平成13年4月29日(奈良地方気象台に行って仕入れてきた新しい情報を「天気の変化」の授業に使いました)

 2年生の理科第2分野の授業を「天気の変化」から始めることにしました。この教材を教えるのは何年ぶりでしょうか。さかのぼって考えると,去年までの5年間は奈良文化女子短大付属高校,その前の8年間は生駒市内の2つの小学校,その前は県教育委員会,その前が中学校2年の担当でした。ですから,もう20年以上も前のことになるのです。
「その前に,一度,気象台に行ってみよう」と,私は奈良地方気象台に出かけました。それは,4月5日の入学式のあとのことでした。サクラが満開でした。
ここから,奈良の町を見下ろすと,音楽の教師でありながら,気象観測に強い関心を持ち,建設省からの委託を受けて学校で気象観測をしていた父と,ここで気象観測や天気図作成についての研修を受けたことを懐かしく思い出しました。
 たまたま出会った所員の方に,用件を告げ,露場に案内していただきました。
懐かしい百葉箱がありました。広辞苑には「気象観測用の白ペンキ塗り鎧戸(ヨロイト)゙の箱。天井に通気筒を設けて通風をよくし、温度計・湿度計などを入れておき、気象要素を観測。ひゃくようばこ。」と書かれているあの百葉箱です。
 でも,ここにあったものにはよろいどではありませんでした。隙間なく板が張られていました。これのほうが安価なのだそうです。「通風はどうなるのですか」とお尋ねすると,「換気扇が内蔵されています。」とのことでした。その上,「これはもう使っていないんです。大分破損してきました。いずれ廃棄の予定です」ということでした。
もっと正確に測定できる新しい機器がとってかわっていたのです。 

このときに撮ってきた写真を,2年生の生徒数分プリントし,これを教材に授業を始めました。
百葉箱に鎧戸がなかったことについては,
「気象台の方が,ないもののほうが安いんですとおっしゃったよ」
と言うと,
「そんな無茶な…」
という声が返ってきました。
しかし,換気扇で通風し正しい気温が測れるようになっていることを話すと,
「なるほど」
と感心し,なっとくしてくれました。それにしても,時代は変わったと痛感しました。
「そんなこと,前から知ってるよ」
ではなく,常に変化に目を向けていないといけないなと思いました。
 新しい発見,定義の変更,計算式の変更など,次々と変化があります。
 国名・地名が変わったり,歴史の分野で新しい発見があったり,社会科の先生はたいへんだと思っていましたが,「やっぱり理科も大変」です。


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