遊☆戯☆王のアニメを久々に見たら、
こ、古代エジプト編突入してるし。 あんな、デュエルモンスターズがない時代 (正確には名も無きファラオの記憶の世界だけど) の話してコナミは美味しいのでしょうか。
と、思ったら あれ? なんか、古代エジプトの神官さんたち、 左手にデュエル・ディスクみたいな物装着してるんですけど(汗 うわあい。
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朝までアスファルトの上で気絶していたのに、誰も気づかない、たすけてはくれない。 つまりはそんな人通りのない場所での出来事で、
痛む手と足を無理やりに引きずるように家に帰る。 洗面台までに二回転ぶ。体中のあちこちが痛い、身動きすら痛くて恐くて出来ない 傷の手当ての仕方がわからない。親を無理やり起こそうかとも考え、結局やめた。 怪我は思っていたほどではなかった。 折れたと思っていた右指は折れてはいなかった。 ヒビは確実に入ったのだろうが、めんどくさいので包帯を巻くだけにとどめて、顔を洗った。 水で口を漱ごうとすると、口と、舌の傷が酷く痛んだ。 赤く染まった水を吐き出す。 「ちくしょぉ」 洗面台の鏡に映っていたボコボコの泣きっ面は、まさしく昨日のあいつの顔だった。
次の夜、俺は昨日と同じ場所にいた。 学校はサボった。家族が起きるよりも早く家を出たため、今の今まで誰ともすれ違っていない。 夜までは、適当に時間を潰した。 何故自分がここに来たのか、それは全く解からない。 解からないから知りたかった。 ただそれだけかもしれない。 夢だったのかもと今さらに思う。 もしかしたら、実際は酔っ払って誰かと喧嘩をしただけなのかもしれない。 ただ転んだだけなのかもしれない。頭の打ち所が悪くて、悪い夢を見ただけかもしれない。 どれでもいい。どのみち何も信じていないから、何が起きても驚かない。 はたして昨日のその時と同じ時刻に、そいつはいた。 「お、お前は誰?」 今の俺は、 「俺は、明日のお前だ」 まばらな照明の中で照らし出されたそいつの顔を見る。 間の抜けた顔だった。 これから何が起こるのかなんて全くわかっちゃいない、今もこれからも、この生活がだらだらと過ぎていくだけだと思っている。 いつからだ、いつからこんな。 「違う」 今も、昨日の今日でも、何一つ変わっちゃいない。 何もせず、何もされず、幸でも不幸でもなく、楽しいのか、悲しいのか、生きてるのか、死んでるのかすらもわからない。 そんな、ぼやけて弛緩した微笑で、へらへらと顔を綻ばせ、どうにでもなれといった目つき。 どうでもいい、死んで構わないと思えるからこそ出来る軽薄な笑み。 だから俺は、 「なんて顔をしているんだ」 口元が歪む、どんどん歪む。 ああ、そうだ。今なら解かるよ。 これは、この何かにすがろうとする顔は、見ているだけで殺してやりたくなる。 「甘ったれるなよ、やめてくれよ...なんで、なんでそんな」 ――負け犬みたいな顔が出来るんだ。 可笑しくて、笑おうとして...俺は泣いていた。 涙があふれ、腫れた頬を伝いながら地面にぼたぼたと落ちていった。 「何の、何の用なんだよ」 決まってるじゃないか、
お前殴りに来たんだ。
(『明日の俺』)
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■2004年04月20日(火)
積読ならず
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『音程は哀しく、射程は遠く (フルメタ外伝)』 『伝説の勇者の伝説5』 『式神の城 ニーギ外伝』 『小説創るぜ』
購入、 『伝』 ばっかりだ。
内二つは連載で読んであるので書き下ろし文だけ読みました。 後二つは面白かったのですぐ読めました。 でも、今回はやっぱ『伝勇伝』 ですね。本編はやはり熱い。ドラマガの連載しか読んだこと無い奴に、『お前ら絶対損してるぞ』 と、言ってやりたい気分です。よし、言った。凄い満足だ(笑) 『小説創るぜ』 は、小説のマニュアル本というわけではなく、 ドラマガの読者投稿の設定を素に、人気作家が読みきりかくぜっ、て企画本です。 ミニなコーナーだったためか、総投稿者数70人以下の少数。ちょっと意外。投稿者に知った名前が2、3。読んでてそれが一番のけぞりました(笑:自分も投稿すりゃ良かった)
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「お、お前は誰?」 「俺は、明日のお前だ」 そのとき俺は、少なくともその時はそいつの存在を待っていたのかもしれない。
その夜、いや、毎夜。いつからだったか、いつから敗北したのか、いつから立ち上がることを忘れたのか、とにかく夜。俺はいつもの様に、無気力に、何も出来ずに、寝て、起きて、小便して、飯を食って、また寝て、大便して、家と学校とコンビニの間を行き来するだけしか外出もない、そんな下らない生活を繰り返していた。 そしていつものようにむしゃくしゃして、その発散の場所も方法もわからないままぼんやりして、将来とか人間関係とかそんなことに悩んだフリしながら不貞寝して、そんな生活を咎めるものもしない親を呪って。
