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■2006年11月24日(Fri)
むずい
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 | | どだい上目か下目の二択のような気がしないでもない。 | | |
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■2006年11月23日(Thu)
うろ覚え
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 | レジェンダリーヒッツとして復刻版が出るそうで、息の長い作品だよなあ。(同時にトバルNO1が出るのはギャクか何かだろうか) サントラも再販されているとかなんとか。 サントラも必死になって探し回ったなあ...
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デジ絵の文法をボンヤリ見てたわけですが、とりあえずタブレットでかいな。 いいなあ、書きやすそう。 そして作業が早い早い。 人物の選択領域抽出をわずか1分半で!とか、まさに職人芸ですよ。
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■2006年11月18日(Sat)
4周年
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4周年ですが風邪を引きました。 お祝いの言葉はメールじゃなくて(メールボックス死亡中)左上のWEBクラップでお願いします。 ガンガンする... | | |
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■2006年11月16日(Thu)
迷いながら 悩みながら 悔やみながら
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 | 寝ながら飯食べながら...
今期のアニメは「全力で見逃せ」が面白いですね。 透明盾が登場してたのでキャプですよ。 直線を持たない三次元曲面で形成されるポリカーの透明盾ですが、薬品に弱かったり熱や湿気(加水分解する)にも弱かったりと弱点も多いです。 軽いという特性も、時としてその為に踏ん張りが効かないという欠点であり、キャプのようにがっちり両手で保持しないと打撃によっては吹っ飛ばされます。 非力な人が使うには有用な盾ですが、場合によっては重みのある(かつ損耗しにくい)ジェラルミンの盾の方が有効であることも多く、透明盾を採用していた警察がまたジェラルミンに戻したという例もあるそうです。
まあ近代装備の象徴みたいな感じなのでいい外連味にはなります。 | | |
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■2006年11月14日(Tue)
その姿には炎
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Replay
 | マッグガーデンが経営不振で赤字修正出したものだから二日連続でストップ安ですよ。 まあ、今日は寄り付いてたみたいだけど。 アニメARIAは売れてるようだけど(ARIAにはたいして出資してないと言う話も聞きますが)、肝心の本がまったく売れなかったみたいです。 と言うわけでみなさんもマッグの書籍を買いましょう。 といいつつも、スケッチブックしか買ってないんですが。 次巻の発売はまた一月ぐらいでしょうか。
スケッチブック 2007カレンダー(卓上) (カレンダー)
も発売されるみたいですね。
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ルーラは他の服でも頭のアレは取らないんですねというツッコミですが、実はアレ、ヘッドトレス(もしくはカチューシャ)ではなくイヤーマフラーです(解るか)
まあ、実際カチューシャ取っちゃうとルーラって解りませんし。 世の中そんなもんです。 銀魂の作者もほら、新八の顔をベースにアレンジ加えて書き分けしてると断言してますし。
唯一比沙だけは自信持って書けるんですが。 | | |
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■2006年11月14日(Tue)
フィッシュフィッシュフィッシュよくばりに
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 | エビでタイを釣るという言葉がありますが、子供のころはエビの方が圧倒的に好きだったため、その意味に随分と疑問を感じたモノです。
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メガテンはやったことないっす... 5は黒崎薫さんのシナリオがいいかどうかだよなあ。 絆と書いてチームと呼ぶようなゲームだといいんだけど。
「〜だいたい、戦闘システム変に凝りすぎたせい敵の自由度が無くなったみたいなお粗末なの造っときながら、六人の英雄とバトルだとかおこがましいにも程があるっての。そんな骨が折れるだけで何の個性もない戦いを六回繰り返すこっちの身にもなれっつーの。どんなマゾプレイですか。 どんだけ優秀だろうが攻略パターンが決まった戦いなんて苦痛でしかないっつーの」 ワイルドアームズ4の良いところは、この問題をきちんと解決できていた点にあります。 独自のヘキサ戦闘システムによって、攻略法のまったく異なるボス戦を演出。 魅力的なボス達(ブリューナグ)の能力をいかんなく発揮してたわけです。
10人集だとか9人の刺客だとかそういう中ボスが多いRPGは、この「攻略法の多様性」が確立されていないと、たちどころに死にます。 自分さえ強ければそれでOKと言うような戦闘システムだと、それこそ中ボス戦を10回繰り返すだけになるからです。 「神の十賢者」や「七英雄」とかを、ドラクエのシステムで戦闘した場合を想像すれば解りやすいと思います。なんとなく、めんどくさそうという感じがしませんか? ドラクエは典型的な自分を高めれば勝てるゲームで、それ自体はゲームとしては面白いのですが「神の十賢者」や「七英雄」とは相性が悪いのです。 | | |
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■2006年11月13日(Mon)
だから積み重ねてきた勇気を
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 | ラクウェル・アップルゲイト
ワイルドアームズの話題が出ると必ずと言っていいほど「4は残念な作品」というレッテルが貼られますが、自分は4が好きです。 最近のゲームでここまで死亡率高いのも少ないと思うんだけどなあ... | | |
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■2006年11月12日(Sun)
ぶっ殺すって事だよぉ
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 | 似なかった。 あんな長物背負ってたらかなり背筋の通ったロボットみたいな歩き方しかできないと思います(それはそれで萌え) | | |
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■2006年11月11日(Sat)
こどものこーろの
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雷うるせえええええぇ!!!
鳴る度にラジオに爆音が入るので恐いやらうざったいやら。
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おそらく誰も知らないとは思いますが、ダンジョンセイバーのアタミ。 主な能力は卵産みと水中移動。 帽子の代わりに風呂の洗面桶を被ってるヤツなんですが、この木桶を頭に被せると言う絵が全然書けません。というか、基本的に帽子系は全滅だ自分。 なんかコツとかあるんでしょうか。 | Replay
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■2006年11月10日(Fri)
太陽に手をのばせ
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 | 伝勇伝よりライナ・リュート すげー表情...
伝勇伝はファンタジーだけど服装に特徴がありますね。 魔術世界の軍服を上手く創れている気がします。 軍服ってその世界の戦い方もろに影響されて面白いですね。 服に世界観を感じます。 ファンタジー世界の「軍服」って、寿司で言うところのギョクにあたるんだろうなあ。 | | |
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■2006年11月09日(Thu)
Welcome to this crazy time!
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 | グーグルサイドバーの機能にマイピクチャをランダムでサムネ表示するという機能があります。この機能、自分の絵と自分が思わず保存した絵が交互に出るため、中々きついものがあります(笑)
そんなわけでサムネ表示されたとたん頭抱えた「タブレット使い」の絵に再チャレンジしてみました。 いやあ...昔の絵ひでえな
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タブレッター:tableter
人類の歴史よりも昔から存在するクレイジータイムクリエイター(歴史偽造職人)の一種で、謎の石版を造っては手当たり次第に土に埋めて後世の考古学者をを混乱に陥れてきた。現代は現代で偽の石版を偽造していたりするらしい。
CTCの歴史偽造は、いかなる考古学者を持ってしても見破ることが出来ない。 後世の人間は、タブレッターの「ドッキリでした」と書かれた石版が発掘されることで、歴史の偽造に気づけるのである。 歴史偽造の発覚は、最悪の場合歴史の教科書がまるごと引っ繰り返るため、考古学者達は「ドッキリタブレット」を指して「死の宣告」と呼び、これが発掘されることを心の底から恐れている。 これを発掘した何人もの考古学者が鶏のような甲高い悲鳴をあげて爆笑し、そのまま笑い止むことがなくなったという。
タブレッターの功績で有名なのは、ルネッサンス時代に萌え文化が存在したと言うでたらめを300年に及び誤解させたことだという。 | | |
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■2006年11月08日(Wed)
とくにない
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とり鍋はありだけど豚鍋はありではない。 豚は固い。
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かいぞくろれんとむすめがひとり いつつのいわいにめをあげた | Replay
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■2006年11月06日(Mon)
今週の斬
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Replay
 | 腰履き+貫木ズボン 貫刺とかで検索されないものかと。 なにやら世間様じゃ刺々森を女体化するのがはやっているみたいです(しかも巨乳) 裸学ラン巨乳腰履きってどんなトリプル役萬ですかそれ。
貫木のズボンって股下が異様に深かったりしますが、あれはボンタン言うてふつうに売ってます。 帯刀した時代と言うことを考慮に入れれば、袴に似てるわけだし結構理に適った服ですよね。絵の狂いとかじゃないんで注意注意。 まあ、自分も股下どこにあんねん腰もう一個あんのかみたいな絵かいてしまうことよくありますが。
今週の斬 あれだけ思わせぶりだった絶山先輩が一瞬で殺られちゃいました。 予想以上にヘタレだったよ。不覚じゃねえ〜。明らかに実力の差じゃねーかw あれだけ強そうオーラ出してたのに(笑) 一蹴されるなら別に美形じゃなくても良かったのになあ...
