平成17年6月11日(「家庭教育学級でお話ししてください」ということで曽爾小学校にお邪魔しました。統合で誕生した素晴らしい学校です。)

 「曽爾小学校の家庭教育学級で話をしてください」という電話がかかってきました。昭和33年に初めて勤務した学校の隣村の学校です。演題は「子どもの自立心を養う支援」ということでした。たしかに,近頃の子どもたちはなかなか自立できていないということを聞きます。そこで,こうした取り組みについてとりまとめてお話しすることにし,パワーポイントでスライドを作成しました。内容を箇条書きにすると次のようになります。

1 47年前,はじめて教員としての生活を始めたときと,まったく同じだなあと思うこともありますが,子どもを取り巻く環境の大きな変化にともなって子どもたちも変容しています。
2 その中で特筆されることの1つに,子どもの自立を養っていた遊びの変化があります。
3 ところで,子ども1人1人を自立させることは教育の究極の目標であり,それは教育そのものです。
4 私は理科の教師として,単に理科を教えるのではなく,理科を通して自立心を育てようとしていたように思います。
5 それは,@自分の疑問を解決しようとする過程を大切にした理科の時間をつくる A「できる」「できるようになった」という自信を持たせる の2つです。これらについては,たくさんの例をあげました。
6 47年間の経験の中から,子どもの自立につながる家庭教育を5つほど紹介しました。
 (@ エーッ,自分えするの? A 9時には寝させます  B 家で言われたようにしましょう  C ヨナポウ  D 軽自動車1台分解されました)
7 素晴らしい教育を展開し,その目的を達成するために必要な「家庭・学校・地域の連携の大切さ」をお話ししました。

この日,お父さん・お母さんたちに,講演会直前の経験からお話を始めました。
 皆さん,こんにちわ。今,ここに来る前にトイレを使わせていただきました。そのとき,この学校の児童ではない小さな男の子が入ってきました。隣通しで用をたしながら話しました。「君は来年この小学校に入るの」「うん」「そう,きれいな学校だね。うれしいね」先に済ませた男の子は,後ろ向きに立ってスリッパを脱ぎ,さらに,手でいっそうきちんとそろえました。そして,出ていきました。私は「トイレの使い方で見る限り完璧に自立している」と思いました。もう,皆さんには,今日のお話は不要かもしれません。でも,予定してきたことがありますからお話しさせていただきます。
 しっかりとお聞きいただけた楽しい1時間でした。そして,「もしよければお読みください」と,お世話してくださったPTAの代表の方に「先生してて良かった−教育随想ア〜ン−」1冊を贈呈しました。
 この会をお世話いただいた曽爾村教育委員会の今西塩一先生からは「曽爾中学校理科室・理科室へのQ&A」という冊子を頂戴しました。先生の7年にわたる取り組みの集大成です。

1 木の香かおるホール 2 階段を生かした語らいの場  3 エレベーターも完備
4 今の遊び 5 昔の遊び 6 すぐに1人(匹)立ち 

「これは,今年第1号のバンビの誕生を伝える新聞記事です。シカさんは生まれて間もなく自立できるんです。でも,人っていうのは自立までに時間がかかるんですね。その間,適切な支援が必要なのです」とお話している私です。
曽爾小学校の先生がメールに添付して送ってきてくださいました。良くない被写体をうまく撮ってくださった先生に感謝・感謝です。



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