平成12年8月10日(暑い日でしたが,田原本町中央公民館のホールは満員でした)

田原本町の高齢者学級から,「やっぱり理科は面白い」の中から,「砂糖と食塩を見分ける話」を材料にお話をという依頼があって出かけました。この話に使う実験道具一式はまとめて置いてありますから,すぐにでもでかけることができます。しかし,高齢者の方々にというのですから,演題を「おばあちゃんの智恵は理科の智恵」としました。
1週間に1度程度起こる現象は1年も観察していたらたくさんの事例に触れることができますから,そこから規則性を見付け,理科の知識としてまとめることができます。しかし,10年に1度といったような現象であると,相当長い間の観察が必要になります。法則としてまとめるのは大変なことです。そんなことからお年寄りの智恵が大切にされ「亀の甲より年の功」といった諺ができたのでしょう。こんなことをお話したあと,砂糖と食塩の性質の違いを科学的に考えることにしました。勿論実験をしながらです。
ところで,この話を準備しているとき,「お年寄りの智恵」と「砂糖」の2つをキーワードにすると,私の頭には,うば捨て山伝説が浮かびました。しかし,改めてお話しするとなると,その内容には心もとないところがあります。あちこちの図書館に行ったり,本屋さんで立ち読みしたりして,このお話を探しました。見つかりません。
そんなある日,こんなことにこそインターネットをということに気がつきました。そこで,「うばすて」と「糸」をキーワードに検索すると,「笠間の民話」というホームページの中の「臼木のうばすて山」という話が見つかりました。隣国からの,ほら貝に糸を通してもってこいという難題を,地下に隠していたおばあさんの智恵を借りて解決したという話でした。
ほんのわずかな時間で,この話を見つけられたことは,驚きでした。おかげで,そんなこともご紹介しながら楽しい1時間半を終えることが出来ました。

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