まとめに入っちゃってるんでしょうか。 危ぶまれます。 面白くなってきてるのに。
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■2006年11月05日(Sun)
ラララパンプキン
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■2006年11月05日(Sun)
お前を追いながら
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Replay
 | 震脚ってのは発勁っていう呼吸と動作で力を一点に爆発させる技法の一手段で、八極拳の演舞とかやたらやかましい踏み込みをしてますが、あれが震脚です。 まあ、必ずしも爆音鳴るほど踏み込まなきゃいけないというわけじゃありません。 アホみたいな爆音出してるおっさんとかは、あれ爆音鳴らすのが楽しくてワザと鳴らしてるそうです。 寸勁とかはあんまり踏んでないようです。 マンガや小説なんぞじゃ矢印のように「地面の反発力を足首膝を経由して腕に」みたいなイメージでよく書かれていますが、エネルギーため込むとか送るとかストレッチパワーじゃあるまいし。 自分としてはアライJr.の大地を蹴る格闘技理論みたくアッパー気味の技以外の「踏む震脚」は特に意味がないような気がします。
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コートから抜剣する方法を、書く場所なかったのでここで説明しておきます。 まあ、簡単な話なんですがコートってのはあまりよれないので下半身だけ半身に捻っても、コート自体は前を向いたままなんです。 というわけで肩を捻らないで左足だけ前に出すと、コートの正中線に剣の柄が来るのでそこから引き抜けるのです。 絵的に天翔龍閃なので省略しました。
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■2006年11月04日(Sat)
ため息警部補と亡霊騎士4
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甲高い鉄の擦れる音が鳴った。 「う...」無機質な鉄仮面に、色濃い動揺が顕れる。
支配する沈黙。 誰もが唖然としていた。
息を飲み込んだまま吐き出すきっかけを忘れてしまうぐらいに、目の前の光景は、不可解だった。 一瞬だった。一瞬で...いつの間にか、タツマが剣を抜き放ち、甲冑男の鉄仮面の僅かなスリットに刃を突き刺していたのだ。 周囲の警官達は、彼がいつどこからどのように剣を抜いたのかが解らなかった。 まるで、ムービーの数コマが抜け落ちたかのような、そんな風に見えたのだった。 「なんだ...今の剣は――」 剣を振る間もなく...甲冑男は声を絞り出してそう言った。 一般より短い、赤い片刃の剣。 タツマはそれを右の逆手に握り、峰に左手の拳を添えていた。 「我らが警察剣術は、北の英雄ハウンドが用いた【銀河一刀】。その活人剣に端を発すもの。コートを着たまま抜くぐらいの技術は、教則本をちゃんと読み込んでれば普通に載っている。だから俺は“馬鹿馬鹿”しいって言ったんだがな」 もっとも、ポストの隙間ほどもないスリットに入り込んだのは、ただの偶然だが。 「――ふざけるな、我が輩が聞きたいのはそんな小細工のことではない」 声の震えが、刀身を伝わってタツマの手を振るわせる。 「我が輩に剣を振る間すら与えなかった斬閃...逆手の握り、その左手...それは、警察のハウンドの剣ではない。 ――ハウンドの剣が活人の剣ならば、此は人殺しの為の暗剣。只の警察官如きが会得するには大それた、いや...知ることすら許されぬ外道の技ぞ!」 「...かもな」 剣が淡い光を称える。 「わ、我が輩はまだ負けておらん。現にお主の刃は我が輩には届いて――」 「<発動>」 とたん。眩い純白の光が、赤い刀身を潰して膨れあがった。 「ガぁ――――!」 甲冑が長剣を放り投げて鉄兜の目を押さえ込む。 結局、必殺の一撃は振り下ろされることはなかった。 「うお」 暴れる甲冑に撥ねられて、タツマが地面に倒れ込む。 それで気を取り戻したか、巡査が叫んだ。 「か、確保――――ォ!!」 遅れて、警官隊が鎧甲冑に押し寄せる。 「まだだ、まだだ。まだ終れぬ、まだ滅びぬ!! たかが目つぶしごときで、この、我が輩が――うおおおおお戦ええええ、赤剣!!!!」 最後のあがきだった。鎧甲冑が気配だけで、タツマの方向を特定し踏みつけようとしてくる。見当はずれの目茶苦茶な攻撃だったが、五度目の攻撃がタツマをとらえる。転げたままだったタツマはわずかに逃げ遅れた。 「く、そっ」 腕の一本は折れるかと覚悟してガードした瞬間、タツマの前に人影が躍り出た。 警官達ではない。 「往生際が、悪いっとよ!!」 バァン―― 雷鳴にも似た轟音。 音の正体は拳術における爆発的な足の踏み込み、いわゆる【震脚】に寄るものだった。それにタツマが気づけたのは、眼前で小さな黒いローファが石畳を踏み砕いたからだ。 ルーラ――丈の長いメイド服を着たままのルーラ・ループが、腰を落とし込み、甲冑の鳩尾に伸び上がるように掌打を叩き込んでいた。 冗談ではなく、 ――甲冑が浮き上がり、もんどりを打って吹っ飛んだ。
「なんだったんだろうな、あいつ...」 ルーラの一撃であえなく気絶したらしい甲冑男は、そのままウィンチ付きの馬車に引き摺られて運ばれていった。 「...なんで甲冑のまま運ぶんだか」 「それがですね、」 被害調査がてらガラスの破損部分にガムテープを貼っていた巡査が、タツマのぼやきを聞いて答える。 「外から溶接されてたんですよねぇ」 「溶接?」 「もちろん、関節が動くギリギリでなんすけど。まあ、正気の沙汰じゃないって感じですよ。捕まえてからも苦労しそうっすわ」 だから被害捜査とうそぶいて現場に残ってるのか... なんとはなしに籠城と言う言葉を思い出し、ウンザリする。 左ポケットに手を突っ込む。 中からパイポを取りだしてしがんだ。 「うわ、先輩もしかして剣用の穴を縫い潰しちゃったんですか?」 「んなわけなかろう。見くびるな」 タツマは親指と人差し指でなにかを掴む仕草をし、それを上下させて、 「ちゃんとファスナーだ」 「...」 ショップの窓越しにルーラが店主と会話をしているのが見える。 「それにしてもルーラちゃんって、強いですよねえ。美人だし。見た感じ群島拳術の使い手みたいですけど。いいなぁ...」 いつの間にちゃん付けになったのか知らないが、巡査は惚れ惚れした様子でため息をついた。 たしかに彼女は強い。と言うよりどういう理屈か以前より圧倒的に強くなっていた。今のタツマでは、不意打ちでも勝てないだろう。 メイと同じぐらいか、それ以上か。成長期と言うヤツだろうか。巡査ではないが、羨ましいかぎりだ。 ルーラが、ショーウィンドウ越しに見える二人に気づいて手を振った。 なにかを抱えて扉から出て来る。 「旦さん、店長さんにレコード貰ったとよ!」 「...貰った?」 「店守ったお礼にって言われたとよ」 どちらかと言うとむしろ巻き込まれただけのような気がするが...店主にはあの光景がそう見えたのだろうか。 大事そうにジャケットに入ったレコードを胸に抱えて、無邪気に喜んでいるルーラ。 礼を言う彼女に店主もにこにこして応じている。 「いいなぁ...」 「? お前もあのレコードを狙ってたのか?」 「いいなぁ、ルーラちゃん...」 「...」 右手にレコード盤、左手に買い物籠を提げたルーラがタツマの目の前にやってきた。 あるいは単純に惚れ込まれただけかもしれないな、と独りごちる。 「だが君、レコードプレイヤーなんて持ってないだろう?」 「いいとよ。どーせ、中身は知っとーとよ」 「中身? 君、結局そのレコードには何が入ってるって言うんだ?」 タツマのもっともな疑問に、ルーラは笑顔を更に咲かせてこう叫んだ。 「秘密っ!」
