黒湯温泉は乳頭温泉郷の最奥部にあり、秋田藩主佐竹家の湯治場だった歴史もある。硫黄分で白くなった黒湯沢のあちらこちらから湯煙が噴き出し、敷地内には熱泉が湧き出ている大きな湯畑もある。温泉郷の中で最も秘湯度が高く、湯量の多い2種類の源泉を利用した数多くの木造の風呂も素晴らしい。
東北を代表する温泉地である乳頭温泉郷は、秋田県では乳頭山、岩手県では烏帽子山と呼ばれる山の西麓にあり、ブナの原生林湯を流れる先達川とその支流に7つの温泉群が湯煙を上げている。
鶴の湯・乳頭(休暇村乳頭温泉郷=旧休暇村田沢湖高原)・妙乃湯・大釜・蟹場・黒湯・孫六温泉がそれである。

温泉の発見は1674年、秋田藩主佐竹家の湯治場だったという歴史がある黒湯温泉は乳頭温泉郷の最深部、先達川と黒湯沢が合流する地点にある。

徒歩だと大釜温泉の横から山道を歩み孫六温泉経由で20分、車だと休暇村の脇の道を3分ほど進むと駐車場に着く。
そこからわずか50mほど下ると、館名に相応しく各棟の杉皮葺きの屋根も板壁も黒く塗った黒湯温泉に到着する。

周囲は硫黄の臭いが漂い、白茶けた岩石の間から噴煙が立ちのぼり、裏側には一見して高温と分かる源泉が湧き上がる湯畑があり、立ち入り禁止のロープで囲われている。。
乳頭温泉郷 黒湯温泉 (秋田県)
所在地 : 仙北市田沢湖
温泉名 : 乳頭温泉郷黒湯温泉
施設名 : 黒湯温泉 (入浴日:2004.6.15 2回目 2010.6.10)
仙北市とは聞きなれない市名だが、平成17年に旧田沢町・旧角館町・旧西木村が合併して誕生した。

秋田県の東部中央に位置し岩手県と接しており、市のほぼ中央に田沢湖があり、東に活火山の秋田駒ケ岳(1637m)、北に八幡平(1613m)、南は仙北平野へと開けている。
市域の8割が森林地帯で、冬季には全地域で平均気温が氷点下を下回る厳しい寒さとなる。

観光資源に恵まれ、大きくは「八幡平・玉川(温泉)エリア」「乳頭(温泉)エリア」「田沢湖高原・水沢・駒ケ岳エリア」「田沢湖エリア」「抱返り・神代・白岩エリア」「角館エリア」などに分けられる。

角館は城下町として栄え、最後は佐竹義隣(佐竹北家)が支配し明治維新まで11代200年余り続いた。

城下町の町並みは380年を経た今でもほとんど変わらず、みちのくの小京都して年間200万人が訪れる大観光地となっている。
特に春の季節、家屋敷周辺の枝垂桜を観光するために大変な賑わいとなる。
田沢湖は瑠璃色の湖面を持つ美しい湖。ほぼ円形で周囲20km、水深423mは日本一の深さを誇っている。写真は伝説の美少女たつこ姫のブロンズ像.
黒湯温泉の荒々しい湯畑
黒湯温泉は冬季休業で、営業期間は4月中旬〜11月上旬である。

日帰り入浴は午前9時からになっている(ガイドブックでは午前7時〜となっていたが、現地掲示では9時〜となっていた)。

一軒宿だが部屋数は多く、6畳・8畳の一般客室が20室(BT無し・・・11,700円)と自炊棟に22室(4,000円〜)、これ以外に100mほど離れた高台に別荘と呼ぶ離れが一戸ある。
(詳細及び最新情報は下記のHP参照)


