●下記の資料をもとに古今東西の商いの基本を学びました。
商いの知恵(公開講座資料)
2000年9月5日発表/作:小中 敬三
目 次(3章連作)
@儲けるノウハウ
Aお客様を得るテクニック
B長く続けられる知恵
@儲けるノウハウ
[1]
行商人の根性
アメリカには,ヤンキーぺドラーと呼ばれる行商人がいる
日本のテキヤのように,両端にしか芯の入っていない鉛筆を
言葉巧みに売り歩いたりしている商人のこと。
彼らは,店はなくてもアメリカの大地そのものを店にしてしまっている。
@コンテンツ―――大きな大きな店
店を出す場所
山(高い所)に上って決めよ
不動産屋が減っている所には出すな
Aコンテンツ―――出してはいけない場所
学生街で高級商売
高級飲食店街で安いラーメン屋
先入観を捨てた思い切った商売
Bコンテンツ―――逆価格
ヒント
女が買う男物
男が買う女物
Cコンテンツ―――売り場の構成
買い物ごっこ
納得のいく値引きの理由
例 大豊作でミカンが底値をつけました
Dコンテンツ―――双方得
何もしないのもサービス
早く買わせ追い出そうとするのは見抜かれる
いらぬテクニックが二度と来たくない気にさせる
サービスとはかゆい所をかいて差し上げること
いらぬ所をかくと嫌になる
Eコンテンツ―――掻いて欲しい所が見える
[2]
10人中 6人
決めていたものが無くても
商品を変えうる確率
「ありません」「おいてません」では不親切
Fコンテンツ―――おすすめセット
専門店
顧客と商品を絞り込んだプロの店
Gコンテンツ―――専門店の専門店(小売)
仕入れ
多く買うより 定期的に買う
Hコンテンツ―――定期契約
買わないお客
なぜ買わなかったのか
仕入れのヒント
Iコンテンツ―――知るツール(粗品選び)
峠は高い方がよい
真夏の炎天下,途中道連れになった2人の旅商人が
ようやく峠について,一休み
「何の因果で,こんな難所を越えなければいけないのか、
商売を止めてしまいたいよ」 と一人が言った
もう一人の近江商人は「私はこの何倍も高い方がありがたいよ」
Jコンテンツ―――ニセの壁
反物
貧しい人はツギのあたった着物,それは面白い模様になっていた
「えびすぎれ」といって、端ぎれを売った
Kコンテンツ―――小さく小さく
[3]
商人の江戸進出のコツ
一家を起こした人は,みんな思いもよらない工夫をして
江戸の人間をアッといわせた
その地域にないことの発見は,諸国を歩いたり,そこで聞いたり見たことを
参考にするのが何よりだ
新しい発想で,そこにいる人たちがきずかない事を行う
Lコンテンツ―――新しそうに見えるモノ・知らない物
金儲けは相撲と一緒
相手の隙を発見して,自分の技をそこへ叩き込む
Mコンテンツ―――ふんどし
貧乏人は金持ちを妬む
金持ちを妬むのは,自分が貧乏人であることの証拠
自分より他人が勝っていることに嫉妬する
愚か者は知恵のあるものを妬む
ブスは美人を妬む
いじめとか 足の引っ張り合い 失敗を喜ぶ
そして 密告したり 陰湿な風習である
Nコンテンツ―――ねたみを商売に
元値
酒を元値で売って,その空だるを売って利益をあげる
米を元値で売って,その糠と空俵と小米が利益となった
Oコンテンツ―――残りで利益
越中富山の薬売り
先用後利 : 先に用いてもらい,後で利をうる
消費者信用の始まり
Pコンテンツ―――置き薬方式
[4]
ひと 西にはしらば、われ 東
徳政令で借金棒引き 商人は懲りた
そんな時 ひとり 城下町に全財産の仕入れをして売りに行った
誰も行かないものだから,高値で売れ,しかも以前の未払い金も
きれいに支払ってくれた (近江の豪商)
Qコンテンツ―――懲りた商人・欲しい武家
鬼門の土地なら安く買える
鬼門なんて最澄が比叡山を開くために言い出したに過ぎない
(合理的)
Rコンテンツ―――占い・迷信・言い伝えの裏をかく
[5]
