平成18年1月20日(奈良市の生涯学習センターに出かけ,子育て教養講座でお話ししました。とても熱心に聞いてくださいました。)

 奈良県教育振興会の行っている事業の1つに,子育て教養講座があります。幼稚園と小学校の2つの部会に分かれて開催されるこの講座でお話しすることになりました。

地球の歴史の長さに比べれば…


 48年の教員生活にはたくさんの出会いがあり,多くのことを学びました。そんな中には,これからの子育てのヒントがいっぱいです。そんな思い出からいくつかをお話ししました。
 時代は変わったというけれど,「変わってしまったことばかり強調し過ぎていませんか」ということ
 今,中学生が使っている教科書には,「人類の出現は,約440万年前と考えられている」と書かれています。46億年の地球の歴史を46メートルの年表にすると,440万年の人類の歴史は4.4 センチに過ぎないのです。
 このことを日めくりを使って説明している教科書(奈良学園中学校が採択している啓林館の教科書です)があります。人類の出現なんて,つい最近のことなのです。それが440万年前のこと,たかが数10年前の時代と比較して「変わってしまった」なんて騒ぎ過ぎてはおかしいのではないかと思います。同じところ,似たところもいっぱいなのです。違いにばっかり気を取られるのではなく,「同じ所もいっぱいあるよ」「理解しあえるはずだ」と考えてはいかがでしょう。それのほうが自然ではありませんか。
 でも,「変わったこともいっぱい」は確かです。
 そんな1つに「子どもの仕事がなくなった」があります。昔,お風呂に水を入れ,湯をわかすのは子どもの仕事でした。「電話ですよ」そんなことの使い走りは子どもの仕事でした。そんな仕事がなくなった。大人に近づいていくための大事な仕事がなくなってしまっています。これは大変なことだと思いませんか。
 48年の思い出からのいくつかをお話ししました。引用したタイトルは,自著「先生してて良かった」からのものです。
 「あ」 「アナちゃんがやってきた」…「他人の立場を考えること」の大切さを語りました。
 「き」 「きちんと守らせます」…「ルールを守ること」の大切さを話しました。
 「ぬ」 「ぬれちゃった」…「失敗した友達への思いやりの心の大切さです。
 「ね」 「粘りが大事やて思うねん」…「いろんなことにくじけずがんばるK君,S君への感動です。
 子育てに少しでも役立てばうれしいと思います。


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