風呂は「上の湯」と「下の湯」の2ヶ所があるが、全部で内風呂が男女各2ヶ所に混浴が1ヶ所、露天風呂が男女各1ヶ所と混浴1ヶ所、それに打たせ湯が3ヶ所にある。


何れの湯屋・浴室・風呂も木造で、温泉に馴染んで黒ずんでおり、温泉好きにはたまらない情緒を醸し出している。
どれも木造・黒塗りの建物、茅葺の棟もある。
上の湯の混浴露天風呂と内湯と下の打たせ湯はすべて繋がっている。泉質は上の湯が単純硫化水素泉(71℃) 、下の湯は硫黄泉(85℃)で、いずれも硫黄泉独特のなめらか感がある。
打たせ湯
詰めて5、6人用。前方に黒湯沢の噴煙が舞い上がる。
右前方に打たせ湯、左手前が露天風呂。
下の湯の男女別内湯の湯小屋。左は打たせ湯。
壁も床も風呂湯船も木造、温泉によって黒ずみしっとりした風合いになっている。
2番目の打たせ湯
女将だろうか?愛想の良い美人女性に入浴料500円を払い、ついでに50円の黒い温泉玉子を買う。
前回入浴の際は、下の湯を知らず上の湯だけで済ませていた。
今回は事前に承知していたので、坂道を降りた下の湯でも入浴した。
しかし、後でチェックすると宿のHPに記載されている男子用湯2ヶ所の内の1ヶ所と男性用露天風呂に入浴していなかった。
これらは宿泊者専用なのだろうか?それとも見落としていたのだろうか?

何れにしても入湯温泉郷の宿の立ち寄り入浴はほとんど500円だが、どこも金額以上の満足が得られる。
黒湯も同様、これで500円でいいのだろうか?と本気で思った。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 秋田県仙北市田沢湖生保内字黒湯沢2−1 
(旧)秋田県仙北郡田沢湖町生保内字黒湯沢2−1
電 話 0187−46−2214  
交通機関 東北自動車道盛岡ICから国道46・国道341号線、県道などで約60km
JR秋田新幹線田沢湖駅から乳頭温泉行バスで約45分、乳頭温泉(休暇村)下車徒歩20分
施設(日帰り用) 休憩所、駐車場は旅館の上の未舗装簡易駐車場を利用(50台くらい可能)
宿 泊 6畳・8畳の一般客室が20室(BT無し・・・11,700円)
自炊棟に22室(4,000円〜)、これ以外に100mほど離れた高台に別荘と呼ぶ離れが一戸ある。

(2010年6月現在・・・最新情報は宿のHP(下記)参照ください。)
泉 質 上の湯は単純硫化水素泉(71℃) 、下の湯は硫黄泉(85℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 9時〜18時
定休日 無休  但し冬季 11月中旬〜4月中旬休業
入浴料金 大人500円 
入浴施設 内湯:男女各2・混浴1、露天風呂:男女各1 混浴1 打たせ湯3
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ類は見かけなかった。
観光スポット カラ吹き湿原、周辺ブナ二次林、千沼ヶ原、田沢湖周辺、角館、八幡平抱返り渓谷
お土産・食事 館内で食事不可
近くの温泉 乳頭温泉郷の他の温泉(鶴の湯妙乃湯大釜温泉孫六温泉、乳頭温泉(休暇村)、蟹場温泉)、田沢湖高原温泉、水沢温泉郷、玉川温泉国見温泉後生掛温泉など多数
仙北市HP
田沢湖観光協会
乳頭温泉郷
黒湯温泉HP
http://www.city.semboku.akita.jp/
http://www.tazawako.org/
http://www.nyuto-onsenkyo.com/
http://www.kuroyu.com/
雑記帳 温泉組合で発行する「湯めぐり帳」を購入すると、各温泉(7ヶ所)に1回入浴できる。
但し、購入できるのは7つの旅館に宿泊する者だけで、有効期間はないので、周りきれないときは次回以降で使用できる。料金は1,500円で割安だ。
改訂版
(2010.6)