平成14年3月31日(春休みを使って阿波の土柱を訪ねました。小豆島で3つの発見をしました)

平成12年の「来年の春からは奈良学園中学校で地学の領域の授業をお願いします」という川尻校長のお話から始まった地学の内容にかかわる資料収集の旅,今年の春の旅行では阿波の土柱を見てきました。
この浸食のことを知ったのはいつのことか分かりません。しかし,「すごいところがあるもんだ」という強い印象を受けたことを覚えています。
「ぜひ見て来よう」とカーナビの誘導で車を走らせました。もう夕方でしたから,日陰になっていて写真が撮れなかったらどうしようと思いながら坂道を登りました。そして見えてきた憧れの土柱は,夕陽に照らされ陰影がくっきり。「前日までのような雨だったら,かすんで見えなかっただろうし,やってきたのが朝だったら逆光になってこんなにきれいに見えなかっただろうし…」と幸運を喜びました。
阿波の土柱は,吉野川が運んできた堆積物が雨水による浸食を受け特異な地形になったもので,浸食につよい礫層が大きなはたらきをしており,ほかにはアメリカのロッキー山地とオーストリアのチロル地方に見られるだけということでした。この写真は,新課程で学ぶ中学校1年と旧課程で学ぶ3年の両学年で使うことになりそうです。今年は教育課程改訂元年なのです。
 さて,今回の旅では夕陽の美しいことで有名なペンション「サンセット・コースト」(料理もとてもおいしいでした。お勧めです)に2泊したのですが,小豆島ではこんな面白い発見がありました。
発見1 小豆島には世界一幅の狭い海峡があること
土庄港から寒霞渓や二十四の瞳で有名な島東部に行くときに短い橋を渡ります。これが川にかかった橋ではなく下は海なのです。なんとその幅がわずかに9.93メートルというギネスブックに認定されている土渕海峡なのです。そして,私が頂戴した「世界一狭い海峡横断証明書」のナンバーは52464号でした。
発見2 小豆島には小豆島があること
明日はどこに行こうかなと地図を見ていると小さな小さな島がありました。名前が「小豆島」なのです。「ミスプリントか?」と思ったのですが確かにこの小さな島のところに「小豆島」と書かれています。土庄町役場商工観光課で「小豆島の地図に『小豆島』というのがあったんですが」とお尋ねすると,「ああそれは『あずきじま』という名前なんです」というお答えをいただきました。面積を聞いてくるのを忘れました。でも面白いですね。
発見3 醤油工場は屋根も真っ黒であること
マルキン醤油記念館を見学して出てきたら,入口の篠竹やウバメガシの幹も真っ黒なのです。もう一度入って「あの竹も木も真っ黒なのはなにか理由があるのですか」と受付の女性に聞きました。すると,「醤油工場にはこうした菌が住んでいてそれがこんないたずらをしてるそうです。菌の名前は忘れたのですが…。でも,おいしい醤油の工場ほど多いそうですよ」ということでした。そういえば屋根も真っ黒でした。少し走ると,香川県立発酵食品研究所がありました。せっかくこんな施設があるのだからと立ち寄って質問しましたら「醗酵に伴ってできたアルコール分をエサとして黒カビが成長します。醸造工場にはつきものなのですが,あまりきれいではないし近隣にご迷惑になるので苦労しているところもあるようです」ということでした。インターネットで検索するとこのことについて書かれたホームページがありました。それによるとこの菌はプルラリア菌という名前でどこにでもいる菌だということでした。


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