佐藤春夫記念館
熊野速玉大社
東京の自宅を移築した佐藤春夫記念館が熊野三山の一つ・熊野速玉大社(新宮市)の境内ともいうべき所にある。
湯川地区にある汽水湖・ゆかし潟
新宮市出身の詩人で「秋刀魚(さんま)の歌」で世に知られる佐藤春夫(下記)が命名した「ゆかし潟」は、南紀随一の幹線道路・国道42号線沿い、白浜方面からだと南紀勝浦温泉に入る直前にある美しい汽水湖である。
(汽水湖とは海水と淡水が混じり合う湖)

季節になると桜・はまぼう・つつじなどの花々が咲き誇り、冬には多くの水鳥が訪れ、周囲には散策路(一部は熊野古道大辺路)が整備されていて一周30分程度で周れる。

そのゆかし潟の湖畔沿いにひっそりと数軒の小さな宿が佇んでいる。南紀湯川温泉だ。

南紀勝浦温泉の陰に隠れてあまり知られていないが、その歴史は古く、平安時代、熊野詣の湯垢離場として栄えた温泉地であり、今なお湯治場として親しまれている。
佐藤春夫

詩人・作家。1892年4月9日生 - 1964年5月6日没。
現在の新宮市(和歌山県)の医家に生まれる。上京して旧制一高の入試に臨んだが試験を中途で放棄、慶應義塾大学予科文学部に進む(のち中退)。
「スバル」「三田文学」などに詩歌を発表、のち小説に転じた。代表作は詩集「殉情詩集」、小説「田園の憂鬱」「都会の憂鬱」「晶子曼陀羅」など。1960年、文化勲章受賞。

友人の小説家谷崎潤一郎の妻・千代に恋慕し、のちに譲りうけたことがあった。その経緯は谷崎の中期の小説「蓼食う虫」に書かれているが、谷崎と千代子の離婚成立後、三人連名の挨拶状を知人らに送り、「細君譲渡事件」として当時センセーショナルな反響を呼び起こした。代表作である「秋刀魚の歌(下記)」も千代への思慕が背景にある。
俗に門弟三千人と称され、門人に太宰治や吉行淳之介、稲垣足穂、檀一雄、柴田錬三郎、中村真一郎、五味康祐、遠藤周作、安岡章太郎、古山高麗雄など、著名な作家がいる。

秋刀魚の歌

あはれ
秋風よ情(こころ)あらば伝えてよ
男ありて
今日の夕餉(ゆうげ)に ひとり
さんまを食ひて
思ひにふける と

さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑(みかん)の酸(す)をしたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎ来て夕餉にむかひけむ。
あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児は
小さき箸をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸(わた)をくれむと言うにあらずや。
(以下略)

住  所 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川1062
電  話 0735−52−0880
交通機関 阪和自動車道南紀田辺ICから国道42号線で約120km
五條から国道168・42号線で約160km

JRきのくに線紀伊勝浦駅から熊野交通バスで8分、湯川温泉下車すぐ
施  設 湯上り処、 軽食・喫茶処「きよもん」、 駐車場(50台 きよもん前の駐車場を含む)駐車場(50台 きよもん前の駐車場を含む)
宿  泊 無し(きよもん湯を経営する海のホテル 一の滝
外来入浴時間 12:00〜23:30
定休日 無休
泉 質 アルカリ性単純温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人 500円 小人(0歳〜小学生)300円
入浴施設 内湯 : 男女各1
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 勝浦漁港周辺、那智の滝、熊野那智大社、青岸渡寺、紀の松島(観光船)熊野本宮大社、熊野速玉大社、瀞峡(ウォータージェット船)、北山川筏下り、くじらの博物館、鯨ウオッチング
お土産・食事 きよもんで軽食可。那智勝浦駅から勝浦漁港にかけて食堂・鮮魚/水産加工品販売店多数。
近くの温泉 南紀勝浦温泉めざめ温泉、太地温泉、串本温泉、夏山温泉、錦温泉、太地温泉、串本温泉、雲取温泉湯の峰温泉渡瀬温泉川湯温泉
那智勝浦町内:公衆浴場はまゆ、さくら湯、ゆりの山温泉
那智勝浦町HP
観光協会HP
旅館組合HP
海のホテル一の滝HP

