後生掛温泉 (秋田県)
所在地 : 鹿角市八幡平(かづのしはちまんたい)
温泉名 : 後生掛(ごしょうがけ)温泉
施設名 : 後生掛温泉 (温泉名に同じ) (入浴日:2004.6.16)
住 所 |
秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内 |
電 話 |
0186−31−2221 |
交通機関 |
東北自動車道鹿角八幡平ICから国道282・国道341号線、八幡平アスピーテラインで約28km
JR花輪線鹿角花輪駅から八幡平頂上行きバスで約1時間、後生掛温泉下車徒歩3分
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施設(日帰り用) |
休憩所、食事処、売店、駐車場30台 |
宿 泊 |
30室 1泊2食付9,000円〜15,000円(税・サ別)〜、(クレジットカード使用可) |
泉 質 |
単純硫黄泉(明礬泉) 泉温98℃ |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 |
7時〜19時30分 |
定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人400円 小人200円 |
入浴施設 |
木箱から首だけ出してあたたまる「箱蒸し風呂」、気泡湯の「火山風呂」、全身湿布作用のある「泥風呂」、大きな湯舟の「神経痛の湯」、自然の蒸気を利用した「サウナ風呂」、打たせ湯の「滝湯」、「露天風呂」の7つの温泉浴が楽しめる。 |
浴室備品 |
シャンプー、ボデイソープ、ロッカー |
観光スポット |
アスピーテラインドライブ、八幡平ビジターセンター、八幡平頂上探勝路、後生掛自然研究路、大沼探勝路等でトレッキング・高山植物鑑賞 |
お土産・食事 |
館内で可
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近くの温泉 |
玉川温泉、新玉川温泉、大沼温泉、蒸ノ湯、トロコ温泉、銭川温泉、藤七温泉、八幡平温泉郷、松川温泉 |
鹿角市HP
後生掛温泉HP
十和田八幡平観光物産協会HP
松尾八幡平観光協会HP |
http://www.city.kazuno.akita.jp/
http://www.goshougake.co.jp/
http://www.ink.or.jp/~kankou18/
http://www.hachimantai.or.jp/ |
雑記帳 |
周辺の「蒸ノ湯」、岩手県側の「松川温泉」をリストアップしておいたが、八幡平山頂、山麓の湿原を歩いたり、高山植物を鑑賞したためタイムーオーバー、入浴を断念した。 |
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
6月16日、前日宿泊した乳頭温泉郷・妙の湯を出発、国道341号線を北上、それからアスピーテラインに乗って日本百名山の一つ八幡平(標高1613m)に向った。途中、大沼探勝路を散策、その後、再び広葉樹林が両脇に生い茂る道を進みながら、高度をグングンと上げていった。やがて、1,200mを越える辺りからブナが途切れてきて、かわりに青森椴松(あおもりとどまつ=オオシラビソ)に取って代わった。その椴松もアスピーテラインの最高標高1,500mに到達する前から、厳しい冬の風雪のために枝を一斉に風下に向け、直立できず地を這うような樹勢になってきた。やがて遠く東北の名山、鳥海山や月山を望む八幡平レストハウスに到着、昼食後に頂上に向った。いまだ雪が残る小さな沼を幾つか通過して頂上に到着。そこからヒナザクラ、チングルマ、水芭蕉などの高山植物を鑑賞しながら八幡沼を一周した。ここからは私の持ちタイム。頂上付近の「藤七温泉」、山麓の「後生掛温泉」に立ち寄ってから、もう1泊する乳頭温泉郷に引き返した。
大沼。レンゲツツジやコバケイソウが満開だった。
「馬で来て足駄で帰る後生掛け」と昔から効能が謳われていた温泉には、温泉保養館と呼ばれる広い大浴場で入浴する。
一般宿泊客、湯治客、日帰り入浴客がすべて一緒だ。
浴室内はすべてヒバ造り、寺院の伽藍を支えるような太い柱が立ち並び、思わず天井を見上げてしまう高さだ。
窓ガラスから日が射し込んでくるが、浴室の広さと高さ、湯気と温泉成分の硫化水素のために黒ずんだ板壁、それに半透明、青緑色の硫黄泉に反射することなく吸収されて、なんとも心地よいほの暗さ、これぞ日本の温泉と実感する雰囲気だ。
浴槽はバラエティに富んでいて、最近のクアハウス並だ。大浴場、ジャグジー、泥風呂、箱蒸し、サウナ風呂、打たせ湯・・・。
しかし、流行のクアハウスと違うのは、風呂はすべて掛け流し、サウナや箱蒸しの蒸気も天然物だ。
この箱蒸しは後生掛名物で、蒸気の充満した木箱の中に体を入れて、顔だけ外に出す。サウナと違って外の空気を吸えるので息苦しくならないのが嬉しい。
大浴場の一番奥から露天風呂に出られるが、見晴らしも悪く小さくて、これはあくまでも付けたしだ。
八幡平レストハウスから強風に枯れたアオモリトドマツの群れを抜けて30分、山頂へ到着する。平安の昔、坂上田村麻呂が朝廷から遣わされてここへ来た時に、美しい景色に感動し、八幡大菩薩に感謝をこめて「八幡平」と名づけたとか。そのシンボルである八幡沼は、八幡平の中で一番大きい沼。エメラルドグリーンに輝く沼の周囲の湿地には、ミズバショウ、ニッコウキスゲ、チングルマ、ワタスゲなどの高山植物が、雪解けから夏まで次々にバトンタッチしながら咲き誇る。
後生掛温泉は標高1,000m、八幡平の焼山東側山麓の谷間にあり、玉川温泉と並んで東北屈指の湯治場である。周辺から噴きだす熱湯や熱泥、激しく舞い上がる噴気によって周囲は強い硫黄臭が漂っている。
後生掛自然研究路は、それらの火山現象を遊歩道で結び、生きた火山活動を観察でき、1周40分程度で周れる。私たちは玉川温泉で似た風景を見てきた直後だったので、これは省略したが、車で旅館に入る直前、宿泊棟の裏手に湯煙を上げる大きな湯畑を見て、あらためて東北の温泉の豪快さを実感した。
旅館の規模は大きく、地獄谷の沢口のわずかな斜面に、旅館部2棟、湯治部5棟、それに売店、食堂、温泉保養館がまるで都会のオフィス街のように立ち並び、そのため、「山間(やまあい)の一軒宿」という風情はない。ここの名物はオンドル宿舎だ。自炊棟が天然のオンドルになっていて、土間に寝るだけで全身がぽかぽかしてくるそうだ。
八幡沼
水芭蕉
温泉保養館へ
保養館入口
手前が「神経痛の湯」、向かいが「火山風呂」
ほんのりと暗い大浴場は、昼間でも落ち着いて入浴できる。
湯煙・噴気が立ち上る大きな湯畑