センダイムシクイ(スズメ目ムシクイ科)仙台虫喰
Phylloscopus(ピュッロスコプス ムシクイ属-phullo葉のskopos見張り人-虫を探している様から)
coronatus(コロナトゥス corona冠のある)

Eastern(東方の) Crowned(王冠の) Warbler(囀る鳥)     L12.5cm
奈良県レッドリスト 希少種

ロシアアムール地方・中国北東部から朝鮮半島で繁殖し、インドのシッキム及びアッサム・バングラデシュ・インドシナ・マレー半島・スマトラ・ジャワで越冬する。
日本では、夏鳥として九州以北に渡来し、平地から山地の落葉広葉樹林に生息し繁殖する(メボソムシクイ・エゾムシクイに比し標高の低い林にすむ)。春秋の渡り期には各地の平地でも見られる。秋の渡りは他のムシクイ類に比べ早く、8月中〜下旬。枝先にとまり、葉や小枝につく虫を捕らえる。
【声】葉や枝の中など目立たないところで「チョチョピー」「チチョチチョジー」「チュインチュインチュイン」などと囀り、「焼酎一杯グィー」「鶴千代君」などと聞きなしされる。地鳴きは「ピィ」「フイッ」。

【名の由来】チヨチヨビーという鳴き声から、“千代虫食い(チヨムシクイ)”⇒“センダイムシクイ”に変化した。
○江戸時代中期から「センダイムシクヒ」の名で知られている。異名;「コズエムシクヒ」「ウグヒスムシクヒ」

◇馬見丘陵公園では、春と秋の渡り期に通過し、樹上の葉上を忙しく動き虫を捕る姿を観る。春はチョチョピー、チチョチチョジーの声を聞く。

2006/04/06    大阪       「チヨチヨビー」と樹上で囀る
雌雄同色。
成鳥;
頭部から背、肩羽にかけてが緑色味の強いオリーブ色。汚白色の頭央線は個体によっては不明瞭で、後頭にしかないものもいる。眉斑は白っぽく、前方に黄色味がある。眉斑の上の頭側線と過眼線は暗色ではっきりしている。頬は汚白色で、喉から胸は白い。脇や腹からの体下面は黄色味を帯びる。翼と尾は黒褐色で、羽縁は腰とともに上面よりも明るい。大雨覆に黄白色の翼帯が1本でる。嘴は黒褐色で、下嘴は橙黄色。足は肉褐色。
2006/08/20    馬見     2013/09/01  馬見    (灰緑色の頭央線がある)



ムシクイ4種の識別
センダイムシクイ エゾムシクイ メボソムシクイ オオムシクイ
囀り 「チヨ チヨ ピー」 「ヒッツッキー」 「チョリチョリ チョリチョリ」
「ジジロジジロ」
地鳴き 「フイッ」「ピィ」 「ピッ、ピッ」と金属的な声 低く絞るような声で「ビッ」「ギュッ」 大きな声で「ジッ」「ジジッ」
大きさ 13cm 12cm 13.0cm 野外でのメボソムシクイとの識別は難しい
(囀り・地鳴き声、渡る時期で識別できることも)

渡る時期が春は
5月中〜6月中旬
秋は9月中〜10月中旬とメボソより遅い
(メボソは春は4月下旬〜5月上旬、
秋は8月下旬〜9月初旬に多く見られる)
上面の特徴 緑色味の強いオリーブ色 頭頂から後頸は暗灰褐色
背以下は緑色味みのある暗褐色
やや褐色味を帯びた暗緑色
下面の特徴 汚白色で脇は緑褐色がかる
下尾筒は黄色
汚白色で、胸や脇は淡褐色味を帯びる
下尾筒は白い
汚白色から汚白色まで様々
眉斑 白っぽく、前方に黄色味がある。
白っぽく明瞭で前方はバフ色味 黄白色で長く明瞭
過眼線 暗色でハッキリしている 暗褐色 暗色
頭央線 汚白色の頭央線あり なし なし
翼帯 大雨覆に黄白色の帯が1本ある 淡色の翼帯が2本出ることが多い 白っぽい翼帯が1〜2本
下嘴 一様に橙黄色 肉褐色で先端に暗色部 黄肉食で先端に暗色部
足の色 肉褐色 ピンク色 肉褐色
写真




































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