きよもん湯HP
http://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/index.html
http://www.nachikan.jp/
http://www3.ocn.ne.jp/%7Enk-onsen
http://www.ichinotaki.co.jp/
http://www.ichinotaki.co.jp/kiyomon.htm
きよもん湯は、ゆかし潟の東端、国道42号沿いの右手(白浜方面からの場合)にあり分かりやすい。
しかし、カーブの先にあるので通り過ぎないように、また急にブレーキを踏んで追突されたり、前方不注意で右折しないように注意したい(国道42号は交通量が多い)。

建物は平屋建て、和風の落ち着いた外観だ。
館内には庭園を見晴らすシンプルな湯上り処以外は特別な設備が無いが、上記の通り、姉妹施設「きよもん」
で軽食と喫茶を取ることが出来る。

風呂は石材・タイルを使った大きくはないが清潔感がある内湯と家族風呂が3ヶ所ある(露天風呂は無い)。

年中無休(設備点検等で臨時休業あり)で、営業時間は正午〜午後11時30分まで。
料金は大人500円、家族風呂は、入浴料金とは別に1室1000円(50分以内)。
勝浦漁港
軽食・喫茶処の「きよもん」から見たゆかし潟。湖の反対側には、温泉通に知られたゆりの山温泉がある。
記念館内部
南紀湯川温泉・きよもん湯 (和歌山県)
温泉名 : 南紀湯川温泉
所在地 : 東牟婁郡那智勝浦町
施設名 : きよもん湯 (入浴日:2005.12.13  2回目入浴:2011.11.29)
那智勝浦町は那智山(熊野那智大社・青岸渡寺・那智の滝)の門前町である那智と温泉・漁業の町である勝浦が合併した町だ。

紀伊半島のほぼ南端に位置し、気候温暖、海・山・森・滝と自然に恵まれ、そのシンボルが日本一の落差を誇る那智の滝である。

また、神武東征の上陸地、熊野三山の一つ熊野那智大社、西国33所第一番札所の青岸渡寺そして世界遺産に登録された熊野古道(大門坂)が所在する歴史・信仰の地でもある。

さらに町域には豊富な温泉が湧出し、また勝浦港は延縄漁法による生マグロ水揚げ日本一である。

和歌山県の高速道路は西側に阪和自動車道南紀田辺ICまで延伸されてきたが、そこから42号線を約100kmほど走らねばならない。

それでも宿泊・日帰り観光客の合計が170万人(平成17年)に達するのは、上述の通り自然・歴史・温泉・海の幸の4拍子が揃い、多くの人々を魅了するからだろう。
勝浦漁港。前方は洞窟風呂(忘帰洞)で有名な巨大温泉宿(600室)のホテル浦島。
湖上に浮かぶ「軽食&喫茶きよもん」
小さな湯川温泉街の手前、国道42号線の左側(白浜方面から)、ゆかし潟の湖畔にあって、小川を跨ぐ専用の橋を渡った対岸に瀟洒な雰囲気の軽食・喫茶「きよもん」がある。

「きよもん」は国道を挟んで反対側にある日帰り温泉施設「きよもん湯」とともに、温泉教授・松田忠徳氏が著書「日本百名湯」の一つとして選考された南紀勝浦温泉・海のホテル一の滝が経営している。

私達夫婦は「きよもん湯」に入浴後、「きよもん」で昼食を取っていた時に、経営者の中村ご夫妻と親しく話す機会があって、その縁でこれまでに3回ほど海のホテル一の滝に宿泊している。
改訂版
2mx4m位の風呂から温泉が惜しげもなく流れ出している。pH9.8のアルカリ性なので、ぬるすべ感が素晴らしい。
泉質は無色澄明で僅かに硫化水素臭がある単純温泉。湯量は252リットル/分と豊富、泉温が40.8℃で加温してかけ流し。
左側写真がきよもん湯で、その左手すぐ先に小さな旅館数軒がひっそりと寄り添う南紀湯川温泉(写真右)がある。
畳敷きの湯上り処

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南紀勝浦温泉にほど近い南紀湯川温泉。きよもん湯は、温泉教授・松田忠徳氏の日本百名湯の宿、南紀勝浦温泉・海のホテル一の滝が経営する源泉かけ流しの日帰り温泉施設。