(終わり)
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■2006年11月04日(Sat)
愛を背にして
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 | | 震脚ってなんか地面を踏んづけた反動をため込んで攻撃ってイメージありますけど、八極小架とか見てる限りじゃ踏んづけながら撃ってるみたいな感じですよね。 | | |
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■2006年11月02日(Thu)
ため息警部補と亡霊騎士3
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大きい鉄人形のような全身鎧。 それが長い両刃剣を掲げ、全体重を載せた一撃でタツマを攻撃した。 振り上げた剣が微かに揺らいだ次の瞬間、石畳が爆ぜた。 恐ろしく速い一撃だった。 タツマがそれを避けられたのは、まぐれに近い。 「ほう...今のを躱したか」 重たい胴間声。響いて判じにくいが、男の声だった。 外見は古いが、中身はタツマより一回り上程度の年齢だろう。 甲冑が石畳に埋まった剣を引き抜いて体を持ち上げる。 持ち上がった勢いを殺しきれなかったか、よろめいてショーウィンドウに肘を突いた。重みだけでガラスに亀裂が走る。 悲鳴。 甲冑は両刃の剣を再び大上段に構えようとする。 タツマは剣を抜こうとして舌打ちをし、合わせるように蹴りを放った。 「良い蹴りだ」 ――速い。 甲冑は、それを見計らっていたのか、すっと横に揺れるようにして移動していた。 即座に蹴り足で踏ん張り、向き直るが、遅かった。 長い両刃の剣が、タツマを見下ろしていた。 斬られるという恐怖が、静電気のように全身を伝い、身を震わせる。 錆びた剣だ。切れ味はないに等しいだろう。だが、甲冑の重量から放たれる一撃はそれ以上に破壊力がありそうだ。 「思い切りも踏み込みも充分だった...が、見た目で鈍重と侮ったな」 「...なんなんだお前は」 誰と聞くよりも前にそう言ってしまう。 「我は」 無機質な鉄の塊が、ひどく人間めいた所作で身じろぎする。 鎧は奥底まで暗く、闇色だった。僅かなスリットからは表情すら伺えない。 「我はサントの亡霊! 八万来都の赤剣よ、いざ我と死合え!!」 「亡霊...?」
ピィイイイイ――――!!
笛の音が響いた。 それは、警察官が集合の合図を掛ける為の呼子の音で、 「む、来よったか。群れるだけの犬畜生どもめ」 激しい足音と共に木盾と槍を構えた警官達があらわれ、整然とした動きでアンティークショップを囲む。 と、盾で出来たバリケードをかき分けて人が現れた。 それは、 「あ、先輩。5時間ぶりッス」 捜査一班の巡査だった。ヘルメットを被りメガホンを持っている以外は、先ほどの開襟シャツ姿のままである。 「いやいやいや、相変わらず巻き込まれてますねえ」 「余計なお世話だ。それより説明しろ」 「そいつが、例の通り魔ですよ。一班総出で包囲網まで張ってたってのに、こんなところに普通に居るんだもんなあ。世の中って狭い」 「通り魔? あの連続警官暴行事件か」 「そうですよ。いやいやいや甲冑姿ってこと以外に特徴がなかったから探すの苦労しましたよ。まさかアンティークショップにオブジェのフリをして隠れてるとは、盲点でしたね」 あっけらかんとおでこを叩く巡査。 「捜査一課は馬鹿の集まりか...」 「やだなあ。先輩もこないだまで一課だったじゃないですか。そんなわけで、そいつ捕まえてくださいね。手伝いたいのは山々ですが、その状況じゃ僕ら対処できませんので」 「って、おい。あっさり諦めるな。通り魔はお前らの管轄...」 「我が輩は特に問題ないが」 その言葉と共に殺気が膨らむ。 その殺気に気づかなければ、斬られていたかもしれない。 「勝負だ...八万来都の赤剣よ――」 応援が来て安心しそうになったが、未だ必殺の間合いの中だった。 思わず後じさりしようとして、腕になにか柔らかいものが当たる。 「旦さん...これ以上さがっちゃダメとよ」 「! ルーラ! 君、何を」 彼女は、両手を広げてそこに立ちはだかっていた。 ひび割れているショーウィンドウの前に。 「...まさか、レコードを護ろうとしてるのか?」 ルーラは、剥き出しのレコード盤を背にして頷いた。 「これ以上衝撃が加わったら、硝子が割れてレコードに降り懸かりようよ。そがけん、うっちゃ逃げん...逃げられんとよ」 「...そんなに価値があるのか?」 苦し気な息が漏れる。彼女もまた、斬撃の緊張に圧迫されているのだ。 「価値のあるなしじゃなか。旦さんにはわからんと」 ガラスに罅が入ったときに起った悲鳴。 あの悲鳴は彼女のものだったのか。 「よかと、逃げても。あげな鉄だるま如き、うっちゃがノすっとよ」 強い口調で、彼女はタツマの袖を引く。 まあ、確かに油断さえなければ武芸の腕は彼女の方が秀でている。あながち強がりというわけでもないのだろう。 もっとも、タツマには「これぐらいのピンチ、切り抜けて見せろ」と言われているような気がしたが。 嘆息して、地面を蹴る。 「むっ...この気迫、やる気になったか」 「勘違いするな。これ以上一歩も進ませないと言うだけだ」 「さすが旦さ――旦那様」 ルーラが嬉しそうな声で言った。 その声を背に、タツマは右手を腰の前に出して自然体に構える。 固くはならず、しかし緊張は指先まで張り巡らせて、即座に反応できるように集中を高めていく。 「我が必殺の一撃を退けるというか...それでいい。それでこそ赤き剣よ」 甲冑は勝手に納得した様子だった。 それにしもて随分物言いが古い男だ。 赤き剣は古来の警官が使っていた姓である。 八万来都もサントと言う言葉もそうだ、八万来都は50年以上前のオークノートの異名で、サントは同時期存在していた近隣都市の名前だった。 サントの亡霊――ふと、同居人のパーカ服の少女を思い出す。 (まさかな) 「先輩、ひとついいですか?」 メガホンで巡査が叫んだ。 「――なんだ」 「その人、先輩のお嫁さんですかー?」 緊張していた体が一瞬で脱力する。 「お前な...そんなわけないだろうが」 「だって、いつも眠たそうなタツマ先輩がそんな真剣にかばっちゃてるし。あまつさえ旦那様とか呼ばれてるし。もう聞いてくださいよ、この同僚達のざわめき」 「確かにざわめきはさっきからやたら聞こえるが...俺のせいだったのかよ」 「いや〜美人だなあ、羨ましいなあ。先輩そのまま辻斬られて死んでくださいよ」 「死ぬかっ」 いろいろ納得の行かないモノを感じながら、コートのポケットに左手を置く。 殺気を感じて、とっさに手を挙げ腰を落とす。 「剣は出させん...知っているぞ。その仕掛けも、欠点も。即座には抜けぬのだろう」 別の警官が同じコートを着ていたのだろうか。どうやら、見抜かれているようだった。 確かに、ポケットから剣を引き抜くのには時間が掛かる。慣れれば一秒もかからないだろうが、どちらにしろこの状況を打開できるほどのスピードではない。 「先輩〜馬鹿馬鹿しいって言っておきながら、なんで内側に巻いてるんですかぁ?」 「うるさい。おまえも後輩なら身を挺して斬られるか俺が剣を抜く時間を稼いでから斬られるか斬られるかしてみろ」 「やだなぁ、そんな先輩想いの後輩を守るのが先輩なんじゃないですか」 誰がお前なんか守るか。 メガホンからかかる間伸びた声に呪詛をぼやく。 「覚悟はいいか」 甲冑が、尋ねてきた。 「待つ器量はある癖に、抜かせてはくれないんだな」 「ふん、危機感の無さが招いた結果だ。切り抜けて見せよ」 無慈悲に言い放つ。 声には失望が混じっていた。 「嘆かわしい。紅牙とまで呼ばれた都の番人が、辻斬相手に剣も抜けぬ体たらく。牙の抜けた犬に我は倒せぬ」 至極もっともな意見だったが辻斬には言われたくない。 「剣を降ろせば、この罪だけは不問にしてもいいんだがな」 「下らん。どのみち、この死合いが終われば、あとは朽ちるだけの身よ」 どうやら開き直ってる様子だった。 「なんのために、こんな事をする」 甲冑は、鎧の中でカカと笑った。 「再び牙を与えてやろうと思うただけだ。さすれば、かような馬鹿げたコートを着ることもなくなるだろう」 それは中々魅力的な話だったが。 「あいにく、コイツは新調したてでな」 これから4・5年は付き合う予定だってのに、デザイン変更なんてされたら立つ瀬がない。 その軽口を最後に、言葉が止んだ。 夕日が沈んでいく。 固唾を呑んで見守る、警官達。その後ろにギャラリーもいるようだ。 沈黙。目の前の鎧の鉄が呼吸で僅かに軋む。その音が耳に痛い。 斬撃の予感が、圧力となってタツマを威迫していた。 | Replay
