所在地 : 高山市奥飛騨温泉郷
温泉名 : 奥飛騨温泉郷・福地(ふくじ)温泉
施設名 : 湯元長座  (入浴日:2006.6.11) 
日本一の露天風呂王国・奥飛騨温泉郷の中で最も小さな温泉地だが、しっとりとした雰囲気を漂わせ、大人の湯宿が点在しているのが福地温泉だ。
奥飛騨温泉郷は、平湯川・高原川沿いの平湯・新平湯・福地温泉と蒲田川沿いの栃尾・新穂高温泉の総称で、日本でも有数の湯量を誇り、数多くの旅館はもとよりペンション・民宿までが露天風呂を有し、その数は日本一である。

宿泊した旅館「元湯孫九郎」の女将によると、福地一帯は養蚕業を生業とする農家の集落だったそうだ。
それが湯治用の温泉を引く小さな宿が一軒また一軒と増え、それらが改装・新築を繰り返して現在の福地温泉となった。

福地温泉は、奥飛騨温泉郷にあって最も鄙びた風情を保っている。
素朴で静かな山里に、旧家を移築した宿や飛騨建築を取り入れた宿が10数軒。
それぞれが広い敷地にひっそりと建ち、大人の雰囲気を持つ温泉地だ。

この地区には、古民家を移築して奥飛騨の山里を再現した「昔ばなしの里」があり、ここでは男女別の内湯と露天風呂を持つ「石動の湯」で日帰り入浴をすることも出来る。
湯元長座前の風景。何れの宿も坂道の道路から奥まった所にひっそりと佇んでいて、「旅館が建ち並ぶという描写は当らない。
飛騨地方の中央に位置していた高山市だが、2005年2月、近隣9町村と合併し、東京都に匹敵する日本一広い面積を有する新しい高山市が誕生した。

面積の93%が森林で占められ、山・川・渓谷・峠などで地理的に分断され、標高差も2,000を超えるなど、地形的に大きな変化に富んでいる。
北東部には槍ヶ岳・乗鞍岳・穂高連峰などの飛騨山脈(北アルプス)を擁し、標高の最高は奥穂高岳の3,190m、最低は上宝町の436mである。

旧高山市は観光都市である。
城下町の中心、商人町として発達した上町・下町の三すじの町並を合わせた古い町並、高山陣屋、からくり人形など飛騨の匠の技による華麗な屋台が引き回される高山祭(山王祭・八幡祭)、江戸時代から続く2ヶ所の朝市などが多くの観光客を惹きつける。

これに加え、今回の合併により、中部山岳国立公園内の北アルプス名峰群、さらにこれらの山懐に湯煙をあげる奥飛騨温泉郷(旧上宝村)を市域に組み入れ、一大観光都市となった。
高山市観光スポットの町並み
福地温泉ではもとより、いまや奥飛騨温泉郷を代表する人気旅館にまでなったのが「湯元長座(ゆもとちょうざ)」だ。

「日本秘湯を守る会」の会員旅館だが、料金が2万円前後からと高額で、秘湯の宿というよりも高級旅館の範疇に入ってきている

宿のホームページを見ても、宿泊料金が表示されておらず(2006.11.29現在)、相次ぐ値上げでこれのメインテナンスが追いつかないのか、とうがった見方をしてしまう。

道筋から少し奥まったところにある湯元長座の本館は、新潟県の豪農の家を移築し、飛騨造りに手直しした総欅造りの豪壮な建物である。
館内に入ると、広い土間の向こうに黒光りした板の間のロビー、右手には囲炉裏が切られ、何頭分かの熊の皮等が敷かれた座敷がある。
柱も天井の梁も太く、演出された薄暗い照明とともに高級感溢れる雰囲気を醸し出している。
客室は27室(T25、BT2)の他に離れ5室(BT)があり、宿泊料金は上述の通りホームページに記載されていないため、詳細は不明だが2万円程度からと思われる。

ここは立ち寄り湯を受け付けていない。
入浴できたのは、福地温泉に宿泊した場合、希望する旅館(一軒のみ)の風呂に「貰い湯」が出来るシステムがあり、これを利用したからだ。
但し、利用出来る時間帯は午後3時から4時 同6時から9時迄の時間帯に限定されている。


ここの内湯は文句無く素晴らしい。
太い柱と梁に支えられた木造の湯屋と一体となった風呂は、檜造りだろうか、重厚感たっぷりで、かつ品格を漂わせている。

風呂は2ヶ所に区切られ、一方はやや熱め、もう一方は温めになっている。
好みの温めの方に浸かりながら、これぞ日本の温泉と
感じ入った。

一方、内湯に続く露天風呂は、原生林を背景に大小の岩石を配置したかなり大きなものだが、それほど特色があるわけではない。
入浴したのは、夕食時の午後6時だったため、内湯・露天風呂ともに貸切状態だった。

風呂は他に貸切3ヶ所と少し離れた渓流沿いに半露天風呂の「かわらの湯」がある。


ここは源泉を複数持ち、泉質は単純泉とナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉の2種類である。
温泉サイト仲間の「やなぎさん」がここに宿泊しているので参照ください。
重厚感、品格漂う大浴場
白と黒を基調とした廊下
清潔、広い脱衣室
熊等の敷物を敷いた炉辺
黒光りするロビー
玄関前には、日本秘湯を守る会の提灯。
住 所 高山市奥飛騨温泉郷福地786
電 話 0578−9−0099
交通機関 ・長野自動車道松本ICから国道158・471・県道475号線で約65km
・東海北陸自動車道飛騨清見ICから国道158・471・県道475号線で約60km
・JR高山駅から濃飛バス・新穂高温泉行きで1時間10分 福地温泉下で下車すぐ

・JR松本駅からアルプスライナーで平湯温泉下車 濃尾バスで福地温泉下下車
施 設 ロビー、売店、駐車場(50台)
宿 泊 32室 (BT2 T25 離れBT5) 
宿泊料金は2万円前後から(詳細は旅館に照会ください)
チェックイン:午後3時 チェックアウト:午前10時
泉 質 複数の源泉を持ち、単純温泉 及び ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 不可 (宿泊者は24時間利用可) 
定休日 年中無休
入浴料金
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各2、貸切風呂3(予約不要)
浴室備品 内湯にはシャンプー、ボデイソープ、ドライヤー等
観光スポット 新穂高ロープウエー、上高地、乗鞍スカイライン、乗鞍高原、平湯大滝高山、松本
お土産・食事 土産は館内で可食事付入浴無し
近くの温泉 平湯温泉・新平湯温泉・栃尾温泉・新穂高温泉白骨温泉乗鞍高原温泉・さわんど温泉・坂巻温泉・中の湯温泉・上高地温泉・焼岳温泉
高山市HP
飛騨高山観光協会

奥飛騨温泉郷観光協会
湯元長座HP
http://www.city.takayama.lg.jp/
http://www.hidatakayama.or.jp/
http://www.okuhida.or.jp/
http://www.cyouza.com/
雑記帳 奥飛騨温泉郷の5湯の内、栃尾温泉・新平湯温泉が未入浴。
次回には両方を一度に制覇したい。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
福地温泉・湯元長座 (岐阜県)
福地温泉宿泊者を除き立ち寄り湯不可