第3回 公開講座 終了リポート

これからのビジネスモデルについて

 

日 時  平成12年6月27日(火)午後6:30〜8:30

会 場  梅田東学習ルーム 3F−A

主 催  関西交流大学:経営学部 社長学科

講 師  金澤 浩司



これからのビジネスモデル  アナログ ⇔ デジタル
 

T.ビジネスモデルとは?
 ズバリ!『収益を上げる仕組み』

 (1)今後の有望とされるビジネス

    "3コウ"(今後の成長が期待)

  ・健康(ケンコウ)(含、介護・福祉)
  ・学校(ガッコウ)         
  ・旅行(リョコウ)

  ●体験・体感できるものにお金を使う
  ●パーソナルな時代とも言えるのでは
  ●お金を払って『サービスを買う』時代

 (2)ずぼら産業の確立

    世の中便利になった ⇒ 贅沢癖、怠け癖が身についている=

    ずぼらビジネスの需要有り
    ・高齢化社会
    ・共稼ぎ夫婦の増加


 

U.ネットが創るビジネスモデル

  ネットオークション=インターネットの代表ではないか


 (1)自分で組み立てる

    従来のモデルがダメなら → 新しいモデルを創る(考える)
    ・Iインターネットをかましていく
    ・「安く仕入れる仕組み」の創造(含、情報・人材)

       但し、Webで全てが完結(解決)しない
                 ↓
       あくまでも「ポータル」である
                 ↓
       最終的には、『フェースtoフェース』


 (2)中抜き

    卸、商社、問屋 ⇒ いずれなくなるのでは?
                 ↓
            もしくは、物流、フォローのみを担当するであろう

サプライヤー供 給 ⇔ ユーザー需 要 にわかれる
サプライヤー側=メーカーの代理店ではダメ!

   複数のものを扱う(含、他社製品)

   販売代理店 → 購買代理店へ
         ‖
       エージェント=お客様にとって一番良いものを購入

 (3)ネットで変わるビジネスモデル

    必要な時に必要なだけの小口での受発注が出来る(後記資料1参照)

 (4)ネットはダイレクトモデル

    簡単にとらえて出来ることから始めるインターネット(後記資料2参照)

    検索コストに手間もかかるもの ⇒ ネットビジネスにもってこいである

    ・従来の流通チャネルで無いものを新しいチャネルとして捕らえる
               ‖
         チェーン店を誘致する価値有り

※ ビジネスにおける拠点とはなにも"コンビニ"だけではない
   ex)ガソリンスタンド、新聞販売店、クリーニング店、等考えられる。



 

ビジネスモデル特許  〜そのメリットと可能性〜


T.ビジネスモデル特許とは何か?
今、なぜ、こんなに注目されるのか?

1.ビジネスモデル特許は概念がまだ曖昧なまま
  従来、"特許"というと世界的に見ても"技術特許"が中心だった
  ビジネスのやり方というのは単なる人間の取り決めであり、            
  こうしたものは、特許の範疇から外されていた。                   
  しかし、インターネットやコンピューターを組み合せることで、 
  画期的なビジネスアイデアになりうる世に中になり、                 
  しかも、同じような方法を使えば、誰でも同じようなことができてしまう。
  そこで、ビジネスモデルが発明として認められ、特許になり得るようになった。

  (米国)ビジネスのやり方そのものが特許として認められる場合有り
  アメリカではビジネスのやり方そのものが特許として認められるケースがあ
  (日本)あくまでも、IT技術を組入れたビジネスアイデアのみに
  ビジネスモデル特許の概念は、まだ曖昧なのが実情である。
  一方、現段階の日本では、あくまでIT技術を組み入れた    
  ビジネスアイデアでないと特許として認められていない。 
  今後、ビジネスモデル特許の概念がどのように                    
  着地していくか成り行きに大いに注目していく必要がある。

  このようにビジネスモデル特許自体が大きな話題になっているのは
  概念がまだ定まっていないことが最大の理由といえる。
  2.ITをベースとしたモデルなら取得は必須                      
  ここでアメリカにおける代表的な取得例として挙げられる
  プライスライン・ドット・コム社を例にとり紹介する。
  同社は、ネット上で商取引に採用している『逆オークション』。
  航空券やホテルなどを予約・販売するシステムだが、
  通常のオークションだと売り手側がまず条件を提示するのに対し、
  逆オークションでは買い手側が買い入れ条件を提示できる。
  しかし、この考え方は、ネット以外では過去にも存在していた。
  では、なぜ、特許として認められたかというと、
  インターネットに結びつけたアイデアの新規性、
  更に取引処理の迅速さが評価されたといわれている。

  よって、ビジネスモデル特許におけるキーワードとして
  「発明」、「新規性」、「進歩性」、以外に、『IT技術を使ったビジネス』
  処理の迅速さ』、『真似される可能性が高い』
  具体的なヒントがうかがえる。

U.ビジネスモデル特許取得のメリットとは?

