露天風呂がある平湯民族館
足 湯
土産物屋の温泉卵
穂高連峰・槍ヶ岳・乗鞍岳など3000m級の名峰が聳える雄大な北アルプスの麓、合併前の旧上宝村は、飛騨地方の最奥に位置していたことから「奥飛騨」と言われてきた。
ここに点在する平湯・新平湯、栃尾・福地・新穂高温泉の温泉を総称して奥飛騨温泉郷と呼ぶ。
この温泉郷は日本でも有数の湯量を誇り、日本一の露天風呂王国(180ヶ所)でもある。
飛騨地方の中央に位置していた観光都市の高山市だが、2005年2月1日、奥飛騨温泉郷がある旧上宝村を含む近隣9町村と合併し、東京都に匹敵する日本一広い面積を持つ「市」として新しい高山市が誕生した。
その広さは、東海北陸自動車道の飛騨清見ICから国道158号線で奥飛騨温泉郷に向かって東へ走ってみると分かる。
市中心部を抜けるのに若干時間がかかるが、後はほとんど信号がないにもかかわらず、1時間走っても奥飛騨温泉郷の最奥にある新穂高温泉に到着しないのだ。
市域の93%が森林で占められ、山・川・渓谷・峠などで地理的に分断され、標高差も2,000mを超えるなど、地形的に大きな変化に富んでいる。
北東部には槍ヶ岳・乗鞍岳・穂高連峰などの飛騨山脈(北アルプス)を擁し、最高標高は奥穂高岳の3,190mだ。
新穂高ロープウエィ・西穂高口(2156m)から見た穂高連峰
今回の旅では、これまで何回も機会を逃していた4か所の入浴・観光を果たして、この点からも有意義なものとなった。
即ち、宿泊した平湯温泉の外湯・平湯民族館の露天風呂(入浴料金は喜捨)、福地温泉・昔ばなしの里の素朴な内湯と露天風呂、新穂高温泉深山荘の有名な3段の露天風呂で入浴(何れも追って掲載)。
そして新穂高ロープウエィに乗車し、紅葉と穂高連峰・槍ヶ岳・焼岳を間近に見ることが出来たことだ。
新穂高ロープウエィからの紅葉と焼岳
新穂高温泉・深山荘
福地温泉昔ばなしの里
平湯民族館
温泉街の中心に位置する平湯館は、大正12年開業の老舗、客室は本館・仙岳荘・乗鞍荘に分かれ、部屋数は全部で82室、奥飛騨温泉郷でも最大級の規模の宿だ。
本館は鉄筋4階建(EV有)で、和室・和洋室・洋室の3タイプがあり、いずれもBT付き(洋室の一部を除きシャワートイレ)で、料金的には一番高い。
仙岳荘は8畳のシンプルな和室で、BTが付くがトイレは和式、エレベーターが無いので、足腰に支障がある場合は、予め下の階を希望しておいた方が良い。
乗鞍荘は木造3階建、湯治場の雰囲気を残す。部屋の間取りは広いが、BT・洗面所が付いていない分低料金で宿泊できる。料金を含む部屋の詳細は下記HPを参照されたく。
奥飛騨の玄関口である平湯温泉は、江戸時代、北陸の大名が参勤交代の際に立ち寄り、大いに賑わった歴史がある。
標高1200mの高地にあり、松本市から国道158号線に乗り安房トンネル(有料)を通り抜けたすぐ先にある。
上高地・乗鞍・奥飛騨観光の大きなバスターミナルを中心に、30軒弱の旅館/ホテル、日帰り入浴施設・土産物屋・飲食店が建ち並び、シーズン中は朝市も開かれる。
温泉はさまざまな泉質の源泉が40ヶ所以上あり、その湯量は奥飛騨一と言われている。
また、アルプス街道平湯・ひらゆの森・神の湯・平湯民族館と異なった趣の日帰り施設が4軒ある。
またバスターミナルから徒歩20分の所には、飛騨三大名瀑の一つ、落差64mの平湯大滝がある。
(写真は順不同 デザートは撮影忘れで、「ナタデココ・ヤマモモ・ナシ」のフルーツだった。)
杣人(きこり)の湯(午後男性・午前女性)。風呂も壁もすべて檜、明り取りが高い所にあるので、浴室内は薄暗くて落ち着ける。階段を下りていく設計を含めて蔦温泉の泉響の湯に雰囲気が似ていた。
風呂は「杣人(きこり)の湯(内湯)+山伏の湯(露天風呂)」と「木響の湯(内湯1+露天風呂2)」の2ヵ所があり、深夜に男女が交代するので、宿泊客は全部で5つの内湯と露天風呂で入浴出来る。他に有料貸切(45分3000円)の内湯と露天風呂が各1か所あるが、高額なので利用しなかった。
源泉は、自家源泉と共同源泉を各々3本持ち、これを混合泉にして使用している。
総湯量が1000リットル/分と豊富なため、全部で7か所の風呂はすべてかけ流しにしている。
混合泉の泉質は単純温泉だが、源泉にはナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉(パンフレットに記載)等もあるようで、わずかに白濁していて、肌をこするとキュキュ感がある。
尚、源泉はすべて60℃以上と高温なので谷水を加えている(加温・循環無し)。
屋根が架かるが吹き抜けの桧の半露天風呂(木響の湯)。この風呂がとても気に入ったが、朝利用なので一度しか入浴出来ず残念だった。
刺身はよく冷やして後出し
富山産・白エビ
スッポンゼリー
華やかな前菜
正面玄関、駐車場は道路を挟んだ向かい側にある。
いかにも飛騨らしい木造のソファとテーブル
夕食・朝食とも我々が好む食事処で、その上テーブル席だったのが嬉しかった。
夕食は飛騨牛とニジマスのオイル焼きがメインだが、、一手間かけた手作り感が窺え、見栄えもよく滋味に富んでいて美味、量もちょうどで十分満足した(家内も料理を褒めていた)。
