過去の旅 2003年11月
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名張散策(11/27)
  11月は連休が2回もあったにも関わらず、その2回とも旅行に出ることが出来ずに、今回も旅というにはおこがましい日帰りで近くの町を散策してきた程度のもの。電車に1時間ほどゆられて昼前の11時に名張市に着く。名張の街は以前に友人たちとの旅行で立ち寄ったことがあるが、一人で来るのは初めて。あの時も皆で街を見てまわったが、なかなか楽しかった記憶があり、もう一度ゆっくりと街を見てまわり新たな発見があればと思い、街を歩き始める。
 名張(11/27)
   名張は名張川と宇陀川の合流地点に出来た伊勢街道(初瀬街道)沿いの宿場町。津幡藤堂家の支配下であり、藤堂家によりまちづくりがおこなわれた。城造り・町造りの名手であった藤堂高虎などにより町は形成させたといわれ、防衛のために街道がまちの中を曲がりくねって走っている。
 先ずは前も皆と立ち寄った式内宇流富志禰神社によった後、上本町・中町・本町・元町といった通りを歩いてみる。古い建物が多く残っているというわけではないが、田舎町のたたずまいが何故だか心地よい。上本町辺りの商店街はおそらく30年ぐらい前には栄えていたのだろうという雰囲気を思わせる。また、名張は江戸川乱歩の生誕の地であり、新町辺りにあるその生誕の地にいってみる。メインの通りではないが、少し入った細い細いみちの横に「幻影城」という言葉が刻まれた「乱歩生誕の地」の碑があった。碑があるだけで特にどうといったことはないのだが、推理小説の好きのものにとってはやはり、それなりに価値があるものであろう。その新町通りには造り酒屋などの店も残っており、こちらの通りが古い趣を味わえるようだ。新町の先にある鍛冶屋町にうなぎやがあり、その看板を見たときに、以前に皆で入ったことを思い出す。結構美味しかった記憶があり、思わず今回もふらりと入ってしまう。以前皆と入ったときは、二階の川を眺めることができる部屋に通された記憶があったが、今回は一人であったにも関わらず、座敷に通され、一人っきりとその部屋でくつろぐことができる。座敷から名張川を眺めながら味わううなぎは、非常に美味しい。あまりの心地よさに食べ終わった後もボーっと少しの間くつろいでしまう。今回は一回だったけれど、独り占めできるその空間の心地よさ。
 で、店を出た後は、以前皆といった記憶のある駅の反対側の公園に行ってみる。図書館の横にあるその公園は記憶とは随分と違う雰囲気であった。前に此処にきたときは、この公園の遊具で皆と鬼ごっこをした。その懐かしさからこの場所にやってきたものの少し違う風景に戸惑いを感じる。自分の記憶に今の風景を上手く接続できないまま、ベンチに座り、ビールを飲みながら少しの間、佇む。とりあえずのこのあたりで、今回の名張散策は終えようと思い、ゆっくりと立ち上がり、あとは、駅までの短い道を下っていった。
  とにかく今回は2度目の街を記憶とあわせながらの散策といった、いつもと少し違う感じで街を歩いてみた。初めてではなく、2度目に訪れる町も味わい深いものだと思う。
 
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