平成19年7月11日(「子午線って何?」それは子どもたちの聞きなれた言葉です。でも,「なぜ子午線なんだ」と訊くと,答えが返ってきません。)

 子午線は「北極と南極を結ぶ経線(子午線)」として教科書に登場します。よく使われる語ですから,子どもたちもなんとも思わずに受け入れてくれます。
 でも,「北と南を結ぶ線がどうして子午線なんだ。地下鉄の東西線のように『南北線』でいいんじゃないの」と訊くと答えが返ってきません。
 そこで,「子」や「午」は十二支に出てくるもので,方位を表すのに使われていた語だということを話しました。「ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・い」を知っているかと尋ねると。大方の子どもたちが知っています。これを漢字では「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」と書くことを話すと,年賀状にこんな時を書いたことを思い出してくれます。
 昔は,これで方位を表していたことを説明し,東が「卯」,西が「酉」であることを話した後,「北西をなんというのか」を考えさせました。答えてくれる子どもはいませんでした。そこで,北と西の中間を「北西」というように「いぬ・い」ということを説明し,「乾」と書くことを教えました。「北君,喜多さん,南さん,南君,東君,東さん」などとお同じように「乾さん」や「辰巳君」「巽さん」も方位に由来する苗字であることを話すと,「なるほど」という顔をしてくれます。「でも,うしとらさんはいないね」という子ども出て来ます。昔,「艮(うしとら」君」に会ったことを話すと,感心してくれました。でも,「ひつじさる君」には会ったことがありません。
 十二支が時刻を表すことにも使われ,「子」が0時,「午」が12時,ちょうど12時が「正午」,午より後が「午後」であることを説明しました。子午線の説明から,ずいぶん脱線したのですが,知識というものはいろいろな関係づけの中で定着するのです。「草木も眠る丑三つ時」「子の刻参上」などもこうした知識の定着をバックアップしてくれます。
 こんな話を真剣に聞いてくれた生徒,「では,では」とテスト問題に取り入れました。「興味と関心をもってしっかりと学習に取り組めたか」の評価です。
 子午線の「子」は( @ ),「午」は( A )の方角を表している。「子」や「午」は,( B )と呼ばれる「子,丑,寅,卯,辰,巳,午,未,申,酉,戌,亥」に含まれ,生まれ年などを表すのに使われている。ぼくは漢字では書けないが,ひらがなだと,「子」の次が( C ),「午」の次が( D )と書くことができる。
先生の話では,( B )は12年で一巡してしまうので,「甲,乙,丙,丁,戊,己,庚,辛,壬,癸」の「十干」というものも使われるそうである。これと組み合わせると( E )年で一巡することになる。暦(こよみ)をみると平成19年は「丁亥」と書いてあった。すなわち,「十干」では( F )番目,( B )では( G )番目の年である。これが順番に進んでいくので,来年は「十干」では( H )番目,( B )では( I )番目になるから,「丁亥」のような書き方をすれば( J )となる。
( B )は時刻を表すのにも使われ,「午」は昼の12時頃,ちょうどその時刻が正午である。すると,( K )が午後4時頃を表すことになる。こんな勉強をしていたら10時になった。おやつを持ってきてくれたお母さんに「10時きっちりは( L ),おやつの後は( M )と書けばいいんだね」と言ったら「12時を境にすることはあるけど,10時では分けないわね。そんなことを考えているひまがあったら勉強しなさい」としかられた。

 学んだことに自分の体験を重ね合わせて考える,そしてこんな日記を書いてくれる,そんな子どもがいたら,「なかなか面白いことを考えたなあ」とほめてあげるお父さん,お母さんであって欲しいと思う。。


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