平成16年9月1日(小学校3年の孫から,夏休みにやったレモンを使った電池遊びのことについての質問電話がかかりました。明日,発表するというのです。)

 2学期始業式の9月1日,遼ちゃんから電話がかかってきました。「教えてください」の電話です。質問の1つ目はレモンを使った電池のことです。「どうして,亜鉛と銅だとレモン電池ができるのですか」という質問に対して,次のように答えました。中学校で勉強するイオンという概念を抜きにして説明するのは,ちょっと難しことでしたが,次のように説明しました。だいたいのことは分かってくれたようでした。
ジイジからの答え レモンにはすっぱいものがふくまれています。これを酸(さん)といいます。金属は酸に溶けるという性質があります。しかし,その溶けやすさは金属によってちがいます。溶けやすいものと溶けにくいものがあるのです。亜鉛(あえん)は溶けやすい金属,銅は溶けにくい金属です。こんな溶けやすさの違う金属と酸を使って電池をつくることができます。このとき,溶けにくいほうが+(プラス),溶けやすいほうが−(マイナス)になります。銅よりももっと溶けにくい金属があります。それが金です。第2位は銀です。どこかで聞いた順でしょう。そうです。オリンピックのメダルの順ですね。では,3番目がなにかわかりますね。そう,銅です。ほかにもいろいろな金属があり,溶けやすさが違います。錫(すず)もきれいな金属です。パパとママが持っている錫のペアカップは結婚10周年の記念品です。銀は25年目,金は50年目の記念に使います。だんだん強くなるのですね。ジイジとバアバは平成25年に金のお祝をする年になります。
 溶けやすさのちがう金属を使うほど強い電池ができます。下の表は,溶けやすさの違いを階段にしたものです。どんな金属を使うと強い電池ができるか分かりますね。鉄と亜鉛では電池ができないのは2つの金属の違いが小さいからです。ナトリウムと金だと強い電池になりそうですね。金と銀では値段はずいぶん高いけど,強い電池にはなりそうにありません。
パパやジイジのレガシィにも電池が使われています。中にはレモン汁ではなく,硫酸(りゅうさん)というとても激しい性質のある酸が使われています。手や足がこげるくらいのすごい酸です。そのかわり,強い電気を流すことができます。
 翌日の電話は,「発表がちゃんとできたよ」ということでした。
 身の回りには,「どうしてだろう。どんなになっているのかな」ということがいっぱいです。「それは,中学校に行ってからだ」という訳には行かないこともあります。ちょっと難しいけれど,この段階だとこのように説明したらいいのではないか,そんなことがあります。ちょっと難しくても,疑問に思ったときに答えてあげないといけないと思います。


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