過去の旅 2003年9月
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日帰りサイクリング桑名(9/27)
  折り畳みのサイクリング車をもって電車に揺られ、知らない町に降り立ってその町を走るというのはいつものパターン。但し今回も夕方には仕事が待っているので、ごく限られた時間での散策となる。家を出たのは始発。で、電車に揺られ、近鉄桑名駅についたのは、10時。5時間ほどは町を走ることができるので、ひたすら走って町を見てまわることに。先ずはいつも通り趣味の神社めぐり。郊外の神社を数ヶ所まわった後、市街地に戻ってきたのは午過ぎ。で、残った時間を市街地の観光に。
 桑名市(9/27)
   桑名は東海道沿いの宿場町でかつ城下町。さらには東海道が桑名から七里の渡しで、宮の宿まで船で渡ったことからも判るように、港町でもある。揖斐川河口の扇状地であり、中世に商港として栄え、「十楽の津」と呼ばれた自由都市であった。長島の一向一揆が鎮圧された後は、滝川一益の所領となるが、江戸時代に入り、本多忠勝の城下町となり、その後、久松松平、奥平松平、そして再び久松松平の城下町となる。親藩大名が配置される重要地であったことがうかがえる。特に久松松平は奥州白河時代には老中定信を出す家柄であり、その子定永の時に桑名に戻る形で移封。定信自身も隠居後は桑名で過ごしたという。また幕末には定敬も輩出し、地味ながらも非常に歴史的に重要であることが判る。現在は城跡が九華公園として整備されている程度で城下町としての雰囲気はあまり残っていないようである。
 先ずは、七里の渡しに行ってみる。宮からわたってくる人にとっては伊勢の入り口ということもあり、そこには伊勢神宮の一の鳥居がたっている。流石は伊勢国といった感じ。その後、旧東海道沿いに町並みを見ながら自転車で走る。町並みはしっかりと残っているわけではなく、近代の商店街的な雰囲気と交じり合った形で、ところ何処にに残っているという程度。近代の商店街自身も廃れ気味で、非常に微妙な感じがする。
 あと桑名で特筆するべきことといえば、個人的な趣味で言うと連鶴であろう。途中よった桑名市博物館にも飾られていたが、一枚の紙に切り込みを入れるだけで 繋いでつながった鶴を折って行く方法で、折鶴が好きな僕は、趣味としてこの連鶴をよく作る。その発祥はここ桑名にあるわけである。桑名長円寺の 住職魯縞庵義道によって考案されたという。桑名市の無形文化財にも指定されている。自分の趣味の原点が此処にあることが少し嬉しく感じられて、それだけでも桑名にやってきたことに満足してしまう。
  日帰りということもあり、あまりゆっくりと出来なかったことが心残りだが、それなりに桑名の雰囲気は味わえたと思う。今度来た時にはもう少しゆっくりとしたい。そういえば、焼きハマグリを食べなかったことも、少し心残りだ。
 
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