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■2006年10月31日(Tue)
ため息警部補と亡霊騎士2
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雄月が目立ってきた。 夕刻である。 暮れなずむ夕日が、商店街を赤く塗りつぶしている。 街路樹の木の葉が風に揺れて落ちた。 夏ももうすぐで終わりだろうか。 オークノートでも指折りの商店街、ロングテイル通り。 考え事をすれば一瞬で終わる道のりを、タツマはつらつらと歩いていた。 古い店と真新しいビルが並ぶ歯の欠けた櫛のような不連続な街並み、その不連続がどこかリズミカルでもある。 ぼんやり歩くだけでなにやら軽快な音楽に触れているような、そんな賑やかな街だが、警察関係者からすればいろいろ頭の痛くなる街でもあった。 と、対抗する歩行者がタツマの方を向いて驚いた顔をした。 「?」 いや、自分ではない。自分の後ろを見て驚いているのだ。 なにごとかと振り向くと、そこにメイドがいた。 大仰な鎧甲冑が店先に立つアンティークショップ。 そのショーウィンドウにメイド服を着た少女がかじりついている。 「...君は」 「おや旦那様」 ショーウィンドウのガラスに映ったのを見たのか、少女――ルーラ・ループがくるりと振りかえる。フレアスカートが少しだけ浮き上がった。 手には芋が顔を出している買い物袋。 「買い物帰りか。というか、君はいつもその格好なのか?」 アンディークショップにメードという構図に、どこか調和を感じてしまう。 ふと、あの歩行者は一体どれに驚いたのだろうと考える。調和か、それとも不調和か。 「むう、別におかしくなかとよ。こん方が魚屋さんとかも割り引いてくれるし、受けるっとよ?」 口を尖らせ上目づかいで、ルーラは言い返す。 「旦さんこそたいがいめかしこんどるとよ。そんコート、いつん間にけったと?」 「けった?」 「け、う。あ〜買ったんよ?」 やにわに今日の出来事を思い出して、うんざりする。 説明する気になれず、ショーウィンドウを見た。 そこに並ぶのは、 「レコード盤」だった。珍しくて軽く驚いた。 「そうね」 骨董品屋でもまず置いていない類の品だ。 死に筋商品通りなどと名を持つ街道だけあって、この商店街は一風変わった商品を扱う店が多い。アンティークショップもその類に漏れることがないのだろう。 「君、懐古機器の趣味があるのか」 「旦さん、そん言い方は失礼っとよ。ミステリマニアに「読書が趣味なん?」て聞いとーと同じっとよ」 眼を細めて、貴重な宝に触れるかのようにガラスに手を載せる。 その喩えは解らなかったが... どうやら彼女は、陳列されたレコード盤の価値が解る人間らしい。 ――レコード。 災禍の時代の初めに生まれ消え去った技術。 消え去った理由は至極単純で、後期に生まれた情報記憶媒体に取って代わられたのだ。 災禍の時代の数年のみに栄えた短命の技術機器、それがレコードだった。 「価値があるのか?」 「難しいとねぇ」 黒い艶を持った年輪のような円盤を凝視しながらルーラは唸る。 その眼光は普段見せることのない鋭さだった。 「レーベルは偽造できるとぉし、中身なんて聞いてみんとわからんばってん、聞けば価値が下がりよぉし...クラシックのレーベルなのに政見放送が入ってたとかそんな詐欺は茶飯ごとっとよ。骨董のプロでも扱いには苦慮しとると」 スラスラと答える。 さすがは元泥棒と言うところか。 「まあ、うっちゃの見立てじゃロクなものは置いとらんとよ。劣化も激しそうっと。 それに、いくら“災禍の時代”ゆーとーとも、ん百年前の音楽媒体なんて趣味にするには時代が古すぎるっとよ。古代土器みたいなモンで値が付けるのも難しい言う意見もあるっとよ。まぁ、中身はそれを覆しよーレベルのお宝が多いのも事実っとばってけれどもね」 いつの間にか、ルーラの講義が続いている。 ばってけれどもとはなんだろうと思いつつも、タツマはそれを聞いていた。 アンティークショップで、骨董品の講釈をするメイド服を着た少女。 その横では剣を地面に立てる騎士の甲冑。 そこだけ時代が巻き戻ったかのようではあった。講義は続く。 「戦乱の時代は、なにも戦いだけが急進歩したわけじゃなかと。文化もまた燃えて散る花火のごたぁシュン烈さだったとよ。 便利さに負けて残らんかっとーとばっ...残らなかったけど、レコードもこんレコードん中にある曲とかも、普通の時代に生まれとったら、どえらい流行になっとったはずっとよ」 「なるほどな」 レコードという技術も峻烈ならば、そのレコードに記録された音もまた峻烈だったということだろう。新しいレコード盤が発見される度に、この国の音楽観ががらりと変わると言う話を聞いたことがあった。 「そう。燃え尽きる前んロウソクのごとく、ありとあらゆる文化が輝いとった時代。それが災禍ん時代とよ。旦さんのコートのデザインよーも、英雄「混��のシル=マリル」の服装をそんままパチったもんとよ?」 「そう...なのか?」 六銃の一人シルマリル。確かに彼女は小説の挿絵などでも現代でも通用しそうな軍用コートを着ていたが。 「実用性重視の警察官が今なおそのデザインを使っている。そんだけで十分すごかことっとよ...あ〜なんね話がズレとっとよね。他に聞きたかことあっとーやなかと?」 「ああ、」 結局なぜレコード盤に見取れていたのかを聞きそびれていたが、存外ルーラの講義が楽しかったので忘れていた。 「――今日の飯はなんだ?」 いきなりな質問に、ルーラは眼をぱちくりさせて芋の入った買い物袋を見た。 「湯豆腐っとよ」 芋はなんに使うのだろうか。 と、 「警察官...だと?」 鉄バケツを被って叫んだかのような声。その声と同時に、 ギギギギ――と文字にするならそんな音が鳴った。 まるで錆びた甲冑が動くかのような。 「ぎょ」 と言ってルーラがバックステップする。 太ももの辺りを触ったが、ヌンチャクは取り上げられていたことを思い出したのかスカートをぽんと叩くだけだった。 タツマも、既にそれから離れている。 店先に飾られていた、錆びた甲冑。 それが――やはり同様に錆びている剣を振り上げてタツマに襲いかかってきた。
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■2006年10月31日(Tue)
今週の斬
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アニメ「斬」OP
すげええぇ 金蔵軍団とかまひろの位置にいるブスとか、パロディのリスペクトレベルが高い。
今週の斬 ぶっ殺すってことだよぉ 月島さんは一体誰になら勝てるんだろう...
