平成18年9月20日(やはり,天気図の学習って大事だと思います。テレビで解説してくださるときの天気図を理解するためにも,書き方の初歩は勉強したいのです。)

 中学校理科から「天気図をかく」という学習がなくなりました。授業時間の削減だけでなく,コンピュータが天気図を作成してくれる,1枚かけばファックスで送受信ができる,インターネットで正確な天気図を見ることができる,こんな時代ですから,ラジオを聞いて天気図をかく,そんな手間のかかることは止めにしておこうという考えもよく分かります。けれども,よく理解するためには,せめてかきかたの初歩だけでも体験させたいと思います。面倒だから,時間がかかるから,そんなことで学習内容をカットしたくないと思うのです。
 2年生に天気図をかかせました。時間がかかりすぎても困りますから,気象通報から各地の天気のいくつかはかいておき,低気圧や前線の位置,2本ほどの等圧線の曲がりくねった部分などは先に書いておきました。そして,ゆっくりと原稿を読み上げたり,各地の天気の欄に書いておいたものを記入させ,低圧や前線を記入させました。最後に,等圧線に挑戦させました。1年のときに地震の波が到達した時刻が等しい地点を結んだ線(等発震時曲線)をかかせていますから,その応用になります。生徒は,しーんと静まり返った教室で,天気図をかくことに真剣に取り組みました。ときどき「先生」と呼ぶ声,個別指導する私の声,以外にはなんの物音もしません。周囲の山から聞こえる小鳥の声,遠くにあるグラウンドからときたま聞こえる歓声だけです。こんな時間もいいものだなあと思いました。
 晴れのマークは○に縦線|です。この縦線は南北にかきます。これまでと同様に,「この子午線が南北を示しているんだから,これに平行に書くんだよ」と教えていたら,Kさんが「新聞の天気図では南北ではなく紙面の上下になっているよ」という発見を教えてくれました。知らない間に変わっていたのです。教科書もそうなっています。小さな記号の小さな変化,見落としていました。何人かの先生にもお尋ねしてみましたが,昔のままに覚えておられました。
 「これは変わっていないかな」「この元素記号は昔のままでいいのかな」「この単位は去年のままでいいのかな」こんなことを,1つ1つ確認するのは大変なことです。変わったときには連絡してほしいなという気もします。
※ 48年間,理科を教えてきた間には,配線図に使う記号や元素記号が変わったこと,単位が変わったこと,化学の基本である原子量の基準が変わったこともありましたから。


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