1.競合の特許侵害から守ってくれる
  ネットビジネスは小資本で始められるだけにモデル自体が
  最大の"資産"であり、
  仮に、大手企業が特許侵害しても大きな効力を発揮してくれる強い味方である。

2.企業力、信用力のアップにつながる
  特許取得=企業の力(企業価値)を公に認めてくれることでもあり
  最近では、特許を担保に銀行が融資してくれる動きもでてきた。
  時代は"工業化社会"→ "情報化社会"= 知的財産の重要性

3.対外的なPR効果が期待できる
  特許取得 → 新聞、雑誌等でピックアップ = 積極的な宣伝活動


 

V.注意点及びまとめ

1.アイデアレベルではなくきちんとビジネスモデルになっているか
  当たり前だがビジネスモデル特許といっても、
  どんなものでも特許になる訳ではない
  特許は、あくまでも「発明」。先に記したような「新規性」「進歩性」が
キーワードまた、単なるアイデアレベルではダメ。
  ビジネスモデルとしてきちんと落とし込まれていることが最低限求められる。

2.日本ではIT関連の技術を組み入れておくことが必須と言える
  アメリカでは、ビジネスのやり方そのものが特許になるケースもあるが、
  日本では、現段階、コンピューター・ソフトウェア関連発明に
  基づいて審査が行われる。
  したがって、IT技術を組み入れておくことが必須と言える。
  また、海外移住者がターゲットになる場合はその国においても検討の余地有り。

3.特許をめぐる動向に注意を払え
  ビジネスモデル特許については、今後、国際的な同意などで、
  環境が変化する可能性が大いにある。
  別記記載の関連サイト等で十分に注意を払うことが重要である。



 

(資料1)

社名
特許内容
取得年月

富士ソフト
ABC
ウェブメール(フリーメール)のシステム及び方法
99年1月

ガーラ
チャット上でのリアルタイムの有害語排除システム及び方法

99年7月
凸版印刷
地図情報サイトに広告を表示するシステム及び方法

99年3月
NEC
公営協議や宝くじの当選番号など各種情報を利用者の指定時間に携帯端末に通知する方法 

住友銀行
入金社ごとに個別の専用講座を設け、入金講座サービスを簡便にする方法 

99年2月
NTT
電話投票システム「テレゴング」

 
96年10月
ソニー
テレビゲームの背景に実在の企業や商品の広告を一定期間表示し、新たな広告に切り替えていく手法

 
米国特許


(資料2)

ビジネスモデル特許関連サイト
弁理士会 http://www.jpaa.or.jp/
  弁理士の紹介や、弁理士による無料相談の情報など。
  弁理士に上手に依頼する7つのポイントも掲載。

特許庁  http://www.jpo-miti.go.jp/
  知的財産権に関するすべての情報が集約。
  特許電子図書館で事前調査が出来るようになった。

知的財産権用語辞典 http://www.furutani.co.jp/
  古谷国際特許事務所が運営する特許、著作権、商標などに
  関する法律用語を解説したサイト。

潟Gー・アンド・ディー http://www.netpreneur.ne.jp/
  特許に関するコンサルティングを行う企業のサイト。
  米国へのビジネス特許出願には定評有り。


(付 録)日本の特許庁の見解

  特許は技術的なアイデアを創り出したものに与えられるのが基本です。
  何らかの技術的な工夫が無いと発明としては認められません。
  もともと、商売の方法は、特許の対象にはならないものですが、
  コンピューターやネットワークを用いたものは特許の対象となり得ます。
  ビジネスモデル特許も、アイデア自体に特許を認めているわけではなく
  IT技術を使っていかにアイデアを実現させたか
  ということがポイントになるということです。

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