剣舞さんはエクゼキューショナー刀でした。 「剣舞...研無刀と似ている」 とか意味不明のボケしてくれんだろうか。
刺々森と貫木の掛け合いが良かったです。 最後の挟み撃ちの構図は展開が読めないなあ | | |
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■2006年10月29日(Sun)
ため息警部補と亡霊騎士1
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「じゃあ、その泥棒の女の子、先輩の家に住むことになったんですか?」 「家というか、アパートメントだがな」 オーク市警刑事課犯罪捜査係一班班室。 居並ぶデスクに書類の山。ところどころ消えた蛍光灯に曇った窓ガラスと古ぼけたオフィスの様な佇まいだが、その実オークノート警察の最重要捜査機関でもある。 もっとも、今は留守番役を残して全員出払っているが。 特別非常勤のタツマがなぜその班室にいるかというと、特別非常勤には班室があてがわれてないため、この班室の一つを職場として間借りしているからであった。 暫定的な処置ではあるが、単に転属前の職場をそのまま使わせて貰っているというだけでもある。
地下の一室に放り込まれるよりいくらかマシだが、心寒いことには代わりがない。
そんなタツマは、ひとかかえほどの紙袋を開封していた。話し相手をしているのは留守番役の捜査一班の巡査で元部下でもある。 「先輩」などと不適切な呼称でタツマのことを呼ぶこの巡査は、その実同じ警察学校を卒業した後輩でもあった。年齢はタツマより一つ年下、テーブルに足を投げ打ち見るからに軽薄な雰囲気を出している。 「先輩のアパートってどんどん女の子増えていきますよね」 「...まあ、そうだな」 特には取り合わずに、ガムテープをひっペがす。 剥がしたテープがアイロンの効いた真っ白な開襟シャツの袖に張り付いた。 巡査はふうんと頷いて、 「羨ましいなあ。オレも出会いが欲しい〜」 「保護観察対象が二人に増えただけだ。羨ましいもんか」 「あ〜! オレもシャツとか洗濯してもらいてえぇええ!」 と、機嫌良く包装を解いていたタツマの指が止まった。 長い沈黙。 巡査は突然動きを止めたタツマを横目で確かめてから、言葉を続けた。 「シャツなんて三枚一日おきのローテーションで日曜に纏めて洗ってたあの先輩が、さらにはアイロンなんて月に一度かければましな方だった先輩がですよ。そんな先輩がいきなり毎日アイロンまで効いた真っ白なシャツ。いいなあ。いやいや羨ましい」 巡査は心底羨ましそうに天を仰いだ。仰いだところであるのは蛍光灯だけだが。 タツマはしばし無言を取ったあと、のっそりと紙袋の開封を再開した。 「...なにか誤解があるようだが、」 「いやいやいやいや、誤解も何も、他にもいろいろあるんですよねぇ。最近食堂に姿を現さなくなったとか、やたら手の込んだ弁当を持参するようになったとか、帰宅がいつにも増して早くなったとか。こりゃあどこぞ身の回りの世話をやいてくれる良い人が現れたに違いない、って、めざとい女性署員はこの噂で持ちきりでさぁ。ついにあの朴念仁にも春が来たもんかと署内は上を下への大騒ぎ。相手は一体誰なんだ? まさかこの前一緒にいたあのパーカを着た少女?? まさか???」 「いや、流石にアレには無理だろう」 十五も満たない少女と噂されるのもたいがいだが、あのネクロマンサーに洗濯などする甲斐性があるようにはとても思えない。 「てことはやっぱりそのルーラって女の子が洗濯してくれてるんですね」 なおも食い下がる巡査。ほとんど誘導尋問である。軽口混じりだが、その辺は捜査一班だった。 あきらめて、ため息をつくタツマ。 「...まあ、シャツの仕事はその通りだがな。そんな色気づいた話じゃないぞ」 現在のルーラは大家の厚意もあって下宿の家事手伝いをしている。 職を見つけるまでのアルバイトで、はじめは掃除だけだった――のだが、その仕事ぶりがあまりにも完璧だったので、その他の家事も一挙に引き受けることとなったのだった。 「そんなに凄いんですか?」 「まあ、ベテランの家政婦並にはしっかりしてるさ。職業柄、家事全般は大抵マスターしたって話だが」 「職業って...泥棒ですよね」 メイドとして潜入し屋敷の情報を入手するというルーラの手口を知らない巡査は、家事と盗みに関連性を見いだせずに首を捻った。 ともあれ、彼女の働きによってタツマは洗濯に加えて当番制だった掃除や料理などの面倒からも脱出できたのだった。 嘆息する。 「まあ、その分ちゃっかり家賃が上がったがな」 「先輩って警部補なのにつくづく貧乏ですよね。独り身なのに。散財が多いんですよ」 余計なお世話だと胸中で独りごちながら、タツマは紙袋からその散財の塊を取り出した。 「あ、コート新調したんですか?」 巡査がデスクから足を上げ新品のコートを掲げるタツマへと近寄る。 新品とは言えただのコートの筈だが、なぜか興味を引いた様子だった。 「いいなあ、新作。今年からデザインが一新されてるんですよねぇ。俺も新調しようかな」 「別にしたくてしたわけじゃないんだが」 一回では払いきれずにローンを残してしまったタツマは、気持ちの重いままコートを羽織った。 膝まですっぽり隠れるダブルのコート。 色は暗い灰緑の革色だが、色の名前に反して生地はギャバジンである。 「...軽いな」 「あ〜。たしか鑢地を無くしたんですよね。アレ不評だったからなあ。ゴワゴワするし、たまにシャツが引っかかるし」 鑢地とは警察仕様のコートの裏地に張られた摩擦の強い生地のことで、対象に被せることで服や髪を絡め取って動きを阻害する効果がある。 捕縛帯の代わりに用いるためにあるのだが、評判は――特に若い人間の間では、あまりいいとは言えない。 「生地が引っかかるのはお前が猫背だからだ。きちんと背筋を伸ばしてたらそうならないように造られてるはずだぞ」 「でも最近じゃ使わないじゃないですか。対人戦闘なんて滅多にないし、あったとしても使う暇なんてないしで役に立たないっすよ」 その役に立たないと不評の生地に、つい最近、命を助けられたのだが。 まあ、抜剣しただけで市民に悪影響だと報告書を書かなきゃならないこのご時世。コートの裏に隠し武器だなんて流行らないのだろう。 附属の帯剣用ベルトをコートに通しながらそんなことを考えていると、左腰のポケットが妙に大きいことに気づいた。 「なんだこれは?」 以前のデザインにはなかったものだ。 「ああ、それは確か抜剣用のポケットですよ。広報にそう書いてあったっすよ」 広報とは、広報部の掲示板新聞のことだろう。堅い警察内部の新聞のくせにゴシップ記事もあったりするのが侮れない。 ともあれ。タツマは呆れ混じりにポケットを見下ろす。 「抜剣用...ねぇ。用途はわからないでもないが」 と、おもむろに剣をズボンの剣帯に装着する。 剣を覆うようにコートを閉じると、剣はすっぽりとコートの内に収まって見えなくなった。ベルトを締めても同様だった。 「へぇ。シルエットじゃ帯剣してるって解らないッスね。工夫してるなあ」 「馬鹿馬鹿しい、ベルトにぶら下げるなり剣帯を巻くなりすれば十分じゃないか」 どうやら、このコートは内側に帯剣をしても邪魔にならないようにデザインされているらしい。このポケットもその為のギミックだろう。取り出しポケットとでも名付けるべきか。 「やぁでも、剣って寒さに弱いですし、それにあんまり剣を見せびらかすってのは近隣住民を必要以上にうんぬんとか広報で言ってましたし」 「お前は広報に毒されすぎだ」 ベルト式の留め具が付いた複雑なポケットを開くと、中も底の空いたポケットのようになっていた。 うさんくさく思いながらも穴に手を突っ込む。 探り当てるのに時間が掛かったが、抜刀自体はスムーズだった。ポケットを必要以上に大きく取っているだけあって、引っかかるようなこともない。 「馬鹿馬鹿しい」 もう一度、タツマはため息をついた。 「単なる穴の開いたポケットじゃないか。底を縫い止めた方がまだ役に立つだろう」 納刀しようと思ったが、ポケットから戻すのは難しそうだった。納刀に関しては最初から考慮に入れられていないのだろう。 「やーでも、いくら平和な世の中だからってコート着たせいで抜刀できないなんてなったら笑いものですしぃ。仕方ないんじゃないっすか?」 ボタンを開くタツマに、苦笑する巡査。 「つい最近の、ほらあれ。連続警察官襲撃事件とかもそう言う警官の平和ボケが未だ犯人を捕まえられない原因なのではないか、とか広報でもどえらい叩かれてましたし」 確かにその事件は聞き及んではいるが、先ほどの戦う事なんて無いという意見と矛盾しているじゃないかと内心で呟いた。 「馬鹿言うなよな、お前まで」 タツマは平和ボケを憂うよりも、情けなくなってため息をつくのだった。 | | |
