平成1８年3月11日（期末考査が終わり答案を返却しました。これで本年度の授業が終わりました。）

　今年1年の授業・平成17年度の授業が終わりました。教員になって48年目の授業でした。答案を返した後，前の時間に書いてもらったアンケートの結果も少し話しました。
　このアンケートは，「今日の授業で48年間の授業を終えることになる。最後に自分の通知簿を生徒につけてもらおう」と思ってやったものでした。すべて終わった今だったら，生徒の正直な気持ちを聞くことができると思ったのです。
　アンケートの項目は，次の５つで，その趣旨は（　　）内のとおりです。
１　先生の説明は分かりやすい（分かりやすい授業を心がけてきた自分自身への評価です。）
２　先生の説明は面白い（理科は面白くないという子どもが多い中での挑戦です）
３　クラスの生徒の態度は良い（クラスの学習態度をどう考えているかを見ました）
４　先生は生徒の態度に厳しい（小学校では「やさしい先生」，中学校では「こわい先生」と言われていました）
５　自分はまじめに勉強できた（生徒には，学習態度の自己評価をさせました。）
６　教科書以上の勉強があり難しい（授業時数の削減で割愛された内容も取り上げました。少しは高校の内容も）
７　火山などの写真が見られて良かった（毎時間，各地で撮ってきた写真を見せたことへの思いをききました。）
８　授業に出てきた所に行ってみたい（具体例を話しました。それに対する反応です）
　そして，これに対して，
ア　そう思う　　イ　ややそう思う　　ウ　あまり思わない　　エ　全く思わない
の４つの回答を準備しました。そして，欄外には自由に感想を記述させました。
　用紙を配布し，無記名で答えさせました。その間は，生徒の席から離れた場所に居て，自由に記述できるように気をつけました。

１の「先生の説明は分かりやすい」と２の「先生の説明は面白い」については，１９７名の生徒が次のように答えてくれました。

　もっとも高い評価が得られたのは，７の「火山などの写真が見られて良かった」で，ア「そう思う」が１５０名，イ「ややそう思う」が３７名，「あちこち行ってきて良かった」「撮ってきた写真を見せてあげて良かった」と思いました。そして，これからも，週に２日という勤務条件を生かしてあちこち歩き回ってみたいと思いました。ただし，気象や天文の領域では，無理なことが多いようです。
　６の「教科書以上の勉強があり難しい」に対しては，アが13，イが35，ウが96，エが53名で した。ここで言う「教科書以上の勉強」というのは，旧学習指導要領にはあって，現行のものでは削除された内容のことです。こうした内容についても，自分が必要だと思うことは取り上げました。
　火成岩の学習で，火山岩を３種，深成岩を３種，取り上げたことも，その１つです。学習指導要領では『「火山岩」及び「深成岩」については，それぞれ１種類を扱うものとし…』となっており，教科書では，深成岩ではカコウ岩，火山岩ではアンザン岩を取り上げていますが，３種類がセットになっていてこそ理解しやすいと思います。やはり，白っぽい鉱物が多いもの，中間のもの，黒っぽい鉱物が多いもの，それらを対比して３種類を取り上げたいと思います。「両方を取り上げると混乱するから」とか「難しいから」という指導では，「右」という漢字だけを教え「左」は扱わないとか，信号の「赤」は教えるけど，「黄」と「緑」は後の学年，もしくは，次の学校での学習内容にするいった指導になるような気がするのです。関連することがらは，ひとまとめにして学ばせたいと思います。
　自由記述では，相反する記述が目立ちました。１つのことがらに対して肯定的な回答と否定的な回答が並んでいるのです。以下は，肯定的に捕らえてくれた者が多い中で，否定的に答えてくれた例とその人数です。
○「授業以外のことも聞かせてもらって良かった」（こんな素晴らしい生徒に出会ったことがある，こんな生き方に学びたいといった話をしたことです）に対して，「個人的な話がいや」という記述が１人
○「テレビを使った授業が良い」（全時間，パワーポイントを用いた資料の提示でで授業を展開しました）に対して，「黒板を使って欲しい」というのが3人
○「ゆっくりとした説明で十分に理解できた，暗記でなくて良かった」（小学校や塾では「これを覚えておけ」と言われたと書いた子もいました）に対して，「もっと速く進んで欲しい」が1人
　こうしたもののほか，「分からないところがあり残念だった」が1人，「地学が面白いとは思わない」が1人でした。
　全部で，371項目にわたる記述です。良く読み，吟味して，「来年も授業をするならば…」と考えています。