平成19年8月1日(「奈良サイエンススポット」は奈良県教育振興会の会誌「やまと」に連載しているもので,小・中学生に理科の勉強に役立つスポットを紹介しています。)

 奈良サイエンススポットは,2006年6月号から連載しているもので,はじめにこんなことを書いています

 最近よく聞かれる言葉に「子どもたちの理科ばなれ」があります。長年,理科に携わってきた私にとって,それは悲しい言葉です。何も,「理科だけを特別扱いして欲しい」とは言いません。私自身,小学校の教師として,全教科を受け持ちってきました。昔のことです。専科教員なんて言葉がなかった昔です。それこそ,音楽から家庭科までのすべての教科を子どもたちとともに学ぶ生活でした。すべてが楽しい教科でした。もちろん,理科もそうです。とっても面白い教科なのです。
一方,県内のあちこちを歩くと,理科に親しむことのできる施設がずいぶん増えてきました。また,特別な施設ではなくても,そこにある山,川,谷,広場,そのものが立派な理科教材であるというところがあります。
私が教員生活を始めた昭和33年からちょうど48年,忙しくなったという子どもたちの生活ですが,土曜日が休みになり,祝日が増え,自由に使える時間が増えました。
こんな時間を使って,実際に理科の学習に役立つところに出かけてみてはどうでしょう。「これが勉強だ」なんて気合をいれずに,遊び心で出かけてみたいと思います。きっと新しい発見があり,興味をかきたて,関心を高めてくれる何かに出会えるのではないでしょうか。お父さんやお母さんもつきあってあげてください。ご自身も新しい知識に巡り合い,幼かった頃に思いを馳せ,そして,新しい科学の見方・考え方に触れることができるのではないでしょうか。
次号から,何人かの子どもたちを思い描き,この子どもたちに語りかける手紙の形式で県内や周辺のサイエンススポットを紹介していきたいと思います。

 第1回の「高山竹林園−竹のことならなんでも−」は,学校で「竹は草か,木か」ということで議論したという理科大好きの静香さんから来た手紙へのお返事でした。彼女には,大きくなったら新幹線の運転士にになりたいと考えている小学校6年生です。
 また,第4回の「橿原市立こども科学館−理科大好き人間集まれ!−」は,「地球が自転しているということはどうして分かるの」という手紙をくれた中学2年の浩子さんへの手紙です。これは天体の授業の教材として配布しました。
 まだまだ,これから連載させてもらい,理科って面白いなあという子どもを育てることにお力添えをしたいと考えています。
 今のところ,次の13箇所ですが,お出かけになったところはあるでしょうか。

高山竹林園−竹のことならなんでも−
天理市福住の氷室−大昔の冷蔵庫です−
森と水の源流館−森のめぐみが学べます−
橿原市立こども科学館−理科大好き人間集まれ!−
鶴姫風力発電施設−クリーンなエネルギーを作ります−
高山サイエンスプラザ−理科を楽しく学べます−
時の資料館−珍しい携帯用の日時計がありました−
シャープ歴史/技術ホール−歴史と最新技術が学べます−
月ヶ瀬梅渓−見て,食べて,だけではありません−
吉野山のサクラ−日本一のサクラの山です−
奈良公園のシカ−奈良といえば,やっぱりシカです−
十津川・21世紀の森−120種類のシャクナゲが見事です−

 


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