平成17年4月22日(新学年が始まりました。A組からE組まで,各クラス週1時間ずつの授業,2週間が過ぎました。)

 定年退職してから10年目,今年も新しい学年が始まりました。教員生活48年目の春,いつになっても気分がうきうきするスタートのときです。今年,依頼されたのは中学校1年生5クラス各1時間の授業,これまでと同様,地学の領域を受け持つことになりました。
 「私は竹中と言います」と自己紹介,そして,黒板に「竹中先生は学校で一番    先生です」と書きました。空白の部分にどんな言葉を入れるか考えさせました。
 昨年と同様「年寄りの」「ベテランの」「古くからこの学校にいる」「えらい」「優しい」「元気な」「こわい」などの答えが返ってきました。若い頃には「学校で一番こわい先生」と言われていたことなども紹介しながら,「目的をもって入学してきたこの学校で,しっかりと勉強しよう。先生も一生懸命に授業するから。一生懸命にやる人たちにはとっても優しい先生なんだから」と話しました。
 そして,中学校理科の組み立てを説明しました。こんなときには,小学校,中学校,そして,高等学校で授業してきた経験が役になちます。なにしろ,小学校1年生から中学校3年生まで,高等学校では,物理・化学・生物・地学のすべての科目の授業経験があるのですから。
 地学は,他の科目と違って時間的・空間的に遠い世界を学習します。ですから,実際に確かめてというようなことができにくい所もありますし,わずかな情報から想像し,類推し,考えて,結論に近づけていくことが大切です。「学校で一番   先生です」の中身を創造することも1つの勉強なのだと思います。
 もう1つ地学では途方もなく大きな数が登場します。「1億」なんて当たり前,もっともっと大きな数が出てきます。ところが,これが大変なのです。最近の子どもたちは「1億」の大きさを感じ取ってくれないのです。ですから,「1億年前」なんて言ってもそう遠い昔とは考えてくれない,太陽までの距離は1億5000万qと言っても,そんなに遠いところと考えてくれないのです。
 いつものように,1秒間に1ずつ数え,1日6時間,授業のある日は毎日数え続けていたら「1億」に到達するのはいつかを考えさせました。
 2時間目は岩石の風化と地表の変化です。ここでは,パワーポイントを使って作ったプレゼン資料が教材です。退職後の旅行で撮ってきた景勝地の写真(この中の多くは,このホームページにも紹介したものです)が教材です。実際に見聞きできればいいんですが,それが無理な場合,擬似的な体験でもしてもらいたい,そして,地学を身近なものに感じてほしいと思っています。

1 一枚岩(和歌山県) 2 虫喰い岩(和歌山県)  3 橋杭岩(和歌山県)
4 松島(宮城県) 5 浄土ヶ浜(岩手県) 6 鍋倉渓(奈良県) 



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