木造建物に吹き抜けが設けられた場合に生じる構造上の問題点を以下に挙げます。
- 剛床仮定で建物を計画している場合に、吹き抜けの残りの部分の床に力が集中します(Fig.4-2)。特に建物の全幅に吹き抜けを設ける場合、そこで力が伝達されなくなり、建物全体の剛床仮定が成立しなくなります(Fig.4-3)。
- 鉛直構面の垂れ壁の場合と同じく、床面内の力の釣り合いから、吹き抜け周りの梁に引抜き力が生じます。
- 剛性低下により変形が大きくなります。また、梁が変形に追従できない場合は折れてしまいます。
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Fig.4-2 吹き抜け |
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Fig.4-3 吹き抜け2 |
吹き抜けを計画する場合はこれらの問題が生じないよう、床面を流れる力が少なくなるように壁配置を工夫したり、力の生じる部分を補強するなどして対処します。