温泉名 : 別所温泉
信州の鎌倉と呼ばれる塩田平にある別所温泉は、品格ある信州の名湯だ。
今回の花屋、前回の柏屋別荘と合わせて計2泊、それに新潟県の赤倉温泉宿泊の際に別所温泉に立ち寄っている。
今回は、花屋で貰った無料入浴券を持参して4年ぶりに大湯で入浴した。

猫舌ならぬ猫肌の皮膚を持つ私は、共同浴場の激熱に恐怖心を持っているので、手で湯音を計り、掛け湯をしてから全身をすぼめて浴槽に浸かった。
前回はかなり熱く感じたが、今回は適温だったので42℃前後だったと思われる。

共同浴場なのでシャンプー・ボディソープ等の備えはなく、カランが数ヶ所あるだけだ。
自分自身での確認を怠ったが、どうやら循環・掛け流しの併用方式と思われる。

尚、共同湯に珍しく小さいながらも露天風呂があるが、温度も低く新鮮な湯とは思われなかった。

大湯前には駐車場が無く、そこから車で1分、北向観音の下にある有料駐車場を利用する。ここに駐車すれば、三つの共同浴場に徒歩5分程度で行ける。

上信越自動車道上田菅平ICで降り上田市内を通過して県道を南西に進み、夫神岳(1、250m)の山麓を登り始めてすぐに別府温泉に達する(標高650m)。

別所温泉は信州で最も古い温泉で、清少納言の枕の草紙の一節「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」の「ななくり」が別所温泉に当たるという説もある。
「ななくり」は「七久里」「七苦離」の字が当てられるが、これを七栗の字を当てて、三重県榊原温泉も名乗りをあげており、そこらへんの真実は判じがたい。

それはともかく、別所温泉の中心には9世紀初頭に創建され厄除観音として有名な北向観音があり、また全国で唯一の八角形の三重塔(国宝)で知られる安楽寺も温泉街の一角にあるなど、古くから温泉と信仰が結びついていた古湯である。
北向観音はその名の通り北向きで、南向きの長野・善光寺と向きあっていて、善光寺に参詣したら北向観音にも参拝しないと片参りになって願い事がかなわないといわれる。

また、中世に入っては、木曾義仲、塩田北条氏、真田一族等の豪族がこの出湯で入浴していたという。
現在の温泉街は、20軒ほどの大小の温泉宿が北向観音を囲むようにして建ち並び、合わせてそれぞれ歴史ある3つの共同浴場(大湯・薬師湯・石湯)(他に相染閣)が点在して、情緒ある温泉街を形成している。

自然湧出だった別所の温泉は、昭和20年から30年にかけて湧出量・泉温とも年々低下していった。現在は昭和41年と昭和51年にボーリングした第3号源泉(泉温52℃ 380リットル/分)と第4号源泉(泉温52.5℃ 1、300リットル/分)を共同浴場・旅館・などに配分している。
鹿教湯温泉 

上田市は長野県の東部にあり、東京から約190km、途中通過する日本を代表する避暑地・軽井沢や冬季オリンピックが開催された長野市からそれぞれ約40kmの距離にあり、塩田平と呼ばれる盆地の中に位置する.。
上田市の中央には千曲川が流れ、新潟県に入ってから信濃川となる。
私にとって、上田と言えば戦国の知将・真田幸村真田昌幸が築城した平城で、徳川の軍勢を二度撃退した歴戦の名城として知られる上田城になじみがある。

この地方は、「信州の鎌倉」と呼ばれることが多い。多数の文化財の密集地域であるからだ。
日本でただ一つしかない安楽寺八角三重塔(国宝)、中部日本最古の建築として名高い中禅寺薬師堂(重文)、常楽寺の多宝塔(重文)、長福寺の夢殿観音(重文)、前山寺の三重塔(国指定重要文化財)、大法寺三重塔(国宝)、上田城跡(国指定史跡)、信濃国分寺跡(同左)などがそれだ。

さらに上田市は、長野県にありながら日本で有数の少
雨量地帯であること、明治、大正、昭和時代の建物、そして、日本の原風景が残っていることから、数多くの映画が撮影されてきた映画ロケ地でもある。
 (犬神家の一族・男はつらいよ 寅次郎純情詩集・姿三四郎・楢山節考など)
さらに極めつけの観光資源として、信州最古の温泉地でしっとりした雰囲気を漂わす別所温泉が塩田平の南西端に湯煙を上げている。
住 所 長野県上田市別所温泉
電 話 0268−38−3510 (別所温泉観光協会)
交通機関 上信越自動車道上田上田菅平ICから約17km
上田交通別所線別所温泉駅から徒歩5分
施 設 脱衣室・ロッカー
付近に駐車場スペース無し。北向観音下の有料駐車場利用。
宿 泊 無し
泉 質 単純硫黄泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 6時〜22時 (石湯・大師湯も同じ)
定休日 第1、3水曜日 
石湯::第2・4火曜日
大師湯:第1・3木曜日
入浴料金 大人 150円(宿泊の場合は宿で無料入浴券を貰おう)
入浴施設 内湯男女各1露天風呂男女各1
浴室備品 一切無し(タオル、シャンプー等は持参)
観光スポット 別所温泉近隣は「信州の鎌倉」と言われ国宝・重文の多数の寺社仏閣がある。安楽寺八角三重塔(国宝)、中禅寺薬師堂(重文)、常楽寺の多宝塔重文)、長福寺の夢殿観音(重文)、前山寺の三重塔(重文)無言館、善光寺
お土産・食事 温泉街で可
近くの温泉 鹿教湯温泉霊泉寺温泉、大塩温泉、田沢温泉沓掛温泉
上田市HP
財産区HP
観光公式HP
旅館組合HP
http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/index.html
http://www.ued.janis.or.jp/~zaisanku/
http://www.bessho-spa.jp/
http://www.bessyo.or.jp/
雑記帳 数多い文化遺産が多い別所温泉周辺だが、前回は安楽寺、今回は北向観音を参詣した。いずれも愛犬と散歩がてらの早朝のお参りだ。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

大きくないが品格のある風呂。

小さな露天風呂なのに温かった。

別称の葵の湯(飲泉所になっている)

きれいな薄緑色に見える単純硫黄泉
唐破風の堂々たる構え。
施設名 : 大湯 (入浴日:2005.5.26 2回目入浴 2009.4.9)
温泉街の真ん中にある北向観音
別所温泉街の一角にある安楽寺八角三重塔(国宝)
大師湯
石湯
別所温泉 大湯 (長野県)
所在地 : 上田市
大湯は北条義政が浴室を設けたといわれる伝統ある外湯で、吉川栄治の大作「新平家物語」にも登場している。
この小説の中で木曾義仲が愛妾葵御前とともに別所温泉に滞在したことになっていて、これをベースにガイドブックなどで「木曾義仲が入浴した湯」と紹介している。
このため、大湯は「葵の湯」の別称を持っている。

建物は、小ぶりではあるものの三層、唐破風の威風ある佇まいで、入口手前には別称の「葵の湯」と刻まれた石柱が立っている。
中に入ると、いかにも地元に根付いた共同浴場の雰囲気が漂っている。
150円を支払って浴室に入ると(今回は宿から貰った無料入浴券利用)、内部はシンプルな造りで、湯船はタイル張り、2mx3m50cm程度の小ぶりなもので、4号源泉から配湯された単純硫黄泉は、薄い緑色のきれいな湯だった
鼻が悪い私には感じられなかったが、わずかに硫黄のにおいがするらしい。