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■2006年10月28日(Sat)
見てしまうから願ってしまう
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姉ちゃんの自作詩集発見したスレを最後まで見てしまった。 破壊力在りすぎ。 テンポ良く読める上に、こちらの予想をことごとく裏切ってしまうフレーズの数々は圧巻です。なによりクオリティが全然おちてないw 100以上の詩を読んだのに、まだ飽きてない! 凄すぎる。
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眼球の虹彩&瞳孔部分に奥行きを持たせたいんですが、上手くいきません。 いろいろ悩んだ結果目の中にうずまきぐるぐるを書けば結構それっぽくなるんじゃないかなあと。ほんまかいな。
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■2006年10月28日(Sat)
うああ
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 | 途中で送信エラーが入って画像がちぎれちゃいました。 まあいいや。 昔と同じシーンの絵をあらためて書いてみる。 案外面白いです。 | | |
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■2006年10月27日(Fri)
とりあえずおどってみた
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 | 無駄な線を消す
絵とは関係在りませんがTO LOVEるの沙姫の取り巻き(ポニテの方)がなんとなくツボです。 ジャンル取り巻きみたいなの無いかなあ。 | | |
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■2006年10月27日(Fri)
とりあえず行きますかっと
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 | 謎の二人組みの性格が予想と違ったのでビックリでした
というか眼鏡っ子ですらないだとぉ!?
自分の予想 眼鏡っ子→クーデレ系 大刀 →ストイック系
というか斬って二年生だったのか...
討条さんカッコイイ、いっぺんに二人吹き飛ばすシーンが良かったです 坊ちゃんは戦い再開してもいいと思うんですが、討条がいないところで決闘した場合のリスクを考えると待機の方が良いのかもしれません 刺々森のコイツを殺していいのはオレだけだには少し萌えました 是否とも貫木君と争奪戦しちゃってください
あと気づいたんですが斬の世界の住人って、基本全員腰履きですよね 帯刀社会だからかな
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萌え絵描きとそのファンは死んだ方がいい
面白かった。 自分自信、ワリと時流に流されてらくがきするので、本職の方は逆に流されないで欲しいなあと思う今日この頃。 成長って自分の長所を伸ばさなくなったあたりから止まるんですよね。
でまあ、萌え絵の次は線だと思うんですよ...って、これ前も言ったな。
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2006年10月26日(Thu)
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 | | 気を抜くと更新が空いてしまいます。 | | |
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■2006年10月22日(Sun)
ララバイサラバイ
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 | 昨日のキソウ、面白かったですねえ。 高島礼子のコート姿が良かった。後ろ姿の着こなしが特に。
にしても、やっぱり二時間ドラマはいいっ 脱サスペンスを謳って鳴り物入りで改変されたドラマコンプレックスが面白いぐらいこけたらしいですし、二時間ドラマはやっぱりサスペンスですなあ。うん。
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(六銃忌憚 後編)
老人の首を携えた青い服装の男が路地裏に入る。 何が面白いのか、含むように笑っていた。
「英雄も墜ちたものだな。恋人を殺して人間らしさの欠片さえ失ったか」
服だけでなく肌まで鈍い青色の男だった。 腹から黄ばんだ肋骨だけが、白く剥き出している。禍々しく生え揃った肋骨の先端は、ハエトリグサのトゲを思わせる。熱く抱擁しただけで内臓をずたずたに引き裂かれそうな凶悪な鋭さだった。 事実、その先端には赤い肉と赤黒い血が滴っていた。
人が人として異形になった者――魔属だった。
「たいした放置っぷりだな。けけ、大半は殺しつくしたぞ。結界も潰した」
「けけっ、そんなに恨んでたのかい――このクナ奴隷自治区をよぉ」
魔属は、老人の首を地面に落としてアリでも潰すかのように踏みにじった。
「それとも勇気軍の方か? あいつらがこんな護る価値もない国で何をしていたのか、お前も知らない分けじゃないだろう?」
そして、彼女が黙して語らないのをいいことに、ねぶるように言い続ける。
「知ってるぞ、お前ここの出身だって言うじゃねえか。皮肉なモンじゃねえか、よりにもよって、この魔属が一番生まれた国で奇人級の英雄が生まれるなんてよぉ」
「だがまあ所詮、汚れた国の人間だってことか。人の風習じゃより多く人を殺した者を英雄と言ったらしいが、お前ら【六銃】は結局のところそういう意味でしか――」
そのときっだった。 ぬっと、背中から生白い手が胴を回り、あばら骨を掴んだ。 少女のように細く、武器や農具を知らない腕だった。
「あ、なんだ?」
言葉を止めて、その手をしげしげと見つめる魔属。 次の瞬間、その手が無造作に骨を折った。 みきりと竹が折れるような生々しい音。魔属は、信じられない光景を見るかのように表情を凍らせた。
「あ、な...なん――」
人から生まれ、人成らざる魔属の骨は鉄器よりも固い。ときとして獣の角のように使うこともあるほどで、間違っても人の膂力で折れる代物ではない。 その骨が今、人間の細い腕によって、まるで小枝を折るかのように指の力だけで折られたのだ。 その腕は、折れた骨を肉からむしり取るように力を込めた。 たちまち肉が裂けた。
「ぐ...ぐ、ぐゃああああ!!」
折れたあばら骨が、完全に露出していく。黄ばんだ骨には、肉と筋が根のように糸を引いてこびり付いていた。
「て、てめえええええええ!! 一体何を――」
骨を掴んだ手が手首を翻して、肋骨の骨を魔属の喉に突き刺した。 それで呼吸と声が止んだ。 続いて手は、骨を心臓へと突き刺した。 見えるわけでもないのに、正確に一撃だけで刺し貫いていた。 その一撃で、魔属は――存在として――死に絶えた。
(六銃忌憚・終わり)
(?)