だから俺は、少なくともその時だけはそいつの存在を知っていたのかもしれない。
だから、コンビニが帰りの夜道で、人も来ない道端で、照明もまばらな夜の闇の中でも、それでも確信を持って納得できたのだろう。 自分と同じ姿かたちの人間が目の前に現れると、その人間はそれから間もないうちに死んでしまうとかいう、そう言うわけもない存在があると、思い出せたのだろう。
だから俺は、少なくともその時まではそいつの存在を受け入れていたのかもしれない。
だけどそいつは、 「違う」 とだけ呟いて、 目の前に現れた『俺』 は、よく見ると、顔じゅうを紫色に腫らしていたるところに絆創膏を貼りまくり、腕と足も痛めているのか、まともな立ち方すらしていなく。むしろそいつの方がしばらくしないうちに死んでしまうのではと心配してしまうほどで、 「なんて顔をしているんだ」 腫れた顔ではよくわからないけど、口の端がありえないほど歪んで、鏡でも見たことない皮肉げな笑みがになっていて、 だから俺は不安になった。 こいつはやっぱり違うのだろうか、俺を殺してくれないのだろうか、いや、 俺の代わりになってくれないのだろうか。 「甘ったれるなよ、やめてくれよ...なんで、なんでそんな」 「何の、何の用なんだよ」 俺の疑問にあっちの俺は答えなかった。 あっちの俺は、ゆっくりと、人通りもない夜道を歩いて俺にこっちの俺に近づいてきて、 目が合って、そこでようやくあっちの俺が泣いているのだと言うことに気づき、俺はそのことに酷く慌てて、どうしたらいいのかわからないままにうろたえて、とりあえず何とかせねばと思い、 ガツン。 とたん、急速に眼前の世界が揺れて、つんとした臭いが鼻を刺す。 「...くしょぅ! ちぃくしょお!」 俺の声がかなり遠くの方から聞こえてくる。 キーンと言う音とともに視界がぐるぐると回る。 知らないうちに、俺は尻餅をつくように転んでいた。 アスファルトに打ち付けた尻から脳にまで届くような衝撃が今頃伝わり、その激痛に一時的に正気を取り戻して、ようやく殴られたのだと理解した。 呻き声も悲鳴も上げられない。殴られたことなど一度もないのだ。ショックでそれどころではない。 いや、どのみちそれどころでもなかった、 「畜生! 畜生!! ちくしょおおぉおおお!!!!」 あっちの俺は、まるでやくざのような踏み潰すような蹴りを何度も何度も執拗にしこたまこれでもかと雨のように槍のように俺の腹をめがけて蹴りを連発してくる。俺は反射的に身をすくめて丸まってそれを必死で防いだ。 痛い、どうしようもないぐらいに痛い。腕も、足も、顔も、背中も、腹以外がどんどんと、骨が折れそうな勢いで殴打され、折れたんじゃないかと思わせるほどの鈍痛を残して、更にどこかをまた痛めつけられて、とにもかくにも蹴られて。 このままではだめだ。今反撃しなければ、二度と動けない、使い物にならなくなる。 だから俺はそう思って、思い切って、思うだけで、時間が過ぎて何も出来ない。いつものことだった。出来るものかと毒づいて、ほっておけば、今が過ぎればなんとかなる。俺はそう信じた、信じてきた。 信じて、執拗に自分を痛め続ける蹴りを必死に耐え続ける。 長い時間が過ぎて、本当に蹴りの乱打は収まり、俺はすぐに立ち上がって逃げようとして、体が痛くて腕をついた途端にアスファルトへはいつくばって。それでも何とか、上体を持ち上げてアスファルトに座り込み、俺を見上げる。 目が合う。あっちの俺は、息も絶え絶えに俺のことを見下ろしていて、俺は俺に何も言えずどうすることも出来ず、 「笑うなぁ馬ぁ鹿野郎ぉ! そそ、そんな顔そんな顔...」 いつもみたいに弛緩したようにへらへらと笑い続けて、 「ひ、してんじゃねえよ。なんて、なんれ、なんて、なんて」 なのにあっちの俺は蔑むような目で見下ろして顔を近づけ、俺の髪の毛をわしっと掴みそれを振り上げて、 「ちくしょおぉお!!」 頭皮が剥げるんじゃないかと思うほどの激痛の中、俺は顔とアスファルトの間に動く右腕だけを反射だけで差し入れて、 ぺきり、と嫌な音が耳に聞こえて、俺はそれらしい悲鳴も上げられず、痛みにのた打ち回り、 がらあきの顔に、腹に今度はまともに何回も何回も蹴りが入ってくる。 もう防御する気力すらない。 どうにでもなってくれ。 いっそのこと、殺してくれ。 楽に、 楽に、 ああ、これは楽かもしれない。痛い意外は。 「なんでぇ、何で俺がこんなこと」 よく聞くと舌が回りきっていない俺の発音。舌まで怪我してるの? 「お、お前なんて、本気でぇ、本気で死んでしまえよ!!」 がつん、と顎に踵が突き刺さって、上と下の歯が舌と一緒に噛み合わさって。 目の前が一瞬で真っ白になっていって、 俺は生まれて初めて気絶と言う物を体験した。
(『明日の俺』)
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