玉川温泉 (秋田県)
所在地  仙北市  (旧)仙北郡田沢湖町 
温泉名 : 玉川温泉
施設名 : 玉川温泉(温泉名に同じ)(入浴日:2004.6.17)
玉川温泉には、日本一が3つある。
1つ目は単一源泉としては日本一の温泉湧出量、
2つ目は日本一の強酸性温泉であること、
3つ目は、一軒宿としては「多分」という言葉が付くが、「日本一の湯治場」であ
ることだ。
日本で一番深い湖、田沢湖北東の(旧)田沢湖町町域に日本の温泉を代表する2つの名湯がある。
人気度で東の乳頭、西の黒川と言われる乳頭温泉郷と温泉力(湯量・泉質・効能・自然・温泉文化などの総合力)日本一の玉川温泉だ。
乳頭温泉郷は、田沢湖の北東20km、駒ヶ岳・乳頭山に抱かれた標高1千メートルの高地、ブナの原生林に囲まれ、そこを流れる先達川と支流沿いに七つの温泉が湯煙を上げている。
この他に高原リゾートの雰囲気タップリの田沢湖高原温泉などもあり、田沢湖町は日本有数の温泉の町と言える。

乳頭温泉郷・鶴の湯温泉
前日宿泊した「乳頭温泉郷鶴の湯」から国道341号線に出て北上、1時間ほどで玉川温泉に到着した。
広い駐車場に行くまでの私道には、数十台のワンボックスカーやキャンピングカーが生活感を漂わせて駐車していた。どうやら車に泊まって長期の湯治をしているように思われた。

高台にある駐車場から前方100mほど先に、大規模な玉川温泉の建物群が見下ろせた。
ここは、十和田八幡平国立公園の西南、活火山・焼山の麓、標高740mに位置し、周囲の白茶けた山稜からはもうもうたる湯煙が上がっている

建物群の左手、河床の中に木製の樋が何本も上流からつながり、その中を生れたままの温泉が流れていく。温泉の川だ。
ゆるやかな坂になっている遊歩道を歩いていくと源泉の「大釜」に至った。湧出などという生易しい表現では、不十分。
泉温98度、しかもPh1.2という日本一の強酸性温泉が,音を立てながら、1分間に9,000リットルも噴出している。鳥肌が立つような強烈な風景だ。湯が不足し、循環湯や水道・井戸水を沸かしている大温泉地に分けてあげたい気持ちになる。


周辺の地熱で温まった岩盤の上には、多くの人がゴザを敷き寝ている。ラジウム放射能を多く含むので(北投石・・国の天然記念物)、温熱による神経痛・リュウマチなどの関節系の病の他に、ガンに効果があるとの評判が高まり(有名な俳優がここでガン治療をした)、全国から湯治にやってくるのだ。そのためのゴザを持って歩く姿は、玉川温泉の独特の風景になっている。

ここは一つの町だ。
一軒宿だが、、本館、別館、東・南・西館、大浴場棟などが立ち並び、湯治客用の大きな売店もある。
部屋数は旅館部160室、湯治部71室、最大収容人員はおそらく800人近くになるのではないか。

総檜造りの男女別大浴場は、天井、壁、湯舟すべてが木造、天井の高さが15mもある広々としたもので、真ん中で男女別に分けられている。
照明が抑えられ、外からの自然光で浴室内が薄暗く、落ち着いた雰囲気で入浴できる。

風呂は、源泉50%の大きな浴槽の他、源泉風呂、気泡湯、熱湯、ぬる湯、蒸し湯、寝湯などの湯舟が揃っている。
温泉が日本一の強酸性なので、入浴は文字通り浸かるだけ、傷があったり目の中に入ったら強い痛みを感じるので要注意だ。
飲泉は可能だが、必ず水で1/5に割って飲まないといけない。
また、湯当たりが激しいので、入浴時間には気をつけなければならない。岩盤浴・大浴場の入浴方法の栞もあるので、宿泊・湯治の場合は、一度、これに目を通しておいた方が良いだろう。
(玉川温泉のHPにも詳細な記述有り)
私たちは、この日、十和田湖・奥入瀬・八甲田山観光、もう一つの温泉立ち寄り、というスケジュールが控えていたので、慌しい入浴となったが、それでも今回の旅で入浴した19ヶ所のなかで、酸ヶ湯温泉須川温泉と並んで強烈な印象が残った温泉だった。
尚、近くに同一経営の新玉川温泉があり、同じ源泉を利用している。
玉川温泉研究路」の風景
源泉が音を立てて吹き上がる「大釜」
温泉は3m幅の川となって流れる。
「大釜」付近でゴザを敷いて横たわる湯治客
、強酸性のためもあろうが、浴室内はすべて木造。
旅館部
温泉棟入口
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
住 所 秋田県仙北郡田沢湖町玉川 
電 話 0187-58-3000(予約は電話のみにて受付)
交通機関 JR秋田新幹線田沢駅から八幡平頂上行バスで約1時間20分、玉川温泉下車、徒歩5分
東北自動車道鹿角八幡平ICから国道282、341号線経由で約32q
東北自動車道盛岡ICから国道46・341号線で約80km
施設(日帰り用) 食事処、売店、 駐車場は旅館の手前の丘に約80台(中には宿泊客のみ駐車可)
宿 泊 1泊2食付約8,000円(税込み)〜
泉 質 含二酸化炭素・鉄(U)・アルミニウム-塩化物泉(等張性・酸性・高温泉)
湯量9,000リットル分、Ph1.2、無色透明、硫化水素臭
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
外来入浴時間 7時〜20時(宿泊客は3時〜24時で、0時〜3時は清掃時間帯。)
定休日 無休
入浴料金 大人600円 子供300円 幼児100円
入浴施設 内湯:男女各1・
露天風呂:
玉川温泉自然研究路を300mほど進ん脇にある乳白色のお湯をたたえた無料の混浴風呂。周りには視界を遮るものもなく、開放的な雰囲気の中で入浴できるが、設備は簡単な脱衣場だけ、歩行者も多いので日中の入浴は勇気が必要(ここは国が所有)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープロッカー
観光スポット 田沢湖、角館、八幡平十和田湖、奥入瀬渓流
お土産・食事 館内で可能
近くの温泉 新玉川温泉、乳頭温泉郷(鶴の湯、妙乃湯、黒湯温泉、孫六温泉、乳頭温泉(休暇村)、蟹場温泉)、田沢湖高原温泉、水沢温泉郷、後生掛温泉、蒸の湯、大沼温泉、銭川温泉、トロコ温泉など多数
仙北市HP
観光協会HP
乳頭温泉郷HP
玉川温泉HP
http://www.city.semboku.akita.jp/
http://www.tazawako.org/
http://www.hana.or.jp/~nyuto/
http://www.tamagawaonsen.jp/
雑記帳 今回の1週間にわたる温泉旅行の中で、ここは、入浴したい温泉のベスト3の1つだった。しかし、、「部屋数は30室以下」の私の基準を大幅にオーバーしていたため、ここでの宿泊は避けた。