彼女は、伏せた目を開いてそこに立っていた少年を見た。 先ほど死んだはずの少年兵士だった。 「うえっ...ぺっぺっ、あの爺さん勝手に安楽死させるわ、変なの喰わせるわ。金箔て! 成金の勘違い料理じゃねーつーに」 食い破られたはずの喉笛が復活している。 少年は、兜を脱いで、のばし放題の髪を解き放った。 金髪だった。金髪で、金目だった。 彼女の、同じ金色の瞳に少しだけ揺らぐ。 「英雄属――その髪、お前...勇者か?」 ひどくくたびれた声で、彼女は尋ねた。 質問はしているが、まるで気のない返事のような喋り方。 「勇者...って、ああ。卯月先輩のことか、いや。違うけど」 兜を投げ捨てて、朽ち行く魔属の死体を跨ぐ。 「金髪の英雄属はかの勇者だけと思ったが」 「や、確かに本当はオレがカイなんだけど...てか、それよりこいつ、」 少年は、足下を指さした。 「勝手に殺して悪かったな。ちょい長くなりそうだから退場して貰ったんだけど。これ、確かアンタの仇だったろ?」 人と魔属の歴史の始め、クナ奴隷自治区を襲撃した魔属。その中に、この青い魔属は存在した。そして、 「いや...もうどうでもいい。面倒が省けた」 本当にどうでもよさそうに、目を伏せる。 「そう言って貰えると助かるよ。 まあ、シナリオだとあんたは勇者にこれから説得されてコイツとやりあうんだけど、最後には相打ちになって死ぬんだけどさ」 だから、オレが殺しておかないとダメなんだとぶつぶつ言いながら、胸の辺りをさする。少年の胸からは、心臓を突き刺したはずのナイフの傷が消えていた。 「...何の用だ?」 「それ、トレンチだろ」 少年はそれには答えず、彼女の服装を上から下まで惚れ惚れと見つめた。 「なんかいいよなあ。クールでタフでハードボイルドってヤツ? ファンタジーに軍用丸出しのトレンチなんてキャラデザした奴アホじゃねえかとか散々叩かれまくってたけど、オレは好きだぜ」 にんまりと笑う。触っていい?と馴れ馴れしく尋ねるが、彼女の方が無反応だったのでしょんぼりした。 「うあ、ジト目。このカッコがおかしいとか? ちょいと役割を代わって貰ったんだけどさ。兵士A」 と、少年は突然腕を組んで、何か嫌なことを思い出したかのように述懐する。 「にしても、伝令の兵士とかこういう殺されるためだけに存在するキャラってのもなんだかだよなあ。こいつだけは、アンタが説得に応じて改心したとしても生き残れないんだぜ。一番不幸だっつーの。こーんな軽々と死亡イベントとか死亡エフェクトとか造るとかさ、まともな人間じゃあできねーよ」 なにかに憤った様子で、しきりに頷く。 そこからは彼の独壇場だった。 息継ぎの暇もなく延々と喋り続ける少年。 「兵士Aとかさぁ、それはもうもう無意味に殺されたり殺されたり殺されたりとか。敵キャラでも単にボスキャラの残虐性を表現する為だけに敵に殺されたりとか、あげくこっちが話しかけたとたん魔獣になったりとか「ぐふ」とか言って死んだりとか、何ですかオレが殺したんですかみたいなさ。 まあ主人公も主人公で、戦争中でもたわいもない長話を平気でするわ、その間にバンバンドンドン死んだりするわ。そんな無駄なことしてないで一秒でも早く出撃してりゃあ死なずに死んだのになあって展開が山ほど在るわけだ。お前のハグの時間を稼ぐために俺達は死にましたとか、もう考るヤツ頭おかしいよなこれ。血を出しゃ残虐だとかリアル思考だとか、血を書かなきゃお子様でも安心して楽しめますとかさ。 んなんじゃねーっつーの。 こんなふーに、どうでも良いキャラだったら点滅エフェクトであっさり殺していーだろみたいな考え方が出来るバカがそれを押しつけるってーことのが、よっぽどヤバいんだよ。 この前なんてよ、「誰も死なないから安心して読めるバトルマンガ」とか言われて漫画借りたんだけどさ。死んでないのは名前の付いたキャラだけで、町人とか一般兵士とか当たり前のように死んでてさ、ゾっとなったよ。だってそうだろ? そいつにとってただの人間ってのは人としてすら映ってないってことじゃねーか。 まー、多分そんなつもりで言ったんじゃないだろうけどさ、でも、そんなつもりでないって事の方がよっぽどリアルにヤバイと思わないか?」 彼女は、目を丸くしてそれを聞いていた。 言ってることはそれなりに大事なことなのだろうが、彼女にとってそれがなにかの役に立つのかというと、全くそんなことはなかった。 なにか心を打つことでも言って自分を説得しに来たのだろうとタカをくくっていた彼女は、それに拍子抜けをした様子で、 「何が言いたい?」 「いや、本当は気の利いたセリフの一つでも言ってヤケになってるフリして実はそうでもないアンタを説得、六銃の所以たる【グリップ】と奥義を形見分けするって、展開なんだけどさ。オレそういうの興味ないから、どうせなら全く関係ない雑談でもしてみようかと」 というか、このイベントオレあんまり好きじゃないんだよな。と少年は呟いた。 「この魔属も言ってたみたいに、ここにいる勇気軍って魔属狩りのメンバーなワケだろ? クナ奴隷自治区って魔属の発生率が異様に高いから、勝ち目が見えてきた今頃になっていっそ民ごと浄化しましょうみたいな論調が出来てさ。で、それ実行する魔女狩りめいた部隊が勇気軍で造られてさぁ。 この、じーさんとかもその一員だったわけだ。 いちおうラストあたりで糾弾されて改心するんだけどさあ、それを差し置いてみたとしてもこのじーさん達を助ける為にアンタが相打ちになるってーのがどうしても納得いかなくてよ」 二つの屍骸を下にして、少年はそうぼやく。 人の命を秤に掛けるわ年寄りを敬わないわ、およそ倫理観という倫理観が消し飛んだかのような発現だが。 その表情はいたって真剣だったし、静かな怒りすらたたえている。 「面白いことを言うな。お前は私を改心させずに、生かしに来たというのか?」 彼女は、この不思議な少年の話に付き合うことにしたらしい。 少年は適当に頷いた。 「ああ。理不尽な話だけど、オレはアンタがなにに悩んでるのかも知ってる。ここが、恋人と初めて出会った場所で、そして別れた場所だって事も、墓参りのつもりでここに来てそのまま自殺しようとしたことも、この国の懐かしくもドブ臭い臭いを嗅いでそんな気分は失せたことも、なのに勇気軍の魔女狩りが横行していて何もかもがイヤになったことも。少しだけはこの自治区が滅べばいいと少しは思ってることも。 ――それにもちろん、オレがどう説得すれば、心変わりするかも」 彼女は、あまりに少年の言葉がおかしいので、微笑んだ。 「お、笑った」 「笑うさ。なら、なぜそれを言わないんだ? とても信じられないが、もし本当にそうだとしたら、その為にここにいる全ての人間が死んだのだぞ。私がこうして笑っている間にも、ただの人とやらがくびり殺されていることだろう」 少年は、ひどく憤慨した様子で「あのな」と呟いた。 「言っただろ。それじゃアンタが死んでしまうんだよ。 オレは理不尽な死が嫌いだ。無意味に殺される兵士Aも、お涙ちょうだいで死ぬ運命にあるヤツも、殺されるためだけに生まれてきたような存在が大っきらいだ。悪人のクセに最後まで生き残るキャラも嫌いだし、自分らだけ何度でも甦る勇者達も嫌いだ。 だから、妨害しに来た。魔属にも勇者にも殺させはしない。 オレはそういう理不尽な死を回収するためにやってきた、そうだな...差詰めシナリオブレイカーだ」 不敵に笑う少年。 魔属の死を感じ取ったか、残りの魔属が集まりはじめる。 狭い裏路地に集まる魔属、魔獣。だが少年は笑ったままだった。 