施設名 : 山乃湯 (入浴日:2006.10.11)
泉佐野市は人口約100,000人、大阪府の南部、大阪市と和歌山市のほぼ中間に位置する。
背後の犬鳴山温泉を含む山間部は、金剛生駒紀泉国定公園に指定されるなど自然環境に恵まれる。
市内には南海本線とJR阪和線の2つの交通機関を持ち、都心まで約40分である。
関西国際空港の開港に伴い海岸部は大きく変貌して、西日本一、高さ256mのりんくうゲートタワービル、りんくう公園、りんくうプレミアムアウトレット等が建設され、海岸沿いの高速道路も整備された。
一方、当市には泉佐野漁港があり、水揚げされた水産物を青空市場で買い求めることができる。
犬鳴山温泉付近の県道
犬鳴山は和泉山系のほぼ中央に位置し、天狗山(612メートル)、灯明ヶ岳(552メートル)等の総称で、和歌山県との県境にほど近い。
犬鳴山という珍しい地名は、主人の猟師と山中に入った犬が主人に吠えかかり、怒った猟師が犬の首を切ったところ、首が飛んで近くにいた毒蛇をかみ殺した、という話を聞いた宇多天皇が犬鳴山の名前を賜った、という由来があるそうだ。
犬鳴山の麓、犬鳴川の渓谷に沿って、温泉宿4軒が建ち、ボタン鍋やキジ料理等の野趣あふれる料理を出す。
外湯として「犬鳴温泉センター」と「山乃湯」があり、気楽に温泉を楽しめる。
また、不動口館でも立ち寄り湯が可能だ。
泉佐野市中心部から府道62号線(泉佐野・打田線)に乗って南下し阪和自動車道の下をくぐると急に山間の色合いが濃くなる。
間もなく犬鳴山の西麓に旅館が数軒点在する犬鳴山温泉に入り、立ち寄り湯も可能な不動口館がまず姿を現す。
そのほんの先、左手に山乃湯がある。
注意しないといけないのは、ガイドブックで紹介されている山乃湯の表示は無く、目印は大きな文字でかかれた「(湯元)温泉荘」の看板だ。(山乃湯は温泉荘の別館)
この手前の急斜面の悪路(すごい凸凹)を20mほど下った先に駐車場がある。
そこから見上げると、鬱蒼とした森を背景にくすんだ灰色の建物が建ち、まさに「大阪の秘湯」に相応しい雰囲気だ。
階段を数段上がった先のドアに、小さな文字で「山乃湯」と書いてあり、ようやくここで間違いないことが分かる。
中に入っていったん上にある休憩室に上がる。ここで入浴料金(600円)を支払って、もう一度階段を下って浴室に入る。
こじんまりしてシンプルな浴室にタイル張りの浴槽があり、サイズは2.5mx4m程度だ。
温泉は、僅かに青味がかっているように見える。かすかに硫黄の臭いがするようだが、鼻の利きが悪い私には分からない。
泉質はいわゆる美人の湯のナトリウムー炭酸水素塩泉(重曹泉)で、ヌメリ感がとても強い。
ガイドブックによれば加温の上掛け流しとなっているが、湯船からザ〜ザ〜流れ落ちているわけでない。
風呂からはすぐ下を流れる犬鳴川の渓流が見下ろせる。
入浴後、畳がしかれた休憩所で、受付の人の良さそうなオバチャンやごろ寝している3人の男女と温泉談義。
常連さんのようで、定期的にここに湯治目的で通っているらしい。
連れのARさんが「下の川べりに露天風呂造らないの?」と聞いたら、かのオバチャンが「ここのオーナーが造っているよ、だけど手造りだから出来上がるのはいつになるか分からない」と答えてくれた。
また、「若い人が湯の華を知らなくて汚いとクレームをつける」とも言っていたので、よく見るとそれが湯船に舞っているのかもしれない。
温泉仲間のARさんとともに「大阪の秘湯」と呼ばれる山乃湯に入浴した。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
入口はこれが目印
この入口に「山乃湯」とある。