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矢田部英正『日本人の坐り方』集英社新書 2011
 坐り方といっても、正坐とあぐらぐらいしかすぐには出てこなかったが、確かに小さいころは体育座りなど他の坐り方もしていたし、正座のことを「かしこまにすわる」と言っていたことなども思い出される。それにしても座るという当たり前の動作について考える機会などあまりないだけに、「安坐」「割坐」「貴人坐」など、こんなにも様々な坐り方とその表現ががあったのかと驚いてしまう。ましてや正坐が日本人の基本的な坐り方などではないとなると、近代以降の日本人の所作のあり方をもう一度、検討しなおしてみる必要があると改めて思う。江戸時代までの日本人はの歩き方は「なんばあるき」だったとも言われるように、身体所作の変化は他にもあるだろうし、さらにそこから影響した変化も多くあるに違いない。人がどのような型に則って動くかは、案外重要な問題だろう。短すぎるだけにそこで見落としてしまうものをしっかりと捉えていく必要があるだろう。
 
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