平成13年5月13日(琵琶湖博物館で「コリオリの力」を学び,地下深いところの温度を実感しました)

平成13年5月2日は奈良学園中学校・高等学校の校外学習の日でした。長距離を歩くことになっていた学年もこの日の悪天候で琵琶湖博物館を見学することになり,私が気象の学習を担当している2年生と,地球と岩石の学習を担当している3年生の2つの学年の生徒がここで学習しました。私にとっては前に1度行った施設ですが,子どもたちと歩くことによって,素晴らしい学習室であることをあらためて感じました。
2年生に体験させたかったのは,コリオリの力を実感することのできる「まわる琵琶湖(回転実験室)」でした。まもなく「なぜ,低気圧は左回りのうずになるのか」を課題に勉強することになっているからです。短い時間での見学ですから,222人の生徒のうち,体感できたのは3分の1以下でした。それでも,長い時間をそのために行列を作った本校の生徒をほめてあげたいと思います。
私も40分あまり待ってこの円形の部屋に入りました。部屋が回転し始めました。展示交流員さん(そんなふうなお名前がついているそうです)の分かりやすい説明で,回転する部屋の中で,ボールを投げたり,跳んだりして,コリオリの力を実感しました。
この実験室については,琵琶湖博物館の公式ホームページには,次のように書かれています。

 琵琶湖のなかの水は、地球の回転の影響をうけてふしぎな動きをしますが、その動きは、あまりにも大きくゆっくりしているので、わたしたちには直接みることができません。しかし、地球よりもずっと速くまわる回転実験室のなかに入れば、わたしたちたの身のまわりの小さな物の動きをとおして、湖水のふしぎな動きを理解することができます。 回転実験室で体験できるふしぎな力のことを、コリオリの力とよびます。わたしたちは、回転実験室に入らないとコリオリの力の影響を感じることはできませんが、琵琶湖の水は、いつもこの力の影響をうけているのです。

琵琶湖博物館で学習した次の週,いよいよ,高気圧と低気圧の学習になりました。
「琵琶湖博物館で,丸い回転する部屋でコリオリの力の学習をした人は?」
と声をかけると大勢の手が挙がりました。単なる物見遊山ではなく,学習の機会としてとらえてくれている子どもたちの姿うれしく思いました。中には,この日につづく連休にお父さんにねだってもう一度行ったという生徒もいたそうです。さすが,本校の工藤博幸先生が主宰する「奈良学園中学校高等学校・科学館を愛する生徒の会」が盛況で,「科学館へ行こうヨ! 近畿・東京おもしろガイド」という書物まで出している本校だあと思いました。

前の週に,「地下増温率は平均して100mにつき2ケルビン(絶対温度の単位です)程度である」ことを学んでいる3年生の子どもたちには,
「琵琶湖博物館で,地下900メートルの温度を実感できた人は?」
と尋ねてみました。これにも,大勢の手があがりました。教室では,説明だけで過ごしましたが,ここでは博物館建設工事のときのボーリングで確認された地下900mのところの温度を体験できるのです。
100メートル掘るごとに2度ずつ高くなっていくという深いところの温度を実感しようと,手形のマークに手を差し伸べた生徒が多かったようです。

写真は,地下深くの温度を体験できる手のひらのマーク,回転実験室の写真は,私が失敗したので,琵琶湖博物館のホームページの写真を拝借しました。


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