大売出し より 小売出し
大売出しは,儲けをとらず
小売出しで,『ファン』ずくり
イ コンテンツ―――単品のアッピール
広告を狭告に
小商売のチラシの相手は『一人』にしぼる
ラブレターと同じ
ロ コンテンツ―――ラブレター
儲けようとしている人間から儲けよ
(小林一三語録)
ハ コンテンツ―――欲張り相手
電気消費量は収入に比例
ゴミの量・質は消費に比例
洗濯物で子供の数
垣根・門の立派なうちは金銭に細かい,でも一流デパート
家相の悪いうちは欲求不満の持ち主
ニ コンテンツ―――泥棒の判断
気持ち
よそに言って「腹がへって仕方がないので,めしを一杯食わせてください」
,後でお庭の掃除を致しますから」 と言うよりは
しばらくは空腹を我慢して,まずお庭の掃除をする心がけでいれば、
その誠意は通じ,一飯にありつくことが出来るでしょう
世の中のことは万事この呼吸で行けば,道みずから開ける
(二宮尊徳)
ホ コンテンツ―――ハートのさし方
[6]
PR
大量の傘を用意しておき,突然の雨で客が困るとお貸しした
傘には大きく「越後屋」と大きくかかれている
ヘ コンテンツ―――人の集まる所
ト コンテンツ―――年に100日
社会への還元
お寺や社のにぎわいに目をつけ,大量の手ぬぐいを寄付した
「大丸」と染め抜かれている
チ コンテンツ―――社会貢献
いい物を安く
庶民に安く売っているのを聞きつけて大名・旗本の家臣がつぎつぎに
買いにきた。 その後,幕府が越後屋に「ご用達を命ず」
リ コンテンツ―――呉服以外の共通商品
福引の一等賞は振袖
江戸っ子は仰天した
ヌ コンテンツ―――ビックリする一等商品
B長く続けられる知恵
[7]
店を売る
『商品』と同じでタイミングが大切
女性の結婚と同じで,値のつくうちに見切りをつける
『孫,子の代まで...』の感覚が,斜陽を止められない
a コンテンツ―――店が商品
老舗の知恵
早く起きよ
小額の客を大切に
返してきたら売るときより丁寧にせよ
儲けたらますます倹約せよ
開店のときを忘れるな
同業が近くに出来たら懇意にし互いに励め
支店を出したら3年間は米を送れ
土地にほれよ
商売にほれよ
妻にほれよ
五つの蓄積 信用・資本・奉仕・人・取引先
b コンテンツ―――老舗看板が商品
江戸時代
273年間 の間の経済成長率は 2% 。
c コンテンツ―――低成長率のもの
商人の理想
京都に仕入れの本拠を持って,江戸に販売する店を持つこと
江戸に進出 始めは一間半の間口の店
実際,狭い方が品物がたくさんあるように見える
d コンテンツ―――2.7m
[8]
前だれ商法
前掛けは江戸中期に水茶屋の茶汲み女がお客の前へ出るとき
ぼろ隠しように用いたのが始まり
お客第一は心底からのものでした
e コンテンツ―――ユニホーム
行商の心
江戸時代の商人の多くは、もともと地方の農民出身で
行商から身を起こした
始めは自家消費の残りを売って歩き、やがて土地の産物を買って
他国へ売りに行き,さらに資本と商売の経験をつむにつれ
店持ち商人となり,そして全国を相手にする大商人も出てきた
f コンテンツ―――商売アップモデル
お客様は神様です
大福帳を仏壇の中におさめ,朝夕拝んだ商人がたくさんいた
お客様こそ生きた福の神
g コンテンツ―――神頼み商売
雨が降ったら傘をさせ
傘商法 : 広げたり縮め足り,時節に応じて商売の仕方を変える
扇子商法 : いざという時の為にたくわえておくこと
h コンテンツ―――海水浴場の売店
許されなかった
江戸時代も商売の失敗はたくさんあった
自己責任で最後まで債務の弁済をした
もし弁済できない時は,残余資産の没収と苦役とところばらいの刑を受け
他国でしか再起できなかった
i コンテンツ―――リスクを教える商売
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