<超音波検査>
心臓の動き、構造、血流を評価します。
・心房および心室の大きさ、動き、収縮および拡張の評価
・中隔および自由壁の厚さ、動きの評価
・弁の形態異常、変化、動きの評価
・ドプラー波を使い、流速、心臓の拡張状態、血流異常の評価
・計算式を用いての圧負荷なども評価
などを評価することができます。心臓の状態をリアルタイムに評価することができるので、心疾患の診断には必須になります。
<心電図検査>
心臓の電気的な流れをチェックします。電気の流れを見る事により、形態や機能的な異常以外の評価ができます。また、ホルター心電計をつけ24時間の心電図をチェックすることにより、不整脈を起こして自宅で失神や痙攣を起こす原因を評価することができます。
<一般血液検査>
スクリーニング検査として行います。大まかなチェック項目は以下のとおりです。
・心臓が悪い事により、その他臓器にも負荷がかかっていないか?
・他の疾患は併発していないか?
・その他疾患により、心臓への影響はあるかどうか?
・処方した内服が肝臓や腎臓に負担をかけていないか?
などのチェックを行います。
<ANP>
心房性利尿ペプチドといい、心房から分泌されるホルモンです。心房に負荷がかかっていると上昇します。高値の場合、肺水腫になる危険もあります。
<NT-proBNP>
脳性利尿ペプチドといい、このホルモンの80%が心室から分泌されます。よって、心室に負荷がかかっている時に値が上昇するので、心臓の状態を把握することが可能です。
<心筋トロポニンi>
心臓の筋肉から分泌されるホルモンです。肥大型心筋症などの時に診断に用います。主に心筋に障害を受けた時に上昇します。
<心カテーテル検査>
血管内に造影剤を投与し、異常血流をチェックします。また、各部屋の血液の流れる圧力をチェックすることもできます。
それぞれの検査単独ではなかなか全体像を評価するのは難しいので、基本的には組み合わせて評価をしていきます。
次回は、「僧帽弁閉鎖不全症」について触れてみたいと思います。
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