「ヤドカリの物語」の続き作品4です。

H.S.

深く、深く しずんでゆきました。

海のそこに たどりつくと、そこは、真っ暗で なにも見えない世界でした。
真っ暗な中で ヤドカリは、どこを 目指すでもなく 歩きつづけました。
なにかに ぶつかったり なにかを のぼったり
どこかに おちたり どこかに すべったり
それでも ヤドカリは 歩きつづけました。
一匹で歩きつづけました。
何のために 生きるのかを知るために、ヤドカリは 歩きつづけました。
ある日、ヤドカリは明るい光を見つけました。
海の 上の お日様の光です。
海水を きらきらと 輝かせる 光です。
そして ヤドカリを 輝かせる 光です。
ようやく ヤドカリは 気づきました。
ローカンは、自分の考えしだいで、がんこになったり、やさしくなったりするんだと。
生きているから、楽しいことも 苦しいことも あるんだと。
苦しいことを 乗り越えると 楽しいことがやってくるんだ。
ようやく ヤドカリは 気づきました。

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