平成13年10月7日(東京に住む孫たちの運動会に参加しての帰り,鎌倉に立ち寄り,長谷の観音様を拝んで「理科」を考えました)

孫の遼吾は,3年保育の年長組,黎希は3年保育の年少組です。いっしょに運動会に出るのは,今年が最初であり,最後であるということで,10月6日・土曜日の午後,天理を出発して東京に行きました。
翌,8日は暑くもなく寒くもなく絶好の運動会日和になりました。仕事での運動会は,毎年続いていますが家族の運動会に参加するのは,およそ20年ぶりです。走り,飛び,踊る孫たちの姿に思わず顔がほころびました。まさにジジバカです。
東京からの帰りに,鎌倉に寄りました。昭和28年に高校の修学旅行に行って以来の鎌倉です。なにはともあれ大仏様にお参りしました。昨日とはうってかわったお天気で傘をさしての観光です。
次に,長谷の観音様にひかれて,長谷寺をお参りしました。縁起書を見ると,この寺の本尊十一面観世音菩薩は日本最大の木像で,なんと,奈良の長谷寺の観音様とご兄弟なのです。養老5年(721年),徳道上人が1本の楠の霊木から2体の十一面観音を造り,1体を大和の長谷寺におまつりし,もう1体は有縁の地に出現して,人々を救いたまえと海に流されました。その後,尊像は三浦の長井に流れ着き,この地に移されたといわれているのです。
まったく,そんなことを知らずにお参りし,住所地近くの長谷寺と縁つづきということになにか感動するところがありました。
宝物館には,市指定文化財の「観音33応現身立像」が祀られていました。これは観音様が,いろいろな場に救いの手をさしのべるために33の形に姿を変えて出現される,そのお姿だというのです。仏教でいわれる変化(へんげ)のお姿なのです。
私が教えている理科では物質の変化を扱います。理科は変化(へんか)を学ぶ教科なのです。一昨日,中学校3年生に,同じ珪酸アルミニウムが,らん晶石,けいせん石,紅柱石という3つの形で存在すること,どんな形をとるかは,生成のときの温度・圧力によるのだということを教えたことを思い出しました。
奈良に帰ってきた翌日,次のクラスで,同じように鉱物の「多形」(同質異像とも言います。化学組成が同じでも結晶構造が異なるものを互いに多形の関係にあるといいます)について説明しながら,学校の近くにある矢田寺のことを思い出しました。お地蔵様をおまつりしてあるこのお寺は,お地蔵様の変化のお姿からアジサイが植えられ,それで名を知られたお寺なのです。地学を学び,化学を学びながら,幅広い知識を身につけていかせたいものだと思います。
下の写真は,年少組さんの遊戯に出た黎ちゃんとママ,十一面観世音菩薩の応身立像,そして,江の電(江ノ島電鉄)です。「やっぱり乗り物は面白い」です。


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