民家でよく見られる下屋付の2階建では、下屋部分の構造が建物の性能に大きな影響を与えます。
この形式の建物ではしばしば、2階外壁の直下は全て開口となっている場合が見られます。耐力壁がない場合、水平力は2階床面と下屋屋根面を伝わって、内壁と下屋外壁へと流れます。
Fig.4-6 下屋 |
従って、下屋屋根面にも普通の水平構面と同様の力が作用し、面材や周囲の梁材に力が生じます。ここで問題となるのは、垂木と母屋の間の接合は垂木受を介していることが多く、十分な強度がないということです。
場合によっては下屋軒桁と母屋のつなぎ梁が無い場合があり、回転による外周部の引抜き力を垂木自身が負担しなければならない場合があります(Fig.4-7)。
この場合、通常の仕様では垂木の接合強度が全く足りず、建物の性能の著しい低下を招きます。
Fig.4-7 下屋のねじれ |