平成16年10月2日(伊能忠敬ってすごい人だと思います。50歳から日本地図の作成の夢の実現に取り組まれたとか,生涯学習のお手本です。)

 今は出ていませんが,これまでの中学校理科の教科書には「地球の大きさを測る話」が出ていました。エラトステネスの方法です。ギリシアのエラトステネスは,地球が球形であると仮定して,その大きさを求めた人です。彼は,夏至の日の正午にアレキサンドリアの南にあるシエネでは太陽の光が深い井戸の底にまで届くことを知りました。そこで,そのときのアレキサンドリアでの太陽光線の入ってくる角度とシエネまでの距離とから地球の大きさを求めたのです。このときの測定値は現在より10パーセント大きいそうですが,紀元前230年としてはずいぶん正確だと思います。
 しかし,これと同じように地球の大きさを測った人が日本にもいるのです。それが伊能忠敬で,彼は49歳で隠居し,家業を息子にゆずって江戸に出て,天文を学び,これを応用して地球の大きさを測ろうとするのです。このための測量から日本地図を作るための測量へと発展し,とうとう10回の測量の旅をします。
 「エラトステネスと同じことを日本人がしていた。それも,隠居した老人が…」これを知ってから私は,彼に非常な興味を持ちました。そして,地学の授業で必ずこれを取り上げるようになりました。「一度,伊能忠敬の住んでいた町に行きたい,そして,彼のことを展示しているという記念館に行きたい」と思いました。この思いがやっと実現しました。
 犬吠埼のホテルで目を覚まし,日の出を観察,周辺の白亜紀の地層を観察した後,佐原の町を訪ねました。
 理科の時間にゆとりを見つけ,このことを生徒にお話ししたいと思います。地球について知ることと共に,こんなすごい日本人がいたことを理解させたい思います。

日本で一番の日の出です 犬吠埼の灯台です 灯台下の白亜紀の地層です
佐原の古い町並みです 樋橋(ジャージャー橋)です 30分に一度水が流れます
伊能忠敬の旧宅です 測量の日記念碑と銅像です ほとんど誤差がありません



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