乳頭温泉郷・孫六温泉 (秋田県)
所在地 :
仙北市 (旧)仙北郡田沢湖町
孫六温泉は乳頭温泉郷の一番奥にあり、車では行けない。大釜温泉から徒歩で15分、冬期でなければ黒湯温泉から徒歩5分、先達川の辺にあって、7つの温泉の中で最も鄙びた温泉だ。温泉好きには、鶴の湯でも妙の湯でもなく、孫六温泉の素朴さが気に入って贔屓にしている人も少なくないようだ。
温泉名 : 孫六温泉
施設名 : 孫六温泉 (2004.6.15)
住 所 |
秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢国有
(旧)秋田県仙北郡田沢湖町田沢字先達沢国有林地内 |
電 話 |
0187−46−2224 |
交通機関 |
東北自動車道盛岡ICから国道46・国道341号線、県道などで約60km、黒湯温泉上の駐車場から徒歩5分
JR秋田新幹線(田沢湖線)田沢湖駅から乳頭温泉行バスで約45分、終点下車徒歩15分
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施設(日帰り用) |
休憩所、駐車場は黒湯温泉上のものを利用。 |
宿 泊 |
15室 税・サ込み8,000〜9,000円
他に20名収容の自炊部 |
泉 質 |
単純硫黄泉(56.1℃)他 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 |
7時〜17時(湯巡り帳記載) |
定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人400円 |
入浴施設 |
内湯:男女各1・混浴1、露天風呂:混浴2・女性用1 |
浴室備品 |
内湯にシャンプー、ボデイソープ |
観光スポット |
カラ吹き湿原、周辺ブナ二次林、千沼ヶ原、田沢湖周辺、角館、八幡平、抱返り渓谷、 |
お土産・食事 |
館内で可能かチェック漏れ |
近くの温泉 |
乳頭温泉郷の他の温泉(鶴の湯、妙乃湯、黒湯温泉、大釜温泉、乳頭温泉(休暇村)、蟹場温泉、田沢湖高原温泉、水沢温泉郷、玉川温泉、国見温泉、後生掛温泉など多数 |
仙北市HP
田沢湖観光協会
乳頭温泉郷
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http://www.city.semboku.akita.jp/
http://www.tazawako.org/
http://www.hana.or.jp/~nyuto/ |
雑記帳 |
温泉組合で発行する「湯めぐり帳」を購入すると、各温泉(7ヶ所)に1回入浴できる。
但し、購入できるのは7つの旅館に宿泊する者だけで、有効期間はないので、周りきれないときは次回以降で使用できる。料金は1,000円で割安だ。 |
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
(旧 田沢湖町)
6月15日、前日宿泊した花巻温泉郷・大沢温泉を早立ちして、緑色の温泉、国見温泉に立ち寄った後、武家屋敷と枝垂れ桜で知られる角館を観光、ここで昼食を取ってから田沢湖に向った。
梅雨時のシーズンオフのためだろうか、田沢湖のシンボル「たつこ像」の前は我々だけ、日本一の深さを誇る湖面は漣一つ立たず、神秘的な紺碧だった。
田沢湖町は秋田県のほぼ中央に位置し、東は奥羽山脈で岩手県と接している。
北部は那須火山帯の山々が連なり、秋田駒ヶ岳などの八幡平山系山麓には、温泉ランキングの上位を占める乳頭・玉川の両温泉の他に高原リゾートの雰囲気タップリの田沢湖高原温泉など、個性の異なる温泉が点在している。
平成9年3月開業の秋田新幹線「こまち」により田沢湖-東京間が最短2時間58分で結ばれたJR田沢湖線により、首都圏からのアクセスが大きく改善された。
道路の方も、東北自動車道につながる国道46号、鹿角・八幡平に至る観光ルート国道341号、県内陸部を東西に結ぶ国道105号の3本の国道が町を貫く。いずれもよく整備され、山岳地帯の緑豊かな広葉樹の中を進むドライブは心が弾んだ。
角館
田沢湖
玉川温泉、単独源泉として日本一の湯量。地中から猛烈な勢いで温泉が噴出している。
下の写真をクリックすると角館町のHPへジャンプ
佐竹北家の城下町として発展した角館は、多くの武家屋敷が現存し、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。また桧木内川堤の5千本のソメイヨシノは、昭和50年に国の名勝に指定され、平成2年には武家屋敷の枝垂桜(国・天然記念物)とともに桜の名所100選にも選ばれた。私たちは数多くある武家屋敷の中から、今も母屋や蔵、塀など7つの建物が残る青柳家を観光し、屋敷内の食事処で稲庭うどんを食べ、その後、秋田の名酒を土産にするために、地元の酒屋に寄った。
春には百数十本の枝垂桜咲き誇り、多くの観光客で賑わう。
1664年、京都の公家三条西家・実号(さねな)の娘が角館佐竹家二代目に
嫁いできた。その際、嫁入り道具の中に、枝垂桜の苗木が3本入っていた。角館の枝垂桜は、”京”をしのぶ女の物語を語り継いでいる。(この写真は町のHPから)
孫六温泉は、乳頭温泉郷の中で車で行けない唯一の温泉。黒湯温泉から徒歩5分(冬期以外)、大釜温泉から15分の先達川沿いに湯煙を上げている。この不便さにもかかわらず冬でも営業を続けている。
この日、乳頭温泉郷に入り、宿泊する妙乃湯にチェックイン後、すぐに車で黒湯温泉に向かった。駐車場に車を停め、狭い坂道を下り黒湯温泉の横を通り過ぎ、先達川沿いに歩いていくと、すぐに孫六温泉の簡素な木造の建物群が見えてきた。
昔を知る人は、ここは自然の渓流沿いに建っていて、もっと風情があったそうだが、たしかに人工的な河岸で守られていた。
温泉の発見は江戸時代末期と比較的新しいが、乳頭温泉郷の中でもっとも鄙びた雰囲気があり、これを好む温泉客も多いようだ。
源泉は4つ。
本館前の斜面、河畔沿いに立つ質素な湯小屋が3戸、そこに男女別の唐子の湯、混浴の石湯、打たせ湯がある。
唐子の湯は素朴なコンクリート造りの湯舟、石湯は、巨大な天然の岩を浴室内に取り込んだダイナミックな風呂。露天風呂は石湯から出入りするかなりオープンな混浴が2つ、それに女性専用の大き目のものが先達川沿いにある。
私が気に入ったのは混浴の石湯、粗末な脱衣室から階段を下って浴室に入るが、左手に大きな岩がで〜んと張り出し、その真下に何の飾り気もないコンクリートを打った湯舟、湯は光線の具合だろうか青黒く見えた。
周囲の気温が高いせいだろう、湯気が全く立っておらず、冷泉のように思えたが、浸かってみるとわたしにとって適温の40℃前後だった。ここから扉を開けて外に出ると左右に小型の露天風呂が2つ、残念ながら湯に浸かった位置では、先達川を見ることは出来なかった。
一瞬、冷泉のように見えた青い湯の石湯
混浴露天風呂の一つ
打たせ湯