夢咲塾イベント 2003年8月
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第3回夢咲まちづくりセミナー&座談会(ゲスト、阪本日出雄)
  今回のまちづくりセミナーは、3回目にして初めての参加型のワークショップ。今までの話を聴くという形ではなく、いろいろな人の発言があり、非常に楽しい企画となりました。ゲストの阪本日出雄さんは地元大和高田の生まれで、僕の家の極近所に住んでいたらしい。奈良県庁勤務時代には、奈良県のまちづくり運動のために力を尽くし、青年海外協力隊、国際協力事業団を経て、現在は、国際開発コンサルタントとして、開発途上国の都市計画、まちづくりに携わっているらしい。海外と国内では条件が大きく違い、まちづくりの難しさも本質的に違うものにならざるを得ないだろう。そういったことを踏まえ、海外の経験をいかに、国内でも活かせていけるかを考えるのが今回のポイント。特に国際協力では定着しつつある「参加型まちづくり」をもとに、大和高田の現在を皆で考えていこうというのが狙いとなる。
 先ず、基本的な知識として参加型まちづくりに就いての説明。国際協力の現場などでは、まさしく地元の人々が何を望むかが問われなければならない。すなわちトップダウン方式で上から何かを与えることが、人々の本当の幸せかという問いである。しかし、同時に、個人的な欲望が社会全体としての問題となっていくかという問題もある。個々の人々の望みを聞くだけでは、話は纏まらない。少なくとも与えるだけでは、何も変わらないという状況がおそらくそこにはあるのだろう。もちろんトップダウ方式のすべてを否定しているわけではなく、それは競争においては非常に有利に働き、利益追求をする会社などにおいてはいい方法だという。しかし、国際協力・国際開発は決して競争ではない。そして、ここ高田での夢咲塾のまちづくりもおそらく競争でないだろう。もちろん経済的な問題で客の奪い合いといった競争的なこともあるのだろうけど、何も一つの基準を設けて競う必要はない。ここ高田で生まれてよかったと思う気持ちは、当たり前すぎて他と比べようがないから。
 先ずは皆が考えると言うことが必要なのだろう。そして同時に皆が何を考えているかを知ることが。そういった意味で今回の企画はおそらく成功だ。もちろん時間的な制限もあり、またまだ物足りないということはあるけれど、何かを語る場、そしてそれを聞く場が必要なのだ。阪本さんによる基本的な説明が終わった後、ワークショップの開始。先ずは皆の自己紹介で、名前・高田であったステキなこと・自分の夢・今日の会に期待することの4項目を紙に書き、それをパネルに貼り付けながら、順番に語っていく。人の夢を聞くのは楽しい。自分の生活の中で、その場所から何を望むのか。そんなことが次々と語られて行く。次に具体的な高田のまちづくりの話。高田にはどんな財産があるかを皆で出し合う。これも思いついたものを紙に書いて、前のパネルにはって行くという形式。カード型の整理法を皆でやっているという感じ。それも一人で考えているのではないので、いろいろな発想が前に貼り付けられて行く。次は今自分にできることを書き出して前に貼る。何のことはない。一人で考えるのではなく、皆が考える楽しさがそこにはあるのだ。ただ、それだけのことだ。しかし、それだけのことをできる場が、どれだけありうるだろうか。今回は限られた時間でのワークショップの真似事程度だが、十分な時間をかけ、テーマも絞っていけば、面白いことができるだろう。とにかく語り合う場が必要だ。そんな場が数多く出来れば、きっと次々と面白いものが出てくるだろう。(2003.08.30)
 
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