平成13年11月9日(大淀第一小学校にお邪魔しました。静かな山あいの学校には自然に親しむ環境がいっぱいでした)

○ このページ,絵もない,写真もない,そんな退屈なページですが,少しお付き合いいただけますか。どうぞよろしく

 大淀第一小学校のPTAにお招きを受けて子育てについてのお話をしてきました。ご依頼の中で「このごろ,親たちが子育てに自信を失っているような気がするのです」というお言葉があったことから,演題を「子育てに元気と楽しみを」としました。以下は,そのときの話の要点です。
 はじめに,「学ぶことの楽しさ,育つことの喜び」についてお話ししました。学ぶことの楽しさは,発見の喜びであると思います。そして,小学校のころの不思議だなあと思った体験,そのわけを発見したときの喜びなどをお話ししました。そんなふうなことから,「子どもたちに成長する喜び」を感じさせたいとおもうのです。
 でも,今の子育ては大変です。昔は,すべての情報源は父母であり,年長者でありました。テレビやラジオがなく父母に学ぶことがすべてでありました。でも今は違います。子どもたちを多くの情報機器が取り巻き,それから新しい情報をいっぱい得ている子どもがいます。確かに,大人が重要な情報を独占していた時代から,大人も子どもも情報を共有する時代になりました。それどころか,子どもたちのほうが情報を手軽に得ているような気もします。携帯電話にしてもそうです。大人たちがやっと有線電話のように気軽に使えるようになったとき,子どもたちはメールによる情報の送受になれ,この機械を情報端末として使って新しい情報を得ていました。こうした分野では,子どものほうが先行しているのです。
 では,生きていくのに基本的なことがらについてはどうでしょう。いまでも必要な生活のルール,これだけはと思うことは父母が中心になる分野です。
 文部省派遣海外教育視察団の一員として,ハンガリーの田舎の町・エゲルを訪れたときの体験です。待ちの真ん中にある古城を訪ねました。お城の入口ですれ違った少年に「クエセナム」と声をかけました。ハンガリーでの「こんにちは」です。出国する前に覚えていった「こんにちは」と「ありがとう」です。でも,返事はありませんでした。はじめてみる日本人,変な発音,彼が戸惑ったのは当然です。
 でも,それから少ししたとき彼が私たちの前にやってきました。ニッコリとほほえんで「クェセナム」と挨拶してくれました。つづいてご両親が来られました。身振り手振りのお話を「先程は私の息子が大変失礼なことをしました。たとえ知らない人にでもご挨拶するようにと十分に行って聞かせました。どうぞよろしく」そんなように思えました。
 お城の中の洞窟を見学しました。薄暗い洞窟の中でガイドさんの説明が続きます。分からない言葉で延々と続く説明です。まだ,小学校にも行っていないくらいの女の子が,お母さんに話しかけました。ガイドの説明中です。お母さんは,唇に指をあてて「シーッ」と言いました。女の子はだまりました。次ンお説メインおとき時間を測ってみました。説明は5分30秒でした。その間,その女の子は一言も口をきかず静かにしていました。えらいなあと思いました。
翌日の学校訪問で見学した授業のそうでした。 「プリーズ」「サンキュー」の静かな声で進む授業に感心しました。日本だったらどうでしょう。
このほかにいくつかの感心させられた例をお話しし,私や近くの学校の取り組み,感心させられたご家庭での取り組みを紹介し,元気を出して子育てを楽しもうと呼びかけました。
「 かわいくてかわいくて仕方がなかったあの日,あのとき」を思い出して元気に子育てにはげみたいも のです。

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