風 呂
本館、ここの2階201号室に宿泊。平日2人1室1人17、850円(税込)。
巨岩と池を配置した見事な庭園を囲むように3棟が並ぶ。前方は仙岳荘。(宿泊した201号室からの眺め。)
平湯温泉の中心街、奥飛騨温泉郷では珍しく旅館・土産物屋などが軒を連ねている。
奥飛騨温泉郷では、福地温泉(元湯孫九郎)、新穂高温泉(佳留萱山荘・槍見館)と宿泊、今回は平湯温泉にすることとし宿選びを行ったが、安定志向をベースに、風呂がかけ流し、ベッドのある宿、階段を徒歩で上り下りしない宿という条件により、ここ平湯館に予約を入れた。
結果は、部屋・食事・風呂ともすべて合格点、評価の厳しい家内も満足してくれた。
紅葉の時期、また部屋数が多いので風呂場の混雑を恐れたが、平日宿泊ということもあって3回の入浴はほとんど独占状態、ゆっくりと入浴を楽しめた。
住 所 | 高山市奥飛騨温泉郷平湯726 |
電 話 | 0578−89−3111 |
交通機関 | 長野自動車道松本ICから国道158・471・県道475号線で約60km 東海北陸自動車道飛騨清見ICから国道158・471・県道475号線で約55km JR松本駅(松本電鉄バス)→(60分)平湯バスターミナル下車 JR高山駅(濃飛バス)→(55分)平湯バスターミナル下車 新宿から直行バスで4時間30分 |
施 設(日帰り利用) | 湯上り処、ロビー、売店 食事処(昼食+入浴 要予約 3,800円〜) 駐車場(70台) |
宿 泊 | 82室(BT付き BT無し 和室・和洋室・洋室) 季節によって10,000円前後からのプラン有、詳細は下記のHP参照。 |
泉 質 | 単純硫黄泉(6本の源泉を混合・高温のため加水してかけ流し) 湯量約1000リットル/分 わずかに白濁 |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 13時〜20時 予約不要 宿泊者は24時間 |
定休日 | 年中無休 |
入浴料金 | 大人 1000円 |
入浴施設 | 内湯男女交代制2、露天風呂交代制2 (宿泊者は深夜男女切り替え) 貸切風呂(有料)2 |
浴室備品 | (立ち寄り)内湯にはシャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット | 新穂高ロープウエー、上高地、乗鞍スカイライン、平湯大滝、飛騨高山、飛騨古川、松本 |
お土産・食事 | 温泉街で可能 |
近くの温泉 | 新穂高温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、福地温泉、白骨温泉、乗鞍高原温泉、さわんど温泉、坂巻温泉、中の湯温泉、上高地温泉、焼岳温泉 |
高山市HP 飛騨高山観光協会 奥飛騨温泉郷観光協会 平湯館HP |
http://www.city.takayama.lg.jp/ http://www.hidatakayama.or.jp/ http://www.okuhida.or.jp/ http://www.hirayukan.com/ |
雑記帳 | これで福地・新穂高・平湯で宿泊、次回は新平湯温泉で宿泊する予定だ。 |
ニジマスのオイル焼き。頭を齧ったところで撮影していないのに気がつき、こんな写真になった(-_-;)。
上質な飛騨牛のシャブシャブ
ムカゴご飯
朝 食
高い天井に太い柱・分厚い梁がめぐらされた2つの桧風呂は品格と温もりが感じられ、その上、温泉が惜しみなく風呂から流れ出ていた。
山伏の湯の豪快な露天風呂、木響の湯の爽快な半露天風呂を含めて風呂は文句なく良かった。
尚、6本の源泉の内、自家源泉の「蓬莱の湯」は、岐阜県から飲泉許可を取得しており、玄関先の飲泉所でこれを味わうことができる。
貸切風呂の様子も見たかったが、既述の通り高額なため敬遠した。
日帰り入浴は、13時から20時までで予約は不要。
入浴料金は大人1000円、食事つき入浴は予約が必要で3,800円からとなっている。
杣人の湯に似ている木響の湯の内湯(午後女性・午前男性))
山伏の湯(午後男性・午前女性))はL字形で50〜60人が一度に入れる大きさ。。巨岩・銘石が配置され、4本の丸太をくり抜いた湯筒から温泉が落とされ、まことに豪快な露天風呂だ。広いので場所によって温度が変わるため、自分が好きな湯温の所を選んで体を沈めれば良い。
湯上り処
2間の和室
窓が2面あるので明るく開放感がある。
部屋は201号室、総面積は驚くほど広くはない。
しかし6畳+4.5畳和室、8畳ほどの洋室にセミダブルのツインと2客の応接セット、他に2畳の踏み込み、独立したバス(T付)・トイレ(シャワー付)・洗面所があって使い勝手がいい。
本館は各部屋が横に雁行になって突き出ているので、すべての部屋が角部屋のように窓が2面あり、奥飛騨の風景がパノラマのように広がる。
赤い絨毯のロビー
湯治宿の雰囲気を保存したいろり本館。
料 理
部屋から望む笠ヶ岳(2898m)
部屋コーナーには座椅子とソファ
セミダブルのツイン