平成21年10月3日(素晴らしい和紙絵をみせてもらいました。題材は奈良地方気象台の観測機器です。)

 奈良県教育振興会の会誌「やまと」に連載している「奈良サイエンススポット」,昨年の6月に取り上げたのは奈良地方気象台,「天気予報ってだれがどのようにして作っているのですか」という質問に対するお返事でした。
 ここでは,気象台で行われている気象観測のことを取り上げ,気象台のシンボルであった百葉箱が使われなくなって,代わりに通風式の観測機器が使われていることを書きました。そして,こうした機器での観測データを東京に集めて,これを解析し,レーダーの画像や高層の起床の様子なども考え合わせて天気予報をつくっていることを説明しました。
 これを読んでくださった1人に90歳の大井敏子さんがおられました。大井さんの趣味の1つが和紙絵で,米寿記念に個展を開かれました。天理の町で開かれたこの展覧会では,その素晴らしい描写に感動したものでした。
 その大井さんが,今度の展覧会には,会誌「やまと」に出ていた気象観測の機器を和紙絵で表現したいとおっしゃったているということを聞いて,奈良地方気象台で撮ってきたカラーの写真をお渡ししました。
 先日,「第19回 奈良和紙絵の会作品展」の招待状をいただいて行ってきました。奈良文化会館のA,B展示室,特別展示室にはグループの皆さんの140点ほどの作品が集められていました。どれもこれも素晴らしい作品でした。大井さんの奈良地方気象台は,ステンレススティールで作られた観測機器の様子がうまく表現されていました。これがいろいろな色の和紙を貼り重ねてその色が表現されているのです。こうした技術だけでなく,90歳になって和紙絵の制作に取り組まれ,その題材にはだれもが取り上げない機械,自分が興味をもったこんな機器を取り上げられるという若さに感心させられ,自分もまだまだこれからがんばろうという気持ちをかきたてられました。
 大井さんのこれからのご活躍をお祈りしています。

1 和紙絵展の招待状 2 気温を測定する機器 3 和紙絵にすると

 


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