「だから、オレは何にもいわねえ。ここへも単に雑談しに来ただけだ。 じきに本物の勇気軍が来るだろうし」 羽の生えた青色男が空の上から少年に強襲を掛けてきた。 少年は、影を重ねたまま屈むだけで爪を避け、魔属の心臓にあばら骨(まだ持っていた)を刺した。 「まぁ、オレとしてはそういう人間ばっかり集めてハーレムとかつくりたいんだけど。まあ、それは我慢している。自主性をおもんじねーとな」 狭い路地裏で、次々と魔属たちが少年を襲いはじめる。 折り重なるようになっているため、他の魔属からは少年が見えない。 少年はその死角で念動力回路を展開していた。 媒介は無い。独力で演算されているが故に魔法とまで呼ばれる完全魔術。 発動する。 「ただし、気を付けろ。運命ってヤツは割りと面倒でよ。例えば魔属に殺される運命にあるヤツってのは、その運命を回避したとしても結局どこか別の場所で魔属に殺されて死んでしまったりするんだよ。 同じところで失敗する人間っているだろ? 運命ってのはあれの究極系なんだな、きっと」 炭酸に氷を放り込んだように、金色の粒子が溢れ出す。 その発砲する光を浴びたとたん、魔属と魔獣が次々と元の姿を取り戻しだした。 「魔属を人間に戻した――お前、その魔術は」 「ん、まあ理不尽な話だよな。ラスト直前で覚えるんだよ。条件は六銃全員の証を入手。バカか。これがあれば、ほとんどのシナリオ回避できますっつーに」 本気で怒りながら、少年は術を展開した。 金色の光が、街中を包んでいく。 疲れる作業だったのか、軽く息を吐いてのびをした。 彼女を見て、手を振る。 「じゃあな。いろいろ言ったけど、オレの願いはアンタがクリア後の世界でも生き延びてるってことだけだ。魔属を殺すのに飽きたのなら、それでいいじゃねえか。 わけわかんねー屁理屈につきあって再び戦おうとかさ。思うよりよっぽどマシだ。無駄に死ぬな。あと、【グリップ】は先輩――じゃなくて、勇者に渡しておいてくれ。それないとベストエンドにならねーし。なに、この辺に捨てておけば拾うさ」 「お前無茶苦茶だな、それ」 強すぎる毒気に当てられたか、彼女はどこか呆れ気味にそう言った。 少年は無邪気に、はにかんだ。 「ま、理不尽と戦ってるもんでね」 「これからどうするつもりだ?」 「どう...って、次のシナリオを壊しにいくんだけど。次は六銃の【ハンマー】だったかな。五兄弟のヤツ」 「そうか」 「六銃って選択肢次第で全員と戦って【証】を奪い取るイベントあるんだけどさあ、もうアホですかと。だいたい、戦闘システム変に凝りすぎたせい敵の自由度が無くなったみたいなお粗末なの造っときながら、六人の英雄とバトルだとか烏滸がましいにも程があるっての。そんな骨が折れるだけで何の個性もない戦いを六回繰り返すこっちの身にもなれっつーの。どんなマゾプレイですか。 どんだけ優秀だろうが攻略パターンが決まった戦いなんて苦痛でしかないっつーの」 この世界の人間には全く理解不能の言葉をぼやき続ける少年。 本当に自分の愚痴しか呟いていないのである。 やがて彼女は、苦笑しながら口を開いた。 「なら――」
六銃の話はここで終わる。
勇気軍と勇者が、樹方網による連絡を受けて血相を変え転移してきたころには、何一つ無く、シナリオの一文字たりとも起らなかったのであった。
「勇者は【グリップ】を手に入れた。袋に入れますか?」
(?・終わり)
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■2006年10月21日(Sat)
六銃忌憚
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Replay
 | 水筒や双眼鏡を吊り下げるエポレット、銃床をささえる、右胸の当て布。 手榴弾をぶらせげるためのD型リング。雨風を凌ぐためのチンウォーマーに袖ベルト。 寒冷な欧州での戦争、泥濘地での塹壕戦を想定し造られた為に塹壕コートと名の付いた外装。 何から何まで「この世界」ではあり得ない服装だが、多くの兵士達はそれを疑問に思うことはない。そんな余裕は大陸に生きる生物の八割が死に絶えた時点で無くなっていた。 精々が後世の歴史家が居並ぶ六つの像の一つを見て、この服はこの時代に在るはずがないと不思議に思うだけであろう。 六銃――戦火の中でそう呼ばれた英雄達の中でも、彼女は一際異彩を放っていた。
銃把を模したグリップを持つ剣(これもあり得ないのだが)を握りしめて、彼女は目を閉じていた。 寝ているというわけではないだろう。英雄は英雄に名を連ねた時点で睡眠も食事も必要を失い、肉欲すら奪われていた。 夢も見ることはない。 だから、目を閉じたところで、ただ思い出すことしかできないのだった。 夢にも似た昔の想い出を。
警笛、続けざまに喧噪。 北の空が灰に滲み、黒に染まっていく。
彼女は、まだ目を閉じたままだった。 クナ奴隷自治区、とっくに戦略的意味も消え失せた国の路地裏で、ただ黙して動かない。 悲鳴がどこからともなく聞こえてくる。 足音。槍を構えた兵士が、路地から現れる。 「――様、なぜ戦わないのですっ!! 戦ってくだ――」 次の瞬間には獅子型の魔獣に襲いかかられ、喉笛を食い破られる。 獲物を仕留めた魔獣は、そのまま彼女に襲いかかろうとした。 だが、更にその次の瞬間には【破壊】の魔術を組み込んだ矢が頭部に突き刺さっている。 爆裂四散した頭部は魔獣の特性として即座に修復を始めるが、国中に張られた妨害の結界がそれを阻止する。魔獣は首を失った猫の死骸となって果てた。 三人一組の小隊が、陣を組みながらまた路地から現れる。 一人が喉を食い破られた兵士を見聞した。 息があったが、治療は不可能だった。 隊長らしき人物が腰のナイフを引き抜き、無造作に兵士の胸に突き刺す。 もう一人が、金を取り出してナイフで削った。 金箔を受け取った隊長は、兵士の目蓋を落としてから金箔を涎と血に濡れた口につけた。 黙祷する三人。 そのあと隊長だけが彼女へと振り向いた。 老人だった。
「まだ踏ん切りがつきませんか?」
「...それとも、もう魔属とは戦わないつもりですか?
「魔属と化した恋人を殺す、貴女はその為に英雄になり、そしてその目的を果たした ――だから、もう戦わないつもりですか?」
後世に六銃と呼ばれた英雄達。彼らは、その全員が魔属と成り果てた親しき者を殺す為に人を捨てた者達である。 母親を、妹を、仕えるべき王を、五人の息子を、同じ夢を誓った友人を、 ――恋人を。ただ殺し滅ぼすためだけに、人を捨て英雄となった者。 英雄の中には、悲願を果たした瞬間に自らの首を跳ね飛ばした者もいた。
「魔属も十体以上いたそうです。今更この国に何の用があるのか知らないが、この大攻勢だ。ここであなたが戦わなければ、自分達は間もなく根絶やしにされることでしょう」
「...結界の拠点もあと数分もあれば、破壊されることでしょう。そうなればあとは一方的な虐殺だ。我々に出来ることと言えば...せめて魔獣と化して盟友を殺すことのないように処置を施すだけ」
「それでも...戦ってはくれないというのですか...」
三秒待って老人は首を振った。 俯きながら、手信号を出す。 「いそげ、我が隊だけ後れを取るな。死して勇者の隣へ!」 結界を死守するつもりなのだろう。一段は再び陣形を君で、中心へと走り出した。 彼女は――
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